タグ: AAV

  • [Bio-Material] Mustang® Q Membrane Units (2004) を使ったアプリケーション (Pall)

    [Bio-Material] Mustang® Q Membrane Units (2004) を使ったアプリケーション (Pall)

    AAVの精製

    Pall社の陰イオン交換体: Mustang Q membraneを使用したアデノウイルスの精製方法

    吸着/溶出モードによるアデノウイルスの精製.流速,吸着容量の設定の記載あり.

    溶出画分は,不純物であるDNAより前にアデノウィルスが溶出される.

    Dynamic High Capacity Mustang® Q Membrane Units for Scaleable Anion Exchange Chromatography Purification of Adenoviral Vectors

    https://www.cell.com/action/showPdf?pii=S1525-0016%2816%2940971-8

    pDNAの精製

    pDNAは負の電荷であるため、陰イオン交換体であるMUSTANG Qに結合することが可能である。

    • 吸着(一般)
      • 塩濃度: 低い(数十mM)
      • pH: 中性 ~ アルカリ性

    編集履歴

    2020/09/19, Mr.HARIKIRI
    2021/07/06, 追記(pDNAの精製)
  • [遺伝子治療薬] ZOLGENSMA – スイスのノバルティス社(AveXis)が開発した遺伝子治療薬  [2020/06/22]

    [遺伝子治療薬] ZOLGENSMA – スイスのノバルティス社(AveXis)が開発した遺伝子治療薬 [2020/06/22]

    ZOLGENESMA

    スイスのノバルティス社(売上高約500億ドル, Investing.com調べ)が買収したAveXis社の開発した骨髄性筋萎縮症(Spinal Muscular Atrophy; SMA)に対する遺伝子治療薬。

    • 開発コード : AVXS-101
    • 日本申請 :2018/11/14 source

    薬価収載

    Drug Product

    • 2.0e13 vg/mL
    • 5.5mL or 8.3mL in 10mL vial
    • 2-9 vial kit
    • 1.1e14 vg/kg
    • 20mM Tris pH8.0, 1mM MgCl2, 200mM NaCl, 0.005% Poloxamer 188(Pluronic F68)
    • 冷蔵保存 <14days、凍結保存 < 1年

    HIGHLIGHTS OF PRESCRIBING INFORMATION
    The highlights do not include all the information needed to use ZOLGENSMA safely and effectively. See full prescribing information for ZOLFGENSMA.

    HIGHLIGHTS OF PRESCRIBING INFORMATION These highlights do not include all the information needed to use ZOLGENSMA safely and effectively. See full prescribing information for ZOLGENSM

    使われているAAVベクター

    • Biologics License Application, STN 125694
    • 血清型 : AAV2のrep2, AAV9のcap9source(1)
    • エンハンサー/プロモーター : サイトメガメロウイルスエンハンサー/ニワトリβ-アクチンハイブリッドプロモーター
    • GOI : ヒト生存運動ニューロン遺伝子
    • TLR : AAV2の2つのうち、1つは導入遺伝子の分子内アニーリング促進を促進する修飾

    培養細胞

    • 宿主細胞は、mammalian(哺乳動物)のHEK細胞が使われている source(1)

    SMM(目的蛋白質)、モデルマウスのサバイバルをみている。

    製法変更(PA→PB)はP1後に実施、ブリッジしている。新製造でも安定性の改善はない。純度は上がった。

    Drug Substance

    <-60℃ long-term frozen storage

    ~ For member only



    ZOLGENSMA

    https://www.fda.gov/vaccines-blood-biologics/zolgensma

    Novartis’ Zolgensma study halted by FDA amid safety questions

    https://www.reuters.com/article/us-novartis-gene-therapy/novartis-zolgensma-study-halted-by-fda-amid-safety-questions-idUSKBN1X90XS

    ゾルゲンスマ点滴静注に関する資料
    PMDAサイトより

    https://www.pmda.go.jp/regenerative_medicines/2020/R20200407001/300242000_30200FZX00001_B100_2.pdf

    審査報告書

    ゾルゲンスマ – 審査報告書 – PMDA –

    https://www.pmda.go.jp/regenerative_medicines/2020/R20200407001/300242000_30200FZX00001000_A100_2.pdf
    編集履歴
    2019/12/04 Mr.HARIKIRI
    2020/06/22 追記 (薬価、AveXis)
  • 気になる企業 – Ultragenyx  [2020/10/09]

    気になる企業 – Ultragenyx [2020/10/09]

    Ultragenyx Pharmaceutical Inc.

    • Headquarter : 60 Leveroni Court Novato, CA 94949, United States
    • ホームページ
    • クリニカル・ステージ・カンパニー
    • 希少疾患をフォーカス
    • 2020/01, 同社が保有するアデノ随伴ウイルス(以下「AAV」)ベクターを用いた遺伝子治療薬製造技術を非独占的に第一三共に利用させる契約(技術移転)を締結, source
      • 2025年には、治験薬製造の開始を目指す
      • 契約締結時、1億2,500万USドル、技術移転完了時、2,500万USドルを支払いを受ける
      • 販売ロイヤリティを含む
      • 7,500万USドルの出資も受ける
    • 2016/06, 武田薬品との共同研究(戦略的提携) source
      • 武田薬品から特定の疾患領域に関して独占的ライセンスを獲得、共同開発・製品化の独占的オプション権を得る
      • 別途、5年間の共同研究の実施し、両者で合意できた希少疾患についてライセンス取得オプションを有する
      • 武田薬品は、以上で得られた新薬候補の独占的製品化オプション権を日本・アジアで有する
      • 武田薬品から、2回に分けて最大6,500万USドルの投資を受ける
        • 1回目は、この契約締結後に2,500万USドル相当のUltragenyx社株式に1,500万USドルのプレミアムを付けて購入するとしている
      • 参考) 本契約のクロージングは、1976年制定、ハート・スコット・ロディノ反トラスト法による審査が条件となっている

    パイプライン

    生物学的製剤

    • Crysvita(R) ; ブロスマブ, 承認
      • Xリンク低リン酸血漿 (XLH)
      • 腫瘍誘発性軟骨化症 (TIO)
    • Mepsivii (R) ; ベストロニダーゼアルファ, 承認
      • ムコ多糖症7型 (MPS 7)

    低分子

    • Dojolvi(TM) ; トリヘブタノイン, 承認
      • 長鎖脂肪酸化障害 (FAOD)

    核酸医薬

    • GTX-102 (2020/11現在)
      • GeneTx Biotherapeutics社との共同開発
      • アンジェルマン症候群(1.2万人~2万人に1人の発症)治療薬
      • 15番染色体(UBE3A遺伝子)に由来する
      • Genomic Imprintingに関わるアンチセンス(UBE3A-AS)が制御していることが知られている
      • GTX-102は、UBE3A-ASを阻害する
      • P1/2 (NCT04259281)、小児5例

    遺伝子治療

    • DTX301
      • オルニチントランスカルバミラーゼ (OTC)欠損症, Phase 2
        • AAV遺伝子治療
        • 尿素回路障害、アンモニア解毒酵素の遺伝的欠損、血中高アンモニア、全世界で10,000人の患者、80%は遅発性、
    • DTX401
      • 糖原病Ia型 (GSDIa), Phase 2
        • AAV遺伝子治療
        • GSDIaは最も一般的な遺伝性糖原病で、低血糖症を示す
        • 特定の臓器や組織に糖-コラーゲン複合体を蓄積し、機能障害を生じる。その結果、乳酸アシドーシス発症、腎不全に進行し、乳幼児期に死亡する例がある。
        • 全世界で、推定患者数は、6,000人

    技術

    • 希少な遺伝子疾患
    • AAVベクターによる遺伝子治療薬の開発に関する技術を持つ
    • 生産細胞: HeLa, HEK293
    編集履歴
    2020/09/17 はりきり(Mr)
    2020/10/09 追記 (これまでの日本企業との提携、パイプライン)
  • 気になる企業 – Voyager Therapeutics – 中枢神経疾患の遺伝子治療薬の開発 – [2020/08/06]

    気になる企業 – Voyager Therapeutics – 中枢神経疾患の遺伝子治療薬の開発 – [2020/08/06]

    ID20838

    Voyager Therapeutics

    • NASDAQ: VYGR, US、サイト
    • Voyager Therapeutics, Inc.
      • is clinical-stage gene therapy company
    • 中枢神経疾患(Central nervous system; CNS) source
      • Parkinson’s disease
      • a monogenic form of amyotrophic lateral sclerosis (ALS)
      • Huntington’s disease
      • Friedreich’s ataxia
      • frontotemporal dementia/Alzheimer’s disease
    • 2019年売り上げは、約40億円
    • AAVを使った中枢神経系の遺伝子治療薬の開発
    • 投資サイト : investing.com
    • Collaborators source; ライセンス先(Licensee)
      • abbvie (Parkinson’s Disease : upfront: $65M, option: $245M, $728M, source)
      • neurocrine (Parkinson’s Disease : upfront: $165M, milestones: $1.7B, source )
      • umass medical school
      • university of california San Francisco
      • Standord University
      • Sanofi-Genzyme (AAV遺伝子治療薬での関係性を再構築中, source)

    Manufacturing

    • 500 L max for 数千ドーズ (AAV gene therapy)

    開発品

    Product ProgramPreclinicalLead Candidate SelectionPhase IPhase IIPhase III
    VY-AADC
    Advancing Parkinson’s Disease (rAAV2)
    ✔︎✔︎✔︎✔︎
    VY-HTT01
    Huntigton’s Disease
    ✔︎✔︎
    VY-SOD102
    Monogenic ALS
    ✔︎✔︎
    VY-FXN01
    Friendreich’s Ataxia
    ✔︎✔︎
    Tau & Alpha-Synuclein Programs
    Tauopathies (Alzheimer’s, PSP, FTD) & Synucleinopathies (Parkinson’s), LBD, MSA)
    ✔︎
    with AbbVie
    Early Pipeline
    Undisclosed
    ✔︎
    PSP: Progressive Supranuclear Palsy, FTD: Frontotemporal Dementla, LBD: Lewy Body Dementia, MSA: Multiple System Atrophy

    イベント

    2020/08/03 source
    Voyager Therapeutics、Inc.(NASDAQ:VYGR)は、AbbVieとのコラボレーションに関連した情報アップデートとして、タウとアルファ-シヌクレインのVectorized antibodyとのコラボレーションを終了したことを発表 (Vectorized antibodyは、AAVを利用して脳内での抗体の産生により治療する技術)

    編集情報
    2020/08/06 Mr.HARIKIRI
  • [Virus-Edu] 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染機序  [2020/07/27]

    [Virus-Edu] 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染機序 [2020/07/27]

    はじめに

    コロナウイルスの感染機序の1つは、細胞膜とウイルス膜の融合により、ウイルス粒子が細胞膜と一体となり、ウイルス粒子内の遺伝子が細胞内に取り込まれるものと、もう一つは、貪食という機構により、ウイルス粒子そのものが、細胞内に取り込まれ、やがてウイルス粒子からウイルス遺伝子が漏出して細胞内に至るものがある。いずれにしても、細胞内に到達したウイルス遺伝子は、その機能を細胞内に存在する酵素などを利用して発揮することになる。

    新型コロナウイルスの感染機序

    新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) 感染のある過程で、以下に説明する薬剤の臨床試験における抗ウイルス効果のポイントが存在する。

    1a Fusionでの感染

    SARS-CoV-2は、エンベロープを持つウイルスである。このエンペロープであるスパイク・タンパク質が、宿主細胞の表面抗原に対して結合親和性があり、そこに結合することで、最初の感染の足がかりを作る。

    結合すると、ウイルスの脂質二重膜と細胞の脂質二重膜は、膜融合をおこし、ウイルスのRNAが細胞の中に入っていく。

    RNAは、タンパク質の設計図であるため、細胞内のタンパク質合成装置であるリポソーム(Ribosome)により、コードされたタンパク質を合成する設計図となる。

    合成されたタンパク質は、必要な箇所で切断(Proteolysis)されるが、このポイントで、Lopinavir-ritonavirが抗ウイルス効果を発揮する。

    Lopinavir, ritonavir配合剤 – KEGG –
    作用機序: ロピナビルはHIVプロテアーゼの活性を阻害し,HIVプロテアーゼによるgag-polポリ蛋白質の開裂を抑制することで,感染性を持つ成熟したHIVの産生を抑制する.リトナビルは,CYP3Aによるロピナビルの代謝を競合的に阻害し,ロピナビルの血中濃度の上昇をもたらす.本剤の抗ウイルス活性は,ロピナビルによるものである

    https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00057826

    Proteolysisで適当な大きさになったタンパク質(非構造タンパク質:nsps)と小胞体由来の膜(と考えられている)が作る複製/転写複合体(Replication-transcription complex; RTC)が作られ、SARS-CoV-2の複製を媒介するsource

    このRTCの中には、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RNA-dependent RNA polymerase; RdRp)が含まれている。このRdRpsourceを阻害する考えられるのが、Remdesivirである。

    Remdesivir – KEGG –

    レムデシビルはアデノシンヌクレオシドのプロドラッグであり、加水分解等による代謝を経て、ヌクレオシド類似体の一リン酸体となった後、細胞内に分布し、代謝されてヌクレオシド三リン酸型の活性代謝物を生成する。活性代謝物はアデノシン三リン酸(ATP)の類似体として、SARS-CoV-2 RNA依存性RNAポリメラーゼによって新たに合成されるRNA鎖に天然基質ATPと競合して取り込まれ、ウイルスの複製におけるRNA鎖の伸長反応を取り込みから少し遅れて停止させる。

    https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00068750

    1b 貪食での感染

    SARS-CoV-2ウイルス粒子を貪食する形で細胞内にそのまま取り込む(Endocytosis)。細胞内に入ってきた構造体をEndosomeと言う。

    生成初期のEndosomeの内部は、pH6.3で、その後pH4.7sourceと低くなるsource。この段階で抗ウイルス作用を示すのが、Chloroquine, Hydorxychloroquineであると考えられる。

    COVID-19

    以上

    編集履歴
    2020/07/27 Mr.はりきり
    2022/03/12,追記(はじめに: 2つの感染機序の概説)
  • [Vc] アデノウイルス・ベクター・ワクチンとは – 新型コロナウイルスのワクチン開発で威力を発揮する – 必要な遺伝子のみを残す試行錯誤で、現在は第三世代  [2021/02/26]

    [Vc] アデノウイルス・ベクター・ワクチンとは – 新型コロナウイルスのワクチン開発で威力を発揮する – 必要な遺伝子のみを残す試行錯誤で、現在は第三世代 [2021/02/26]

    アデノウイルス・ワクチン

    アデノウイルス(adenovirus)を利用した治療薬の代表は、遺伝子治療薬です。adenovirusを用いた研究は歴史があり、遺伝子治療用のadenovirusは、最新世代の改変型adenovirusが使用されています。

    使用されるワクチン用のadenovirusは、目的に適した改変adenovirusが使用されるはずですが、前世代adenovirusが使用されているようです。この部分は、十分に把握できていないので、今後の調査を進めたいと思っています。

    アデノウイルス・ベクターを使ったワクチンとして代表的なものは、やはり、Astrazeneca社のCOVID-19ワクチンです。2021年中には、日本でも集団摂取が予定されています。Astrazeneca社のワクチンに関する情報は、後半に述べています。

    adenovirusのウイルス膜表面に、目的の抗体を作りたいウイルスの膜表面タンパク質を発現さたり、ベクターとして組み込んだ遺伝子に目的のタンパク質を発現させることも可能です。現在、新型コロナウイルスのワクチンとしてAstrazenecaの臨床試験が行われているadenovirus vector vaccineがあります(2020)、mRNAなどの核酸ワクチンと比較して、細胞免疫を惹起するため強いワクチン効果が期待できます。ただし、ワクチン効果以外の服反応も起こるため、免疫獲得として摂取できる回数は少ない数回に限定されます。核酸ワクチンの場合は、副次的な反応が理論上はないため、複数回の免疫が可能です。抗体ができるまで、複数の免疫も可能と考えられます(2020/09/08)。

    adenovirus vector vaccine (アデノウイルス・ワクチン)は、核酸ワクチンの原理と比較して、抗原提示に関するT細胞の免疫応答が強まる(細胞免疫)、感染細胞への殺傷効果が高い可能性があることから、よりワクチン効果が高い期待があります source: Adenoviral Vector-Based Vaccines and Gene Therapies: Current Status and Future Prospects, 2018

    上記参照文献は、adenovirusに関わる情報を網羅的によくまとめられおり、初学者には貴重な情報源となります。以下、原文の英語を日本語にまとめるとともに記載分類を再編成しレジメ化しました。以下の(数字)は、原文での参照文献番号を表しています。

    • 遺伝子投与(核酸ワクチン)による抗原の産生では、抗体の生成は可能だが、抗原提示に関するT細胞の免疫応答が弱い可能性 (核酸ワクチンの弱点の可能性)
    • adenovirusのウイルス膜表面への抗原提示、あるいはAdenorirus自体によるアジュバント効果(可能性)では、抗体の生成とT細胞の免疫応答のどちらも強力に得る可能性が高まる

    adenovirus

    adenovirusの特徴は、DNAウイルスであり以下の通りです。

    • カプシドとゲノムで構成されている
      • 表面抗原を構成するタンパク質は、(1)ペントン、(2)ヘキソン、(3)ファイバー
    • 血清型間で、ヘキソンの超可変領域とファイバーのエピトープ配列の不均一性が高い
    • 殆どの人は抗体を持っている
    • サイズ : 70 ~ 90 nm
    • 26~45kb二本鎖DNAゲノム、両端に100-140bpのフランクを持つ2つの逆方向末端反復を含む
    • 相補のDNAはそれぞれタンパク質をコードしている(双方向)
    • オルタネイティブ・スプライシングによりmRNAの異なるポリA修飾を使用する

    遺伝子導入実験ハンドブック — タカラバイオ —

    AAV (Parvoviridae) : ssDNAウイルス, 5kb, 18-26nm, P1レベル, 染色体への積極的なゲノム組み込み(-)
    adenovirus (Adenoviridae) : dsDNAウイルス, 36kb, 70-90nm, P2レベル、染色体への積極的なゲノム組み込み(-)
    lentivirus (Retroviridae) : ssRNAウイルス, 8-9kb, 80-130nm, P2レベル, 染色体への積極的なゲノム組み込み(+)

    by Mr. Harikir (2021/02/11)

    https://catalog.takara-bio.co.jp/PDFS/transgenesis_experiment.pdf
    • 遺伝子は、それぞれ5つの初期遺伝子と後期遺伝子に分けられる
      • 初期遺伝子 : E1, E3, E4は、自然免疫を抑制する
        • E1
          • E1A
            • ウイルスDNA合成に必要な遺伝子の転写の活性化
            • 宿主細胞への影響 : p53依存的と非依存的によりアポトーシス(ハイジャックアポトーシス)を誘導(9)
            • immuning回避(T細胞への抗原提示の減少(67) )、腫瘍形成(60,61)
          • E1B
            • 宿主タンパク質(p53, Bak, BAX)への結合によりアポトーシスを阻害する(68~79)
        • E2
        • E3 : 免疫調節機能
          • 感染細胞を免疫細胞から認識されないようにする (78)
            • 検出MHCクラスI分子の表面輸送の遮断
            • 宿主細胞の表面にあるNK細胞受容体を減少させる
          • Death receptorsのダウンレギュレーションすることにより、adenovirus感染細胞のアポトーシスを阻害する
        • E4 (74, 75, 76, 77)
          • E1B-55とE4のタンパク質は、Daxxタンパク質を誘発することで、抑制されているウイルスのゲノム発現を可能にする
          • E1B-55kとE4の結合タンパク質は、自然免疫である抗ウイルス応答を抑制する
        • 細胞に取り込まれた時に発現する
        • タンパク質合成、ウイルス複製に必要な宿主遺伝子の発現調整
      • 後期遺伝子
        • L1-L5
        • アセンブリ、放出、宿主細胞の妖怪(1,5,6)
    • 非エンベロープ
    • 20面体DNAウイルス
    • 50以上の血清型 (遺伝的に多様)
    • Adenoviruses (Adenoviridae) (10,11,12)
      • Mastadenovirus
        • 動物のアデノウイルス(サル、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌ)
        • ヒトのアデノウイルス (Human Adenoviruses; HAd)
          • 7つ (A ~ G)
          • 血清学的特徴では、67種類、更にサブグループ
      • Aviadenovirus
      • Siadenovirus
      • Atadenovirus
      • Ichtadenovirus
    • 宿主組織 : 眼、呼吸器、胃腸の上皮など生命の危機に関わらない感染
    • 1953年、Roweらにより組織から分離された(2)
    • ヒトと動物の間で無症状の気道感染症を起こす
    • 免疫不全の患者では生命に危険がおよぶ場合がある
    • 殆どのヒトで中和抗体を有している(3)
    • 癌療法に使用される(4)
    • 構成タンパク質(6, 7, 8)
      • ヘキソン
        • 主たる表面タンパク質(270 x 3量体)
        • 超可変領域を含む。この領域を利用してワクチン抗原にできる
      • ペントン
        • 20面体の12の頂点に12 x 5量体
        • ファイバーと共に宿主細胞の受容体のリガンドとなる
      • ファイバー
        • 12の3量体が突出している
        • ペントンと共に宿主細胞の受容体のリガンドとなる
      • IIIa
        • カブシドの内側に位置する
        • 頂点領域の裏打ちと内包するウイルスゲノムの組み立てに寄与する
      • VI
        • 内側と外側のカプシドシェルをリンクする
      • VIII
        • ヘキソンの裏打ち
      • V, VII, IX
        • DNAゲノムに関連し、ビリオンのコアを構成
        • 末端タンパク質は、2本鎖DNAの末端に結合し、複数のVにより作られたコアとリンクして位置を安定化

    アデノウイルスに対する免疫

    宿主におけるウイルス認識

    adenovirus、その部品を認識するもの (27,28,29,30,31.32,33,34,35,36,37,38,39,40,41)

    • 細胞内でのバターン認識受容体 (PRR)
      • adenovirus由来の5’-triphosphateを持つ2本鎖RNAは、RIG-Iなどのcytosolic PRRに認識される
      • DNA, RNAは、TLR3, TLR7, TLR8などのエンドソーム膜(endosomal membrane)にあるintracellular PRRsに認識される(48,52,53,54,55)
      • 2本鎖DNAの生体内認識 (34,35,56,57)
        • TLR9
        • DNA-dependent activator of IRFs (DAI)
        • DNA-dependent protein kinase (DNA-PK)
        • IFNγ-inducible protein 16 (IFI16)
        • DEAD (Asp-Glu-Ala-Asp) box polypeptide 41 (DDX41)
        • cyclic guanosine monophosphate-adenosine monophosphate (cGAS)
    • 病原体関連分子パターン (PAMP)
    • PRRがPAMPを感知する
    • ウイルス(病原体)であると認識すると、1型インターフェロンを発現しウイルス抑制、炎症性サイトカイン発現 (23,24,25,26,27)
    • receptor : Coxsackie adenovirus receptor (CAR)
      • 促進因子 : IL-8, TNF-α
    • integrin αvβ5 heparin sulfate proteoglycans
    • CD46
    • sialic acid
    • scavenger receptors (マクロファージ、樹状細胞)(33)
    • Toll-like receptors(TLRs)
    • RIG-I like receptors(RLRs)
    • nucleotide-binding oligomerization domain (NOD-like receptors (NLRs)
    • cytosolic DNA sensors
    • effector molecules
    • CD46, desmoglein-2 (type B Adのmacropinocytosis)(39,40)→ IL-12で誘発されるINF-γの産生を抑制する
    • 細胞のβ3インテグリンは、pentonのAgr-Gly-Asn (RGD)モチーフに親和性あり

    Vectorとしての良くない免疫応答

    • adenovirus粒子のみでは自然免疫の誘導は不十分であり、その原因は、DNA由来として残っている(51)
    • 肝臓、脾臓のマクロファージの活性化(42,43)
    • MCP-1, RANTES(TLR2依存性)の活性化
    • IL-1抗体は、adenovirusによる角膜の炎症反応を低減化する(mouse)(45,46)
    • TLR9(E1, E3欠損adenovirusでも感知する→角膜炎症、IL-6,IFNα産生)(49,50)
    • plasmacytoid dendritic cells (pDCs)は、TLR9-MyD88依存、myeloid DCs (mDCs)は依存しない(48)
    • 細胞免疫
      • CD4+ Th1細胞
      • CD8+ T細胞

    adenovirus vector

    adenovirus vectorの特徴

    • HAd5は遺伝子送達用ベクターとして開発された
    • 非複製性
    • 広範囲な組織指向性
    • ゲノム解析が進んでいる
    • 大きなDNA遺伝子挿入が可能
    • 宿主ゲノムに組み込まれない
    • 宿主細胞の核にepsomeとしてDNAが残る
    • 36kbの遺伝子をパッケージング可能
    • 自然免疫(先天性免疫)シグナルを活性化することでワクチンとしての利点がある(21,130)
      • 効果的な免疫細胞刺激→適応免疫(獲得免疫)である液性・細胞性の免疫応答
      • 細胞内の病原体の解決には、CD8+細胞障害性Tリンパ球(CTL)が重要
      • adenovirus vectorで運ばれる抗原は、
      • MHCクラスI分子を介してT細胞に提示されるめた、adenovirus vectorは、堅牢なCTL応答を誘導できる
      • CTLは、ウイルス感染細胞、細胞内病原体、ガン性細胞を強力に認識し死滅できる
    • 抗体産生及び導入遺伝子て特異的T細胞の誘導
    • 必要な遺伝子をadenovirusから分離し、HEK細胞に担わせることで、共同してベクターを産生させる
    • adenovirusのタンパク質とHCVのタンパク質の相同性が高い

    遺伝子治療におけるadenovirus vectorの歴史

    繰り返し投与により体液性免疫、細胞性免疫、細胞性細胞毒性、発癌などの課題に直面した(129)

    • 1992年、alpha-1 antitrypsin (A1AT)欠損症(124, 125)
    • 嚢胞性線維症 (CFTR遺伝子)(126)
    • 尿素回路関係(オルニチントランスカルバミラーゼ)(127,128)

    ワクチンにおけるadenovirus vectorの歴史

    • HIVワクチン 2003年~2006年、Merck(131)
      • HAd5 vector-based

    第1世代

    アデノウイルス・ベクターは、HEK293細胞とともに改変が進められてきた(2021/02/11, by MR.HARIKIRI)。

    • First generation
    • E1削除
      • 初期、後期のウイルスタンパク質は、濃度依存的にMHCクラスIによる抗原提示により細胞死を誘発するが、それをホスト細胞以外では産生できないことにより毒性低減化に繋がる(104,105)
      • 削除により非複製アデノウイルスとなる (HEK293(ヒト胚性腎細胞), PER.C6などのE1トランスフェクト細胞を使用する (93)
      • HEK293には、E1領域にトランス相補性を入れている(組織形質導入能力)
      • 自然相同組換えが起こり複製力のあるadenovirus(RCA)が出現する可能性を持っている(98)
      • RCAのリスク低減としてのPER.C6では、独自のプロモーター(PGK)を持つadenovirusのE1領域の発現カセットを使用し相同領域を削除(99,100)
      • 4.5kb導入可能となった (92)
    • E3削除
      • 免疫学的経路の阻害(101)が知られている
      • 完全に削除された(102)
      • 8kb導入可能となった(103)

    第2世代

    増殖中の複製能力のあるadenovirus生成の可能性を排除できたが、導入遺伝子の発現が少ないとされる。依然として残る課題は、免疫原性と細胞毒性である。

    • Second generation
    • E1削除 : 第1世代から継承
    • E2削除
    • E3削除: 第1世代から継承
    • E4削除
    • 10.5kb導入可能となった

    第3世代

    ITRとパッケージングシグナルを除く全てのウイルスシーケンスを削除(114)

    • Third generation (114)
      • ITRs
      • packaging signal
    • Helper Dependent or gutless adenoviral vectors(115, 116, 117)
    • high capacity adenoviral vectors (HCAds)と呼ぶ
    • 2種類のvectorが必要(トランスフェクション)
      • Helper virus
        • ホスト細胞に組み込んでいたウイルス遺伝子補完遺伝子をHelper virusで提供により、adenovirusタンパク質を合成可能となる→ capsidのアセンブリ→HCAD genomeのパッケージング
        • HCAdsのみのパッケージングが可能
        • packaging signal flanking loxP siteを含む
          • Helper virusのパッケージングシグナルは、loxP siteのCreを介した組換えにより阻害されることで、Helper virusのgenomeがadenovirus粒子に集まるのを防ぐ(機能が十分でない場合、Helper Virus汚染の問題が生じる)
      • HCAd genome
        • ITRsを含む
        • packaging signalを含む
    • HEK293細胞
      • constitutivery express Cre recombinase
    • Helper virus
    • 免疫原性と細胞毒性の低減化(118,120,121,122)
    • 課題は、生産方法が複雑、Helper virusの汚染問題(123)
    • 36kb導入可能となった

    新型コロナウイルス・ワクチン

    現在、世界で喫緊の課題である新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するワクチン開発は、イギリス(英国)のアストラゼネカ(Astrazeneca)が最も進んでいるようです。

    英国のAstrazenecaとOxford大学が共同開発しているSARS-CoV-2の感染症(COVID-19)ワクチンは、アデノウイルスをベクターとして使用するAdenovirus vector vaccineです。

    現在、臨床試験は、~10,000人程度を予定されるPhase III試験に入っており、今年中には、20億ドーズの供給が始まると言われています。日本へも1億ドーズを供給する準備があると言っています。Phase I/II試験(約1,000人)の結果、中和抗体の上昇と感染した細胞を破壊するT細胞の誘導が確認されており、結果は良好のようです。1回投与では90%代の効果、2回投与では100%の効果が確認されました。2回投与の場合、日本への1億ドースは、5,000万人分の計算になります。

    Phase I/IIの臨床試験の内容は、以下の記事もご参照ください。

    編集情報
    2020/07/22 Mr.HARIKIRI
    2020/07/25 追記 (adenovirusの網羅的情報)
    2020/08/03 文言整備
    2020/08/08 文言整備
    2020/09/08 追記(細胞免疫)

    以上

  • [Bio-Edu] AAV血清型別の組織別の感染親和性 – 感染とインテグレーション [2023/10/31]

    [Bio-Edu] AAV血清型別の組織別の感染親和性 – 感染とインテグレーション [2023/10/31]

    AAVの感染とは

    AAVのウイルス粒子表面を覆っているカプシドタンパク質の構造の違いで血清型が定義されています.このカプシドタンパク質が,細胞表面の受容体に親和性が高い場合に感染対象となり感染が容易になります.AAV1(血清型1)は,筋肉や肝臓に高い感染効率を示し,AAV5は中枢神経系や網膜などに高い感染性を示します.

    また,アデノウイルス,レトロウイルスよりも抗原性が低いため近年,AAVを用いた遺伝子治療薬の開発が多く進められています.更に,AAVは,血清型によっては,免疫反応,中和抗体の産生を更に低減できることから,AAVを用いて遺伝子の運び屋(ベクター)として期待が高まっています.遺伝子治療に用いられる場合,製薬メイカーは,更に改良を加えて,治療効果の向上,副作用の低減化を独自の技術で図っています.

    一般的にウイルスの副作の1つとしてウイルス遺伝子が細胞のゲノムにインテグレーションすることが多きな問題になります.AAVの場合,AAV の遺伝子はAAVS1遺伝子座にインテグレートします.しかし,recombinant AAV (rAAV) vectorでは、REP遺伝子(主に酵素活性)とCAP遺伝子(カプシド)の2つの遺伝子を除去しているためインテグレートされない理由です(ハリキリ解説: 天然のAAVではREP/CAP遺伝子がAAVのその他遺伝子と一体になっていることと比較して,rAAVでは,REPとCAP遺伝子は,ベクターとして個別に用意していることとの違いがあり,これによりインテグレートされない理由となっていると,現時点でのハリキリの余り深くない理解です)

    REPタンパク質は,エンドヌクレアーゼ,ヘリカーゼ,ATPaseなどの節制を持ち,AAVゲノムの両端にある逆位反復配列(ITR)と結合して,ウイルスDNAと宿主DNAの間で切断や結合を行います.REPタンパク質は,宿主細胞の染色体上のAAVS1領域と親和性が高いため,インテグレーションのして安定的な潜伏感染状態をつくることになります.以上が,天然のAAVは,宿主細胞の染色体上にAAV遺伝子を自ら挿入(インテグレーション)できる仕組みです.

    感染した細胞は,エピソーム(episomal)のままであり、非分裂細胞(non-dviding cell)内に長期間維持される可能性があります。

    AAV血清型の違いによる組織別の感染親和性

    参考にした情報は、2007年の日本の文献と、CMOサーピスを提供しているVIGENE社のサイトの2つです。

    組織; tissueAAV1AAV2AAV3AAV4AAV5AAV6AAV7AAV8AAV9AAV-DJ
    由来サルヒトヒトサルヒト1型+2型サルサルヒト
    筋; muscle✔︎
    +++
    ++++✔︎++✔︎
    ++
    ✔︎
    ++
    肝臓; liver++++++✔︎
    +++
    ✔︎
    ++
    ✔︎
    肺; lung(+/-)(+/-)✔︎✔︎✔︎
    (+/-)
    中枢神経; central nervous system✔︎
    (+/-)
    (+/-)✔︎✔︎✔︎✔︎
    網膜; retina✔︎✔︎✔︎✔︎
    膵臓; pancreas✔︎
    腎臓; kdney✔︎✔︎
    心臓; heart✔︎✔︎✔︎
    https://www.vigenebio.com/aav-packaging/ 「✔︎」で表示した情報源

    4. AAVを利用した遺伝子治療
    ウイルス 第57巻 第1号, pp.47-56, 2007
    (表中の「+」、「-」、「+/-」で表示した情報源です)

    http://jsv.umin.jp/journal/v57-1pdf/virus57-1_047-056.pdf

    アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターによる遺伝子導入

    アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターによる遺伝子導入|タカラバイオ株式会社 (takara-bio.co.jp)

    編集履歴

    2020/06/23, Mr.Harikiri
    2023/10/31, 追記 (AAVの感染と遺伝子のインテグレーション)

  • 気になる企業 – BioReliance/Carlsbad – CDMO of AAV gene therapy [2020/06/18]

    気になる企業 – BioReliance/Carlsbad – CDMO of AAV gene therapy [2020/06/18]

    BioReliance

    Viral and gene therapy manufacturing site at Carlsbad

    • 20 years of experience
    • 500 batches of virus to support gene therapy
    • single use bioreactor and purification
    • phase III and commercial launch (PPQ batch)
    • Experience (batches) 2010-2017
      • Adeno-associated virus : 19%
      • Adenovirus : 20%
      • Lentivirus/Retrovirus : 40%
      • Reovirus : 5%
      • Others : 16%
    • in-house process development
      • USP : adherent or suspension culture
      • DSP
    • Technical Transfer
      • full tech transfer team for cGMP
      • >20 program
    • Cell and Viral Banking
      • master and working
      • cell and viral (access to additional storage in Rockville, Maryland, USA and Glasgow Scotland, UK)
      • viral seed stock characterization
    • Sterile Fill Finish
      • most critical processes in safegarding the sterility
      • delivering drug substances intended for use in patient
      • 2,000 vials/day in two dedicated Class 1000(ISO 6) fill suites, one of which is designed for commercial fills
    • Viral Vector Testing
    • Secure Biostorage
      • freezers of -80℃ and -20℃
      • liquid nitrogen dewars
    • Leader in Viral Vector Mnufacturing
      • SAFC Carlsbad
      • >20 years of track record in developing and manufacturing viral vectors and vaccines from 1990s
      • In 2017 expansion

    Bio Reliance (Carlsbad), サンディエゴ、US

  • 気になる企業 – LONZA – 遺伝子治療薬の製造も含めたバイオロジクスCDMOとして投資を進め世界の需要に応える [2021/05/29]

    気になる企業 – LONZA – 遺伝子治療薬の製造も含めたバイオロジクスCDMOとして投資を進め世界の需要に応える [2021/05/29]

    LONZA

    動向

    Lonzaの投資状況から、世界の需要は更に膨らんでいることが、容易に伺えます。2021/5に、現行のバイオロジクス製品の製造サイトであるVispサイト、Portsmouthサイトについて、ビッグサイズ (20,000L)のBioreactorを備えた製造ファシリティーの追加投資、または整備に関する発表がありました。いずれも2~3年後には本格可能します。エネルギ効率を追求した最新のファシリティとなるようですRef2

    経営状況

    • 2019の売り上げは、LONZA全体で約5,900億円
    • そのうち、Pharma Biotech & Nutritionの売り上げは、約4,200億円 source

    Single use bioreactorの製造体制

    • 2023年には、現在、各地で整備されているsingle-use Bioreactorを使用した製造体制の連携したネットワーク体制を完了させる (Hayward (US), Slough (UK), Tuas (SG) and Visp (CH) )Ref2

    ウイルスベクター分野

    https://pharma.lonza.com/offerings/cell-and-gene-therapies

    • 20年以上の関連経験を持つ科学者チームによるプロセス設計
    • 開発、規制当局へのCMCパッケージの申請サポート
    • 2001年にAdenovirus Type 5の製造経験
    • >120 プロセス開発(gene and gene therapy) source
    • >50 ウイルスベクターのカスタマーへの提供実績
    • ヒューストン施設でのフレキシブルな製造

    製造施設

    Houston, TX, US

    CVlinical Manufacturing, Commercial Manufacturing, Cell and Gene Manufacturing, Viral Vector Manufacturing

    • 300,000ft2 (細胞及び遺伝子治療施設)
    • モジュラー設計クリーンルーム
    • 施設の拡張性 (single use system)
      • non-GMP: Max 250L suspension
      • cGMP: 50L to 2,000L suspension
      • AAV, Lentivirus, Adenovirus, 腫瘍溶解ウイルス(oncolytic viruses)
    • テクノロジー
      • AAV製造
        • HEK293 based transient transfection (独自)
        • Hela cell-based producer cell lines
        • baculovirus-based method
      • Lentivirus製造
        • 付着/浮遊
      • Adenovirus及び腫瘍溶解性ウイルス

    フィスプ(CH)、ポーツマス(US)とチュアス(SG)

    臨床及び商用生産の提供

    • Visp (CH) : スイスのフィスプ
      • 6 x 20,000Lの新しい最新型の製造施設を650m CHFで建設(27,500 m2)すると発表。2024に稼働予定
    • Portsmouth, NH, USA
      • Clinical Manufacturing, Commercial Manufacturing, Cell and Gene Manufacturing
      • 8 x 20,000L
    • Tuas, Singapore
      • Production, Sales & Suport
    Ref 2.

    06 May 2021, Lonza Announces Expansion Plans for Next-Generation Mammalian Manufacturing Facilities in Visp (CH) and Portsmouth (US)

    https://www.lonza.com/news/2021-05-06-07-02

    ペアランド(US)とゲレーン (NL)

    プロセス開発/分析開発、臨床用製造、商用製造

    • Geleen, The Netherlands
      • Clinical Manufacturing, Commercial Manufacturing, Cell and Gene Manufacturing, Process Development, Analytical Development
      • 2017年にPharmaCell BV(2005年にBrightlands Maastricht Health Campusに細胞及び遺伝子治療と再生医療を目的に設立、2017年現在、6000m2のGMP施設と関連施設、過去7年間の実績)を買収source
    • Pearland, TX, USA

    編集履歴

    2020/06/15 Mr.Harikir
    2021/05/29,追記(Visp (6 x 20,000L追加)とPortsmouth (8 x 20,000L体制整備)の大規模製造サイトに更なる投資により顧客需要に応える)
  • [Bio-Edu] ウイルスベクターの比較 – AAV – Adenovirus – Lentivirus – by Vigene Biosciences社 [2020/6/15]

    [Bio-Edu] ウイルスベクターの比較 – AAV – Adenovirus – Lentivirus – by Vigene Biosciences社 [2020/6/15]

    Vigene Biosciences

    Vigene Biosciencesは、AAVのパッケージングを受託しています。Vigene Biosciencesのサイトから、遺伝子治療のVectorとしてAAV, AdenorirusおよびLentivirusの比較があります。以下、ご紹介します。

    CharacteristicAAV*1AdenovirusLentivirus
    Genome4.8 kb (ssDNA)36 kb (dsDNA)9 kb (ssRNA)
    Packaging Capacity4.7 kb7.5 kb9 kb
    InfectionMost dividing and non-dividing cellssame as leftsame as left
    Transduction EfficiencyModerateHighModerate
    IntegrationNon-integratingNon-integratingIntegrating
    ExpressionTransient or stableTransientStable
    ImmunogenicityVery LowHighLow
    BiosafetyBSL-1BSL-2BSL-2
    https://www.vigenebio.com/aav-packaging/ by Vigene社

    *1: AAVはAAVS1遺伝子座にインテグレートしますが、rAAV vectorでは、2つの遺伝子を除去しているためインテグレートされません.又、エピソーム(episomal)のままであり、非分裂細胞(non-dviding cell)内に長期間維持される可能性があります。

    AAVのtransfection戦略

    トリプル・トランスフェクション戦略 (co-transfecting)

    • GOI plasmin
    • rep/cap plasmid
    • Helper plasmid (Adenovirus由来, for genes replication)

    Cre-dependent trans-splicing approach

    reconstituted gene expression from two independent recombinant AAV vectors, however this efficiency is ~20% than single single method.

    編集履歴
    2020/06/15 Mr.HARIKIRI