はじめに
目次
- はじめに
- この記事の結論
- 再生医療等製品とは何か
- GMPとGCTPの関係
- GCTP省令とは何か(2ページ)
- GCTP適合性調査とは何か(2ページ)
- GQP省令とは何か(2ページ)
- GMP・GCTP・GQPの違い(2ページ)
- 製造販売業者と製造業者を分けて考えることが重要(2ページ)
- 市場出荷判定はGQP側の重要業務(3ページ)
- 品質取決めと委託先管理も重要(3ページ)
- GVPとの連携も必要(3ページ)
- GPSP・使用成績評価も関係する(3ページ)
- 条件及び期限付承認後に注意すべきこと(3ページ)
- 実務上の体制イメージ(3ページ)
- まとめ(4ページ)
- 注意点・例外(4ページ)
- 参考文献・出典(4ページ)
- 用語集(4ページ)
- 参考文献・出典(5ページ)
- 日本・米国・EUにおける再生医療等製品関連GxPの比較表(5ページ)
- 製造管理・品質管理GxPの比較(5ページ)
- GQP相当の品質保証体制の比較(6ページ)
- 市販後安全管理・市販後調査の比較(6ページ)
- 早期承認・条件付き制度の比較(6ページ)
- 日本・米国・EUの違いを一言で整理(6ページ)
- 注意点・例外(6ページ)
- 参考文献・出典(7ページ)
iPS細胞由来製品、体性幹細胞加工製品、免疫細胞加工製品、遺伝子治療用製品などは、薬機法上の「再生医療等製品」として扱われます。
再生医療等製品では、製造所における製造管理・品質管理について、医薬品GMP省令ではなく、GCTP省令が適用されます。
ここで誤解しやすいのが、GMPとGCTPの関係です。
再生医療等製品では、制度上、「GMPにGCTPを加味する」というよりも、再生医療等製品の製造管理・品質管理基準としてGCTP省令に基づく体制を構築すると表現する方が正確です。
ただし、GCTPはGMPと無関係ではありません。GCTPには、製造管理、品質管理、文書・記録管理、逸脱管理、変更管理、教育訓練、自己点検、バリデーション、品質リスクマネジメントなど、GMPと共通する品質システムの考え方が多く含まれています。
そのため、実務上は、GMP的な品質保証の考え方を踏まえながら、再生医療等製品の特性を反映したGCTP体制を整備すると理解するとよいでしょう。
さらに重要なのは、GCTPが適用されるからといって、製造販売業者のGQP体制が不要になるわけではないという点です。
結論として、再生医療等製品でも、製造販売業者にはGQP省令に基づく品質管理体制が必要です。

この記事の結論
再生医療等製品の品質・安全性管理は、次のように整理すると理解しやすくなります。
| 領域 | 主な対象 | 適用される基準 |
|---|---|---|
| 医薬品・医薬部外品の製造所における製造管理・品質管理 | 医薬品等の製造業者、製造所 | GMP省令 |
| 再生医療等製品の製造所における製造管理・品質管理 | 再生医療等製品の製造業者、外国製造業者、製造所 | GCTP省令 |
| 製造販売業者の品質管理・品質保証 | 製造販売業者 | GQP省令 |
| 製造販売後安全管理 | 製造販売業者 | GVP省令 |
| 製造販売後調査・使用成績調査等 | 製造販売業者 | 再生医療等製品GPSP省令 |
GMPとGCTPは、どちらも製造所側の製造管理・品質管理基準ですが、対象となる製品区分が異なります。
医薬品ではGMP省令、再生医療等製品ではGCTP省令が対応する基準になります。
一方、GQPは製造販売業者の品質管理基準、GVPは製造販売後安全管理、GPSPは製造販売後調査・使用成績評価に関係する基準です。
つまり、GCTPは製造所側の基準、GQPは製造販売業者側の基準であり、両者は代替関係ではありません。
再生医療等製品とは何か
再生医療等製品は、薬機法上、医薬品や医療機器とは別に位置づけられた製品区分です。
代表的には、以下のようなものが含まれます。
| 分類 | 例 |
|---|---|
| 細胞加工製品 | iPS細胞由来製品、体性幹細胞加工製品、免疫細胞加工製品など |
| 組織加工製品 | 培養表皮、培養軟骨など |
| 遺伝子治療用製品 | ウイルスベクター製品、遺伝子導入細胞製品など |
注意が必要なのは、薬機法上の「再生医療等製品」と、再生医療等安全性確保法に基づいて医療機関で実施される「再生医療」は、制度上の位置づけが異なるという点です。
本記事で扱うのは、薬機法上の再生医療等製品を製造販売する場合のGMP・GCTP・GQP・GVP・GPSPの整理です。
GMPとGCTPの関係
医薬品では、製造所における製造管理・品質管理についてGMP省令が適用されます。
一方、再生医療等製品では、製造所における製造管理・品質管理についてGCTP省令が適用されます。
したがって、再生医療等製品については、制度上、GMP省令を基本にしてGCTPを上乗せするという構造ではありません。
製造所管理の主たる基準としては、再生医療等製品の特性に応じたGCTP省令が適用されます。
| 製品区分 | 製造所の製造管理・品質管理基準 | 実務上の理解 |
|---|---|---|
| 医薬品・医薬部外品 | GMP省令 | 医薬品等の製造管理・品質管理基準 |
| 医療機器・体外診断用医薬品 | QMS省令 | 医療機器等の品質マネジメント基準 |
| 再生医療等製品 | GCTP省令 | 再生医療等製品の特性を踏まえた製造管理・品質管理基準 |
ただし、GCTPはGMPと共通する考え方を多く持っています。
たとえば、次のような考え方は、GMPとGCTPの双方で重要です。
| 共通する品質システムの考え方 | 内容 |
|---|---|
| 製造管理 | 手順に従って一貫した製造を行う |
| 品質管理 | 試験検査、規格適合性、記録確認を行う |
| 文書・記録管理 | 手順書、製造記録、試験記録を管理する |
| 逸脱管理 | 手順や規格からの逸脱を評価し、是正する |
| 変更管理 | 工程、設備、原材料、試験法等の変更影響を評価する |
| 教育訓練 | 職員に必要な教育訓練を行う |
| 自己点検 | 体制や運用状況を定期的に確認する |
| バリデーション | 工程や方法が期待どおり機能することを確認する |
| 品質リスクマネジメント | 品質リスクを評価し、適切に管理する |
このため、実務上は、GMPの経験や品質保証の考え方を活かしながら、再生医療等製品に特有の管理項目をGCTP体制として組み込むことになります。
言い換えると、再生医療等製品で必要なのは、**「GMPにGCTPを加味した体制」ではなく、「GMP的な品質システムの考え方を踏まえたGCTP体制」**です。
この違いは細かいようですが、制度理解としては重要です。
「GMPにGCTPを加味する」と表現すると、GMPが主でGCTPが補足であるように読めます。しかし、再生医療等製品の製造所管理では、主たる基準はGCTP省令です。
コメントを残す