[Bio-Edu] 抗体医薬(mAb) – 物性・安定性

mAbの安定性の予測

最近の抗体医薬(mAb)の濃度は、100mg/mLを超える高い濃度の製品が殆どとなった。

特許 JP2011068675A Stable liquid pharmaceutical formulation of IgG antibody

50mg/mL以上の高濃度IgGの安定的な溶液組成

https://patents.google.com/patent/JP2011068675A/ja

濃度が高いことで、mAb同士の衝突が高まるため、凝集化(Aggregates)の問題が浮上してくる。

抗体医薬の使用期限の設定は、5℃保管で2〜3年程度であるが、その安定性を実際の期間でデータ取得することは当然としても、その安定化のためのバッファ組成の開発検討として、実期間を使って行うことは非効率である。

そのため、加速試験の手法により開発検討が行われる。

最新の文献によれば、以下の知見が得られている。

  • 100mg/mLのmAbを使った研究
  • 30℃でのAggregates増加曲線 : 約0.5%/week in 30℃ (グラフから読み取り)
  • 5℃と30℃では、mAbのAggregatesの増加曲線が相関する: 30℃のデータにあるファクターを掛ければ5℃でのAggregatesを予測できると考えられる
  • 5℃と40℃では、相関しない
  • 5℃と30℃では、Aggregatesの生成は二量体によるものが殆どであるが、40℃ではそれより多い多量体の増加によるAggregates生成となる

Accelerated Aggregation Studies of Monoclonal Antibodies: Considerations for Storage Stability
, Ruben Wa€lchli 1, Pieter-Jan Vermeire 2, Jan Massant 2, Paolo Arosio 1, Journal of Pharmaceutical Sciences 109(2020)595-602

https://jpharmsci.org/article/S0022-3549(19)30718-X/pdf

抗体100mg/mLの分子濃度は、4×1017分子/mL

抗体医薬などのバイオ医薬品の物理化学的評価

編集履歴
2020/06/17 はりきり(Mr)

Physicochemical Stability of Monoclonal Antibodies: A Review

https://jpharmsci.org/article/S0022-3549(19)30506-4/fulltext

Published:August 26, 2019DOI:https://doi.org/10.1016/j.xphs.2019.08.009

概要

モノクローナル抗体(mAb)は、タンパク質の性質に関連する不安定性の問題の影響を受けます。この作業では、モノクローナル抗体の不安定性、パラメーター、およびそれらの安定性に影響を与えるさまざまなメカニズム(タンパク質の構造と濃度、温度、インターフェース、光への曝露、賦形剤と汚染物質、および攪拌)とさまざまな分析を検討します。適切な物理化学的安定性研究に使用される方法:物理的安定性アッセイ(凝集、断片化、および一次、二次、および三次構造分析)、化学的安定性アッセイおよび定量的アッセイ。最後に、mAbs製剤のさまざまな公開された安定性研究からのデータが、それらの再構成された形で、または希釈された溶液をすぐに投与できる状態で、まとめられました。全体、mAbの物理化学的安定性は、製剤、環境、操作などの多くの要因に関連しており、それぞれ特定の特性情報を収集できるいくつかの補完的な分析手法を使用して徹底的に調査する必要があります。いくつかの安定性研究が発表されており、それらのいくつかは拡張された安定性の可能性を示しています。ただし、これらのデータは、調査方法論に潜在的な不足があるため、疑問視する必要があります。

キーワード

使用される略語:

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