VHH抗体・ナノボディとは:次世代抗体作製サービスの概要
VHH抗体は、ナノボディ、シングルドメイン抗体、sdAbとも呼ばれる小型の抗体断片です。ラマ、ラクダ、アルパカなどのラクダ科動物が持つ重鎖抗体に由来し、通常の抗体よりも非常に小さいことが特徴です。
一般的なIgG抗体が約150〜160 kDaであるのに対し、VHH抗体は約12〜15 kDaと小型です。そのため、組織への浸透性、安定性、発現のしやすさなどの面で利点があります。

VHH抗体の主な特徴
VHH抗体は、通常の抗体に比べて構造が単純で、軽鎖を持たず、単一の可変ドメインで抗原に結合します。特にCDR3領域が長いことから、通常の抗体ではアクセスしにくい抗原部位にも結合できる可能性があります。
また、大腸菌などの微生物発現系で作製しやすく、scFvやFabのようにVHとVLをリンカーで連結する必要がありません。さらに、高温などの厳しい条件でも比較的安定である点も、研究用途や診断用途で有用です。
抗体作製の方法
VHH抗体の探索には、主にファージディスプレイ法が用いられます。これは、バクテリオファージの表面に抗体断片を提示し、目的抗原に結合する候補をスクリーニングする方法です。
ライブラリーには、抗原で免疫した動物由来の免疫ライブラリーと、免疫していない動物や健常者由来のナイーブライブラリーがあります。免疫ライブラリーは高親和性抗体を得やすい一方、抗原ごとに作製が必要です。ナイーブライブラリーは自己抗原などにも対応しやすい反面、親和性成熟が必要になる場合があります。
受託サービスの内容
バイオロジカのページでは、Creative Biolabs、ProteoGenix、KMD BioscienceなどのCROによるVHH抗体作製受託サービスが紹介されています。対応範囲には、抗原設計、ライブラリー構築、スクリーニング、特性評価、ヒト化、二重特異性化、コンジュゲーション、発現・精製、スケールアップなどが含まれます。
代表的なワークフローは、プロジェクト計画、抗原デザイン、ライブラリー構築とスクリーニング、候補抗体の評価、抗体エンジニアリング、発現・精製という流れです。
研究開発での活用例
VHH抗体は、基礎研究、診断薬、バイオアッセイ、膜タンパク質解析、血液脳関門関連研究、抗体医薬品候補の探索などに利用可能です。小型で安定性が高いことから、従来抗体では難しいターゲットへの応用も期待されています。
【根拠】
リンク先では、VHH抗体がラクダ科動物の重鎖抗体由来であり、12〜15 kDa程度の小型抗体断片であること、またファージディスプレイ、免疫ライブラリー、ナイーブライブラリー、親和性成熟、CRO別サービス比較、作製ワークフローが説明されています。
【注意点・例外】
ページ内の価格・納期は参考情報とされており、実際にはプロジェクト内容、抗原の難易度、必要な評価項目により変動します。医薬品開発用途に使う場合は、研究用試薬レベルの作製と、GMP・CMC・規制対応が必要な開発品用途を分けて考える必要があります。専門的な開発判断には、抗体工学、CMC、薬事の専門家に確認が必要です。
【出典】
https://www.biologica.co.jp/products-service/custom-antibody/single-domain/
https://www.creative-biolabs.com/
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