[Knowledge] 日本の薬価制度について (レジメ) – その価格の決め方[2020/07/13]

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はじめに

近頃では、新モダリティの医薬品が上市されることが多くなりました。新モダリティの場合、先発品が無いことが多いため、原価積み上げ方式が取られることになります。新モダリティの場合は特に、新しい技術での製造経験の数も少なく、効率化が進んでいない状況もあり、その製造原価はまだまだ高いのです。最近話題の遺伝子治療薬では、1つの治療の価格は1億円を超えています。

新薬の薬価算定方式

  • 類似薬効比較方式の有無でまず、選別
    • 類似薬効比較方式(I)
      • 補正加算
      • 外国平均価格調整
      • 規格間調整
    • 類似薬効比較方式(II)
      • 外国平均価格調整
      • 規格間調整
  • 原価計算方式(類似薬がない)
    • 外国平均価格調整
    • 規格間調整

  • 有用性加算
    • 画期性 : 70 ~ 120%
    • 有用性加算 (I) : 35 ~ 60%
    • 有用性加算 (II) : 5 ~ 30%
    • 先駆け審査指定制度加算 : 10 ~20 %
    • 市場性加算 (I) : 10 ~ 20%
    • 市場性加算 (II) : 5%
    • 小児加算 : 5 ~ 20%
  • 原価計算方式
    • 原材料、労務費、製造経費の積み上げ
    • 営業利益を -50% ~ +100%の範囲
  • 外国平均価格調整
  • 新薬創出・適応外薬解消等促進加算

新薬の薬価算定プロセス

  1. 薬事承認
  2. 薬価収載申請
  3. 第1回薬価算定組織で意見表明
  4. 算定案通知
  5. 不服なしであれば、中医協総会にて報告と承認
  6. 不服がある場合は、不服意見提出
  7. 第2回薬価算定組織
  8. 検討結果通知
  9. 中医協総会にて報告と承認
  10. 薬価収載(年4回)
    • 原則60日以内~90日
    • 新薬は、2, 5, 8, 11月
    • 報告品目、新キット製品は、5, 11月
    • 後発品は、6, 12月

厚生労働省 日本の薬価制度について, 2016

https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11123000-Iyakushokuhinkyoku-Shinsakanrika/0000135596.pdf
編集情報
2020/07/13 Mr.はりきり
2021/10/16,追記(新モダリティの原価について)