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  • PIC/Sにおける部屋のグレードについて

    PIC/Sにおける部屋のグレードについて

    Grade A

    1. 高リスク作業
    2. 重要区画 (無菌操作ライン,充填区画,施栓,開口状態での一次包装,ファーストエア保護での無菌接続)
    3. 気流保護 (RABS, アイソレータ内一方向気流作業)

    Grade B

    1. 無菌操作
    2. 調製・容器充填
    3. アイソレータを使用しない場合
      • Grade Aのバックグラウンドのクリーンルーム
      • 連続的な差圧モニタリング
    4. アイソレータを使用する場合
      • Grade Bより低い等級のクリーンルームを検討し得る

    Grade C/D

    1. アイソレータを使用しない場合
      • 無菌操作法により容器充填済み
      • 無菌製品の製造
      • 比較的重要でない段階
    2. アイソレータを使用する場合
      • バックグラウンドはクリーンルーム
    3. 最終滅菌法による製品の調製・容器充填の作業

    クリーンルームと重要区画

    1. 微粒子/微生物の拡散/蓄積を最小化するために露出する全ての表面は平滑・不浸透性,且つ破損が無いこと
  • PIC/SとICHの関係性? 役割について簡単な比較

    PIC/SとICHの関係性? 役割について簡単な比較

    PIC/SとICHについて

    PIC/S とICHについてCopilotを活用して比較しました.

    簡単にPIC/SとICHを述べると以下の通りになります.

    1. PIC/Sは,欧州における規制当局が主導してまとめられた原薬及び製剤に関するGMP関連のガイドラインです.
    2. ICHは日米欧が主導して規制の共通化を目指してまとめられた医薬品の開発・申請などに係わるガイドラインです.

    Copilotとの質疑応答:


    Q1 : PIC/S GMPガイドラインについて,主導しているものは誰か,また,ICHとの関係性.

    Copilot : PIC/S GMPガイドラインは、Pharmaceutical Inspection Cooperation Scheme(医薬品査察協同スキーム)によって主導されています。このガイドラインは、医薬品の製造における基本的な品質管理基準を定めています。

    ICH(International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use)との関係性については、PIC/S GMPガイドラインはICHのQ7Aガイドライン(Active Pharmaceutical Ingredients)の基礎となっています。つまり、PIC/S GMPガイドラインはICHの基準を取り入れており、両者は製造基準の国際的な調和を目指しています。


    Q2 : PIC/S GMPとは

    PIC/S GMP(Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme Good Manufacturing Practice)は、医薬品の製造における品質管理基準を定めた国際的なガイドラインです。このガイドラインは、医薬品の安全性と効果を確保するために設けられています。

    PIC/S GMPは、以下のような内容を含んでいます:

    • 序論:ガイドラインの概要や目的。
    • Part I:製剤GMP:医薬品の基本要件。
    • Part II:原薬GMP:医薬品有効成分の基本要件。
    • Annex(付属書):特定の製造プロセスやシステムに関する詳細な基準。

    このガイドラインは、国際的な調和を目指しており、多くの国々が参加しています。日本も2014年にPIC/Sに加盟し、国際的な品質基準に準拠しています。


    Q3 : PIC/S GMPガイドラインとICH GMPガイドラインの関係性

    PIC/S GMPガイドラインとICH GMPガイドラインは、両者ともに製薬業界における製品の品質を確保するための基準ですが、それぞれ異なる背景と目的を持っています。

    PIC/S GMPガイドラインは、Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme(PIC/S)によって策定されたもので、主にヨーロッパ諸国の規制当局が共通の基準を持つことを目的としています。PIC/Sは、製品の品質を確保するための国際的な協力を促進するための組織です。

    一方、ICH GMPガイドラインは、International Council for Harmonisation(ICH)によって策定されたもので、世界中の規制当局が共通の基準を持つことを目的としています。ICHは、製薬業界の国際的な協力を促進し、製品の開発と製造の品質を向上させるための組織です。

    つまり、PIC/S GMPガイドラインはヨーロッパに焦点を当てたものであり、ICH GMPガイドラインは世界的な規制当局に対応したものです。両者は共通の目標を持ちつつも、その適用範囲と背景に違いがあります。


    Q4. PIC/S GMPとIHC GMPのとりまとめ主体は何か?

    PIC/S GMP(Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme Good Manufacturing Practice)は、国際的な薬品製造基準の取りまとめを行うための組織です。この組織は、薬品製造の品質を確保するために、各国の規制当局が協力して作られました。

    一方、IHC GMP(International Harmonization Council Good Manufacturing Practice)は、国際的な製品の品質と安全性を確保するための基準を設定する組織です。この組織は、製品の製造プロセス全体にわたる品質管理を強化することを目指しています。

    どちらの組織も、製品の品質と安全性を確保するために重要な役割を果たしていますが、それぞれ異なる焦点と目的を持っています。


    Q5. PIC/S GMPとICHについて,ヒストリーに関して発足時期やその他イベントについて退避して教えて

    PIC/S GMP (Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme)

    • 発足時期: 1995年に設立されました。これは、1970年に設立されたPharmaceutical Inspection Convention (PIC)を発展させたものです。
    • 背景: PICは、欧州自由貿易連合 (EFTA) によって設立され、医薬品の製造に関する査察の相互承認を目的としていました。しかし、1990年代初頭には、EU法との不整合が問題となり、新たな加盟国を受け入れることが難しくなりました1。そのため、PICと並行してPIC Schemeが設立され、これらが共にPIC/Sとして知られるようになりました。
    • 主な目的: 医薬品の製造に関するGMP (Good Manufacturing Practice) の国際的な調和と、査察当局の品質システムの開発・実施・保守を目指しています。

    ICH (International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use)

    • 発足時期: 1990年に設立されました。
    • 背景: ICHは、アメリカ、ヨーロッパ、日本の規制当局が協力して設立されました。当初は、医薬品の開発に関する技術要件の調和を目的としていましたが、その後、医薬品の品質、安全性、有効性に関する要件の調和にも取り組むようになりました。
    • 主な目的: 医薬品の開発と製造に関する国際的な調和を促進し、医薬品の品質、安全性、有効性を向上させることを目指しています。

    事務連絡 平成24年2月1日 PIC/SのGMPガイドラインを活用 …

    PIC/SのGMPガイドライン

    編集履歴

    2025/02/15 Mrはりきり

  • 再生医療用医薬品~ アクーゴ~ (サンパイオ)

    再生医療用医薬品~ アクーゴ~ (サンパイオ)

    まとめ

    1. 機能性の細胞
    2. 開発番号 : SB623
    3. 2024/7/31に先駆け指定制度のもと条件及び期限付き製造販売承認を取得
    4. サンパイオが開発している脳内移植用の再生医療製品
    5. 細胞の由来 : 健康成人骨髄液由来 肝細胞系乾漆細胞を加工・培養して作製された骨髄由来加工間質系幹細胞 (国際一般名 : バンデフィテムセル)
    6. 脳内の損傷した部位に移植する
    7. 移植部位では,FGF-2が増加し損傷した神経細胞の再生力が増すことで,治療効果が期待される
    8. サンパイオ : 2001年に米国のカリフォルニア州で創業,アンメットニーズが高い中枢神経系領域の疾患を主な研究開発・事業化領域としている.

    編集履歴

    2025/02/14 Mrはりきり

  • PIC/S GMP 英語用語集

    PIC/S GMP 英語用語集

    概要 : general overview

    適応範囲 : scope

    原則 : principle

    医薬品品質システム : pharmaceutical quality system (PQS)

    建物 : premises

    設備 : euqipment

    ユーティリティ : utilities

    人員 : personnel

    特有の技術 : specific technologies

    環境と工程のモニタリング : environmental and process monitoring

    品質管理 : quality control

    用語解説 : glossary

    外部委託作業の管理 : management of outsourced activities

    予防的な保守管理 : preventative maintenance

    清浄化及び消毒 : cleaning and disinfection

    リスクマネジメント : risk management

    無菌製品 : sterile producrts

    アクセス制限バリアシステム : restricted access barrier systems (RABS)

  • [FDA] ある会社/サイトのFDAによる査察実績を調べるにはInspection Classification Database.

    [FDA] ある会社/サイトのFDAによる査察実績を調べるにはInspection Classification Database.

    はじめに

    製造サイトや分析サイトなど,医薬品に係わる製造や品質についてFDAは査察を実施している.日本でもPMDAや都道府県がGMP適合性について検査しているが,今回は,FDAについて以下に述べる.

    US : Inspection Classification Database | FDA

    JP : 品質確保に関する取り組み | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 – 1. GMP/GCTP Annual Report

    EU : Inspections and compliance | EMA annual Report

    PMDAではGMP適合性調査に合格すると合格書が発行されるが,FDAではそのような制度はなく,どのような状態かは,以下の公式ウェブサイトで公開されているので,その記載から類推することになる.

    Inspection Classification Database | FDA : FDAが行った調査結果や査察の詳細が食品,医薬品,医療機器について記載されている (以下,FDA Dashboards – Home).

    FDA Dashboards – Home : FDAの調査結果,コンプライアンスデータが視覚的に表示される.企業名で検索すると属するサイト・リストが出力される.該当するサイトをクリックし,FDA Actions TimelineとInspectionsの結果を確認する.NAI (No Action Indicated)となっていれば,そのサイトは問題ないと分かる.

    その他参考Home

    FDA Warning Letter

    FDAが発行したワーニングレターを閲覧できるサイトを探したが,以下のHomeしか探せていない.

    Warning Letters | FDA : 調査結果に基づいて発行された警告書ゃ改善指示が公開されている.2020年より以降のレコードはFOIリクエストしなければ得られない.

    CDERの活動

    FDA-TRACK: Center for Drug Evaluation and Research Dashboards | FDA : FDAの医薬品評価および研究センターのパフォーマンスを追跡・評価するためのツール.承認プロセスや規制の進捗状況を視覚的に確認することができる.このHomeの序文には以下のように目的が記載されている「FDAの医薬品評価研究センター(CDER)は、研究と発見の初期段階からFDAによる承認、一般市民による広範な使用まで、医薬品開発—のあらゆる側面をサポートしています。CDERは、医薬品の承認前と承認後の両方で、品質、安全性、有効性の確保に努めています。言い換えれば、公衆衛生を保護するための私たちの努力は、私たちが承認する医薬品のライフサイクル全体に広がっています。CDERは、FDA-TRACKを使用して、四半期ごとに、政策と科学の策定、承認前の安全性レビュー、承認後の安全性監視を通じて、このライフサイクル全体にわたる関与を強調するパフォーマンス指標を報告します。」.

    Forms:

    Form FDA 483

    FDAが施設を調査した際に作成される指摘事項などを含む報告書.発行されない場合もある.

    Form FDA 356h

    新薬の承認を申請するためのフォームです。新薬または簡略新薬(ジェネリック医薬品)を人間用に承認する際に使用されます。

    Form FDA 1572

    臨床試験の主要な調査者(Principal Investigator, PI)が責任を持つことを証明するためのフォームです。PIは臨床試験の倫理的かつ科学的な実施に対する責任を負います。

    Form FDA 1571

    Investigational New Drug Application (IND) の一部として、臨床試験の開始をFDAに通知するためのフォームです。これにより、試験薬が人間で試験される前にFDAの承認が得られます。

    Form FDA 2253

    市販後の医薬品や生物製剤の広告および販促資料をFDAに提出するためのフォームです。これは、製薬会社が広告やプロモーション活動が規制に準拠していることを確認するために使用されます。

    Form FDA 483a

    Inspectional Observations(検査観察事項)を記録するための補助的なフォームです。これにより、FDAの検査官が検査中に見つけた問題を詳細に記録できます。

    Form FDA 3983

    DMF (drug master file)を申請時に使用する.

    etc.

    Forms | FDA

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    2025/02/10 Mrはりきり

  • [WP] Mrはりきりのサイト.あれ? アクセス数が少ないし,404 (page note found)の表示が.,おかしくなっていないか?

    [WP] Mrはりきりのサイト.あれ? アクセス数が少ないし,404 (page note found)の表示が.,おかしくなっていないか?

    思えば最近,Ultimate Memberを再導入してからおかしかった.404のヒット数が多いし,アクセス数が結構な勢いで減少していることに気がついていたが,いずれ回復すると楽観していた.対処してみた時に何となくなおった気になって深刻には考えず今日まですごしてきた.追加で何度か日を変えてブラウザで表示させてみたが問題の表示はなかった.

    しかしである.どうやら正常にはなっていなかった.確認してみると,サイト全体がUltimate memberプラグインのデフォルト設定により,「ログイン中のユーザーがアクセスできるサイト」なっていた.これまでは,対処した時にはログインしての作業であったことでサイトの表示は正常に表示されていたようだ.以下,詳細である.

    詳細:

    今日,確認してみたアクセス数(上図)で,実線が直近の4週間.グラフによると1/25からアクセス数が漸減していおり回復していない.

    予測アクセス数は前の期間から推定すると点線に近づくはずだが,今日(2/9)の時点では,0に近い一桁のアクセス数にまで激減していることが分かる.

    いつもメンテナンスに使用しているPCのEdge(wordpressにログインしたまま)でサイトを見てみたが表示される.しかし,アクセスのグラフはサイトが異常であることを如実に示している.このままではいけない!

    不吉な予感があったので,なにげに昔のiPadを取り出してきて,充電し「Mrはりきり」のサイトをアクセスしてみた.404の表示が出た.ん? はやりおかしい.

    そこで,いままでの作業を思い起こしてみた.たぶん,1/20にインストールした「Ultimate Member」が原因の可能性が高い.

    Ultimate Memberの設定->アクセスを確認したところ,「ログイン中のユーザーがアクセスできるサイト」に設定されていた.

    「誰もがアクセスる可能なサイト」に設定しなおした.

    設定が正しいかどうかは,サイトにログインしていないブラウザでアクセスしてみないと判断がつかない.しかし,wordpressにログインした後,ログアウトする方法が分からない.更に,通常使用のEdgeではログインしているので使えない.加えて,前述のiPadのブラウザからは,wordpressにログインしてしまったため,このiPadも使用できない.

    ログインしていないブラウザで確認する必要がある.最近は使用していないChromeをPCから立ち上げて,当サイトを表示してみた.

    OKだ.表示できた.問題ない!

    以上が対応の全てで,アクセスが「普通」になってから3週間とだいぶ経過してしまったが,対策完了となった.

    いつも,当サイトをみてくださっている皆様,長らくお待たせしました.復旧しました.今から閲覧可能です.これらかもよろしくです^^;

    2025/02/09 Mrはりきり

  • [今日の英語] unexplained discrepancy, whether or,を使う

    [今日の英語] unexplained discrepancy, whether or,を使う

    医薬品の製造や品質管理に関する監査者からのコメント。

    There is a failure to throughly review any unexplained discrepancy whether or not the batch has been already distributed.

    翻訳アプリ:

    バッチがすでに配布されているかどうか、原因不明の不一致を完全に確認できません。

    DeepL:

    すでに分配されたバッチであろうとなかろうと、説明のつかない不一致を徹底的に検証することを怠っている。

    there is : 存在している

    failure : 失敗

    → 失敗が存在している

    throughly : 徹底的に

    review : 評価する

    → 徹底的に評価することを失敗している

    unexplained : 未解明

    discrepancy : 不一致

    → 未解明の不一致について徹底的に解明することを失敗している。

    whether of : wether A or BのAが省略されている。略号になっていると考える。→ 「Bであろうとなかろうと」と訳せる。

    the batch has been already distributed : バッチ(製品)がすでに分配(出荷などの意味)されている。

    フル翻訳すると→ バッチがすでに出荷されていようがいまいが、未解明の不一致について徹底的に評価を行うことを怠っている。

  • [医薬品] 肝細胞増殖因子; Hepatocyto Growth Factor [2024/01/08]

    [医薬品] 肝細胞増殖因子; Hepatocyto Growth Factor [2024/01/08]

    HGF

    2024年までは,日本において条件付き承認されたAnges社のCollategeneがありましたが,取り下げています.Collategneは,pDNAにHGFをコードする核酸医薬でした.

    HGFと疾患の関係

    ADとHGFとの関連

    脳に存在する各種の細胞(ニューロン、アストロサイト、ミクログリア、オリゴデンドロサイトなど)では,HGFの発現が確認されている.

    以下の論文では,データベースで初期のアルツハイマー病(AD)のマーカー(Aβ42, pTau, tTau)と脳髄液中の肝細胞増殖因子(HGF)の相関について統計学的に調査しており,その結果,脳髄液HGFの濃度が高いと,ADマーカーが高濃度であり,軽度認知障害(mild cognitive impairment (MCI))の認知機能低下の速度は速いことに関連していた.

    Associations of the cerebrospinal fluid hepatocyte growth factor with Alzheimer’s disease pathology and cognitive function | BMC Neurology | Full Text (2021)

    編集履歴
    2025/01/08 Mrはりきり
  • 今日の英語 行政機関が命じる

    今日の英語 行政機関が命じる

    CDC orders pullback of new scientific papers involving its researchers.

    CDCは、研究者が関与する新しい科学論文の撤回を命じる.

    order : 命じる

  • なぜ円の面積が半径×半径× 3.14なのか。初めて式の組み立て原理を理解できた。あはぁ!

    なぜ円の面積が半径×半径× 3.14なのか。初めて式の組み立て原理を理解できた。あはぁ!

    なぜ円の面積が. 、円の半径×半径× 3.14なのか、その原理について60も過ぎて初め今日理解できた。

    半径×半径は、円の4分の1の扇の面積に近い事は直感的にわかります。次に4分の1の扇の面積に近いこの式を使って円の面積に近い面積を式にすると、半径×半径× 4になります。これでは円の面積としては大きすぎますね。そこで比率の3.14159と言う係数をかけるわけです。半径×半径× 3.14159です。もう少し検証してみましょう。4ではなく2では小さすぎることも図を書いてみればわかります。2と4の間の3位かなぁと言う検討もつきます。これはゆとり教育の時にπを3としていたこともありましたが、あまりにも係数と呼べる程度の精度はありませんでした。だから3.14159なんですね。この数字はある数学者(誰かわからない)が見つけた数字なので暗記するわけです。