はじめに
rAAVを特異的に精製が可能なAffinity resingの紹介です.
rAAV (recombinant AAV)は、天然に存在するAAV(ウイルス)を遺伝子改変したものです。一般的にウイルスの電荷は負であるため、精製純度を高めるには物性を利用して陰イオン交換体に吸着・溶出(AEX)させてる手順で可能です。しかし、負の電荷を持っている物質は、精製対象となるウイルスを含む培養液には,多種多様な不純物が含まれています.そのため、このAEXは特異的な精製方法ではありません。そこで、特異的にAAVに結合性を有する精製基材が求められています。
特異的な精製基材
AVB Sepharose (TM) によるsf9細胞由来のrAAVの精製
以下は,サンプルとしてバキュロウイルスで発現させたAAVを使用し,AVB Sepharoseを用いた精製手順です.
- Sf9 cell (10e8)のバキュロウイルスによるTransfection 1hr処理
- その後3daysの培養後
- cellをharvestして、Detergent処理して抽出液を回収
- capside化しなかったDNAなどをBenzonase処理により分解処理
- Affinity Column精製 (10 mm x 100 mm, AVB Sepharose High Performance)
- Washing: PBS(pH7.4)
- Elution: low pH glycine-HCl (pH2.7)
- Elution peak tiger: 1.7 x 10e13 particles/mL
- Purity: >90% (4-12% SDS-PAGE)
- AAV-1のVP1(81.4kDa), VP2(66.2kDa), VP3(59.6kDa)
Abbreviations: NRP, nuclease-resistant paticle; TU, transduction unit.
評価
nuclease resistance particles/cell: 3.7 x 10e4 ~ 9.6 x 10e4
- ウイルス粒子内にウイルスの遺伝子が完全にパッキングされていれば,necleaseによる抵抗性があるという意味.
- 今回の1 step精製方法による回収量は,1つの細胞当たりに3.7 x 10e4 ~ 9.6 x 10e4のnuclease抵抗性のウイルス粒子を回収できた.
文献
A Simplified Baculovirus-AAV Expression Vector System Coupled With One-step Affinity Purification Yields High-titer rAAV Stocks From Insect
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1525001616308000
編集履歴
2019/09/28, Mr.Harikiri
2022/01/12,追記(はじめに)
2023/10/25,文言整備