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  • [Bio-Edu]腫瘍溶解性ウイルスの発見と体内における免疫系の活性化について – ID12670

    [Bio-Edu]腫瘍溶解性ウイルスの発見と体内における免疫系の活性化について – ID12670

    はじめに

    英文の参考1(2017)を元に、周辺情報も含めてまとめました。

    脳腫瘍

    脳を形作る細胞 (神経組織 : Nervous tissue)

    • ニューロンとグリアの比率は、1:10
    • ニューロン : nerve cells (neurons)
      • 神経伝達の主役
      • 分裂しないためDNA変異の機会がなく腫瘍化しない
    • グリア細胞 (glia): 星細胞 (star-shaped astocytes)
      • 増殖能を有しており、癌化すれば脳腫瘍の主役となる(gliomas)
      • 空間を作るために存在しているのみではなく、ニューロンを動かすエネルギーを供給している
      • その数は、ニューロンよりはるかに多い
      • アインシュタイの脳の大きさは有名ですが、ある研究機関の調査では、ニューロンの数は健常人と変わらないものの、グリア細胞の数が多いという調査結果を出したらと聞いたことがあります(個人的知識)

    腫瘍溶解性の発見

    • マンハッタンの医師ウィリアム・ゴーリー (ゴーリーの毒素: Coley’s toxins)
      • 皮膚に感染した連鎖球菌による感染症で首の腫瘍が溶けることを発見(19世紀末)

    ウイルスの免疫系との接触と免疫系

    1. 病原体(pathogen)は、抗原提示細胞(antigen-presenting cell : sentinel)、マクロファージ、樹状細胞(dendritic cell)に遭遇 (sentinelにも感染)
    2. pathogenは、これら細胞の表面にあるtoll-like receptor (TLR)に結合(ちなみに、TLRはRNAにも結合する)、この記事では、この細胞が腫瘍細胞であることを想定している。
    3. TLRは細胞内にシグナル(danger signal,etc.)を発信
    4. 好中球(neutrophils)は、抗ウイルス物質(補体系のタンパク質、コレクチン、インターフェロン)を放出
    5. やって来たT cell (T細胞)が、更にインターフェロンを放出する(腫瘍細胞を殺す)と共に、B cell (B細胞)を活性化

    ポリオウイルスによる腫瘍攻略を試みた最初の事例

    医者であるMatthias Gromeierは、再発性神経膠腫をポリ王位するで治療することを考えた。

    • ポリオウイルス (改良されたSabin-Rhinovirus)ワクチン: PVSRIPO (病原性を示さないウイルス株)
    • Neuronには感染しない
    • 再発性神経膠腫には感染する (神経膠腫細胞には、CD155が多く発現している)
    • 野生型のポリオウイルスは、霊長類の脳幹と脊髄のNeuronにのみ感染し、1~2%の確率で「弛緩性麻痺」を起こす。感染のための細胞表面の受容体(receptor)は、CD155。

    特許技術へと進展

    2017/08/03、Dr. Gromeierらによる「ヒト腫瘍の腫瘍溶解性ポリオウイルス」: OncPoの特許を取得 、とありますが、この記事を介している今現在(2020/3)の段階で、その技術の成果がどうなっていの情報は、まだ、持っていません。今後、調査します。

    参考1
    Poliovirus To Treat Brain Cancer: A Curious Chronology , Ricki Lewis PhD – PROL BLOG – より

    https://blogs.plos.org/dnascience/2017/09/28/poliovirus-to-treat-brain-cancer-a-curious-chronology/

    以上

  • [Synology] ITセキュリティ – ランサムウェア対策は,マルチバージョン・バックアップやスナップショットが良いと言われている – Synology NASに当てはめてみた  [2020/03/28]

    [Synology] ITセキュリティ – ランサムウェア対策は,マルチバージョン・バックアップやスナップショットが良いと言われている – Synology NASに当てはめてみた [2020/03/28]

    マルチバージョン・バックアップ

    ランサムウェアに対する最大の防御は、最大限の危機管理としてのマルチバージョン・バックアップが当然に有効的です。

    もしも、ランサムウェアに感染して重要なデータから締め出された場合、バックアップから復元できれば、その損害は、最小限に抑えることができます。

    しかし、個人的でそこまでできませんよね。

    マルチバージョン・バックアップとは、バックアップの方法・ツールを変えたバックアップ手法です。その中でもスナップショットは、結構有効のようなので、以下、調査してその有効性の理解とバックアップの仕方についてまとめました。

    設定するマシンは、「DS918+」です。

    DS918+は、CPU:Celeron 4 core, 読み書きともに高速、ハードウェア暗号化、4ベイを拡張ユニットDX517 (5ベイ)により9ベイまでHDDを追加可能。

    ランサムウェア

    暗号化ベースのランサムウェア

    私も正に、データを人質に取られて身代金を要求されたたという、卑近な事例を知っています。

    • CryptoWall
    • CryptoLocker
    • TorrentLocker

    暗号化対象

    世界で普及しているOSであれば、ランサムウェアは必ず存在しています。Windows然り、Linux系然りです。

    • PC内臓ドライブ
    • ネットワーク ドライブ

    ランサムウェアの感染・発症の経過

    ランサムウェア(Ransamware)の一連の挙動

    1. SPAMメール受信
    2. 添付ファイルの開封 → 脆弱性を探索する攻撃ツールに感染
    3. 攻撃ツールがランサムウェア配信サーバに接続
    4. ランサムウェアをダウンロード
    5. ランサムウェアの実行
    6. ファイルやフォルダの暗号化

    対策

    予防対策

    予防対策とは、セキュリティソフトによる予防になります。セキュリティソフトは、ランサムウェアなどウイルス、マルウェアの検知を主たる機能としています。

    その検知方式は2つあり,ウイルスよりも高度にプログラムされているランサムウェアには,「パターンファイル」による検知では検出率は低いため、「ふるまい検知」が効果的であると言われています.

    • ウイルスパターンファイル
      • たいていのウイルスソフトでは、この方式を使用しています。
      • DS918+には、Antivirus by McAfeeが提供されています。
    • ふるまい検知
      • Synology NASには、ふるまい検知の機能を有するパッケージは最強されていまん。
      • Synology Router RT2600acには、「Threat Prevention」というパケットの内容での「ふるまい検知」機能が提供されています。

    参考1
    CYBER SECURITYより
    blog~ランサムウェア対策

    https://www.cybersecurity.co.jp/

    予防で食い止められなかった時の復旧対策

    マルチバージョン・バックアップ

    Synology(参考2)は、PCのデータの復旧対策として、マルチバージョン・バックアップを提案しています。この提案は、費用がかかる提案であって、個人では、なかなかてを出せません。

    • PCのデータ
      • Cloudにバックアップ
        • 暗号化したデータでuploadする
      • NASにバックアップ
        • ローカルやVPN内の他のNASにバックアップする
      • NASの拡張ユニットにバックアップ
        • DS918+などでは、拡張ユニットが提供されている
      • オフラインでバックアップ
        • バックアップしたHDDやテープを物理的に保管する

    参考2
    暗号化ベースのランサムウェアからの防御

    https://www.synology.com/ja-jp/solution/ransomware

    スナップショット

    CYBER SECURITYのblog(参考1)は、スナップショットを提案しています。スナップショットは、短い間隔のバックアップを繰り返します。

    バックアップ対象は、変更のあったファイルなので、フルバックアップとは異なり必要なディスクスペースは少なくて済みます。

    blogの提案では、スナップショットの保管先は、別のアクセス権限にすることが示されています。

    Synology NAS

    Hyper BackupとSnapshot Replicationをパッケージセンターから追加

    Synology NASには、パッケージセンターからフルバックアップとスナップショット機能をインストールして追加できます。

    • Hyper Backup
    • Snapshot Replication

    外付けHDDの接続

    • 独立電源スイッチ付きの4スロットHDDケース

    構築

    フルバックアップとスナップショット及び「独立電源スイッチ付きの4スロットHDDケース」を組み合わせて、バックアップを運用すれば、マルチバージョン・バックアップに近い復旧対策になります。

    フルバックアップとスナップショットの併用で、マルチバージョン・バックアップへより近づけるためには、以下の考慮事項も必要になりますが、運用しながら必要に応じて構築を進めます。

    バックアップ・パッケージのインストールと運用

    [Synology] NAS (DS918+/DS920+)の バックアップを考える – システム構成は「Hyper Backup」、「Snapshot Replication」および「Synology Drive」- Smartプラグによる外付けHDDケース電源の管理によるセキュリティ向上、最後にシステムコンフィグレーション /クラウドバックアップ,Active Backup for Bisunessの設定も追記 [2023/11/15][2025/03/18]追記]

    [Synology] NAS (DS918+/DS920+)の バックアップを考える – システム構成は「Hyper Backup」、「Snapshot Replication」および「Synology Drive」- Smartプラグによる外付けHDDケース電源の管理によるセキュリティ向上、最後にシステムコンフィグレーション /クラウドバックアップ,Active Backup for Bisunessの設定も追記 [2023/11/15][2025/03/18]追記] はコメントを受け付けていません

    [WordPress] ブロガーになる(1) – WordPressのコード修正に必要なWindows用エディター「EmEditor」とWordPressのバックアップ

    [WordPress] ブロガーになる(1) – WordPressのコード修正に必要なWindows用エディター「EmEditor」とWordPressのバックアップ はコメントを受け付けていません

    考慮事項

    フルバックアップとスナップショットが同時にランサムウェアの餌食にならないようにすること

    1. 外付けHDDユニット(個別スイッチのあるHDDケース)を接続して、Synology NASのHyper Backupでバックアップ設定を構築する
    2. パックアップしたい時に、外付けHDDの必要なHDDの電源を投入する。定期的に実行されるバックアップは、HDDが接続されていれば、バックアップを実行する。実行後、アンマウントする設定にしておく。

    編集履歴

    2020/03/28 はりきり(Mr)

  • [Gear] ネームランド i-ma; ラベルライター 「すごもりグッズ」今までやれなかった事をこの機に始めよう – ID12589 [2020/03/27]

    [Gear] ネームランド i-ma; ラベルライター 「すごもりグッズ」今までやれなかった事をこの機に始めよう – ID12589 [2020/03/27]

    カシオ – ラベルライター・ネームランド i-ma

    カシオのラベルライター・ネームランド i-maをAUのポイントで購入しました。5日程度で届きました。

    以下、i-maのレビューをお届けます。

    COVID-19、これから長引きそうですね。もう、仕事や家事のパフォーマンスが落ちることは諦めた方が合理的な判断ではないですか。

    それで、我が家では、「すごもり」を想定して、我が家を少し豊かにしようと、ラベルライターを購入しました。これまでやれなかった家の中の整頓を始めますよ。

    現時点で、Amazonよりも安価なので、AUポイントをお持ちなら、この機会に使ってみてはどうでしょうか。私も今回初めてAUポイントを使いました。

    付属テープ

    • NAME LAND TAPE CARTRIDGE, 9mm White お試しテープ(4m), XR-9WE4, 黒文字/白テープ
    • NAME LAND TAPE CARTRIDGE, 9mm スタンダードテープ(8m), XR-9X, 黒文字/透明テープ
    • NAME LAND TAPE CARTRIDGE, 12mm スタンダードテープ(8m), XR-12WE, 黒文字/白テープ

    外観

    右上の出っ張りは、テープカッターのレバー(左の図)。電源アダプターは、左に端子があります(左の図)。単3電池4本(右の図)/アダプターの2電源対応です。

    縦型で色もホワイトなので、置き場所を選びませんし、スタイリッシュで、どこにおいてもマッチすると思います。

    テープのセット

    右横にPUSHとある印を押しながらカバーを開ける

    取説

    本体の底には、QRコードがあり、ここから取説サイトに飛べます。

    iPhoneアプリ

    KL-SP10で検索すればすぐに出てきます。

    • 本体の電源をON
    • スマホ・アプリから接続
    • ラベル作成
    • 印刷

    早速、裸族にラベル

    以下、HDDケースにラベルを貼ったところです

    編集履歴

    2020/03/27 はりきり(Mr)

  • [健康] 白内障 – 術後(体験) – 1週間後の経過を診て点眼液の変更 – ID12577

    [健康] 白内障 – 術後(体験) – 1週間後の経過を診て点眼液の変更 – ID12577

    術後の検診

    術後(左目は11日目、右目は9日目)の検診では、術後退院前の時点より、視力が出てきました(解説1)が、眼圧が38と高かったため、原因と考えられる副腎皮質ホルモン点眼液を中止して、弱い点眼液に変更する事になりました。

    • 右目 0.9 (矯正)
    • 左目 0.7 (矯正)
    • 矯正とは、レンズなどで最大限度、近視の場合は遠くを見ることができる状態にすること。
    編集履歴
    2020/03/27 はりきり(Mr)

    術後から約10日後までの点眼

    薬剤名効能機能参考備考
    レボフロキサンシン・点眼液・1.5%朝・昼・夕最近感染予防広範囲抗菌点眼剤KEGG継続
    ベタメタゾンリン酸エステル・0.1%点眼朝・昼・夕手術後の炎症を和らげる眼科、耳鼻科用合成副腎皮質ホルモン製剤KEGG3/27で中止
    ブロナック点眼液0.1%朝・夕手術後の炎症を和らげる非ステロイド性抗炎症点眼剤KEGG継続

    術後、約10日後から新たに開始する点眼

    薬剤名効能機能参考備考
    フルメトロン点眼液0.1%朝・夕炎症を抑える抗炎症ステロイド水性懸濁点眼剤KEGGベタメタゾンの代わりに使用開始
    コソプト配合点眼液朝・夕眼圧を下げる炭酸脱水酵素阻害剤/β-遮断剤配合剤, 緑内障・高眼圧症治療剤KEGG新規
    グラナテック点眼液0.4%朝・夕眼圧を下げるRhoキナーゼ阻害薬, 緑内障・高眼圧症治療剤KEGG新規

    解説

    解説1:レンズの安定化

    視力の安定について、ドクターに質問したところ、その機序は以下の通りの説明でした。
    水晶体を除去して残った水晶体嚢(すいしょうたいのう、以下、袋という)に人工レンズを挿入していますが、最初は、袋の中でレンズが多少動くため安定せず視力が安定しない。時間が経ってくると、袋がレンズに密着(癒着という)することで、レンズの位置は安定する。

    以上

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  • 気になる企業 – SIRION BIOTECH – ID12564 [2020/07/06]

    気になる企業 – SIRION BIOTECH – ID12564 [2020/07/06]

    ID12564

    SIRION BIOTECH GmbH

    Office

    • Planegg, Germany (HQ), 2005年設立,1-12月(financial year)
    • Cambridge, MA, US
    • Clichy, France

    Finance

    • 主たる収益 : サービスとライセンス
    • 2019 : サービスとライセンス収入は,$11.2 m(約11.2億円/1~12月)

    Viral Vector Service

    • 包括的ウイルスベクターサービス
      • Lentivirus
      • Adenovirus
      • AAV
    • Vector Materials (cGMP)
      • 1e15 vg of AAV
      • 1e10 infection units of Lentivirus

    知的財産

    • 10の臨床試験にSirionの技術が採用されている.そのうちの1つは2019年に市場承認を得ている
    • LentiBOOST(TM)

    Plasmid製造サービス

    3つのOptimize

    1. 転写

    目的組織での効果的な発現に、Promoter, Enhamcerのデザイン

    • Promoter
    • Enhancer

    2. 形質導入

    Capsideのミューテーションなどの改変

    • Capside

    3. 抗原性

    抗原性の低減化

    • Immunogenecity

    SIRION BIOTECH

    Any gene to any cell
    in vivo AAV, stable Lentivirus, transient Adenovirus

    https://www.sirion-biotech.com

    adenovirusベースのガンワクチン

    SIRION社が持っているadenovirusをvectorに使ったがん治療薬の原理です。同社のライセスを使って開発しているがん治療薬の論文から。

    • adenovirusベース
    • 2種類のgeneをパック
      1. VLV (virus like vaccine): ERV (endogenous retrovirus)。ERVはヒトの内在性ウイルスでゲノムの8%を占めています。通常細胞では不活性状態ですが、いくつかのガンで検出されます。
      2. 目的タンパク質
    • 免疫の賦活化対象をERVと目的タンパク質の両方に向ける戦略

    Congratulations to partner InProTher on their published article discussing the potential of #adenovirus to target endogenous retroviruses (ERVs) and help fight diseases including #cancer. Our licensing agreement with InProTher includes coverage of SIRION’s adenovirus technologies to cancer #vaccines encoding ERV-derived antigens for active #immunotherapy. https://bit.ly/2Zn4d72 #viralvectors

    Figure 2
    Illustration of the immune responses elicited by adenovirus based virus-like-vaccine (VLV) vaccination encoding endogenous retroviral (ERV) genes. 
    (1)
     Vaccination with the adenoviral vector (Ad) encoding GAG and ENV genes, ideally harbouring mutations in the immunosuppressive domain (ISD) of ENV, is injected.
    (2)
     At the site of injection Ad directly infects professional antigen presenting cells (APCs) and releases the transgene into the recipient cell nucleus. (3)
     In the nucleus, the viral DNA codes for both viral and transgene proteins. Following their production, the fate of these proteins can be: 
    (4)
     release of virus-like-particles (VLP)s to stimulate B-cells in an antigen structure dependent way; 
    (5)
     uptake by APCs for endosomal degradation, presentation on major histocompatibility complex class II molecules (MHC-II), or 
    (6)
     degradation in the proteasome (directly or after uptake) for presentation on major histocompatibility complex class I molecules (MHC-I) 
    (7)
     stimulation of CD4+ T-cells and subsequent B-cell stimulation, and stimulation of CD8+ T-cells.

    2920/03/25

  • 気になる企業 – Oxgene™️ (Oxford Genetics LTD) – LentivirusのPCL/rAAV高生産できるHEK293細胞株/PCLの構築手順 – ID12556 [2020/11/22]

    気になる企業 – Oxgene™️ (Oxford Genetics LTD) – LentivirusのPCL/rAAV高生産できるHEK293細胞株/PCLの構築手順 – ID12556 [2020/11/22]

    Oxgene™️

    • Headquarter : San Francisco (HQ), Ca United States source linke
    • Oxgene™️は、Lentivirusに注力するOxford Genetics社の技術ブランドです。その中心的技術は、
    • FaceBookの投稿から、以下の5領域が強みのようです。
      • / Our new packaging and producer cell lines for #scalable #lentiviral manufacture of new #celltherapies.
        (細胞治療としてLentiviralのスケーラブルなのPCL)
      • / An innovative new technology for scalable #AAV production that we hope will completely change the way #genetherapies are manufactured.
        (革新的なAAVのスケーラプルな製造技術)
      • / A mammalian display #antibodydiscovery platform that self-labels when antibodies bind to the target membrane protein
        (哺乳動物細胞による膜タンパク質に結合する抗体があれば自己標識する探索プラットフォーム)
      • / How we’ve adapted our #CRISPR engineering workflow to reliably edit #iPSCs
        (多機能幹細胞を編集する最適化されたCRISPRエンジニアリング・ワークフロー)
      • / How our proprietary in house laboratory information management system is keeping us on track, and keeping our partners informed, in real time.
        (社内の実験情報マネジメント・システムは、情報をリアルタイムに提供する)
    • その他、AAV5を高産生するHEK293細胞株を、GMPでセルバンク化しています。この細胞株は、他の血清型のAAVやレンチウイルスでも高生産性が得られる。
    • OXGENE has developed a novel CHO-based mammalian display antibody technology targeting membrane proteins. 

    Oxgene™️ by Oxford Genetics LTD

    https://www.oxgene.com/

    ショートヒストリー

    A Short History of Gene Therapies – News MEDICAL LIFE SCIENCES –

    https://www.news-medical.net/whitepaper/20200601/A-Short-History-of-Gene-Therapies.aspx

    生産細胞株

    Lentivirus

    Lentivirus生産株として、GOI plasmidを除くCell Line (Packaging Cell Line)を持っている (Lenti packaging cell line) source

    • 浮遊系細胞であるHEK293
    • 目的遺伝子を導入したProducer Cell Lineの作成にも使用可能
    • Develop and characterisation of cGMP-compliant stable packaging cell line for inducible lentiviral vector production PDF source link
    • source link

    Developing lentiviral packaging and producer cell lines

    合計3のブラスミドを導入する。2つをトランスフェクションの時点でPackaging cell line, 最後のGOIを導入した時点でProducer cell lineという。

    • Step 1 (Design and optimize)
      • VSV-G, Gag/Polのデザインと最適化
      • Plasmid取得
      • HEK293細胞へのトランスフェクション
    • Step 2 (single cell sort)
      • 安定プール細胞をソーティング(50~60/96 well plates
      • 拡大培養とクローンのモニタリング (自動化装置)
    • Step 3 (10クローン選択)
      • クローン選択
        • growth kinetics
        • VSV-G and Gag/Pol 導入
        • 誘導なしの拡大培養
        • 500~600クローンから40~50選択(トランスジーンを含む)
        • 10クローン選択 (lentiviral生産)
    • Step 4 (Top clone選択)
      • 拡大培養
      • 培養のCharacterize and Optimize
      • lentiviral生産の条件
      • growth profile
      • VSV-G and Gag/Pol コピー数
      • 適する培地、トランスフェクションにおける細胞濃度、トランスフェクション試薬、添加剤
    • Step 5 (final pre-packaging cell line取得)
      • 試験
        • stability
      • further rounds of cell line development
      • Cell banking
    • Step 6 (GOIデザインと最適化とpackaging cell lineへのトランスフェクション)
      • Rev (packaging cell lines), Gene of interest (GOI)のデザイン
      • Transfect to pre-packaging cell line)
      • 安定プール株の選択
    • Step 7 (Single cell sort)
      • 20-30 clones to 96 well plates
      • expand
      • monitor clone growth
    • Step 8 (スクリーニング to 300~400 clones)
      • growth kinetics
      • Rev and or GOI integration
      • lentiviral production
    • Step 9 (Top 10 selection)
      • further expand
      • characterize
      • optimize growth
      • transfection/induction condition
      • growth profile
      • VSV-G
      • Gag/Pol
      • Rev and/or GOI copy number
      • Supplementation
      • if neccessary, goto step 6 as a allternative route to develop producer cell lines from lentiviral packaging cell lines
    • Step 10
      • Select final packaging and producer cell line(s)
    • Step 11 (process development)
      • optimize growth
        • packaging cell line
        • producer cell line
      • transfection conditions
        • packaging cell line
        • improve final titer
      • transfection-free
        • producer cell line

    Developing lentiviral packaging and producer cell lines, 2020/11

    https://www.regmednet.com/infographics/developing-lentiviral-packaging-and-producer-cell-lines/?utm_campaign=RegMedNet&utm_content=146236346&utm_medium=social&utm_source=linkedin&hss_channel=lcp-11529313

    CRISPER技術

    CRISPR関連の技術を有する1)

    • Cell line engineering
    • CRISPR screening
    • Cas9 engineering

    AAVシステム

    • 優れたAAVシステムを持っている
    • HEK293細胞
      • AAV産生 に最適なクローンの設定を完了している
    • CHO細胞を用いている
    • FUJIFILM Diosynth Biotechにライセンスを提供している

    CRISPRとは、

    • CRISPR-Cas9(clustered regularly interspaced short palindromic repeats / CRISPR associated proteins)
    • DNA二本鎖の任意の位置を切断(Double Strand Breaks=DSBs)し、新たに遺伝子を挿入したり、遺伝子を置換・削除できる遺伝子改変技術。
    • 2013年に報告されたCRISPR-Cas技術は、ZFN、TALENに続く第3世代のゲノム編集ツールである
    • 標的遺伝子の変更、複数遺伝子のターゲットが容易
    • 現在、哺乳類細胞ばかりではなく、細菌、寄生生物、ゼブラフィッシュ、など細胞や生物種において、そのゲノム編集利用されている。
    • CRISPR-Cas9システムは、細菌や古細菌においてウイルスやプラスミドといった遺伝的要素の侵入物を標的し、排除するよう進化した適応免疫の一つ
    1)

    CRISPR – Libraries and screening

    2)

    CRISPR-Cas9の情報

    DNA二本鎖を切断してゲノム配列の任意の場所を削除、置換、挿入することができる新しい遺伝子改変技術特集:CRISPR-Cas9 とは – コスモバイオ – より

    https://www.cosmobio.co.jp/product/detail/crispr-cas.asp?entry_id=14354
    3)

    FUJIFILM Diothynth Biotechnologies社との提携

    Fujifilm Diothynth Biotechnologies (FDB)社はOxford Genetics社のOxgene独自のAAVシステム(遺伝子治療関連)のライセンスを受けており、FDBの製造サイトでは顧客に対してサービスを提供している

    遺伝子治療の分野で、FUJIFILM Diothynth Biotechnologies社との戦略的パートナー契約を結んだ (2020/04) – OXGENEサイト – より

    https://www.oxgene.com/News-and-Events/News/2020/04/FDB-partners-with-OXGENE
    4) Celebrating 40 Years

    Live and let live: the remarkable story of HEK293 cells in April’s Human Gene Therapy – Oxgene より

    HEK細胞(E1遺伝子がインテグレートされている)でのみ増殖できるアデノウイルス(E1遺伝子を欠く)のグラハム(Graham, 1973~)の研究 – E1遺伝子は、E1遺伝子がHEK293細胞とE1遺伝子を欠いたアデノウイルスとに、完全に切り分けできていないため、重複する領域が存在する。そのことで、相同組換えが起こり、そのアデノウイルスは、E1を獲得して野生型となっていまう問題があるることがわかりました。1999年の臨床試験では10代の肝臓関連の患者が死亡しました。2016年には、アデノウイルスは、腫瘍溶解による癌治療として使用されています。遺伝子補充療法分野では、AAVとレンチウイルスベクターが使用されるようになりました。
    現在の遺伝子補充療法分野での課題は、スケーラプルな製造方法です。現状では、遺伝子治療にはね200万ドル以上かかると試算されます。OXGENEでは、HEK293細胞を技術の中心にして、AAV5などを効率的的に生産できるように研究をしています。(1)メディア、(2)AAV作成が高いHEK293細胞のクローニング、(3)その他のAAVやレンチウイルスでも高い生産性を示しました。この細胞株をGMPによるセルバンクとすることができました。

    https://www.liebertpub.com/doi/10.1089/hum.2020.29116.oxg
    5)

    Achieving High-Yield Production of Functional AAV5 Gene Delivery Vectors via Fedbatch in an Insect Cell-One Baculovirus Sytstem (2019) – Methods & Clinical Development – より

    https://www.cell.com/molecular-therapy-family/methods/pdf/S2329-0501(19)30020-8.pdf
    6)

    Scalable Production of AAV Vectors in Orbitally Shaken HEK293 Cells (2018) – Methods & Clinical Development -より

    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6305802/#!po=26.7045
    7)

    Manufacturing of viral vetors for gene therapy: part I. Upstream processing (2014) – Pharm. Bioprocess -より

    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6305802/#!po=26.7045

    関連記事

    Post Views: 632 Oxgene™️ Oxgene™️ by Oxford Genetics LTD https://www.oxgene.com/ ショートヒストリー A Short History of …
    ジュジェンヌ型筋ジストロフィーの治療薬の研究として、AAVを活用したゲノム編集型遺伝子治療研究の文献を概説し、既に市販されているアンチセンス核酸医薬品の作用機序などを示して、筋ジストロフィーという希少疾患を知る。
    Post Views: 302 CRISPR CRISPRは,clustered regularly interspaced short palindromic repeatの略号です. 京都大学より CRISPRとはC…
    2020/03/25 はりきり(Mr)
    2020/05/24 追記 (ウイルスを高生産するHEK293細胞株)
    2020/09/16 追記 (5つの主たる強み)
    2020/11/22 追記 (lentivirusのPLCの作り方)
  • 気になる企業 – Thermo Fisher – QIAGEN社の買収断念(TOB失敗) – ID11357 [2020/08/13]

    気になる企業 – Thermo Fisher – QIAGEN社の買収断念(TOB失敗) – ID11357 [2020/08/13]

    ThermoFisher Scientific

    会社概要

    • 買収にひた走りバイオロジクスの関連分野(試薬からCDMO、SCM)のワンストップ化を目指している
    • 2019年の売り上げは、約2.6兆円
    • 75,000人/global
    • グループ会社
      • Patheon (mAb manufacturing)
      • Brammer (rAAV vector Gene Therapy manufacturing)
      • Applied Biosystems
      • Finesse (Bioreactor control system, 2017)

    イベント

    買収にひた走る

    • 2020/03 QIAGEN社(ドイツ)の買収案承認
    • 2020/08 QIAGEN社株主が買収案を拒否(COVID-19関連需要好調のため)

    ThermoFisher Scientificは、2019年初頭にBrammer Bioの買収を完了(17億ドル)している。更に、年末には、90M USDでCDMOサイトをマサチューセッツ州レキシントンに完成し、主要なウイルスベクターについてCDMOサービスを事業に追加した。

    Brammer

    • 2016/03/31, Florida Bilogix (フロリダ大学からのスピンオフ、開発、初期臨床で10年の実績)とBrammer Bio pharmaceuticalsが合併
    • 機関投資家はAmpersamd Capital Parners

    ケンブリッジ

    マサチューセッツ州

    • $9,000m
    • レキシントン(Lexington)施設: Brammerオフィス
    • 50,000ft2
    • 200人規模
    • GMP
    • ウイルスベクター開発・製造
    • テスト
    • 製造

    フロリダ州

    • アラチュア(Alachua)の施設の増強中(2020年に完成予定)
      • ~2017 : クリニカル能力の倍増
      • ~2018 : プロセス開発、分析開発、QC
      • Virus Vector Servicesのフットプリントが58%増加
      • 倉庫の増設
      • 80,000 ft2
      • 100人(2016年)→250人(2019年)

    USA内での能力は

    • 施設 : 15
    • >2,500人

    Thermo Fisher Scientificがマサチューセッツ州に9,000万ドルのウイルスベクター製造サイトを開設

    https://www.prnewswire.com/news-releases/thermo-fisher-scientific-opens-90-million-viral-vector-manufacturing-site-in-massachusetts-300968837.html

    Thermo Fisher opens $90M viral vector manufacturing plant in Massachusetts – BIOPHARMA DIVE

    https://www.biopharmadive.com/news/thermo-fisher-90-million-viral-vector-manufacturing-massachusetts/568450/

    編集履歴

    2020/03/23 Mr.HARIKIRI
  • [健康] 白内障 – 術後合併症 (まとめ) – 前嚢収縮、後発白内障、レンズの偏位・脱臼、IOL混濁 – ID12495 [2020/05/09]

    [健康] 白内障 – 術後合併症 (まとめ) – 前嚢収縮、後発白内障、レンズの偏位・脱臼、IOL混濁 – ID12495 [2020/05/09]

    白内障手術

    白内障の手術は、水晶体を人工の眼内レンズ (intraocular lens : IOL)に置き換えることで行います。切開する部位は、黒目と白目の境界部分を2mm程度の大きさで、3カ所切開し、水晶体を砕いて吸い出した後、折り畳んだ合成樹脂製の人工レンズを挿入し、水晶体を包んでいた水晶体嚢の内側で広げて固定します。固定は、支持部と呼ばれる羽状の部分が水晶体嚢内を支えます。

    レンズについて

    レンズの種類

    文献2から拝借しました。色々な形のものがあります。

    図1. 眼内レンズの色々

    レンズの素材

    昔は、硬いアクリル樹脂のPMMA (ポリメタクリル酸メチル樹脂; Polymethyl methacrylate)使われていました。次にシリコン、最近では、折り畳める柔らかいアクリル樹脂(PMMA2やPMMA3などと呼ばれている)が使われてるようになり、手術時の切開は小さくできるようになりました。

    レンズの構造

    丸い部分がレンズ部(工学部)です(図1)。2つの羽は支持部と言います。レンズ部と支持部が同じ素材でできているものと、異なる素材でできているものがあります。

    白内障手術後の合併症

    参考文献1をもとに合併症について以下にレビューしました。

    視界が眩しく感じる 青く見える

    加齢の場合の白内障では、水晶体が黄色に着色していることで、術前では赤っぽく見えています。無色透明の人工レンズに置き換えることで、眩しく見えたり、青く見えたりしますが、それは正常であり、慣れてきます(文献6)。

    コロコロする クシャクシャする

    白内障手術では、白目と黒目の間に手術用の穴を3箇所あけているため、その傷がなおるまでは、症状が続きます。時間とともに改善します(文献6)。

    一過性眼圧上昇

    白内障が高度に進行していたり、もともと緑内障やぶどう膜炎がある場合など、術後に眼圧が上がる方がいるようです(文献6)。

    (私の場合も、術後の直後から、1週間後まで、眼圧が32~38mmHgと高い状態でした。途中、ステロイド剤の変更と、眼圧を下げる点眼液を追加しました)

    飛蚊症 (硝子体混濁)

    手術によりよく見えるようになったことで、気になることがあります。ただし、別の要因で飛蚊症が増えることもあるため、医師の診断を受ける必要があるとのことです(文献6)。

    前嚢収縮

    症状

    • 前嚢収縮とは、切開した部分の白濁により、円状に視野の狭窄が進む。
    • 術後3ヶ月以内で進行することが多い
    • なり易い持病
      • 落屑症候群
      • 網膜色素変性症
      • 糖尿病
    • 原因は、水晶体上皮細胞(lens epithelial cell : LEC)の増殖
    • 専門的には、水晶体上皮細胞は本来、脱核すること、クリスタリン蛋白質をつくることで、透明性を発揮するのですが、前嚢収縮においては、形質転換して間葉系細胞になることで、本来の透明性を発揮できなくなるとのこと。

    治療

    • Nd : YAG (ネオジウム・ヤグ)レーザーによる線維部分の切開。

    後発白内障

    後発白内障は、白内障の治療手術により水晶体を取り除いた後に起こります。水晶体を包んでいる袋にどうしても取り除けず残っていたLECが増殖することが原因です。

    症状

    • 残存したLECの再増殖による再混濁
    • 早期の繊維化もあるが、殆ど長期間をかけて線維化が進む
      • 5年で20%の発症率
    • なり易い持病
      • 糖尿病
      • ぶどう膜炎
      • アトピー性皮膚炎
      • 先天白内障
      • 強度近視
    • IOL工学部エッジをシャープにすると発症率が低下する
    • IOLと後嚢の接着性を高めて予防性を上げる。接着性とは一般的に癒着といいます。

    治療

    • Nd : YAG (ネオジウム・ヤグ)レーザーによる線維部分の切開。
    • 合併症
      • 眼圧上昇(術前点眼で予防)
      • 飛蚊症
      • 網膜剥離
      • 人工レンズのキズ

    後嚢切開術の説明

    https://www.kobe-kaisei.org/patient/introduct/medical/ophthalmology/ophthalmology09/

    眼内レンズ偏位・脱臼

    症状

    • 発生頻度は3%
    • 術後早期では
      • 水晶体嚢破損によるもの
      • Zinn(チン)小帯断裂による固定不良(文献5)
    • 術後3ヶ月移行では
      • IOLが嚢ごと脱臼するケーズが多い
    • なり易い持病
      • 落屑症候群 (文献4)
      • 網膜色素変性症
      • 高度近視
      • 外傷
      • 硝子体手術後の例も散見

    治療

    • 術式は煩雑
      • IOLの摘出
      • 新しいIOLの逢着または、強膜内固定

    眼内レンズ混濁

    症状

    • カルシウム沈着 (親水性IOL工学部にリン酸カルシウム沈着): 著しい視力低下
    • グリスニング (水層分離、生体内の温度変化によるIOLの変質: 疎水性アクリル素材の給水率の変化), 1~10μmの水分子
    • ホワイトニング (sub-surface nano glistening, 水層分離現象と言われる), 100nmの水分子、式のうに対する影響は少ない。

    治療

    • カルシウム沈着: IOL摘出交換
    • グリスニング, ホワイトニング : IOL摘出交換は少ない

    まとめ

    白内障は、高性能な手術機器や眼内レンズが日々開発され、手術自体は15分程度、手術室に入ってからの消毒などの準備を含めると30分程度で完了する、非常に簡便な治療になりました。

    しかし、その後の合併症などもあるため、定期的な検診は必要です。今回、私自身が白内障治療を経験したことを契機に、どのような合併症があるのかについてまとめました。ご参考になれば幸いです。

    以上

    編集履歴

    2020/03/22 はりきり(Mr)
    2020/03/30 追記 (一過性眼圧上昇などの後遺症関連)
    2020/05/09 追記 (まとめ)、文言整備

    関連記事(白内障)

    参考

    文献1

    白内障術後合併症, 松島博之, 日本白内障学会誌 29:65~68, 2017

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/cataract/29/1/29_09-016/_pdf/-char/ja

    文献2

    白内障と白内障手術

    http://www.asahi-net.or.jp/~PD2K-NIM/intraocularlens/

    文献3

    水晶体における創傷治癒とインテグリン発現の変化, 1999-2000, KAKEN
    “アクリル製レンズには他のレンズに比較して、ファイブロネクチンなどの細胞外基質が有意に付着しやすいと報告されており、以前の結果と合わせて考えると細胞外基質が水晶体上皮細胞の線維芽細胞様変化に密接に関わっていることが判明した。“

    https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11771074/

    文献4

    落屑症候群 (らくせつしょうこうぐん, exfoliation syndrome)
    高齢者の水晶体前面や虹彩の瞳孔縁に灰白色のふけ様落屑を生じる原因不明の疾患子ある。ふけ様落屑そのものは視機能に直接の影響を与えないが,落屑症候群患者では難治性の緑内障を伴うことが多い。

    https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1410900095

    文献5

    手術時に「断裂リスク」が…チン小帯が弱る3つの原因とは?
    Zinn小帯に関する文献。毛様体と水晶体嚢を繋いでいる紐状のもの。昔、私が中学生の頃に覚えたのは、「毛様体筋」でした。

    https://webview.isho.jp/journal/detail/abs/10.11477/mf.1410900095

    文献6

    白内障・眼内レンズ手術 – ISHINKAI GROUP – より

    https://www.ocular.net/treatment/cataract/symptom.html

    文献7

    白内障の手術に関する、よくある質問 – 森井眼科医院 – より
    人工レンズの寿命、術後の点眼期間

    https://morii-ganka.jp/operate/cataract/cataract05.html
  • [健康] 白内障 – 術後 – 5日後の経過状態 (体験記) – ID12412 [2020/05/09]

    [健康] 白内障 – 術後 – 5日後の経過状態 (体験記) – ID12412 [2020/05/09]

    はじめに

    体験記です。昔の記憶を辿りながら、白内障手術にいたるまでの今日までの目にまつわる記録、及び、白内障手術後5日後までの状態の経過を記録しました (2020/03/21)。

    なお、白内障手術の記録は、以下の記事をご覧ください。

    前提

    • 20歳代から「角膜変性症」だと言われていたが、治療法は無いと聞かされていたので、放置していた
    • 右目は、15年前に自然(解説1)なかたちで、網膜裂孔を起こして丸い穴が空いたため、穴がこれ以上広がらないようにレーザー固定術を受けている。
    • 網膜裂孔の際、眼底出血もあり、その残骸は硝子体混濁、若しくは、強い飛蚊症として後遺症が残っている。その残骸として、「輪っか状の影」と「ガーゼ状に見えるもの」が浮遊しているのが常時見えるようになった。残骸は、数年掛けて少なくなっていき、次第に視野に居座る確率が低くなり、見えやすくなっている。
    • 左目は、17年前にサッカーボールが真正面からあり、眼底(または眼内)出血して、その残骸が残っている。その時、町医者では網膜裂孔等の異常は無いと言われた。また、15年前の医者の見立てでは、網膜が剥がれる寸前のような状態であって、ラップを綺麗に貼れなかったような歪んだような波打った状態になっているとのこと。その時は、レーザー固定術は実施せず、その数年後に、レーザー固定術を行なっている。
    • 以上、13年前までには、両眼共に網膜剥離予防のために、レーザー固定術を完了している。
    • その後、数年かけて眼内の残骸が少なくなることで見えやすくなっていった後、事務作業での文字を見るに際し、継続的な視力低下を覚えていた。その自覚症状は、PC画面のコントラストが低いと感じこと、紙文書の文字を見る際、目を動かして、眼内に残る残骸を視界からどけながら見るという不自由が増加していったこと、および、白っぽく見える白内障の症状も加わってきた。
    • 以上の見え方に関わる要因は、以下の項目が考えられる
      • 角膜変性症 (点状角膜ジストロフィー)の悪化
      • 飛蚊症の悪化 (基本的には眼内での出血に由来すると考えている)
      • 白内障の進行
    • 霧の中、若しくは、ガーゼが掛かったような見え方に強く関係する要因は、

      「角膜変性」、「硝子体混濁」および「白内障」

      であると推察している
    • 字がにじむ、若しくは、焦点が合わない感覚に強く関係する要因は、

      「眼内の残骸」

      であると推定している。

    白内障手術の術前の見え方

    • 特に逆光では、霧の中、若しくはガーゼが掛かったような見え方をしていました。特に左目は、その具合が強かった。この症状は、左目の白内障の度合いが強かったためです。
    • 視野を邪魔する感覚に対しては、目を左右、又は、上下などに動かしてやると、一瞬視野が確保されるため、その瞬間は、文字がにじまずに、良く見えます。この症状は、眼内出血をしたことがあるため、その残骸が視野を邪魔している(硝子体混濁)ためです。

    術後5日・現在の見え方

    遠くを見る場合

    • 霧の中にいるような見え方は無くなり、鮮明に見えるようになりました。まさに、白っぽい黒ではなく、黒色は黒色に見えます。天然色が戻ってきたという感じです。景色をみ見るのが嬉しい。
    • 車を運転していて、逆光・順光を問わず、見え方の違いの差は少なくなり、よく見えている。

    近くを見る場合

    • 両目共に、「にじむ」、若しくは、「焦点が合わない」。そのため、文字を読みにくい。その具合は、特に左目に強いが、白内障に起因するものではなく「硝子体混濁」が原因であると考えていますが、術前より悪化したように感じられます。
    • 手術するまでは、遠くを見るのと同様に、近くを見る場合でも「霧の中」、若しくは「ガーゼがかかった」(紗がかかった)ような見え方でしたが、それは改善されて、「にじむ」ものの、はっきり見えるようになりました。
    • 右目の「網膜裂孔」に伴う「硝子体混濁」に関わるガーゼ状の浮遊物が、はっきり見えるようになった。

    まとめ

    白内障手術直後の5日後での見え方について記録ました。「安定するまで1ヶ月から3ヶ月かかる」とドクターから言われているので、今後は、その経過を記録したいと思います。この5日後の見え方は、その1ヶ月から3ヶ月の時点での基準となる指標となります。

    以上

    編集履歴

    2020/03/21 はりきり(Mr)
    2020/05/09 文言整備

    解説

    解説1

    網膜裂孔になる原因としては、加齢による生理現象が起因する場合があります。加齢と共に、硝子体は退縮して小さくなっていきます。これは、生理現象です。硝子体と網膜は密着していますが、硝子体が退縮する際、網膜との接合面が、綺麗に分離できればよいのですが、癒着が強い場合には、網膜ごと持っていきます。

    それが網膜裂孔(部分的であれば剥離と言わないらいしい)に繋がります。その接合面は円形であるため、網膜裂孔の後は、輪っか状の飛蚊症が現れることが多いとのことです。

    私の場合は、大きな穴が開くと共に、大した量ではありませんでしたが、出血も伴いました。出血すると、残骸に視野を塞がれるため予後がよくありません。

  • [用語] Brute-Force-Attack [security]

    [用語] Brute-Force-Attack [security]

    Brute-Force-Attack

    Brute-Force-Attack; ネットワークのセキュリティ関連用語。アニメ「ポパイ」のライパル「ブルート」は腕力があり悪者。ネットワークの世界では、力任せな攻撃、総当たり攻撃のことを指す。

    ログイン画面に、UIDとPWを色々と入力して総当たりの攻撃は、Brute-Force-Attackにあたる。