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  • [Vaccine] 世界で開発された 新型コロナウイルス用ワクチンの有効性 – Pfizer, Moderna, Astrazeneca, Sinovac [2021/06/15]

    [Vaccine] 世界で開発された 新型コロナウイルス用ワクチンの有効性 – Pfizer, Moderna, Astrazeneca, Sinovac [2021/06/15]

    はじめに

    変異株は、イギリス株に加えインド株(デルタ株)が、感染力が良いため、感染拡大の問題が明らかになってきました。イギリスでは、国民全体にワクチン接種を早期に完了させることを戦略として、2回摂取までの間隔を長くすることで感染の進行を抑えてきました。ここに来て、インド由来の変異株であるデルタ株の感染が増加しており、市中感染においてデルタ株に殆どが置きかわっているとされます。2回摂取の必要性が明らかに成りつつあります (NHK News, 2021/06/14)。

    • 2021/05/23, インド変異株(デルタ株)に対する有効性について、1摂取では、AstrazenecaとPfizerとも33%, 2回摂取でAstrazenecaは60%, Pfizerは88%であると、イングランド公衆衛生庁(PHE)が発表, BBC News(ファイザー製とアストラゼネカ製ワクチン、2回接種でインド型変異株に有効=英研究, 2021/05/23))

    各社のワクチン

    新型コロナウイルスに対するワクチンは、世界で開発が進められています。最も進んでいるワクチンは、第3相の臨床試験の結果が既に得られており、その有効性が確認されています。

    開発を先行している製薬会社として、アメリカのPfizerとModerna、およびイギリスのAstrazenecaの3社の有効性について比較した表を以下に示します (ひるおび, TV, 2020/12/01, 一部改変)。

    表1. mRNAワクチンとウイルス・ベクター・ワクチンの比較

    項目PfizerModernaAstrazenecaJannsen
    企業国アメリカアメリカイギリス
    ワクチンタイプmRNAmRNAAdenovirus VectormRNA
    有効性
    (第3相臨床試験)
    95%94.1%平均70%
    最高90%
    重症化への抑制率は、80%程度
    摂取2回2回2回1回
    保存条件-80 ~ -60℃, ~ 半年
    2 ~ 8℃ (5days)
    – 20℃, ~ 半年
    2 ~ 8℃ (30days)
    2 ~ 8℃ (半年以上)
    日本への供給国内での審査/承認は、早くても2021/02~03,
    ~ 2021/06
    (6,000万人分)
    ~ 2021/09
    (2,500万人分)
    2021 ~
    (6,000万人分)
    N/A
    アメリカでの提供2020/12/11, FDAは緊急使用を認めた(emergency use authorization (EUA)*1)2020/12/01, アメリカでの緊急使用を申請
    提供国イギリス(2020/12/07= (予想)), EUU.S.EUスペイン
    臨床2020/11/8
    副作用血栓が危惧されている

    *1: EUAのマイルストーンを達成

    • 一次有効性分析は、BNT162b2が初回投与の28日後にCOVID-19に対して95%有効であることを示した; 170の確認されたCOVID-19の症例が評価され、プラセボ群で162例、ワクチン群で8例が観察された。
    • 有効性は、年齢、性別、人種、民族の人口統計全体で一貫していた
    • 65歳以上の成人で観察された有効性は94%以上
    • 米国食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可(EUA)に要求する安全性データのマイルストーンが達成された
    • データは、43,000人以上の参加者が登録されたすべての集団でワクチンが十分に許容されたことを示している。
    • 重大な安全上の懸念は観察されなかった。
    • 頻度が2%を超える唯一のグレード3の有害事象は、3.8%の倦怠感と2.0%の頭痛であった
    • pfizerは、EUAのために数日以内にFDAに提出し、世界中の他の規制当局とデータを共有することを計画している
    • 両社は、2020年に世界で最大5,000万回のワクチンを製造し、2021年末までに最大13億回のワクチンを製造する予定
    • pfizerは、ワクチンを世界中に配布するための豊富な経験、専門知識、および既存のコールドチェーンインフラストラクチャに自信を持ってる

    PFIZER AND BIONTECH CONCLUDE PHASE 3 STUDY OF COVID-19 VACCINE CANDIDATE, MEETING ALL PRIMARY EFFICACY ENDPOINTS

    https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-and-biontech-conclude-phase-3-study-covid-19-vaccine

    1回の接種で済むジョンソン・エンド・ジョンソンの新型コロナワクチンは米国で3月に配布開始の見込み

    https://jp.techcrunch.com/2021/01/30/2021-01-29-johnson-johnsons-covid-19-vaccine-is-85-effective-against-severe-cases-and-66-effective-overall-per-trial-data/?guccounter=1&guce_referrer=aHR0cHM6Ly93d3cuZ29vZ2xlLmNvLmpwLw&guce_referrer_sig=AQAAAHWrulzT5dtNkepyOEfFTC-ncFJkYJ_Qu2Dr4Hsfximdft7bNNibxg4ZE-mkWPLZUrbi2CHc68WnFCOudaD31tU8K7fPJJvbVHlmP7KyKY114TuFC4ZnirWqr58xYKq2jlg2XE_ve15FNnkOkdEJRKuzXCJ2YK5kMCfejJNGtfdT

    評価

    当初、僕が最初に調査した時は、核酸ワクチンと比較して、ウイルス・ベクターの方が免疫賦活化効果が高いのではないかという印象がありました。ところが、今回の2種類のmRNAワクチンと1種類のウイルス・ベクター・ワクチンとで、有効性に違いが見られました。mRNAワクチンの方が高いという結果です(表1)。いずれのモダリティーも新しいモダリティーであり、世の中には、まだ存在しない医薬品です。今後も、それぞれのモダリティーにおいても改良が加えられた製品が出て来ますが、ワクチン効果としての有効性が、本当にmRNAワクチンに軍配が上がるのかは、もう少し待ってみようと思います。

    *有効性: ワクチンを摂取しても感染するヒトがいますし、当然、ワクチンを打っていなければ、その感染率は更に高いはずです。有効性とは、ワクチンを摂取した群での感染者数が5人であったとき、ワクチンを摂取していない群での感染者数が100である場合に、有効性は、95%になります。100人、5人では、統計学的に信頼性が低いので、データとして信頼性が高くなるように、第3相臨床試験では、全体の試験に参加するボランティアは4万人程度、そこから、偽薬とワクチンのそれぞれの群に2万人ずつに群分けして、臨床試験が実施されます。それぞれの群で、発症した患者数を比較します。

    その他

    CoronaVac (by SinoVac)

    • 中国、シノバックのCOVID-19ワクチン(CoronaVac)は、Vero細胞で増やして不活化処理した不活化ワクチンです。ブラジルのサンパウロで使用され、その有効性は、50.4%であると報じられています。
    • Virus strain (ウイルス株) : CZ02
    • Adjuvant (アジュバント) : Aluminum Hydroxide
    • Excipients (添加剤) : リン酸水素2Na (12水和物), リン酸2水素Na, NaCl
    • milky-white suspension

    NIKKEI Asia – Sinovac vaccine disappoints at 50.4% efficacy: latest Brazil data – 2021/01/13

    https://asia.nikkei.com/Spotlight/Coronavirus/Sinovac-vaccine-disappoints-at-50.4-efficacy-latest-Brazil-data

    COVID-19 Vaccine (Vero Cell), Inactivated (Brief Edition), 薬剤名 : CoronaVac

    https://www.fhb.gov.hk/download/our_work/health/201200/e_PI_CoronaVac_brief.pdf

    tozinameran (by Pfizer-BioNTech)

    • PfizerのCOVID-19ワクチンの副作用のうち、アナフィラキシーショックは、1/100万人と通常のワクチンに比べて若干高いが、死亡例は報告されていない。日本でも投与が開始間近かとなり、投与後に通常15分、アナフィラキシー既往者の場合は30分の観察の実施により万全が尽くされる(2021/02/15)
    • Brand name : Pfizer-BIoNTech COVID-19 Vaccine
    • Company name : BioNTech Manufacturing GmbH
    • Ingredient : tozinameran

    Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine (tozinameran) – Government of Canada –

    https://covid-vaccine.canada.ca/pfizer-biontech-covid-19-vaccine/product-details

    編集履歴

    2020/12/01 Harikiri(Mr)
    2020/12/02 追記(評価、有効性)
    2021/01/13 シノバック
    2021/05/11 追記 (SinoVacとPfizer-BioNTechのCovid-19ワクチンの薬剤情報)
    2021/06/15,追記 (イギリスでは、インドの変異株は置き換わっている)
  • 新型コロナワクチン開発、日本はどうする?[2020/06/07]

    新型コロナワクチン開発、日本はどうする?[2020/06/07]

    GDPの1位と2位は先行

    国の豊さを知る指標としてGDPがある。2018年のGDPは、アメリカが2220兆円、中国が1443兆円、日本は、536兆円であるsource。人口は、それぞれ、3.29億人、14.3億人、1.27億人であるwiki

    アメリカのと中国のGDPは、世界1位と2位であり、それぞれの国のベンチャー企業である、ModernaとCanSinoは、新型コロナウイルスのmRNAワクチン開発でフロントランナーとして駆けている。

    Modernaは、2020/04/16, Biomedical Advanced Research and Development Authority (BARDA, 米国生物医学先端研究開発局)から最高4億8,300万ドル (約500億円)助成金の供給が決まっており、商用製造を見据えたパートナーとしてCMOの優であるLonzaと提携したことも発表されている。資金は潤沢、用意は万全のようだ。

    一方、CanSinoは、アメリカの企業である製剤処方の技術を持つPrecision NanoSystemsとの提携を発表している。CanSinoは、自社のmRNA技術、Precision NanoSystemsは、mRNAの製剤技術であるLNP(脂質なの粒子)組成開発能力と自動製造システムを、それぞれ持ち寄り臨床試験を進めている。CanSinoのマーケットは、日本を除くアジア圏、Precision NanoSystemsは、その他の国々の権利を有する。

    Moderna、CanSinoは、それぞれ、2020/03に新型コロナウイルス・ワクチンの臨床試験に入っている。

    さて、日本では、どれだけのベンチャー、技術に助成できるのか?

    2016年、武田製薬は、2016年にジカ熱の治療薬開発にBARDAから3億1200万円(337億円)の助成を受けると発表しているsource

    日本のベンチャー企業からすれば、投資をしてほしいのだか、日本政府としては、それだけの技術があるのかが心配であろう。その場合、技術の目利きが無いと投資は出来ないか、小額になっていまうのが関の山だ。しかし、そもそも、開発資金がないと技術の磨き上げはできない。鶏と卵であるが、最終的には、資金提供者がリスクを負うべきと考える。

    編集履歴

    2020/06/07 はりきり(Mr)
  • [Vc] Moderna – COVID-19 ワクチン臨床(Phase 3の中間結果は94.5%の有効性を示した – ID19527 [2020/11/16]

    [Vc] Moderna – COVID-19 ワクチン臨床(Phase 3の中間結果は94.5%の有効性を示した – ID19527 [2020/11/16]

    ID19527

    ワクチンの臨床結果による有効性の比較

    世界の製薬企業であるPfizer, ModernaおよびAstrazenecaの臨床試験の成績の比較は、以下のをご参考にしてください。

    Moderna社のCOVID-19/Phase I Preliminary Report

    COVID-19ワクチン

    Modernaが開発しているmRNAを用いたCOVID-19ワクチンの臨床結果について途中結果が出ています。

    • 2021/05/23, インド変異株(デルタ株)に対する有効性について、1摂取では、AstrazenecaとPfizerとも33%, 2回摂取でAstrazenecaは60%, Pfizerは88%であると、イングランド公衆衛生庁(PHE)が発表, BBC News(ファイザー製とアストラゼネカ製ワクチン、2回接種でインド型変異株に有効=英研究, 2021/05/23))
    • 2020/12/17, mRNA-1273の臨床結果の詳細 : 3つの年齢層にわたる4つの用量レベルのmRNA-1273の安全性と免疫原性を評価、有効性の評価では94.1% (Vaccine Efficacy)と評価された。
      • Study 101
        • デザイン : 非盲検の進行中の第1相用量設定試
        • 結果 : フェーズ2およびフェーズ3の研究で使用される100μgの用量の推奨容量を得た
      • Study 201
        • デザイン : ランダム化プラセボ対照の安全性および免疫原性試験
        • 結果 : 大規模な第3相試験である試験301の開始をサポートする追加の安全性データを取得
      • Study 301
        • デザイン: 30,000人以上で、有効性、安全性、および免疫原性評価、ランダム化プラセボ対照試験

    MRNA-1273 SPONSOR BRIEFING DOCUMENT VACCINES AND RELATED BIOLOGICAL
    – MEETING DATE: 17 DECEMBER 2020 AVAILABLE FOR PUBLIC RELEASE –

    https://www.fda.gov/media/144452/download

    • 2020/11/16, Phase 3(30,000人以上を予定)の中間結果(95人に実薬投与、90人プラセボ)、94.5%の有効性が示された。2020年末までに、2,000万回分の提供を予定している source

    HomePage

    An mRNA Vaccine against SARS-CoV-2 — Preliminary Report

    https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2022483

    • 2020/07/14
    • ワクチン : mRNA-1273 (S-2P antigen encoded), as SARS-CoV-2 spike protein encoded
    • 投与 : 0.5mL (deltoid muscle), days 1 and 29
    • Phase 1 : 45人、18 ~ 55 years of age, 28 days
    • 評価: Anti-S-2P antibody geometric mean titer(GMT) ELISA
      • 以下の29日と57日のデータから投与量が多いほど、抗体価が上昇しているのがわかる
      • 29 Days
        • 25μg: 40,227
        • 100μg: 109,209
        • 250μg: 213,526
      • 57 Days
        • 25μg: 299,751
        • 100μg: 782,719
        • 250μg: 1,192,154
    Good agreement was noted within and between the values from binding assays for S-2P and receptor-binding domain and neutralizing activity measured by PsVNA and PRNT

    Safty

    • 有害事象が低い確率
      • Fever (発熱)
      • Arthralgia (関節痛)
      • Nausea (吐き気)
      • Chills (悪寒)
      • Size of erythema or redness (紅斑または発赤)
      • Size of induration or welling (
    • 有害事情が中程度の確率
      • Fatigue (倦怠感)
      • Headche (頭痛)
      • Myalgia (筋肉痛)
    • 有害事象が高い確率
      • Any systemic symptom (全身症状)
      • Any local symptom (局所症状)
      • Pain (痛み)
    編集履歴
    2020/07/24 はりきり(Mr) Phase Iについて
    2020/11/16 追記 (Phase 3中間報告で94.5%の有効性)
  • [Vc] mRNAワクチンの製造方法、moderna社とBiaseparations、その他から概略を学ぶ – ID15769 [2021/05/10]

    [Vc] mRNAワクチンの製造方法、moderna社とBiaseparations、その他から概略を学ぶ – ID15769 [2021/05/10]

    mRNAワクチンの製造方法

    moderna社のデモ・ビデオから、mRNAの開発初期の製造法、及RNAを製造委託する場合の受託会社とその製造方法について以下にまとめた。

    RNAの製造は、バイオ技術を使った方法と、低分子合成技術を使った方法で、以下ように製造できるが、タンパク質を作れるほどの長いmRNA (あるいは, pDNA)には、バイオ技術による製造方法が使われていると考えられる。今後、製造承認申請を調査しなければ詳細は不明ですが、2020/05時点で考え得る製造方法を以下に示してみました。

    • バイオ技術よるRNA製造
      • DNA plasmidを大腸菌で大量培養して複製
        • 以下の「[Bio-Edu]Plasmid DNA(pDNA)のデザイン及び、その製造方法に関する調査」を参照。
      • DNAの抽出と精製
      • DNAの linearization
      • DNAを鋳型にして転写酵素でRNAを複製
      • RNAの精製

    その後、文献調査した結果、以下の文献からmRNAをワクチンに応用する製造方法を示されたものではないが、mRNA医薬品の製造方法について言及されていたので、その方法を示しておきます。2020/05に示したmRNA製造方法と殆ど変わりませんが、一点細かいポイントですが、DNaseでテンプレートDNAを破壊する工程が必要であることがわかりました。

    mRNA 医薬品の品質・安全性評価の考え方 (2019) – 医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス,PMDRS,50(6),300 ~ 306(2019)] –

    http://nats.kenkyuukai.jp/images/sys/information/20190717095649-6ABC2FA50410294C82EBEF7D74463510333BCF1FB717B3F88FCCB2CC782A63A8.pdf
    • 低分子合成技術によるRNA製造
      • 30年以上も前からある、固相反応により1塩基ずつ直接合成していく
      • 長いものを作ることは難しいため、タンパク質を作れるほどの長いmRNAは、現在の技術では作れないと思われる
      • RNAの精製 (陰イオン担体を使用したクロマトグラフィ)

    mRNAの一般的な製造方法

    modernaのビデオでは、一般的なフローしか説明がされていない。最近の情報として詳細に知りたい場合は、Biaseparationsのサイト*6が参考になる。

    1. 原材料の調達; Supply Chain team delivers raw materials
      • 資材調達部門による原材料の調達
    2. DNAの製造; Plasmid production (DNA)
      • プラスミドDNA構築(*2, *3)
      • 1. 鋳型DNA合成
      • 2. Plasmid DNA合成
      • 3. 大腸菌の形質転換体の調製、大量培養による増幅及び精製
      • 4. 精製Plasmid DNA
    3. mRANへの変換; mRNA transcription
      • Plasmid DNAを鋳型としてmRNAを作る
        • DNAのlinearization
        • mRNA転写
        • 注意) 転写効率は、5-メチル-Cは収率に影響しないが、2’フルオロ修飾は影響する(*1)
    4. mRNAの精製; Purification (RNase freeで実施)
      • modernaの精製方法は不明、一般的なRNA精製方法(*1)は、以下の通り。
      • [1]粗抽出→除蛋白
        • 以下のa or b
        • a. Phenol extraction followed by alcohol precipitation (フェノール・クロロホルム抽出法とエタノール沈殿:90%程度で沈殿化、70%で洗浄)
        • b. Lithium chloride precipitation (>300b(*5) )
      • [2] 精製
        1. a. Spin column purification (シリカゲル (*4) )
        2. b. GP-HPLC
    5. 製剤組成に調整; Formulation
    6. 無菌化; Sterile filtration and fill into vials
    7. 梱包とラベル; Pack/Lable

    受託会社と製造方法

    mRNAの製造受託してくれる会社として、Biologics coがあります。日本では、タカラバイオが受託してくれます。

    参考文献

    (*1) バクテリオファージによるmRNA製造委託に関する情報 – Biologics co.社

    https://www.biologica.co.jp/products-service/custom-synthesis/nucleic-acid/transcription/#highlight

    (*2)
    プラスミドDNA構築 – タカラバイオ – より

    http://catalog.takara-bio.co.jp/jutaku/basic_info.php?unitid=U100004295&recommend_flg=1&click_flg=1

    (*3)
    エンドトキシン低減プラスミドDNA大量調製 – タカラバイオ – より

    http://catalog.takara-bio.co.jp/jutaku/basic_info.php?unitid=U100009275

    核酸の精製

    核酸の精製について、参考となる文献を以下に示しました。

    (*4)
    エタノール/イソプロピルアルコールの濃度と適切なpHにより、の核酸がシリカゲルに吸着する。カオトロピックイオンの存在下でも吸着可能。
    Spin column-based nucleic acid purification – wikipedia -より

    https://en.m.wikipedia.org/wiki/Spin_column-based_nucleic_acid_purification

    (*5)
    リチウム沈殿の技術的情報
    – I want to know extraction of RNA with LiCl has an effect on syn of cDNA? – wikipedia -より

    https://www.researchgate.net/post/I_want_to_know_extraction_of_RNA_with_LiCl_has_an_effect_on_syn_of_cDNA

    https://www.modernatx.com/moderna s-mrna-technology

    最近のmRNAの製造方法として参考になる文献

    *6

    High yield mRNA production process from E.Coli to highly pure mRNA.
    Presenter: Aleš Štrancar

    Date: od demand, October 19-22, 2020

    Cell & Gene Therapy Bioprocessing & Commercialization  (digital event)

    ユーザー登録すると文献がダウンロードできます。

    https://www.biaseparations.com/en/library/seminars-webinars/1098/high-yield-mrna-production-process-from-ecoli-to-highly-pure-mrna

    関連記事

    編集履歴

    2020/05/16 はりきり(Mr)
    2020/05/17 追記 (Plasmid DNAの調製、バクテリオファージによるRNA製造に関する委託内容)
    2020/05/19 追記 (低分子合成技術によるRNA製造)2020/09/27 修正(mRNA製造フロー)、文言整備
    2020/12/04 追記 (mRNA製造に関する最近の文献*6:Biaseparations社)
  • [Bio-Edu] mRNAワクチンの剤形 – LNP; Lipid Nano Particle – [2021/12/05]

    [Bio-Edu] mRNAワクチンの剤形 – LNP; Lipid Nano Particle – [2021/12/05]

    ID15607

    はじめに

    mRNAワクチンの細胞内への伝達としてLNP技術が用いられます。Lipid Nano Particle; LNPの基礎知識を解説します。

    因みに、LNPの代わりに病原性のないウイルス (アデノウイルスなど)の外枠(殻;カラ)を使うデザインもあります。AstraZeneca社の新型コロナウイルスに対するワクチンがそれです。

    その前に、以下の参考文献の解説では、遺伝子治療薬が何を指しているのか誤解しがちなので、遺伝子治療薬について少し解説しておきます。

    在のmRNAやpDNAを使ったワクチンは、基本的に遺伝子治療薬ではありません。遺伝子治療薬は、半永久的な治療を目的として、1回の投与で治療できるようにデザインされたものです

    現在のmRNAやpDNAを用いたワクチンの場合は、その遺伝子が半永久的に体の細胞には取り込まれないデザインとなっているため、遺伝子治療薬には当たらないということです。

    また、LNP技術を使用しているのは、(1)物理化学的な安定性が低いという課題の克服と、(2)細胞の外膜(細胞膜)と融合して内容物であるmRNA/pDNAを細胞内に運搬する目的のためです。それでも、mRNAの場合、体内や細胞内に到達できたとしても(1)物理化学的な安定性が低いこと、(2)その宿主の細胞のゲノムに取り込まれることはないこと、により半永久的な治療効果は起こりません。従って、mRNAは半永久的な効果を発揮する伝子治療薬にはなり得ません。

    一方、pDNAの場合は、(1)細胞室内に永続的に存在できたり(細胞が分裂するときに、同じように細胞と共に増えることが可能にできる)、(2)細胞のゲノムに対して意図的なデザインによりインテグレーション(挿入)させたり、できるため半永久的に効果を発揮できる遺伝子治療薬になり得ます。

    以上の解説のように、現在のmRNA, pDNAを用いるワクチンは遺伝治療薬ではありません(2021/12/05, 追記 by Mr.Harikir)。

    参考文献よりLNPを解説

    以下の解説は、参考文献の一説です。

    低分子干渉RNA(siRNA)、mRNA、またはプラスミドDNAなどの遺伝子治療薬は、病理学的遺伝子のサイレンシング、治療用タンパク質の発現、または遺伝子編集アプリケーションを通じて、ほとんどの疾患を治療する潜在的な遺伝子治療を提供します。 しかし、遺伝薬を臨床で使用するためには、高度なデリバリーシステムが必要です。 脂質ナノ粒子(LNP)システムは現在、遺伝子治療薬の臨床的可能性をより高めるための主要な非ウイルス送達システムです。

    2017年に食品医薬品局(FDA)に申請され、トランスサイレチン誘発アミロイドーシス(現在は治療不可能な疾患)を治療するためのLNP siRNA薬が承認されています。

    ここでは、まず、全身投与後の肝細胞の標的遺伝子をサイレンシングできるLNP siRNAシステムの開発につながる研究をレビューします。 続いて、LNPテクノロジーをタンパク質置換、ワクチン、および遺伝子編集アプリケーション用のmRNAおよびプラスミドに拡張するために行われた進展が要約されています。

    遺伝子治療用のLNPシステムの起源は、低分子の薬剤用としてリポソーム薬物送達システム(リポソームシステム)の開発にあります。リポソームシステムは、二層構造の脂質を含むLNPです。 ホスファチジルコリン(PC)などの多くの膜脂質は、水性媒体に分散すると自発的に二重層構造となります(文献中のFigure 1より)。

    • Ethanolに以下を混ぜる
      • cationic lipid
      • structural lipid
      • PEG lipid
      • cholesterol
      • nucleic acid
    • 急速なミキシング
      • ミキシングの条件、時間により最適な大きさ、強度、能力のものを作る

    ドラッグデリバリーアプリケーションに有用であるリポソームには、いわゆる大きな単層構造(large unilamellar vesicles; LUVs)です。 サイズは100nmの範囲です。現在、世界中の規制当局によって承認されている、静脈内(iv)投与用の9つのリポソームベースの薬剤があります(表2を参照)。

    これらのシステムのほとんどは、小分子抗がん剤を含み、iv後の腫瘍部位で優先的に血管外遊出する小さな(<100 nm直径)LNPシステムです。この大きさは腫瘍組織へ浸透(enhanced penetration and retention; EPR)できます。EPR効果は、循環寿命の長いLUVと組み合わせると、腫瘍の送達を10倍以上改善できるとされています。

    より詳細は、以下の文献をご覧ください。

    Lipid Nanoparticle Systems for Enabling Gene Therapies (2017)

    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5498813/

    LNPの組成

    次に紹介する参考文献では、以下の原材料でLNPを作っています。

    • 1,2-distearoyl-sn-glycero-3-phosphorylcholine (DSPC)
    • cholesterol
    • ionizable cationic lipid (6Z,9Z,28Z,31Z)-heptatriaconta-6,9,28,31-tetraen-19-yl4-(dimethylamino) butanoate (DLin-MC3-DMA)
    • (R)-2,3-bis(octadecyloxy)propyl-1-(methoxy polyethylene glycol 2000) carbamate (PEG-DMG)
    • (R)-2,3-bis(stearyloxy)propyl-1-(methoxy poly(ethylene glycol)2000 carbamate (PEG-DSG) 

    siRNAに関する参考文献中で紹介されている文献のレビュー1), 2)では、以下の記載がある。

    LNPは一般に直径が約50 nmで、コレステロール(cholesterol)、リン脂質(phospholipids)、ポリエチレングリコール結合脂質 (polyethylene glycol-conjugated lipids)、およびイオン化可能(ionizable)なカチオン性脂質(cationic lipids)で構成されています。

    • cholesterol (コレステロール)
    • phospholipids (ホスフォリピッド)
    • polyethylene glycol (ポリエチレングリコール) – lipids
    • ionizable cationic (“イオンになりやすい正荷電体”)lipids

    以下の参考文献中の文献レビューでは、LNPの見かけのpKaが約6.4のイオン化可能(ionizable)なアミノ脂質(amino lipids)は、キーコンポーネントであり以下を可能にする、とある。

    • 低pH(≤4)でのLNP生成中の効率的なsiRNAカプセル化
    • 生理的 (physiological)なpHで循環するLNPの中性表面電荷を確保し、
    • ターゲットの細胞内在化後のエンドソーム脱出を促進する

    Modular lipid nanoparticle platform technology for siRNA and lipophilic prodrug delivery, 2020, bioRxiv

    https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.01.16.907394v1.full
    1. Rational design of cationic lipids for siRNA delivery. Nat Biotechnol 28, 172–176 (2010).
    2. Maximizing the potency of siRNA lipid nanoparticles for hepatic gene silencing in vivo. Angew Chem Int Ed Engl 51, 8529–8533 (2012).

    LNPを作る装置

    LNPは、以前はリポソームと呼ばれていたもので、脂質二重膜などの構造になっており、目的物を閉じ込めるための器です。

    昔は、エバポレータという減圧乾固する装置で、少量調製していましたが、現在では、Precision NanoSystems Incが連続的にNano Perticleにする装置を開発しているようです。スケーラビリティーもあり、臨床試験にも使用可能で、原理的には、コマーシャル製造でも適用可能です。

    Precision NanoSystems Incの技術

    図1.)ナノ粒子を製造するためのマイクロ流体混合技術:溶解した脂質を含む有機溶媒と核酸を含む水溶液
    NanoAssemblrカートリッジの2つの注入口チャネルに注入されます。 層流の下では、2つの溶液はすぐには混合されません。
    しかし、チャネルに組み込まれた微視的な機能により、2つの流体が混ざり合います。
    分子が拡散によって互いに相互作用する、制御された再現可能な方法で。 1ミリ秒以内に2つの流体が完全に混合され、核酸がロードされたナノ粒子の均一な自己組織化をトリガーする溶媒極性の変化を引き起こします。

    編集履歴

    2020/05/10 はりきり(Mr)
    2020/05/27 追記(Precision Nanoparticle Systems紹介)
    2021/07/08,追記(文言整備)
    2021/12/05,追記(遺伝子治療薬について解説しmRNA/pDNAを用いたワクチンはそれでは無いことを解説)
  • [Vc] 核酸ワクチンとは DNAワクチンとmRNAワクチン – ベクターワクチンとの違い –  ID15040 [2020/09/10]

    [Vc] 核酸ワクチンとは DNAワクチンとmRNAワクチン – ベクターワクチンとの違い – ID15040 [2020/09/10]

    ID15040

    核酸ワクチン

    ワクチンの目的は、病原性の抑制に直接的/間接的に関わるタンパク質に対する抗体の誘導である。核酸ワクチンには、DNAワクチンとRNAワクチンがあり、目的タンパク質の遺伝子コードに関わり長所/短所が存在する。製造し易さ、ワクチン能力に関わる投与量は製造規模に影響する。副作用の問題も加味して、それぞれの目的に応じて選択される。

    核酸ワクチンでは、従来のタンパク質性ワクチンでは無く、目的のタンパク質の設計図である遺伝子を使う。遺伝子には、DNA(特にplasmid DNA; pDNA)とmRNAがあり、それぞ長所/短所がある。よく似たアプローチとして、ベクターワクチンという種類のものもある。これらは、それぞれ異なるモダリティである。

    • 核酸ワクチン
      タンパク質の設計図であるDNAやmRNAそのものを体内に注入して、細胞内に到達した時には、それが遺伝子をコードしているタンパク質を作らせ、それを異物として認識されることで、免疫抗体が作られる
    • 核酸の保護剤
      核酸(DNAやmRNA)をLNP*1でナノパーティクルにすることで、目的の遺伝子を細胞内に導入し易くさせる。これはをDrug Delivery System (DDS)と言い、mRANの送達技術の進歩によりmRNAを使用した医薬品開発が進展してきている。Precision NanoSystems Inc.mRNA-LNP技術については、下記、「関連記事」参照
    • 参考 : ウイルスベクターワクチン
      ウイルスの病原性を欠損させて、細胞への感染機能により細胞内に到達させ、タンパク質をコードする遺伝子を細胞内にリリースさせることができる。日本では、阪大の仙台ウイルス・ベクター(下記参照)、世界では、AstraZenecaのAdenovirus Vector vaccine などがある
    • ADE
      ワクチンの副作用として知られる、ワクチン接種後の抗体依存性感染増強(Antibody Dependent Enhancement:ADE)は、症状を悪化させる副作用であり、ワクチン開発にとって重要な評価項目である 参考SOURCE:NIKKEI

    導入された遺伝子は、コードされたタンパク質を産生する。このタンパク質が細胞外に分泌されて、免疫系が働けば、その結果としての抗体が産生される。核酸ワクチンでは、ウイルスベクターワクチンと比較して、液性免疫は起こるものの、細胞性免疫があまり期待ができないこと言われており、メリットでありデメリットである。細胞性免疫があれば、より強固にワクチン効果を期待できる。反面、ウイルスベクターワクチンでの細胞性免疫が生じ安いということは、何回も免疫をすることは、不要な免疫も生じることからデメリットでもある。

    核酸には、DNAとmRNA

    plasmid DNA (pDNA)、mRNA、いずれも細胞内に目的遺伝子を選ぶ事は可能です。

    pDNAは、大元の設計図が含まれていて、これがmRNAに変換される幾つかのステップが必要です。RNAは、直接的に目的のタンパク質に変換されます。

    高分子ナノテクノロジーが切り拓く 核酸医薬デリバリー Drug Delivery System 31-1, 2016 – 核酸医薬とDDS – より

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/dds/31/1/31_44/_pdf

    DNAワクチンとRNAワクチンのメリット/デメリット

    DNAワクチン

    • 文献4)
    • 分解を受けにくい
    • 一般的に組換え大腸菌により大量製造が容易
    • (細胞内でタンパク質を作るには、いったんmRNAに変換されなければならない)
    • 細胞のゲノムに組み込まれて(相同組換え)しまう危険性(癌原性のリスク)が全く無いわけではない。医薬品としては、その辺りの確認が重要となってくる。
    • 抗DNA抗体が産生されやすかったり、不要な免疫活動が起こる

    mRNAワクチン

    • 文献1), 2), 3)
    • 分解を受けやすい (ため、LNP*1 の技術が重要となってくる)
    • 一般的に大量製造が難しい
    • (細胞内に到達できれば、直接的にタンパク質の変換に使われる)
    • 研究がこれまで進まなかったが、mRNAワクチンとして、moderna社が躍進していたが、Pfizer/BioNTech社の新型コロナワクチンが一番最初に世界に上市された
    • 日本のRNAワクチンでは、仙台ウイルス(SeV)ベクターの開発が進んでいる3)

    関連記事

    編集履歴
    2020/05/02 はりきり(Mr)
    2020/05/08 追記 (作用機序、DNAワクチン開発状況)
    2020/05/28 追記 (拡散には、DNAとmRNA)、訂正
    2020/08/03 個別記事(DNAワクチン、RNAワクチン)のリンク追加
    2020/08/06 修正 (混在していたベクターワクチンとDNAワクチンの説明を訂正)
    2020/09/10 追記 (液性免疫と細胞性免疫について)
    2021/02/24 文言整備

    以上

    参考文献

    1) RNAワクチンの開発

    RNA ワクチンの開発:感染症への応用 - 長谷川 護 (ディナベック)、バイオロジクスフォーラム 第9回学術集会

    http://www.nihs.go.jp/cbtp/home/Biologics-forum/BF9/DrHasegawaM.pdf
    2) RNAワクチン

    RNAワクチン
    安全、効率的かつ汎用性に優れた新しいRNAワクチンの開発 –

    http://inewsletter-king-skyfront.jp/jp/research_highlights/vol-11-research01/
    3) ベクターワクチン

    ベクターワクチン
    センダイウイルスベクターを利用した ワクチン技術の開発

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/dds/22/6/22_6_636/_pdf
    4) 新型コロナのDNAワクチン開発状況

    アンジェス山田社長、新型コロナのDNAワクチンの開発状況を明らかに – 日経バイテク 2020

    https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/03/26/06735/
    5) DNAワクチン

    DNAワクチン
    来春にも新型コロナ感染予防DNAワクチン実用化へ 森下竜一氏 (大阪大学大学院医学系研究科 臨床遺伝子治療学寄附講座教授)に聞く 2020

    https://iyakutsushinsha.com/2020/04/22/来春にも新型コロナ感染予防dnaワクチン実用化へ/
    6) DNAワクチンの作用機序を解明

    遺伝子(DNA)ワクチンの作用機序を解明, 2008, 科学技術振興機構報 第473号

    https://www.jst.go.jp/pr/info/info473/index.html
    7) 新型コロナワクチンに適したモダリティはあるのか?

    1章 新型コロナワクチンに適したモダリティはあるのか?, 2020 – 日経バイオテク –

    https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/082400016/072000119/
  • 気になる企業 – Moderna – 新モダリティ(mRNA)・ワクチン (新型コロナウイルス) で駆ける / Phase IIIの中間結果では94.5%の有効性を示す – LNP製剤による2~8℃保存が可能である優位性 –  ID15029 [2020/12/03]

    気になる企業 – Moderna – 新モダリティ(mRNA)・ワクチン (新型コロナウイルス) で駆ける / Phase IIIの中間結果では94.5%の有効性を示す – LNP製剤による2~8℃保存が可能である優位性 – ID15029 [2020/12/03]

    Moderna

    HomePage

    MODERNAは、いち早く、新型コロナウイルスのワクチン開発を進めているIT技術とFA(Factory Automation)を駆使する米国のバイオテクノロジー企業。

    旧来の医薬品開発では達成できない、テクノロジーの連携を究極に進め、mRNAによる個別化医療(多品種-少量生産)モデルを追求している。感染症に対するmRNAワクチンでは、必要となる大量な需要に対しても余念がなく、外部CMOとしてLonzaと連携を発表している。

    • 2020/11/08, 結局は、現時点でワクチン開発の先頭を走っているのは、Pfizer社です。グローバル治験で43,000人余りのPhase III試験で90%の予防効果があるとの中間結果を報告しました。Pfizerは米国から資金提供を受けていません。
    • 2020/11/16, Phase 3の中間結果(95人実薬、90人プラセボ)、94.5%の有効性が示された。2020年末までに2,000人人分を提供する source
    • 2020/10/22, 30,000人がPhase 3臨床試験に登録し、25,654人が2回目の投与を完了しましたsource
    • 2020/07/28, NIHの一部機関NIAIDと共同開発している新型コロナウイルス・ワクチン(mRNA-1273)の臨床試験(Phase III, 30,000人, 2回 x 100μg/28日)が開始された source。来年からは、年間3億回の提供を予定する。
    • LONZAとの製造提携により、20億回の提供も可能としている
    編集履歴
    2020/05/02 Mr.HARIKIRI
    2020/06/03 追記(NorwoodのcGMP施設とビジネスモデル)
    2020/07/28 追記(SARS-CoV-2ワクチンのPhase III clinical開始)
    2020/10/22 追記(SARS-CoV-2ワクチン投与2回目完了は25,000にあまり)
    2020/11/16 追記(SARS-CoV-2、Phase3中間報告では94.5%の有効性を示す)
    2020/12/03 追記 (moderna社のrRNAワクチンはLNP採用による優位性)

    技術力について

    • さまざまな病気や症状に対応するmRNA医薬品の開発に邁進
    • mRNAを医薬品にする技術を主軸 (mRNAテクノロジープラットフォーム)
      • 数百人の科学者とエンジニアからなる専門チームを擁する
      • モダリティsource : 1つの技術ソリューションで多くの (mRNA生物学、化学、製剤とデリバリー、バイオインフォマティクス、タンパク質工学)
        • mRNA予防ワクチン 免疫応答性抗原 (9つのパイプライン)
        • mRNAがんワクチン : ネオ抗原 (2つのパイプライン)
        • mRNA腸内免疫腫瘍 : 抗癌T細胞応答 (3つのパイプライン)
        • mRNAによる局所再生療法 : 標的組織 (VEGF-A)
        • 全身分泌と細胞表面治療 : 抗体・酵素の補充 (3つのパイプライン)
        • 全身の細胞内治療 : 細胞内酵素・オルガネラ特異的タンパク質 (3つのパイプライン)
    • リサーチエンジンsource
      • 数千の前臨床用mRNAの供給できる設備とデジタル技術
      • 「ドラッグデザインスタジオ」は、 数日以内の迅速設計(ワクチンの抗原にふさわしい部分の特定など)と合成指示の連携
      • 自動化された製造で迅速デリバリー
      • 迅速なスクリーニング実験が可能
    • 自社製造設備 sorce
      • マサチューセッツ州ノーウッドには、Phase 2まで対応
        • プロセス開発
        • GLP (IND対応)
        • 毒性研究
        • 薬剤のヒトへの概念実証(PoC)対応

    図2. リポソームにタンパク質を作らせる
    特定のモダリティ内で、基本コンポーネントは、開発候補全体で一般的に同一です- 製剤、5 ‘領域、3’領域。コーディング領域のみが、潜在的な医薬品が細胞に生産を指示しているタンパク質に基づいて変化します。

    主要な課題

    • 免疫システムを回避しながら、mRNAを標的組織および細胞に取り込む
    • 免疫系が誘発された場合、結果として生じる応答はタンパク質産生が制限され、mRNA薬の治療効果を制限される
    • mRNAが自然に生成されたとして、正しいタンパク質を生成するための指示を正確に読み取ることができるリボソーム
    • 細胞がタンパク質を十分に発現して、目的の治療効果を得る
    • 学際的なプラットフォームチームの緊密な連携による科学的および技術的な課題に対処
    • 集中的な機能横断的なコラボレーションによるプラットフォームの高度化と患者への迅速なmRNA薬の提供

    Modernaの強みを垣間見る

    • 米国政府からの支援の速さと大きさ
      • 2020/1/11 : 中国当局から新型コロナウイルス遺伝子配列を世界に共有
      • 2020/1/13 : NIHとModernaは、mRNA-1273の遺伝子配列を選定し、NIAID(米国アレルギー感染症研究所)はPhase I 臨床用製造を開始、資金は、Coalition for Epidemic Preparedness Innovations (CEPI)
      • 2020/02/07 : Phase I用製剤が完成し、バッチリリース試験が始まった
      • 2020/02/24 : NIHに製剤を提出
      • 2020/03/04 : FDAは、NIHが申請していたINDの審査を完了し試験の許可を与えた
      • 2020/03/16 : NIHの発表 (投与開始), シーケンスの決定から最初の投与までに63日で実行できた
      • 2020/03/23 : Modernaによる「Current Report on Form 8-K」を用いた報告。緊急使用の可能性製造能力拡大について、
      • 2020/03/27 : NIHの発表 (アトランタ、エモリー大学でPhase I試験に健常成人ボランティアの登録:18~55歳)
      • 2020/04/16 : BARDAから最高4億8,300万ドルの奨励金をModernaに供給されることを発表
    • 登録ボランティア
      • US, EU and オーストラリア
      • >1,400人が登録
    • モダリティ
      • 複数のmRNAをワクチンとして組み込むことができる
    • 製造設備
      • 自社製造設備を持つ
      • Lonzaとの戦略的提携により製造能力を10倍に拡大できる。技術移管が2020/06より開始され、製造設備がLonzaサイドではスイスやUSに建設される
    • 製造能力
      • worldwide
      • 10億ドーズ/年, 50μg
    • 製造(予定)
      • Lonzaでのファーストバッチ: 2020/07
    • 特許
      • 100を超える特許と、それを補完するライセンスにより事業強度を高めているsource

    Modernaのパイプライン

    sorce

    • 呼吸器感染関連のワクチン
      • mRNA-1273 : 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン
      • mRNA-1777 : RSVワクチン(高齢者)
      • mRNA-1345 : RSVワクチン(幼児)
      • mRNA-1653 : hMPV(ヒトメタニューモウイルス)及びパラインフルエンザウイルス3型(PIV3)ワクチン (Phase I, 2020/05/01)
      • mRNA-1273 : 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)
        • Phase I試験は完了Source-NIH(2020/03/16~, 米国アレル感染症研究所によるIND: (25μg, 100μg, 250μg) x 18才から55才(45人) / 追加: 56才から70才と71才以上、合計3つのコホート), 2020/05/01
      • mRNA-1851 : インフルエンザH7N9
    • 母子感染関連のワクチン
      • mRNA-1647 : サイトメガロウイルス(CMV)ワクチン (Phase II, 2020/05/01)
      • mRNA-1893 : Zikaワクチン (研究段階, FDA Fast Track, 2020/05/01)
    • 蔓延しているウイルス関連のワクチン
      • mRNA-1189 : Epstein-Barrウイルス(EBV)ワクチン

    mRNA-1273について

    新型コロナウイルスのワクチン

    mRNA-1273は、 米国アレルギー研究所の ワクチン研究センター(VRC)の研究者と共同で モデルナが選択した、スパイク(S)タンパク質の融合前安定化型をコードするSARS-CoV-2に対するmRNAワクチンです。  

    感染症 (NIAID)、NIHの一部。Coalition for Epidemic Preparedness Innovations (CEPI)から資金提供された最初の臨床バッチは、2020年2月7日に完了し、分析テストを受けました。

    シーケンス選択から42日後の2月24日にNIHに出荷されました。mRNA-1273のNIAID主導の第1相試験の最初の参加者は、シーケンスの選択から第1相試験の投与まで63日、3月16日に投薬されました。SARS-CoV-2に関するこれまでの同社の作業の概要は、ここにあります。 

    NIAID主導の第1相試験について

    mRNA-1273のオープンラベルのフェーズ1研究は、米国アレルギー感染症研究所によって米国で独自のInvestigational New Drug(IND)アプリケーションの下で実施されています。

    2020年3月16日に開始されたフェーズ1研究は完了しました

    元の3つの用量コホート(25 µg、100 µgおよび250 µg)における18歳から55歳までの45人の健康な成人ボランティアの登録 、追加の6つのコホートを:高齢者(年齢56から70)と高齢者(年齢71以上)の3つのコホート。

    Moderna and Lonza Announce Worldwide Strategic Collaboration to Manufacture Moderna’s Vaccine (mRNA-1273) Against Novel Coronavirus, 2020/05/

    https://lonza.com/news/2020-05-01-04-50

    自社施設

    施設

    • マサチューセッツ州ノーウッド
    • 期間 2016/10~ 2018/07
    • 2018/07以降、100以上の臨床製造パッチの実施
    • >300人
    • 200,000ft2 (更に220,000ft2の余力)
    • MES (Manufacturing Execution System)から規制申請の統合
      • 製造記録、データおよび自動化の統合
      • デジタル管理システム
      • 資材管理
      • 製造の実行
      • ラボ情報
      • 製品のテストとリリース
      • 規制申請情報のデジタル統合の保証

    目的

    • 原材料から臨床用の出荷を内製化
      • 品質、速度、規模、コストの改善
      • 貯蔵寿命
    • INDのための属性試験の早期取得
    • DP製造 (Phase I ~ Commercial)

    機能

    • プロセス開発
      • 凍結乾燥研究→凍結から冷凍保存を可能にする
    • Plasmid調製
    • mRNA調製
    • LNP調製
    • FFF (formulation, fill, finish)
    • QC

    Make Engine 1 (for Pre-clinical)

    • mRNA調製 (配列設計から製剤化) : ~4 weeks
    • mRNA lots : 1,000/month
    • amount : 1~1,000mg/Lot
    • Experience : 23,500 batch since 2014
    • Moderna Eco System : 追跡システム(材料~製造開始~配送)
    • 製造性の最適化 : 人工知能、機械学習、独自アルゴリズム

    Make Engine 2 (個別化医療)

    • 患者のサンプル(Tissue sample: Tumor and Blood)から個別のmRNAを作る (Needle to Needle)
    • 1つの製造バッチが1人の患者のために
    • Personalized Vaccine Unit (PVU)
    • 腫瘍サンプルのシーケンスからPersonalized Cancer Vaccine (PCV)を自動的に設計
    • 独自のバイオインフャマティクク設計アゴリズムとリンクしたmRNAの自動製造

    Make Engine 3 (臨床試験用資料の提供)

    • 2つのcGMP施設(Norwood, Kembridge )
    • デジタル統合された電子製造記録
    • 冗長性のためにCMO委託製造

    mRNAの剤型

    ModernaのmRNAワクチンの剤型は、以下の文献の通りLipidNanoparticle (LNP)sourceを採用sourceしており、新型コロナウイルスに対するmRNAワクチンの保存が、2-8℃で30日間可能であり、Pfizer & BioNTechのmRNAワクチンの保存が-80~-60℃であることとの差別化に寄与している。医療機関においては、-80 ~ -60℃仕様のディープフリーザー保有率は極めて低い。

    これまで、製造はCMOに頼ってきたが、自社の施設をNorwoodに建設、およびそのメリットについて。

    BACKGROUND ON MODERNA MANUFACTURING WHY NORWOOD, 2020

    https://www.modernatx.com/sites/default/files/Moderna_MFG_Digital_WhitePaper_Final.pdf

    Lipid Nanoparticle Systems for Enabling Gene Therapies

    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5498813/

    COVID-19ワクチンの各社の開発状況 (moderna, inovio, novavax, pfizer, など)

    – ワクチン開発のお話(その2):ワクチン製造方法とCOVID-19ワクチン開発状況 – 城西国際大学 看護学部 大森 直哉

    https://www.jiu.ac.jp/features/detail/id=6587

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