iPS細胞などの再生医療等製品にもGQP体制は必要か?GMP・GCTP・GQP・GVP・GPSPの違いを整理する[2026/06/03]

参考文献・出典


再生医療等製品に係るGxPは、日本・米国・EUでかなり整理の仕方が異なります
特に大きな違いは、日本は「GCTP」という再生医療等製品専用の製造管理・品質管理省令を持つのに対し、米国はHCT/PのCGTPと、生物製剤としてのcGMPを組み合わせる構造EUはATMPを医薬品の一類型として扱い、ATMP専用GMPガイドラインで管理する構造になっている点です。


日本・米国・EUにおける再生医療等製品関連GxPの比較表

項目日本米国EU
主な製品分類再生医療等製品HCT/P、細胞・遺伝子治療製品、生物製剤ATMP:Advanced Therapy Medicinal Product
法制度上の考え方薬機法上、医薬品・医療機器とは別に「再生医療等製品」として区分361 HCT/Pと351 HCT/P・生物製剤で規制の重さが異なるATMPは医薬品規制の枠内にある特殊な製品群
製造所の主なGxPGCTP省令CGTP:21 CFR Part 1271、加えて生物製剤ではcGMP等EU GMP、特にATMP専用GMPガイドライン
GMPとの関係医薬品GMPではなく、再生医療等製品にはGCTPが主基準HCT/PではCGTP、治療目的の細胞・遺伝子治療製品ではcGMP・生物製剤規制も関係GMPの中にATMP専用の枠組みがある
製造販売業者・承認保有者の品質管理GQP省令が適用日本型の「GQP省令」はない。BLA/IND、cGMP、品質システム、FDA査察等で管理MAH、QP、GMP、PQS、バリエーション管理等で管理
市販後安全管理GVP省令FDAの有害事象報告、REMS、postmarketing requirements等EU GVP、RMP、PSUR/PBRER、ATMP特有の安全性・有効性フォローアップ
製造販売後調査GPSP省令、使用成績調査、条件及び期限付承認後の評価postmarketing studies/requirements、real-world evidence、accelerated approval後の確認試験等PASS、PAES、RMP、ATMPの安全性・有効性フォローアップ
条件付き・早期承認制度条件及び期限付承認制度RMAT、accelerated approval等。ただしRMATは承認そのものではなく開発促進指定Conditional marketing authorisation、approval under exceptional circumstances、PRIME等
医療機関内での例外的使用薬機法上の製品とは別に、再生医療等安全性確保法の枠組みがある361 HCT/Pでは市販前承認不要の場合があるが、要件を外れると351製品として規制Hospital Exemptionがあるが、加盟国管理かつATMP特有の例外制度
特徴的な違いGCTP・GQP・GVP・GPSPが比較的明確に分かれるHCT/P、biologics、drug/device combinationの分類で適用規制が大きく変わるATMPを医薬品GMP体系の中で扱い、ATMP専用GMPとRMPを重視

PMDAは、日本の再生医療等製品について、薬機法上の製品区分として説明しており、GMP/QMS/GCTP適合性調査では、医薬品等はGMP、医療機器等はQMS、再生医療等製品はGCTPという形で製造所管理基準が整理されています。


製造管理・品質管理GxPの比較

項目日本:GCTP米国:CGTP / cGMPEU:ATMP GMP
主な名称GCTPCGTP、cGMPGMP specific to ATMPs
主な対象再生医療等製品の製造所HCT/P製造施設、細胞・遺伝子治療製品製造施設、生物製剤製造施設ATMP製造施設
法的位置づけ再生医療等製品専用の省令21 CFR Part 1271のCGTP、必要に応じて21 CFR 210/211、600番台、生物製剤規制EudraLex Volume 4のATMP専用GMPガイドライン
管理の中心製造管理、品質管理、無菌性、ドナー管理、トレーサビリティHCT/Pでは感染症伝播防止、ドナー適格性、汚染防止。治療製品ではcGMP・CMCが重要ATMPの特性に合わせたGMP、リスクベース管理、QPによるバッチ認証
日本との大きな違いGCTPという独立した専用省令がある「再生医療等製品GCTP」に相当する単一制度ではなく、HCT/P分類と生物製剤規制の組合せGCTPという名称ではなく、GMPのATMP専用枠組みとして整理

米国では、HCT/Pに対して21 CFR Part 1271のCurrent Good Tissue Practice、いわゆるCGTPが定められています。CGTPは、HCT/Pによる感染症の導入・伝播・拡散を防ぐことを目的に、ドナー適格性、汚染防止、製造時の管理などを求めるものです。
一方、遺伝子治療製品などの治療用製品では、IND/BLAのCMC情報、製品の安全性・同一性・品質・純度・力価などの説明が重要になります。

EUでは、ATMPに特化したGMPガイドラインがEuropean Commissionから公表されており、ATMPの特性に合わせたGMPとして運用されます。


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