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messenger RNAのこと

  • [Vc] 各社が開発したCOVID-19ワクチン情報リンク – [2021/10/08]

    [Vc] 各社が開発したCOVID-19ワクチン情報リンク – [2021/10/08]

    ID30915

    各種タイプ

    最先端の技術で作成されたワクチンは、mRNAタイプウイルスベクタータイプ、です。従来の遺伝子組換え技術で作られたワクチンは、組換え抗原タンパク質ワクチンです。

    今回のCOVID-19のパンデミックでは、図らずも、新技術であり新モダリティであるmRNAワクチンの有用性・有効性が示されることになりました。

    因みに、ウイルスベクタータイプでは、病原性がないウイルスの殻を利用してその中にウイルスではない遺伝子、すなわちワクチンとなる抗原遺伝子を封入している構造となっています。

    実は、このウイルスの殻自体が抗原性を示すため、一般的には、この使用しているウイルスの殻に対する抗体も作られます。これは、ワクチンには関係のない抗体も作られてしまうという懸念です。

    このウイルスベクター技術は、遺伝子治療に応用されていますが、遺伝子治療の場合は、人生の内で数回しか投与されないため、抗原性の問題は少く問題になりません。しかし、季節性のワクチンに対して利用する場合、毎年の投与は、その抗原性の問題があるのでは無いかと考えられます。もしかすると、新しい独自の技術で抗原性を低下させていのかもしれませんが、現状では不明です。

    • mRNA
      • 100μg/投与, 2回4weeks間隔 (Moderna, US)
      • 30μg/投与,2回3weeks間隔 (BioNTech/Pfizer, EU)
    • ウイルスベクター
      • チンパンジー アデノ ウイルスベクター (AstraZeneca, GB)
        • インドではCOVISHIELD (TM)として使用されている
      • Human Ad26ウイルスベクター (J&J, US)
      • Human Ad26ウイルスベクター (Janssen)
      • Adウイルスベクター(スプートニクV; 1回目と2回目摂取のベクターが異なる)
    • pDNA
      • (Zydus, India)
    • 不活化
      • (SINOVAC, CN)
      • (SINOPHARM, CN)
      • COVAXIN (バーラド・バイオテック, India)
    • 抗原タンパク質
      • TAK-019, (NOVAVAX/Takeda, US)
      • (シオノギ, 日本)

    Human Regulatory – COVID-19 vaccines

    https://www.ema.europa.eu/en/human-regulatory/overview/public-health-threats/coronavirus-disease-covid-19/treatments-vaccines/covid-19-vaccines

    Spikevax (previously COVID-19 Vaccine Moderna)

    https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/EPAR/spikevax

    COVID-19 Vaccine Moderna
    Common name: COVID-19 mRNA Vaccine (nucleoside-modified) 2021/03/11

    https://www.ema.europa.eu/en/documents/assessment-report/spikevax-previously-covid-19-vaccine-moderna-epar-public-assessment-report_en.pdf

    Common name: COVID-19 mRNA vaccine (nucleoside-modified) 2021/02/19

    https://www.ema.europa.eu/en/documents/assessment-report/comirnaty-epar-public-assessment-report_en.pdf

    Vaxzevria (previously COVID-19 Vaccine AstraZeneca)

    https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/EPAR/vaxzevria-previously-covid-19-vaccine-astrazeneca

    COVID-19 Vaccine Janssen

    https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/EPAR/covid-19-vaccine-janssen

    Comirnaty COVID-19 mRNA vaccine (nucleoside-modified)

    https://www.ema.europa.eu/en/medicines/human/EPAR/comirnaty

    WHO validates Sinovac COVID-19 vaccine for emergency use and issues interim policy recommendations

    https://www.who.int/news/item/01-06-2021-who-validates-sinovac-covid-19-vaccine-for-emergency-use-and-issues-interim-policy-recommendations

    ZyCoV-D becomes world’s first plasmid DNA vaccine for COVID-19

    Zydus’ ZyCoV-D received emergency use authorisation (EUA) in India, becoming the world’s first plasmid DNA vaccine for COVID-19. 2021/08/23

    https://www.europeanpharmaceuticalreview.com/news/160968/zycov-d-becomes-worlds-first-plasmid-dna-vaccine-for-covid-19/

    日本政府による当社が製造するNovavax社の新型コロナウイルス感染症ワクチン候補1億5,000万回接種分の購入について – 武田製薬 –

    https://www.takeda.com/jp/newsroom/newsreleases/2021/20210907-8288/

    Jannsenの臨床状況

    adenovirus type 26 encoding the SARS-CoV-2 spike glycoprotein (Ad26.COV2-S) – EMA

    https://www.ema.europa.eu/en/search/search?sort=field_ema_computed_date_field&order=desc

    COVISHIELD FAQ’s

    https://www.seruminstitute.com/product_covishield.php

    編集履歴

    2021/08/02 はりきり(Mr)
  • 新型コロナワクチン開発、日本はどうする?[2020/06/07]

    新型コロナワクチン開発、日本はどうする?[2020/06/07]

    GDPの1位と2位は先行

    国の豊さを知る指標としてGDPがある。2018年のGDPは、アメリカが2220兆円、中国が1443兆円、日本は、536兆円であるsource。人口は、それぞれ、3.29億人、14.3億人、1.27億人であるwiki

    アメリカのと中国のGDPは、世界1位と2位であり、それぞれの国のベンチャー企業である、ModernaとCanSinoは、新型コロナウイルスのmRNAワクチン開発でフロントランナーとして駆けている。

    Modernaは、2020/04/16, Biomedical Advanced Research and Development Authority (BARDA, 米国生物医学先端研究開発局)から最高4億8,300万ドル (約500億円)助成金の供給が決まっており、商用製造を見据えたパートナーとしてCMOの優であるLonzaと提携したことも発表されている。資金は潤沢、用意は万全のようだ。

    一方、CanSinoは、アメリカの企業である製剤処方の技術を持つPrecision NanoSystemsとの提携を発表している。CanSinoは、自社のmRNA技術、Precision NanoSystemsは、mRNAの製剤技術であるLNP(脂質なの粒子)組成開発能力と自動製造システムを、それぞれ持ち寄り臨床試験を進めている。CanSinoのマーケットは、日本を除くアジア圏、Precision NanoSystemsは、その他の国々の権利を有する。

    Moderna、CanSinoは、それぞれ、2020/03に新型コロナウイルス・ワクチンの臨床試験に入っている。

    さて、日本では、どれだけのベンチャー、技術に助成できるのか?

    2016年、武田製薬は、2016年にジカ熱の治療薬開発にBARDAから3億1200万円(337億円)の助成を受けると発表しているsource

    日本のベンチャー企業からすれば、投資をしてほしいのだか、日本政府としては、それだけの技術があるのかが心配であろう。その場合、技術の目利きが無いと投資は出来ないか、小額になっていまうのが関の山だ。しかし、そもそも、開発資金がないと技術の磨き上げはできない。鶏と卵であるが、最終的には、資金提供者がリスクを負うべきと考える。

    編集履歴

    2020/06/07 はりきり(Mr)
  • 気になる企業 – Sanofi – 新型コロナワウイルス・ワクチンの開発を組換えタンパク質ベースとmRNAで臨床試験が進められている  [2021/03/12]

    気になる企業 – Sanofi – 新型コロナワウイルス・ワクチンの開発を組換えタンパク質ベースとmRNAで臨床試験が進められている [2021/03/12]

    Sanofi

    • France (54, rue La Boétie 75008 Paris)、Home Page
    • 2019年の売り上げは、€36.1 bn (約4.4兆円)
    • Insulin製剤の3大メーカーの1つ
    • Insulin plant
    • Sanofi-Aventisの社名は、2012年まで
    • ビジネスユニット
      • Sanofi Genyme
      • Sanofi Pasteur

    Sanofi Pasteur

    Sanofi Pasteurは、Sanofi社のワクチン部門です。

    mRNAによるSARS-Cov-2ワクチン

    Translate Bio (NASDAQ:TBIO) 社と共同で開発していた新型コロナウイルス(Sars-Cov-2)に対するmRNAワクチン (MRT5500) の動物試験のデータが出てきました。

    マウスとカニクイザルでのデータです。3週後に2回目を投与することで更に中和抗体価は高まり(セロコンバージョン)ました。この結果を受けて、2020/Q4から、ヒトでの臨床試験(P1/2)が開始されるようです。source

    • Sタンパク質
      • 2つの変異
        • 2P : 細胞膜結合前の状態に関わる変異
        • GSAS : 宿主細胞が分泌するfurinによる切断による変異
    • 前臨床(マウス)
      • 3週間間隔で2回のワクチン接種
      • 投与量 : 0.2、1、5、および10 µg
    • 前臨床(非ヒト霊長類; NHP)
      • 3週間間隔で2回のワクチン接種
      • 投与量 : 15、45、および135 µg
      • 力価測定 : 2種類の中和アッセイ
        • 偽ウイルス中和
        • マイクロ中和
      • 結果
        • 最初の投与後、NHPの大部分はSARS-CoV-2スパイクタンパク質に反応する中和抗体が確認された
        • 抗体価は2回目の投与後にさらに増強され、NHPの100%が日ごとに増加し、投与開始後35日までは、ヒトの回復期血清の抗体価よりも有意に高いレベル達した
    • Th1細胞の応答優位が示された。Th1(細胞性免疫, ヘルパーT細胞、CD4+)、Th2(液性免疫)

    MRT5500の進展

    2021/03/12, mRNACOVID-19ワクチン候補の第1/2相臨床試験を開始)

    • 前臨床データが高い中和抗体レベルを示した後の安全性、免疫応答および反応原性を評価するための臨床試験
    • 415人の参加者を登録する予定。
    • 2021年第3四半期に予想される中間結果
    • 並行して、新たなSARS-CoV-2変異体に対する追加のmRNA候補を評価するための前臨床試験が進行中。

    組換えタンパク質ベースによるSARS-Cov-2ワクチン

    mRNAとは別の季節性インフルエンザ・ワクチンと同じ技術である「組換えタンパク質」ベースのSARS-Cov-2ワクチンについても、GSKと共同開発しています。GSKのアジュバントとの組み合わせで、9月にP1/2が開始されています。

    Sanofi Genzyme

    • US, サイト
    • 2011年にGenzymeは、Sanofiに吸収されてビジネスユニットとなった source
    • ビジネスユニット領域
      • 日本では、希少疾患領域、希少血液疾患領域、オンコロジー領域、免疫領域、リウマチ領域の5つ
    • Genzymeは、2005年に遺伝子治療薬開発のAvigen, Incの技術を取り込んでいる
    • 製品
      • Aldurazyme (laranidase)
      • Alprolix (Coagulation Factor IX)
      • Aubagio (teriflunomide)
      • Cablivi (caplacizumab-yhdp)
      • Cerdelga (eliglustate) capsules
      • Cerezyme (imiglucerase for injection)
      • Clolar (clofarabine injection)
      • Dupixent (dupilumab) injection
      • ELITEK (rasburicase)
      • Eloctate (Anthihemophilic factor(Recombinant), Fc Fusion Protein
      • ELOXATIN (oxaliplatin)
      • Fabrazyme (agalsidase beta)
      • JEVTANA (cabazitaxel)
      • KEVZARA (sarilumab) injection
      • LEMTRADA (alemtuzumab
      • LIBTAYO (cemiplimab-rwlc) injection
      • Lumizyme (alglucosidase alfa)
      • Sarclisa (isafuxamab-irfc) injection for Intravenous Use
      • TAXOTERA (docetaxel) injection
      • ZALTRAP (ziv-aflibercept) injection for intravenous injusion
    • 開発品
      • 19のmAbの免疫疾患(biosimilar,その他)
      • 23のmAbのガン領域(ADC含む)
      • その他mAb(to C1s, etc)
      • RNAi
      • small molecle

    Sanofi Genezyme

    https://www.sanofi.co.jp/ja/about-us/product/genzyme

    Division of MediciNova Inc.  
    www.avigen.com : 今はもう無い

    Avigen, Inc.’s Gene Therapy Technology Acquired By Genzyme Corporation

    https://www.biospace.com/article/releases/avigen-inc-s-gene-therapy-technology-acquired-by-genzyme-corporation-/
  • [Vc] Moderna – COVID-19 ワクチン臨床(Phase 3の中間結果は94.5%の有効性を示した – ID19527 [2020/11/16]

    [Vc] Moderna – COVID-19 ワクチン臨床(Phase 3の中間結果は94.5%の有効性を示した – ID19527 [2020/11/16]

    ID19527

    ワクチンの臨床結果による有効性の比較

    世界の製薬企業であるPfizer, ModernaおよびAstrazenecaの臨床試験の成績の比較は、以下のをご参考にしてください。

    Moderna社のCOVID-19/Phase I Preliminary Report

    COVID-19ワクチン

    Modernaが開発しているmRNAを用いたCOVID-19ワクチンの臨床結果について途中結果が出ています。

    • 2021/05/23, インド変異株(デルタ株)に対する有効性について、1摂取では、AstrazenecaとPfizerとも33%, 2回摂取でAstrazenecaは60%, Pfizerは88%であると、イングランド公衆衛生庁(PHE)が発表, BBC News(ファイザー製とアストラゼネカ製ワクチン、2回接種でインド型変異株に有効=英研究, 2021/05/23))
    • 2020/12/17, mRNA-1273の臨床結果の詳細 : 3つの年齢層にわたる4つの用量レベルのmRNA-1273の安全性と免疫原性を評価、有効性の評価では94.1% (Vaccine Efficacy)と評価された。
      • Study 101
        • デザイン : 非盲検の進行中の第1相用量設定試
        • 結果 : フェーズ2およびフェーズ3の研究で使用される100μgの用量の推奨容量を得た
      • Study 201
        • デザイン : ランダム化プラセボ対照の安全性および免疫原性試験
        • 結果 : 大規模な第3相試験である試験301の開始をサポートする追加の安全性データを取得
      • Study 301
        • デザイン: 30,000人以上で、有効性、安全性、および免疫原性評価、ランダム化プラセボ対照試験

    MRNA-1273 SPONSOR BRIEFING DOCUMENT VACCINES AND RELATED BIOLOGICAL
    – MEETING DATE: 17 DECEMBER 2020 AVAILABLE FOR PUBLIC RELEASE –

    https://www.fda.gov/media/144452/download

    • 2020/11/16, Phase 3(30,000人以上を予定)の中間結果(95人に実薬投与、90人プラセボ)、94.5%の有効性が示された。2020年末までに、2,000万回分の提供を予定している source

    HomePage

    An mRNA Vaccine against SARS-CoV-2 — Preliminary Report

    https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2022483

    • 2020/07/14
    • ワクチン : mRNA-1273 (S-2P antigen encoded), as SARS-CoV-2 spike protein encoded
    • 投与 : 0.5mL (deltoid muscle), days 1 and 29
    • Phase 1 : 45人、18 ~ 55 years of age, 28 days
    • 評価: Anti-S-2P antibody geometric mean titer(GMT) ELISA
      • 以下の29日と57日のデータから投与量が多いほど、抗体価が上昇しているのがわかる
      • 29 Days
        • 25μg: 40,227
        • 100μg: 109,209
        • 250μg: 213,526
      • 57 Days
        • 25μg: 299,751
        • 100μg: 782,719
        • 250μg: 1,192,154
    Good agreement was noted within and between the values from binding assays for S-2P and receptor-binding domain and neutralizing activity measured by PsVNA and PRNT

    Safty

    • 有害事象が低い確率
      • Fever (発熱)
      • Arthralgia (関節痛)
      • Nausea (吐き気)
      • Chills (悪寒)
      • Size of erythema or redness (紅斑または発赤)
      • Size of induration or welling (
    • 有害事情が中程度の確率
      • Fatigue (倦怠感)
      • Headche (頭痛)
      • Myalgia (筋肉痛)
    • 有害事象が高い確率
      • Any systemic symptom (全身症状)
      • Any local symptom (局所症状)
      • Pain (痛み)
    編集履歴
    2020/07/24 はりきり(Mr) Phase Iについて
    2020/11/16 追記 (Phase 3中間報告で94.5%の有効性)
  • [Vc] Pfizerの新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン – Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine の組成  [2021/06/10]

    [Vc] Pfizerの新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン – Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine の組成 [2021/06/10]

    BNT162とは

    ドイツのBiopharmaceutical New Technologies (BioNTech) 社とPfizerが共同開発するmRNAをベースとする新型コロナウイルス感染症に対するワクチンです。開発ワクチンは、SARS-CoV-2受容体結合ドメイン(receptor binding domain; RBD)をコードするヌクレオチド修飾メッセンジャーRNAをベースのワクチン(BNT162b2)

    • 2020/11/09, 4万3千人を対象に進められているP3臨床試験の途中集計として、その予防効果は90%以上あることを発表したsource
    • 2020/10/20, 日本人におけるBNT162b2の安全性、認容性および免疫原性を評価目的にPhase 1/2試験(160名、20~80歳日本人、BNT162b2とプラセボの比 3:1)を開始したと発表。BNT162b2は30μgを21日間隔で2回接種し、最終接種から12ヶ月後まで評価する計画。BNT162bは、最適化されたスパイクタンパク質の全長をコード強いる。BNT162b2は、ドイツ、米国、ブラジル、アルゼンチンを含む世界で最大120治験実施施設で、44,000人の参加で国際共同治験2/3相が評価中。この試験と、今回の日本出の試験のデータを用いて、日本での製造販売用視認を申請する予定です。承認が得られた場合、1億2000万回分のCOVID-19ワクチンを2021年上半期に日本に提供されるsource
    • 2020/07/31, 日本に対して来年6月までに6000万人分の供給を約束した
    • 2020/07/01, BioNTech社との共同研究であるSARS-COV-2に対するmRNAベースのワクチンの臨床試験(4候補、Phase I/II)の早期データを発表(45例の評価) source
      • 10μg/30μgの投与
      • 28日目, RBD結合IgG抗体濃度が上昇し、SARS-CoV-2に対する中和抗体価が確認された
      • 深刻な有害事象は無かったことから、今後のPhase IIb/3での有効性試験における主要候補と容量レベルの選択が可能となった

    BioNTech

    mRNAをベースに治療薬を開発するベンチャー source

    • mRNAベースの治療薬開発
    • コンピューターテクノロジー
    • 共同研究など他社との協業
      • Genmab
      • Sanofi
      • Bayer Animal Health
      • Genentech
      • Genevant
      • Fosun Pharma
      • Pfizer

    因みに、AstraZenecaが開発している新型コロナウイルス感染症ワクチンは、Adenovirsを使ったワンチンです。T細胞の免疫応答の強化が期待できるため、mRANワクチンよりもワクチン効果が高いことが期待されています。関連記事もご覧ください。

    ワクチンの臨床結果による有効性の比較

    世界の製薬企業であるPfizer, ModernaおよびAstrazenecaの臨床試験の成績の比較は、以下のをご参考にしてください。

    Pfizer-BioNTech COVID-19ワクチンの組成

    Pfizer-BioNTech COVID-19ワクチンは、SARS-CoV-2表面の改変したスパイク・糖タンパク質(spike (S) glycoprotein)をコードするメッセンジャー RNA (modRNA)を脂質膜で粒子状にした製剤です。提供形態は、凍結品で以下の組成になっています。

    • 凍結品 (ドライアイス; 75℃程度)で保管・輸送
    • 使用時には、1.8 mLの0.9% Sodium Chloride (diluent) で希釈
    • 複数回用
    • 0.3 mL投与
      • 30mg of modRNA
      • 0.43 mg (4-hydroxybutyl)azanediyl)bis(hexane-6,1-diyl)bis(2-hexyldecanoate)
      • 0.05 mg 2[(polyethylene glycol)-2000]-N,N-ditetradecylacetamide
      • 0.09 mg 1,2-distearoyl-sn-glycero-3- phosphocholine
      • 0.2 mg cholesterol)
      • 0.01 mg potassium chloride
      • 0.01 mg monobasic potassium phosphate
      • 0.36 mg sodium chloride
      • 0.07 mg dibasic sodium phosphate dihydrate
      • 6 mg sucrose
      • (contributes an additional 2.16 mg sodium chloride per dose)
    • 3週間空けて2回の接種

    Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine – Fact Sheets and Additional Information – FDA

    特に、日本語のファクトシートを見たい場合は、ワクチン接種を受ける人と介護従事者のためのファクトシートを参照

    https://www.fda.gov/emergency-preparedness-and-response/coronavirus-disease-2019-covid-19/pfizer-biontech-covid-19-vaccine

    審査結果報告書

    製造方法

    審査結果からわかる製造方法は以下の通り。

    • plasmid DNA(pDNA)を大腸菌の培養により得る
    • 大腸菌を溶解してpDNAの抽出、精製される
    • pDNAを直鎖DNAにしてから、転写によるmRANを得る。必要な精製処理が行われる
    • 転写で使用されるUTPは、改変されたものである
    • mRNAはLNPで製剤化されている

    コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS- CoV-2)

    (有効成分名:トジナメラン) , H2年 3月 12日

    https://www.pmda.go.jp/drugs/2021/P20210212001/672212000_30300AMX00231_A100_4.pdf

    編集履歴

    2020/07/23 はりきり(Mr)
    2020/07/31 日本との合意
    2020/11/09 予防効果は90%以上
    2021/02/03 Pfizer-BioNTech COVID-19ワクチンの組成
    2021/06/10 追記(審査結果報告書)
  • 気になる企業 – Precision NanoSystems Incは、mRNA-LNPを作る装置 “NanoAssemblr” を擁してCOVID-19に挑む  [2020/05/28]

    気になる企業 – Precision NanoSystems Incは、mRNA-LNPを作る装置 “NanoAssemblr” を擁してCOVID-19に挑む [2020/05/28]

    Precision NanoSystems Inc

    Precision NanoSystems Inc (PNI)は、RNA、DNA、CRISPR、低分子医薬品、COVIDワクチン、治療法を開発して患者に迅速にアイディアを提供する技術とソリューションのグローバルリーダーです。

    https://www.precisionnanosystems.com/

    • mRNAワクチンプラットフォーム(mRNA-LNP)によるワクチン製造開発とスケールアップ
      • NanoAssemblr(R) Spark(TM)
        • 多条件検討用
      • NanoAssemblr(R) GMP system
        • 複数の顧客に移転実績が有る
    • 独自技術によるRNAデリバー技術
      • NxGenマイクロ流体技術
      • 自社内に、NanoAssemblr(R)を400台配置
      • 製剤用処方の独自ライブラリを持つ
    • 提供サービス
      • 機器、試薬
      • 共同研究(一部CRO的でもある)
      • CanSino biologicsと共同研究締結(2020/05/20)、以下参照。

    CanSino BiologicsとPrecision NanoSystemsがCOVID-19 RNAワクチンを共同開発するためのコラボレーションを発表 (2020/05/20)

    それぞれは,天津、中国およびVANCOUVERの企業、2020年5月20日/ CNW /-CanSino Biologics Inc.(CanSinoBIO、HK6185)とPrecision NanoSystems(PNI)は本日、COVID-19に対するmRNA脂質ナノ粒子(mRNA-LNP)ワクチンの共同開発契約を発表した.


    COVID-19 mRNA-LNPワクチン候補をヒトの臨床試験に向けて、CanSinoBIOは前臨床試験、ヒトの臨床試験、規制当局の承認および商品化を担当.
    CanSinoBIOは、ワクチン製品をアジア(日本を除く)で商品化する権利を有し、PNIは他の国々の権利を保持.
    契約には、非公開の支払いとロイヤリティが含まれる.

    NanoAssemblr(R) Spark(TM)

    Sparkという製品は、マイクロリットルの製剤を調製できます。原料をピペットで添加してスタートボタンを押すだけです。処理時間は、10秒程度/条件で、数百の配合は割合を数時間で処理し、各条件の製剤を取得できます。

    • 自動配合装置
    • <10秒/1配合、DoEデータ取得への適用
    • 無菌/バイオセーフティの操作が可能で、そのまま培養細胞に添加可能
    • 原理はスケーラビリティがあり、将来のスケールアップが容易

    https://www.precisionnanosystems.com/our-technology/spark

    Scalable manufacturing is a significant challenge to making revolutionary nanomedicines available to patients in need. 

    Precision NanoSystems Incの技術

    2018年、脂質ナノ粒子(LNP)製剤であり、FDAの承認を受けた最初の低分子干渉RNA治療薬であるPatisiranのFDA承認により、非ウイルスRNAデリバリーの最高技術としてLNPが確立されました。 同時に、マイクロ流体混合を利用するNanoAssemblr®プラットフォームは、100%に近いカプセル化効率でさまざまなタイプの核酸をカプセル化するLNPのシンプルで堅牢かつスケーラブルな製造方法として実証されています。 LNPは、in vitroおよびin vivoでの遺伝子ノックダウンまたは遺伝子発現研究のための多様なオプションを提供します。 NanoAssemblr SparkTMは、マイクロ流体混合の追加の利点を活用します:新規脂質やmRNAなどの高価値材料を保存するマイクロリットル規模の製剤。 超少量の製剤と迅速でシンプルかつ再現性のあるプロセスのこのユニークな組み合わせにより、SparkはmRNA-LNP製剤のスクリーニングと初期の前臨床開発のための理想的なプラットフォームになります。 効果的なスクリーニングプログラムは、次世代のデリバリーテクノロジーとナノ粒子治療法を開発および最適化するためのパラメータースペースを大幅に狭めることができます。
    ナノ医薬品の早期発見と開発における一連の医薬品有効成分、賦形剤、製剤パラメーターのスクリーニングにより、より集中的に
    パラメータスペースを狭めることにより、後の段階で効率的に開発できます。 この目的のために、製剤の特性または活性の観察された違いが、ナノ医薬品の合理的な設計を通知する組成または条件の制御された変化に起因する可能性があることを保証するために、少量での高速で再現可能なナノ粒子の生産が必要です。 さらに、これを少量で達成すると、APIと賦形剤の使用が最小限に抑えられます。これは、発見段階では、入手が制限されたり、入手に費用がかかったり、生産に手間がかかる場合があります。
    特に、低分子干渉RNA(siRNA)、ガイドRNA(gRNA)、メッセンジャーRNA(mRNA)、プラスミドなどの細胞の遺伝子操作に使用される有効成分は、不足しているか非常に高価です。 非ウイルス性核酸送達システムは、mRNAワクチン1、2、免疫腫瘍学3、標的腫瘍学4-6、CRISPR / Cas9遺伝子編集7-9、およびまれな疾患の治療10、11などの革新的な治療を可能にしているが、かなりのニーズが残っている 核酸デリバリーシステムの基本的な理解を改善し、遺伝子デリバリーナノ粒子の品質と性能を改善するためのさらなる革新のため。 具体的には、これらのペイロードをカプセル化し、保護し、病変細胞に送達するために使用されるナノ粒子賦形剤のさらなる革新が、分野を前進させるために必要です。 これらの賦形剤は、その革新的な性質により、大規模で低コストの商品スケールではほとんど利用できません。
    したがって、発見空間の研究者に適した遺伝的ペイロードを含むナノ粒子の堅牢で再現性のある少量生産の分野では、満たされていないニーズがあります。 たとえば、in vitroスクリーニングでマイクロリットルのみが必要な場合、Tチューブ混合の最小容量は10 mL程度です。 このため、研究者たちは粗ピペット混合法を使用して、複雑な核酸ナノ粒子製剤のボトムアップナノ沈殿を実行しています。 ピペットとの混合はほとんど制御を提供しません、オペレーターです
    図1.)ナノ粒子を製造するためのマイクロ流体混合技術:溶解した脂質を含む有機溶媒と核酸を含む水溶液
    NanoAssemblrカートリッジの2つの注入口チャネルに注入されます。 層流の下では、2つの溶液はすぐには混合されません。
    しかし、チャネルに組み込まれた微視的な機能により、2つの流体が混ざり合います。
    分子が拡散によって互いに相互作用する、制御された再現可能な方法で。 1ミリ秒以内に2つの流体が完全に混合され、核酸がロードされたナノ粒子の均一な自己組織化をトリガーする溶媒極性の変化を引き起こします。

    mRNA Lipid particles – Robust low-volume production for screening high-value nanoparticle materials – Precision NanoSystems Inc, Vancouver,BVC, Canada –

    https://www.precisionnanosystems.com/docs/default-source/pni-files/app-notes/spark-mrna-appnote-1018.pdf?sfvrsn=50662346_0
    編集履歴
    2020/05/28 はりきり(Mr)
  • [Data Link] mRNAワクチンの情報収集 – ID15773  [2020/05/16]

    [Data Link] mRNAワクチンの情報収集 – ID15773 [2020/05/16]

    mRNA製品に関連情報収集

    バイオロジクス関連のデータリンクとしてここに格納します。

    参考文献

    mRNA 医薬品の品質・安全性評価の考え方 (2019)

    http://nats.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20190717095649-6ABC2FA50410294C82EBEF7D74463510333BCF1FB717B3F88FCCB2CC782A63A8.pdf

    mRNA 医薬開発の世界的動向

    – 医薬品医療機器レギュレトリーサイエンス、PMDRS, 50(5), 242~249 (2019) – より

    http://nats.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20190717095649-6ABC2FA50410294C82EBEF7D74463510333BCF1FB717B3F864612BCB0CA9F6B2.pdf

    製造方法、品質管理項目、安全性、DCと癌ワクチン
    – mRNA製品の品質・安全性評価について Quality and safety issues on mRNA medicinal products, 2018 日本核酸医薬品学会第4会年会 – より

    https://wwwr.kanazawa-it.ac.jp/wwwr/lab/iameta/pdf/20180710_Quality%20and%20safety%20issues%20on%20mRNA%20medicinal%20products.pdf

    NanoSky 2018 Vol.6

    夢の新薬『mRNA医薬』を実現に導くmRNA安定化技術を開発―外来性RNAの分解機構を解明―2018/11/15

    – 国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 – より

    https://www.amed.go.jp/news/release_20181115-02.html

    TriLInk

    https://www.trilinkbiotech.com/therapeutic-cgmp-manufacturing

    サービス – Synthesis, Purification, Formulation and delivery
    LNP formulationのDoEによる開発

    https://www.thermofisher.com/jp/ja/home/about-us/partnering-licensing/oem-commercial-supply/therapeutics-commercial-suppy/mrna-therapeutics-commercial-supply.html?gclid=Cj0KCQjwnv71BRCOARIsAIkxW9GslLOpNZlU1C0vgNrvgPXbEN37e28yYx2s3JAvuVag2OH0abo_PjEaAnqHEALw_wcB&ef_id=Cj0KCQjwnv71BRCOARIsAIkxW9GslLOpNZlU1C0vgNrvgPXbEN37e28yYx2s3JAvuVag2OH0abo_PjEaAnqHEALw_wcB:G:s&s_kwcid=AL!3652!3!430564064287!b!!g!!%2Bmrna%20%2Bproduction?cid=bid_mol_lcs_r01_co_cp1358_pjt0000_bid00000_0se_gaw_nt_awa_awa

    通常、最大200塩基程度の化学合成するRNAを、バクテリオファージから得られるRNA転写合成では、数千のヌクレオチドを得られる

    – 長鎖RNA転写合成 (IVT)受託サービス – bio synthesis – より

    https://www.biologica.co.jp/products-service/custom-synthesis/nucleic-acid/transcription/

    https://lifescience.toyobo.co.jp/detail/detail.php?product_detail_id=34

    編集履歴
    2020/05/16 はりきり(Mr)
  • [Vc] mRNAワクチンの製造方法、moderna社とBiaseparations、その他から概略を学ぶ – ID15769 [2021/05/10]

    [Vc] mRNAワクチンの製造方法、moderna社とBiaseparations、その他から概略を学ぶ – ID15769 [2021/05/10]

    mRNAワクチンの製造方法

    moderna社のデモ・ビデオから、mRNAの開発初期の製造法、及RNAを製造委託する場合の受託会社とその製造方法について以下にまとめた。

    RNAの製造は、バイオ技術を使った方法と、低分子合成技術を使った方法で、以下ように製造できるが、タンパク質を作れるほどの長いmRNA (あるいは, pDNA)には、バイオ技術による製造方法が使われていると考えられる。今後、製造承認申請を調査しなければ詳細は不明ですが、2020/05時点で考え得る製造方法を以下に示してみました。

    • バイオ技術よるRNA製造
      • DNA plasmidを大腸菌で大量培養して複製
        • 以下の「[Bio-Edu]Plasmid DNA(pDNA)のデザイン及び、その製造方法に関する調査」を参照。
      • DNAの抽出と精製
      • DNAの linearization
      • DNAを鋳型にして転写酵素でRNAを複製
      • RNAの精製

    その後、文献調査した結果、以下の文献からmRNAをワクチンに応用する製造方法を示されたものではないが、mRNA医薬品の製造方法について言及されていたので、その方法を示しておきます。2020/05に示したmRNA製造方法と殆ど変わりませんが、一点細かいポイントですが、DNaseでテンプレートDNAを破壊する工程が必要であることがわかりました。

    mRNA 医薬品の品質・安全性評価の考え方 (2019) – 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス,PMDRS,50(6),300 ~ 306(2019)] –

    http://nats.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20190717095649-6ABC2FA50410294C82EBEF7D74463510333BCF1FB717B3F88FCCB2CC782A63A8.pdf
    • 低分子合成技術によるRNA製造
      • 30年以上も前からある、固相反応により1塩基ずつ直接合成していく
      • 長いものを作ることは難しいため、タンパク質を作れるほどの長いmRNAは、現在の技術では作れないと思われる
      • RNAの精製 (陰イオン担体を使用したクロマトグラフィ)

    mRNAの一般的な製造方法

    modernaのビデオでは、一般的なフローしか説明がされていない。最近の情報として詳細に知りたい場合は、Biaseparationsのサイト*6が参考になる。

    1. 原材料の調達; Supply Chain team delivers raw materials
      • 資材調達部門による原材料の調達
    2. DNAの製造; Plasmid production (DNA)
      • プラスミドDNA構築(*2, *3)
      • 1. 鋳型DNA合成
      • 2. Plasmid DNA合成
      • 3. 大腸菌の形質転換体の調製、大量培養による増幅及び精製
      • 4. 精製Plasmid DNA
    3. mRANへの変換; mRNA transcription
      • Plasmid DNAを鋳型としてmRNAを作る
        • DNAのlinearization
        • mRNA転写
        • 注意) 転写効率は、5-メチル-Cは収率に影響しないが、2’フルオロ修飾は影響する(*1)
    4. mRNAの精製; Purification (RNase freeで実施)
      • modernaの精製方法は不明、一般的なRNA精製方法(*1)は、以下の通り。
      • [1]粗抽出→除蛋白
        • 以下のa or b
        • a. Phenol extraction followed by alcohol precipitation (フェノール・クロロホルム抽出法とエタノール沈殿:90%程度で沈殿化、70%で洗浄)
        • b. Lithium chloride precipitation (>300b(*5) )
      • [2] 精製
        1. a. Spin column purification (シリカゲル (*4) )
        2. b. GP-HPLC
    5. 製剤組成に調整; Formulation
    6. 無菌化; Sterile filtration and fill into vials
    7. 梱包とラベル; Pack/Lable

    受託会社と製造方法

    mRNAの製造受託してくれる会社として、Biologics coがあります。日本では、タカラバイオが受託してくれます。

    参考文献

    (*1) バクテリオファージによるmRNA製造委託に関する情報 – Biologics co.社

    https://www.biologica.co.jp/products-service/custom-synthesis/nucleic-acid/transcription/#highlight

    (*2)
    プラスミドDNA構築 – タカラバイオ – より

    http://catalog.takara-bio.co.jp/jutaku/basic_info.php?unitid=U100004295&recommend_flg=1&click_flg=1

    (*3)
    エンドトキシン低減プラスミドDNA大量調製 – タカラバイオ – より

    http://catalog.takara-bio.co.jp/jutaku/basic_info.php?unitid=U100009275

    核酸の精製

    核酸の精製について、参考となる文献を以下に示しました。

    (*4)
    エタノール/イソプロピルアルコールの濃度と適切なpHにより、の核酸がシリカゲルに吸着する。カオトロピックイオンの存在下でも吸着可能。
    Spin column-based nucleic acid purification – wikipedia -より

    https://en.m.wikipedia.org/wiki/Spin_column-based_nucleic_acid_purification

    (*5)
    リチウム沈殿の技術的情報
    – I want to know extraction of RNA with LiCl has an effect on syn of cDNA? – wikipedia -より

    https://www.researchgate.net/post/I_want_to_know_extraction_of_RNA_with_LiCl_has_an_effect_on_syn_of_cDNA

    https://www.modernatx.com/moderna s-mrna-technology

    最近のmRNAの製造方法として参考になる文献

    *6

    High yield mRNA production process from E.Coli to highly pure mRNA.
    Presenter: Aleš Štrancar

    Date: od demand, October 19-22, 2020

    Cell & Gene Therapy Bioprocessing & Commercialization  (digital event)

    ユーザー登録すると文献がダウンロードできます。

    https://www.biaseparations.com/en/library/seminars-webinars/1098/high-yield-mrna-production-process-from-ecoli-to-highly-pure-mrna

    関連記事

    編集履歴

    2020/05/16 はりきり(Mr)
    2020/05/17 追記 (Plasmid DNAの調製、バクテリオファージによるRNA製造に関する委託内容)
    2020/05/19 追記 (低分子合成技術によるRNA製造)2020/09/27 修正(mRNA製造フロー)、文言整備
    2020/12/04 追記 (mRNA製造に関する最近の文献*6:Biaseparations社)
  • 気になる企業 – Arcturus Therapeutics – mRNAによる希少疾患とワクチン開発に特化 – ID15742 [2020/05/16]

    気になる企業 – Arcturus Therapeutics – mRNAによる希少疾患とワクチン開発に特化 – ID15742 [2020/05/16]

    Arcturus Therapeutics

    • 2013年に設立、カリフォルニア州サンディエゴ
    • Arcturus Therapeutics Holdings Inc.(ナスダック:ARCT)
    • 技術
      • LUNAR® : lipid-mediated delivery
      • Unlocked Nucleomonomer Analog (UNA) ref1)
      • chemistry
      • STARR™ Technology
        • self-replication RNAとLUNARのコンビネーション
        • 従来のmRNAと比較して、持続産生し30倍以上の効果
    • mRNA drug substance とdrug productの製造
    • RNA治療パイプライン
      • オルニチントランスカルバミラーゼ(OTC)欠乏症
      • 嚢胞性線維症
      • コロナウイルス(COVID-19)
      • グリコーゲン蓄積症3型肝炎
      • 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
    • プラットフォーム
      • メッセンジャーRNA
      • 低分子干渉RNA
      • レプリコンRNA
      • アンチセンスRNA
      • マイクロRNA
      • DNA
      • 遺伝子編集治療
    • www.Arcturusrx.comを参照
    Ref1

    UNA (unlocked nucleic acid): A flexible RNA mimic that allows engineering of nucleic acid duplex stability, 2009

    https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0968089609006105

    編集履歴
    2020/05/16 はりきり(Mr)

    関連イベント

    2020/03/04
    Arcturus Therapeutics (NASDAQ : ARCT, サンディエゴ, US)は、デュークNUSメディカルスクール(Duke-NUS, Singapore)と共同で、シンガポール向けのコロナウイルス(COVID-19)ワクチンを開発するための提携を発表。同社の技術 STARR(TM)を使い、Duke-NUSで開発された独自のプラットフォームにより、ワクチンの有効性と安全性を迅速にスクリーニングする。

    Duke-NUS

    • 2005年設立 (Duke医学部とシンガポール国立大学(NUS)), Singapore
    • COVID-19との戦いにおいて最前線に立ち、COVID-19の最初の血清学的検査を開発
    • ウイルス分離および培養した最初のグループの1つ
  • [Vc] mRNAワクチンとは – Sanofi, Modernaなどが開発を進めている – ID15091 [2020/05/23]

    [Vc] mRNAワクチンとは – Sanofi, Modernaなどが開発を進めている – ID15091 [2020/05/23]

    mRNAワクチンとは

    mRNAワクチンは、核酸医薬であり、核酸のモダリティに分類される。モダリティは、手段を意味しているので、以下のようなものが考えられます。

    • 低分子合成品
    • タンパク質
    • 核酸
    • ウイルス (AAV, Lentivirus, Adenovirus)ベクター

    mRNAワクチンの優位性

    mRNAの優位性について、COVID-19ワクチンとしてTranslate Bio社とmRNAを使って共同開発しているSanofi社のサイトから引用 source

    • 核への侵入を必要とせずにタンパク質生産を開始できる
      • DNAワクチンの場合は、核に入って、mRNAに転写させる必要がありますが、mRNAは、細胞質内でRibosomeによってタンパク質への翻訳が可能です
    • 迅速な開発が可能
      • タンパク質ベースやその他モダリティよりは、IT技術を駆使できれば迅速な開発は可能と思われます
    • 非ウイルスを使用した低コストの製造と安全な投与
      • 従来の生ワクチンや弱毒ワクチンなどと比較して、全くの無生物であること、それらに比べれば製造ステップは少なくてすみます

    以下に、mRNAについて文献の内容から概説1)します。

    mRNAワクチンは、体内に直接投与する。mRNAはタンパク質をコードする核酸であり、細胞質内に入り込むことができれば、細胞の機能を利用して、コードしたタンパク質が作られる。しかし、RNAは非常に分解されやすいため、医薬品化を達成した品目はない。DNAでは、染色体への相同組換の危険性を伴うが、mRNAではその危険性は全くない。

    歴史的経緯

    核酸医薬としての最初の報告は、1990年のScience論文です。動物の骨格筋に投与した実験例は2つ実施されました。

    • プラスミドDNS (pDNA)
    • mRNA

    当初、適切な遺伝子導入試薬を使えば、培養細胞へのpDNAおよびmRNAを細胞に導入(in vitro)することができ、その結果、タンパク質を作らせることができた。しかし、動物の骨格筋への導入(in vivo)では、mRNAでは、タンパク質を作らせることができませんでした。その原因は、mRNAが生体内では、非常に不安定であるためでした。

    最近のmRNAに関する研究・開発の成果は、アメリカ、ドイツが中心のようです。日本も頑張って欲しいと思います。

    mRNAを医薬にするためには

    • ARCA法 (anti-reverse cap analogues)の開発*1)
    • コドン最適化
      • 世界は、ITを駆使している分野です。ITが弱い日本で勝機があるのか疑問です。
    • 免疫原性の制御 (メチル化核酸、シュードウリジン、などは、非開示のものも多い)

    *1) DNA鋳型としてmRNAが作られますが、次ステップのmRNAからタンパク質をつくるには、mRNA5’末端にcap構造が必要であるため、mRNAにcapアナログを付加しなければ、医薬品にはなりません。しかし、cap構造の人工的な付加は、効率が低く50%程度でした。更に詳しくは、別文献を参照2)のこと。次章で述べていますが、これまでの研究では、Capの不要化も検討されているようです。

    CleanCap Technology

    mRNAへのキャッヒング技術の1つ。自然免疫応答の回避にはキャッピングが必要です。ARCA法では、Cap 0構造であるためパターン認識受容体のRIG-Iに作用してしまう。一方、TriLink BIOTECHNOLGIES社の「CleanCap」では、Cap 1構造が付加できるためRIG-Iに作用せず、飜訳効率が高い
    翻訳効率を高める新たなキャッピング技術TriLink 社 CleanCap Technology – nacalai tesque -より

    編集履歴
    2020/05/03 はりきり(Mr)
    2020/05/15 追記 (moderna社が先行するmRNAワクチン)
    2020/05/23 追記 (CleanCap法)
    2020/09/29 追記 (モダリティ)
    2020/10/22 追記 (mRNAワクチンの優位性 ~ Sanofiサイトより引用)

    mRNA医薬の構造

    医薬品に仕上げるために行われた、重要な研究項目について、以下に示されています。図には、mRNA構造が示されています。翻訳領域であるORF3)と比較して、非翻訳領域である5’UTR, 3’UTRの配列4)の改変は、比較的自由度があります。

    1. 5’ Cap

    • Capの不要化
    • 5’Capの一般的な機能wiki
      • 核外輸送
      • 5’-3’エキゾタクレアーゼ抵抗性と分解抵抗性
      • 翻訳促進
      • イントロンのスプライシング促進

    2. 5’ UTR/3’ UTR

    • mRNA輸送・翻訳など

    3. DRF

    • 翻訳効率
    • 分解耐性

    4. Poly A

    • mRNA安定化

    5. mRNA全体

    • 免疫原性の低減化
    図1. 治療用mRNAの構造

    参考文献1), p.454参照。

    mRNA医薬の方向性

    mRNA医薬は、広義の遺伝子治療の範疇であるが、ホスト細胞のゲノムへの取り込みがないことは、大きなメリットである。そのため、比較的一般的な治療にも適用が考えられる。

    • ワクチン
      • Moderna (US)
      • BioNTech (ドイツ)
      • CureVac (ドイツ)
      • GSK
    • 非遺伝性の疾患全般
    • 加齢変性疾患
    • 外傷

    課題

    • mRNAワクチン
      • 皮下投与であるため高性能なDDSは必要ない
    • 標的細胞へのDDS
      • 脂質ナノ粒子 (LNP, 非開示): 炎症反応の惹起がある。
      • ポリマー粒子: 組織浸透性が優れている
    • 免疫反応の低減化

    ワクチン

    一般的に、DDS併用でない場合、免疫賦活化作用が十分ではない。部分的にmRNAの二本鎖構造にして、抗原提示能と免疫賦活作用を併せ持つmRNAの開発も行われている。

    mRNAワクチンで先人を切っているのは、米国のmoderna社です。詳しくは、以下の記事をご覧ください。

    がんワクチン

    • 液性免疫と細胞性免疫に適用可能
    • 2017年、BioNTechのメラノーマワクチン(new-antigen mRNAワクチン)
    • PD-(L)1阻害剤 (免疫チェックポイント阻害剤)との併用。BioNTechは、Genentechと共同で臨床試験実施。CureVacはEli Lilly, ModernaはMerckと併用の臨床試験を実施。

    一般治療

    • 成長因子 (overdoseが抑制できる)
      • VEGF mRNA (心虚血疾患、二型糖尿病皮下投与、アストラゼネカ)
      • 組織再生(徐放): 軟骨、椎間板
    • シグナル
      • 非分裂成熟細胞(脳神経系など)
    • 酵素
      • 遺伝性稀少疾患(酵素補充)
    • 膜タンパク質

    特許

    天然の核酸分子の配列では、特許は取れない。

    以上

    参考文献

    1) mRNA 医薬開発の世界的動向, 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス

    mRNA 医薬開発の世界的動向, 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス,PMDRS,50(5),242 ~ 249(2019)

    http://nats.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20190717095649-6ABC2FA50410294C82EBEF7D74463510333BCF1FB717B3F864612BCB0CA9F6B2.pdf
    2) メッセンジャー RNA 医薬を実現する DDS 開発と疾患治療への応用

    メッセンジャー RNA 医薬を実現する DDS 開発と疾患治療への応用、Drug Delivery System 31―4, 2016

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/dds/31/4/31_343/_pdf
    3) ゲノム解析とは

    ゲノム解析とは – nite – より

    ORFは、開始コドンと呼ばれる3塩基から始まり、終止コドンと呼ばれる3塩基で終わります。また、アミノ酸に対応するコドンも解読されており、ORFの推定はコンピュータを用いて行います。

    https://www.nite.go.jp/nbrc/genome/description/analysis2.html
    4) 非翻訳領域

    非翻訳領域 – wikipedia – より

    https://ja.wikipedia.org/wiki/非翻訳領域
    5) mRNAサーベイランスとは

    mRNAサーベイランスとは、大野研究室 分子細胞生物学 Cell Signaling – より

    http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~ohnos/research/mRNA.html