[Bio-Education] Cohn Factionation – コーンのエタノール分画 ID23908

エタノール分画とは

エタノール分画は、取得したいタンパク質を不純物を含む原材料から分画精製する方法です。物理化学的性質の違いを利用し、エタノールというタンパク質やその他DNA、糖などの沈澱化を促進する溶剤と水を用いて、目的とするタンパク質を高濃度に分画する歴史的に実績のある手法です。

溶剤としては、その他にアセトンなども使われていました。

コーンのエタノール分画は、ヒトの血漿由来タンパク質を分画精製するために考案されました。エタノール濃度とpHおよび電気伝導度などを指標にして、アルブミン、IgGなどの治療薬となるタンパク質を効率的に分画精製することが可能です。

基本的に、エタノールはタンパク質を変性させるため、4℃から氷点下以下で行われ、変性させない工夫が必要です。

基本的な原理は以下の通りです。

  1. エタノール分画は、タンパク質の精製方法である
  2. エタノール濃度やpHなどの溶液条件に応じて、タンパク質が沈澱化する
  3. 一般的には、エタノール濃度が高いほど沈澱化効果が高まり、タンパク質の分子量が高いほど沈澱化しやすい
  4. 一般的には、pHが低いほど沈殿化効果が高まり、現状のpHを下げて行くことで、ある種のタンパク質は沈澱化する
  5. アルブミン(分子量約60kDa)は、IgG(分子量約150kDa)よりも沈澱化しにくい

コーンのエタノール分画法は、ヒト血漿を出発原材料として、上記の原理に従い、エタノール濃度、pHなどの条件を断続的に変化させ、都度、遠心器などを使用して沈澱と上清とに分画していく効率性の高い手順となっています。

History of Plasma Fractination

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編集履歴

2022/03/12, Mr. Harikiri