[Bio-Edu] 連続生産方式への移行 – ID3366 [2021/10/24]

はじめに

FDAは、バイオロジクス医薬品の製造に関して連続生産の導入を後押しすると言っている。これにより、技術導入によりコスト低減かが進むため、バイオロジクスへの参入障壁はさらに高まるものと考えられる。乗り遅れてはならない。

連続生産

連続生産の導入は、培養ではやりやすいが、精製工程は種類も多く煩雑であるため複雑な問題が残る。Repligne社では、培養での長期間の連続培養は、Perfusion Cell Cultureで可能であるとしており、導入する技術として1つの候補となる。しかし、製造におけるロットまたはバッチの考え方を再定義する必要性が生じる。

Perfusion Cell Culture

https://www.repligen.com/applications/perfusion

そもそも、連続化することで得られるメリットは何か? QDCから、Quality (品質)の安定化、Delivery (単位歩留まり辺りの製造期間)の短縮化、Cost (コンスト)の低減化。

ロット/バッチ

品質試験のまとまりとしての範囲・かたまりをどう定義するかについて、根拠をもとに行わなければならない。特に重要なのは、品質に影響することを十分に確認しておななければならない。

  • 培養工程における細胞の世代数、品質、管理の仕方
  • 精製工程に投入され培養液の品質、管理の仕方

管理の方法は、マニュアル式によるサンプリングでは安定的な管理は難しいと考えられるため、自動化技術(PAT)は必須である。

PAT

連続生産の場合、その時々の工程液の状態を把握すなければならない。人手によるマニュアル式でサンプリングなどはあり得ないので、工程液の測定に関して自動化技術が必須となってくる。

  • 培養
    • デジタル技術によるpH, 電気伝導度、細胞数、培地成分、生産物などのリアルタイム測定が可能なセンサーの導入
  • 精製
    • 連続クロマト装置は既に数社から開発されており、単に連続的なクロマトは実施可能となっている。
    • 複数回のクロマトの溶出画分を1つにまとめてロット管理する場合、途中で止めないという、その連続性を維持するには、品質試験についても自動化技術を使いリアルタイムな品質試験がなされる必要がある。
    • どうしてもプールとミキシングが必要な場合は、その工程の自動化も取りあれる必要があるが、これについても工程と品質試験の自動化を取り入れる
    • 新しい技術を積極的に取り入れる。例えば濃縮工程として、循環をしないSingle Pass TFFシステムを用いた濃縮法が考えられている。

培養関連のセンサー

METTLER TOLEDO製のセンサーについて、連続生産方式による在庫、トレーニングコストの低減化が可能であると述べている。

METTLER TOLEDOのInterigent Sensor Managementと数種類のセンサでは、校正履歴を本体に残せる。医薬品製造では製造記録が必要であり、その記録作業の低減化が施されている。

既存の溶存酸素センサーは、気泡により誤動作する。アンチバブル光学式溶存酸素センサはノイズを除去できる

参考

Pharmaceutical & Biotechnology News 38 ~Perspectives in Liquid Process Analytics~

https://www.mt.com/pro-library-pharma

編集履歴

2020/02/10, MR.HARIKIRI
2021/10/24, 文言整備