はじめに
近頃では、新モダリティの医薬品が上市されることが多くなりました。新モダリティの場合、先発品が無いことが多いため、原価積み上げ方式が取られることになります。新モダリティの場合は特に、新しい技術での製造経験の数も少なく、効率化が進んでいない状況もあり、その製造原価はまだまだ高いのです。最近話題の遺伝子治療薬では、1つの治療の価格は1億円を超えています。
新薬の薬価算定方式
- 類似薬効比較方式の有無でまず、選別
- 類似薬効比較方式(I)
- 補正加算
- 外国平均価格調整
- 規格間調整
- 類似薬効比較方式(II)
- 外国平均価格調整
- 規格間調整
- 類似薬効比較方式(I)
- 原価計算方式(類似薬がない)
- 外国平均価格調整
- 規格間調整
- 有用性加算
- 画期性 : 70 ~ 120%
- 有用性加算 (I) : 35 ~ 60%
- 有用性加算 (II) : 5 ~ 30%
- 先駆け審査指定制度加算 : 10 ~20 %
- 市場性加算 (I) : 10 ~ 20%
- 市場性加算 (II) : 5%
- 小児加算 : 5 ~ 20%
- 原価計算方式
- 原材料、労務費、製造経費の積み上げ
- 営業利益を -50% ~ +100%の範囲
- 外国平均価格調整
- 新薬創出・適応外薬解消等促進加算
新薬の薬価算定プロセス
- 薬事承認
- 薬価収載申請
- 第1回薬価算定組織で意見表明
- 算定案通知
- 不服なしであれば、中医協総会にて報告と承認
- 不服がある場合は、不服意見提出
- 第2回薬価算定組織
- 検討結果通知
- 中医協総会にて報告と承認
- 薬価収載(年4回)
- 原則60日以内~90日
- 新薬は、2, 5, 8, 11月
- 報告品目、新キット製品は、5, 11月
- 後発品は、6, 12月
厚生労働省 日本の薬価制度について, 2016
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11123000-Iyakushokuhinkyoku-Shinsakanrika/0000135596.pdf
編集情報 2020/07/13 Mr.はりきり 2021/10/16,追記(新モダリティの原価について)