気になる企業 – Genentech – 抗体のエフェクター機能を主力に抗体医薬を開発する戦略 [2020/06/19] ID17834

Genentech

Genentechは、Rocheのグループ企業です。

https://www.genentechoncology.com

  • 2019/03/12にRocheの完全子会社化(USD468億, 約4兆5700億円)薬事日報
  • 癌治療の抗体医薬を開発する戦略
  • バイオマーカー
    • 乳がん : HER2, PD-L1
    • 胃・腸癌 : 胃食道癌(Gastroesophageal Adenocarcinoma; GEA), HER2
    • 肺癌
      • PD-L1
      • KRAS
      • FGFR1
      • EGFR
      • ALK
      • PTEN
      • DDR2
      • HER2
      • BRAF
      • PIK3CA
      • ROS1
      • MET
      • NRAS
      • RET
      • AKT1
      • MEK1
    • 膵臓癌
      • NTRK
      • MSI
      • TMB/bTMB
    • enspryng; satralizumab-mwge (アクアポリン4(AQP4)に対する抗体陽性に対する適用),2020/08/17 FDAがBLAを承認
      • pH依存的結合性抗体
      • リサイクリング技術を適用
      • ターゲット : IL-6R
      • US患者数 4,000~8,000

Fcを介したエフェクター機能

3つのエフェクター機能

  • 抗体依存性細胞性細胞毒性 Antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity ADCC
  • 抗体依存性細胞貪食 Antibody-dependent cellular phagocytosis ADCP
  • 保体依存性細胞貪食 Complement-dependent cytotoxicity CDC

エフェクター機能の増強

  • 抗体のヒンジ領域にある糖鎖付加サイトのFucose付加が少なくなると、エフェクター活性が高まることが知られている。糖鎖科学を通じた糖分子を操作することでエフェクター活性の増強を研究している

抗体ライブラリ

  • ファージディスプレイ(phage display)技術による抗原に対する抗体の結合ライブラリを用いて特異的抗体の配列をスクリーニングに持ちしている

Bispecific

抗体は、L鎖とH鎖 (L-H)が2つ結合した構造(L-H) – (H-L)である。Bispecific Antibodyは、抗原Aに対する抗体(L-H)a – (H-L)aと抗原Bに対する抗体(L-H)b – (H-L)bのうち、それぞれ片方の(L-H)同士を結合させた構造(L-H)a – (H-L)bとした構造である。

癌細胞を攻撃するT細胞の表面抗原と癌細胞の表面抗原に、それぞれ親和性がある(L-H)t – (H-L)cを作れば、T細胞は癌細胞に接近することが可能となる。その結果、T細胞は、効果的に癌細胞を攻撃するすることが可能となる。

ADC

Antibody Drug Conjugate (ADC)は、細胞毒性物質を抗体に結合させたものである。細胞毒性物質を癌細胞に対して特異的に届けることが可能となる。

Genentech, About Monoclonal Antibodies

https://www.genentechoncology.com/development-platforms/monoclonal-antibodies.html