iPS細胞などの再生医療等製品にもGQP体制は必要か?GMP・GCTP・GQP・GVP・GPSPの違いを整理する[2026/06/03]

GQP相当の品質保証体制の比較

項目日本米国EU
名称GQP日本のGQPに相当する独立名称は通常使わない日本のGQPに相当する独立名称は通常使わない
主体製造販売業者Sponsor、Applicant、BLA holder、manufacturer等MAH、Manufacturer、Qualified Person等
主な機能市場出荷、製造業者管理、品質情報、品質不良、回収CMC、cGMP、FDA査察、BLA/IND管理、品質システム、回収等GMP、PQS、QP release、MAH責任、variation管理、recall等
日本との違いGQP省令として明確に制度化品質保証機能はあるが、「GQP省令」という独立カテゴリーではないMAH/QP/GMP/PQSの組合せで品質保証機能を担う

日本では、再生医療等製品にもGQP省令が適用され、製造販売業者の品質管理体制が明確に求められます。
一方、米国・EUにも品質保証責任は当然ありますが、日本のように「GQP省令」という名称で独立して整理されているわけではありません。米国ではIND/BLA、cGMP、FDA査察、品質システム等の枠組みで、EUではMAH、QP、PQS、GMP、variation管理等の枠組みで品質保証が構成されます。


市販後安全管理・市販後調査の比較

項目日本米国EU
安全管理GxPGVP省令FDAの有害事象報告、REMS、postmarketing requirements等EU GVP
市販後調査GPSP省令postmarketing study、postmarketing requirement、real-world evidence等PASS、PAES、RMP
再生医療等製品で重視される点条件及び期限付承認後の使用成績評価、安全性情報収集長期フォローアップ、遅発性リスク、確認試験、RWERMP、安全性・有効性フォローアップ、長期追跡
特徴GVPとGPSPが制度上分かれている製品特性・承認経路に応じて市販後要件が設定されるATMP特有の安全性・有効性フォローアップガイドラインがある

EUでは、ATMPについて、通常のGVPに加えて、安全性・有効性フォローアップとリスクマネジメントに関するATMP特有のガイドラインがあります。このガイドラインは、ATMPの承認後の有効性・副作用フォローアップ、リスク管理に関する考え方を扱います。


早期承認・条件付き制度の比較

項目日本米国EU
主な制度条件及び期限付承認RMAT、accelerated approval、breakthrough等Conditional Marketing Authorisation、PRIME、approval under exceptional circumstances等
再生医療等製品との関係再生医療等製品で特徴的に使われる制度RMATは再生医療治療の開発促進指定。承認そのものではないATMPにも条件付き承認、PRIME等が関係し得る
承認後の重要点使用成績評価、追加データ、通常承認・再審査への対応確認試験、RWE、安全性追跡、postmarketing commitmentRMP、PASS/PAES、追加データ、risk minimisation
注意点「早期に販売できる制度」だけでなく、承認後評価が重要RMAT指定は開発促進であり、承認基準を下げるものではないHospital Exemptionと中央承認ATMPを混同しない

米国のRMAT指定は、IND提出時またはIND amendmentとして申請する開発促進制度であり、承認そのものではありません。
EUでは、ATMPは遺伝子治療薬、体細胞治療薬、組織工学製品などに分類され、EMAのATMP関連ページで分類や開発支援の枠組みが整理されています。


日本・米国・EUの違いを一言で整理

地域一言でいうと
日本再生医療等製品を独立した製品区分として扱い、製造所はGCTP、製造販売業者はGQP/GVP/GPSPで整理する
米国HCT/Pか、生物製剤・細胞遺伝子治療製品かで規制経路が大きく変わり、CGTPとcGMPの組合せで考える
EUATMPを医薬品規制の枠内で扱い、ATMP専用GMP、MAH/QP、RMP、GVPで管理する

注意点・例外

米国では、同じ細胞・組織由来製品でも、361 HCT/Pとして扱われるか、351 HCT/P・生物製剤として扱われるかで規制要件が大きく変わります。EUでは、中央承認ATMPとHospital Exemptionを混同しないことが重要です。日本でも、薬機法上の再生医療等製品と、再生医療等安全性確保法に基づく医療機関での再生医療は別制度です。

個別製品の国際開発・申請戦略では、分類判断、CMC、GMP/GCTP/CGTP/ATMP GMP、GCP、GLP、GVP、市販後調査、長期フォローアップの扱いが製品ごとに変わります。専門家に確認が必要です。

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