[Bio-Process] Polishing Process of mAb purification [2020/02/01]

Polishing (高度精製)

目的

  • 一般的な高度精製は、陰イオンと陽イオン交換クロマトグラフィで行われる
  • それでも十分な精製度が得られない場合、疏水やマルチモーダルの担体が用いられる
  • 基本的なレジンとその条件設定が確定できれば、レジンの粒径を小さくすることで、ピークの分離は向上する

考慮事項

  • 抗体の場合は、プラットフォーム精製が存在する
    1. Protein A (Binding/Elution)
    2. AEX (Flow-through )
    3. CEX (Binding/Elution)
    4. Virus Filtration
    5. UF/DF (バッファ交換/濃縮)
    6. 添加剤添加
    7. 分注保管
  • 研究初期段階で、抗体以外のレアなタンパク質の精製の場合
    • AECまたはCEXでCapturing工程として精製する
    • その場合、バッファ交換が必要ない条件設定を構築した方が良い。以後の追加精製が楽になる
      • Conductivityは、容易に低くすることができないため、低いconductivityで回収できれば、続く精製工程の手間が省略できる
      • 後のpH調整で簡単に調整可能であり、pH調整によるconductivityの変化は少ないため、pHは問わない。
      • リン酸を含まないバッファで回収できれば、Polishingに使用するハイドロキシアパタイトでの精製に使える
    • Polishingのクロマトは、ハイドロキシアパタイトが推奨できる。
      • pHは5.5以上(でないと、レジンが溶ける)
      • アルカリ側は、Resinは安定
      • リン酸を含まない、あるいは、低い(~5mM)でないと吸着できないタンパク質もある。前工程で緩衝液の組成は、この工程に備えて考慮しておく
      • NaCl濃度で溶出されるタンパク質やリン酸で溶出されるタンパク質など、マルチモーダルな条件設定が可能
      • Endotoxinは、分子が色々あるため、パス画分にも、溶出画分にも現れる
      • 精製戦略としては、パス画分に目的タンパク質をパスさせないこと、目的タンパク質が溶出する直前の洗浄条件を求めること、目的タンパク質が溶出できる最小条件を求めること、である。

GE Healthcare HiPrep™ IEX FF 16/10 Columns, Fisher Scientific –

https://www.fishersci.fi/shop/products/ge-healthcare-hiprep-iex-ff-16-10-columns-2/10607855

関連記事(タンパク質質精製)

Post Views: 265 遺伝子導入装置 バイオ医薬品の目的タンパク質をコードする遺伝子を産生細胞株に注入する装置。その操作の後、導入できた細胞のセレクション → クローニングへと進む。 MaxCyte ExPER…
Post Views: 284 AKTA Ready System Flow Kitというシングルユースの配管キットを装置する方式のクロマト装置である。配管の洗浄が必要なく、バイオロジクスのCMOでは汎用されている。 ク…
Post Views: 183 処理目的 得られたサンプルは、in vitro, in vivo試験で評価するために、除菌ろ過を行い、無菌状態にする 考慮事項 膜面積 サンプルの状態 (プレフィルターの必要性) 処理時の…
Post Views: 181 UF/DF工程 目的物資の安定な電気伝導度とpHに組成を変更することを目的とします。 ラボシステムとして、Sartorius StedimのVIVA FLOW 200を以下に示します。 F…
Post Views: 192 Polishing (高度精製) 目的 一般的な高度精製は、陰イオンと陽イオン交換クロマトグラフィで行われる それでも十分な精製度が得られない場合、疏水やマルチモーダルの担体が用いられる …
Post Views: 185 Bio-Process Low pH Virus Inactivation Process 低pH処理によるウイルス不活化は、pHの調整後は静的な保管条件が維持されるため、基本的にはプロセ…
Page: 1 2

ランダム表示(Bio)

Post Views: 176 Protein A 抗体のFc領域に強い結合親和性を持つStaphylococcus aureus protein Aを一般にProtein Aと呼んでいる。ここでは、Pront…
Post Views: 186 Q : バイオロジクスにおけるイオン交換クロマトとの意義は? A : イオン交換クロマトグラフィは、タンパク質の精製の基本です。特に陰イオン交換クロマトグラフィでは、発熱性物質(endot…
Post Views: 173 産総研・研究グループ https://unit.aist.go.jp/bmd/gr/index.html グループ内容 編集履歴 2020/02/10, Mr.HARIKIRI2024/0…
Post Views: 208 抗体 抗体の精製の場合、バッファ組成を調整しないで次工程に進むことも多い rAAV 次工程のAffinityクロマトグラフィにロードするために緩衝液の組成を調整すると共に、溶液体積の縮小化…
バイオロジクス(バイオ医薬品)の製造工程の最初のステップである動物細胞の培養には、殆どにおいて、シングル・ユーズ・バイオリアクター (SUB)が使用される。多数の大手メーカーが、使い捨てバッグを含めてSUB製品を提供しており競争は厳しい。今後も競争を激化していく大手メーカーをリストアップした。
Post Views: 251 記事へのリンクのみ 新型コロナウイルスの特許について、現状を踏まえて概説している記事です。特許の学習として実務的に参考になります。 SARS-CoV-2 Coronavirus and p…
Page: 1 2 88