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  • [Bio-Edu] 今昔 – 天然型から遺伝子組換え型への移行圧力 – ID6626 [2020/01/09]

    [Bio-Edu] 今昔 – 天然型から遺伝子組換え型への移行圧力 – ID6626 [2020/01/09]

    天然原材料のリスク

    血漿由来の蛋白製剤は、ヒト由来病原性の混入リスクがあるため、遺伝子組換え型への移行が望まれている。

    ある遺伝子組換えアルブミン(Albumin)の酵母による医薬品開発は、その最たる事例である。血漿分画製剤の中では、ウイルス感染のリスクは最も低い.

    これまでに血漿分画製剤のAlbuminでの感染症発症の事例は無いものの,国内における自給自足の面からは,献血のみでは量的に賄えない

    Albuminの分子量は,55kDaであり,それほど大きく無いこと、および、翻訳後の糖鎖修飾がない(アミノ酸配列に翻訳後修飾される領域が無い)ことから、世界では、2社で酵母による開発が行われた。

    酵母では、大腸菌とは異なり、菌体内に蓄積する事なく、細胞外に分泌するとともに、立体構造も天然と同じでいる。

    酵母を宿主細胞として,その他の組換え蛋白質に応用することは、実は限定的である。真菌類では、翻訳後修飾により、これら宿主由来の糖鎖を,産生した蛋白質に付加してしまう。異種の糖鎖は、ヒトにおいて抗原性を発揮し、免疫原性を生じてしまう。

  • [Bio-Edu] 夢の薬 – インターフェロン – ID6619 [2020/01/09]

    [Bio-Edu] 夢の薬 – インターフェロン – ID6619 [2020/01/09]

    インターフェロン

    1954年に抗ウイルス活性の発見としてインターフェロンの歴史が始まる

    当初の製造方法では、白血球にある種の化学物質やウイルスで刺激すると天然型のInterferonを産生させていた。その後、遺伝子組換え技術により、大腸菌でのInterferon産生が可能となった。

    インターフェロン

    IFN-α : スミフェロン(住友化学), 腎癌、ウイルス性肝炎

    IFN-β : フェロン(TORAY)、悪性黒色腫、肝炎

    ウィキペディアより

    PEG化インターフェロン : PEG4000などを1分子付加することで、血中滞留性を長くさせて効力持続性を高めた製剤である

    Albumin-IFN : Albumin – Interferonにより、血中対流性を改善させようとしたもの。

  • [Bio-Edu] 高分子蛋白質の組換え宿主細胞として大腸菌、酵母に勝るCHO細胞 – ID6629

    [Bio-Edu] 高分子蛋白質の組換え宿主細胞として大腸菌、酵母に勝るCHO細胞 – ID6629

    大腸菌

    大腸菌では、翻訳後修飾における糖鎖付加機能がないものの、糖鎖の付加がされないタンパク質で、且つ比較的分子量が小さいバイオロジクス製品に採用されている。その理由は、不溶化(Inclusion Body)するほど高い生産性、低分子でのRefoldingは確立されているためである。

    ただし、抗体医薬などの高分子蛋白質においては、Re-folding技術は確立されておらず用途はこれらに限られる。

    • 原核生物に属する細菌 (染色体DNAが、裸で細胞内に存在する)
    • 倍化時間 : 20分
    • 生産性は、酵母より数倍高いと考えられる
    • 糖鎖付加しない
    • 産生タンパク質は、細胞内に留まる(Inclusion Body)
    • 糖タンパク質でない医薬品として、数十年の実績がある

    酵母・カビ

    酵母では、翻訳後修飾における糖鎖付加機能はヒトと同様にあるものの、付加される糖鎖は巨大な酵母型であり、ヒトにおいて免疫原性のリスクがある。ヒト型糖鎖付加の研究は地道になされているようであるが、道のりは長い。

    • 動物細胞と同じ真核生物である真菌(違いは、硬い細胞壁)
    • 倍化時間 : 2時間(酵母)
    • 高い生産性(Pichia Pastoris: >10g/L、カビ: >100g/L)
    • 酵母・カビ由来の巨大な糖鎖付加
    • 生産タンパク質は、菌外に分泌される
    • 医薬品として実績が殆どない

    酵母とシステムバイオロジー
    岡山屋大学

    https://tenure5.vbl.okayama-u.ac.jp/HM_blog/?p=97

    動物細胞

    CHO細胞では、哺乳細胞のであることから付加される動作はヒト型に類似していたものの、生産性が現在と比べて1/100 ~ 1/1000と低くコスト高であった。しかし、CHO細胞の改変と培養技術や培養用培地の改良された。

    • 倍化時間 : 24時間
    • ヒト型の糖鎖付加
    • 生産性は、抗体医薬で10g/Lの報告がある
    • 生産物は、細胞外に分泌される
    • 医薬品として数十年の実績がある

    細胞株

    商用化されている抗体医薬では、以下の細胞株が使われている。日本において70程度の抗体医薬品が薬価収載されているが、80%程度は、CHO細胞である。残りは、SP2/0とNS0であ。

  • [GT] 遺伝子治療の課題 – H30, 経済産業省より – ID2031 [2020/01/08]

    [GT] 遺伝子治療の課題 – H30, 経済産業省より – ID2031 [2020/01/08]

    2019現在における遺伝子治療薬の製造課題

    1. Full particleとEmpty Particleの比率の改善
    2. Full Particle定量法の精度改善
    3. 効果的なスケールアップ: 浮遊培養法の開発
    4. 欧米の急進展に対して、競争力をもつ製造技術力を獲得
    5. 希少疾患の患者数は少ないため、数カ国の特許権取得ではビジネスにならない。

    H30, 経済産業省

    https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/genome/advisory_board/dai5/siryou4-2-8.pdf
  • [Bio-Edu] 腫瘍溶解性ウイルスによる治療薬の開発 (タカラバイオ) – ID3358 [2020/01/08]

    [Bio-Edu] 腫瘍溶解性ウイルスによる治療薬の開発 (タカラバイオ) – ID3358 [2020/01/08]

    C-REVは単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)を弱毒化した腫瘍溶解性ウイルス。天然型に比べ神経毒性が減弱化されている。癌細胞に感染すると特異的にその癌細胞で増殖し破壊する。これは、再生医療等製品に分類されている。

    Canerpaturev (C-REV)

    http://www.takara-bio.co.jp/medi/hf10.html

    切除不能進行膵がんを対象とした腫瘍溶解性ウイルスC-REVの国内第I相臨床試験の中間結果を発表(タカラバイオ,2019/01/15)

    https://ir.takara-bio.co.jp/ja/news_all/news_Release/newsr_8538793120961952_011619.html

    ウイルスでがん治療「腫瘍溶解性ウイルス」今年から来年にかけて相次ぎ承認へ (タカラバイオ,三共,その他,2019/04/05)

    https://answers.ten-navi.com/pharmanews/16059/

    米国臨床腫瘍学会にて腫瘍溶解性ウイルスC-REVとNY-ESO-1・siTCR遺伝子治療の臨床試験結果を発表 【発表概要を追加】(タカラバイオ,2019/05/16)

    https://ir.takara-bio.co.jp/ja/news_all/news_Release/newsr_63514319763834162_051619.html

    タカラバイオ は、C-REVと抗CTLA4抗体(ヤーボイ/イピリムマブ)を悪性黒色腫に対して28例の臨床試験Phase IIを実施し,その結果をもとに2019/3に承認申請した。その後,pmdaとの協議の結果,国内では承認に至らなかった。主要評価項目である安全性は CTCAE(V4.0)で評価,副次評価項目である有効性は、RECIST (V1.1)で評価 (タカラバイオ,2019/03)

    タカラバイオ,悪性黒色腫に対するC-REVは「完全に断念とは言い難い」(2019/11/14) – C-REVの悪性黒色腫への適応について承認申請を取り下げた件について言及.米国ではPhase IIが進行中.(タカラバイオ,2019/11)

    https://ameblo.jp/kato-antibody/entry-12545512233.html
  • [Data Link] AAV-3Bのキャラクタ – 文献レビュー – ID3151 [2020/01/08]

    [Data Link] AAV-3Bのキャラクタ – 文献レビュー – ID3151 [2020/01/08]

    AAV血清型3

    • 細胞に感染する時、ヘパラン硫酸プロテオグリカンに結合
    • AAV-3Bの血清型得意的なカプシド抗原の機能は不明
    • 立体構造の決定はされている
    • AAV-3Bは、AAV-2よりもヘパリン結合性は低い

    The structure of adeno-associated virus serotype 3B (AAV-3B): Insights into receptorbinding and immune evasion (2010)

    The structure of adeno-associated virus serotype 3B (AAV-3B): Insights into receptorbinding and immune evasion (2010)
     
  • [Bio-Edu] 細胞調製施設のグレードとは (レジメ) – ID3172 [2019/12/21]

    [Bio-Edu] 細胞調製施設のグレードとは (レジメ) – ID3172 [2019/12/21]

    考慮事項

    H25/12/24 第8回細胞組織加工製品専門部会資料 – より

    • 清掃区分
    • 維持管理
    • 環境測定 : モニタリング: 作業後碁盤の目に区切り測定ポイントとする、エアーサンプラー(吸込む角度)、パーティクルカウンター
      • 浮遊微粒子
      • 付着菌
      • 浮遊菌
      • 落下菌
    • 防虫
      • クラス10万の全エリアに捕虫トラップ設置
      • 季節別種類
      • 侵入箇所の特定
      • 出入り口(エアーロック、フィルムカーテン、二重ドア、自動ドア、隙間シール、カバー、ナトリウム灯、ライトトラップ)
      • 準黄色蛍光灯(A)は、集まる虫の数は白熱球(B)より1/10である(走光性 A: 10, B: 100)
      • 捕虫用蛍光灯(ブラックライト)と粘着マットの併用
      • 走光性
        • ナトリウム灯: 4~35
        • 準黄色蛍光灯 : 8
        • 虫除け蛍光灯: 49
        • 白熱球 : 100
        • 白熱蛍光灯 : 113
        • メタルハイドランプ : 135
        • 白色自然蛍光灯 : 158
        • ブラックライト : 1300
      • 電撃殺虫機
      • 排水口(水洗トラップ)
      • 排気口(防虫網)
    • 防鼠
      • 一般エリア
      • パイプスペースエリア
      • 電気設備
      • 機械室
      • 倉庫
      • ラボ
      • 餌の摂取状況、糞、かじり
      • 薬剤
      • あみ
      • ねずみ取り
      • 超音波(18~20KHz)
    • EU-GMP、日本薬局方、WHO-GMP基準
    • 浮遊・付着の菌と塵埃
    • 建材の消毒剤耐久性
    • 室内の仕上げ(Rすることでたまりの抑制)
    • 照明(埋込:Grade A, B、直付: Grage B, C)
    • コーキング(防腐剤入り)
    • 点検口(天井、床)
    • コンセント(ゴムパッキン、コーキング)
    • 人と物の動線(人 : 動線計画、無塵衣、無菌衣、ワンスルー、物 : 原材料、製品、廃棄物、サンプル、短距離、パスルーム:気圧、エアータイト、インターロック、パズボックス : 殺菌灯、ステンレス素材、上下二段で使い分け)
    • 気流(封じ込め)
      • 室圧、差圧、気流
      • 段階的グレードの設定
      • 差圧センサー
      • エアーロック室(安全性取り扱い室)
      • 安全キャビネット(0.45m/sec±20% WHO-GMP)
      • 一方向流方式と層流方式
    • 細胞調整室
      • グレードA(無菌操作)
      • グレードAの安全キャビネットセットでは、グレードBの部屋
    • フィルター
      • ブレフィルター: 中性能、高性能
      • 最終フィルター: HEPAフィルター : 定期的リーク試験の実施(JIS B 9927)
      • リーク試験 : 試験粒子(PAO)投入、フィルターの上流と下流で0.03%以下
      • HEPAフィルターの交換: 初期圧力損失の2倍の圧が目安
    • 空調設備
      • 温度変化
      • 湿度変化
      • 室圧変化
      • 風量低下
      • 圧損増大
      • 清浄度低下
    • 製造用水
    • 細胞調整室で使用される機器

    細胞調整施設の構造設備について、平成24年

    ニッタ株式会社のカタログ

    編集履歴

    2919/12/21, Mr.Harikiri

  • [Data Link] 緩衝液 (Buffer) – まれに中性域のバッファーとして使用される – HEPES buffer – ID4212 [2019/12/10]

    [Data Link] 緩衝液 (Buffer) – まれに中性域のバッファーとして使用される – HEPES buffer – ID4212 [2019/12/10]

    HBS (HEPES-buffered Saline, ヘペス緩衝生理食塩水)

    リン酸カルシウム法でDNAを細胞に導入する際に用いる。
    以下では、2X HBS液の作成方法を示す。

    最終濃度 (2X HBS)
    NaCl                    274 mM
    KCl                          1 mM
    Na2HPO4·2H2O          1.5 mM
    D-glucose                   0.2 %
    HEPES                       42 mM

    調整方法
    NaCl                           1.6 gram
    KCl                          0.074 gram
    Na2HPO4·2H2O        0.027 gram
    D-glucose                    0.2 gram
    HEPES                            1 gram
    0.5N NaOHで、pHを7.05に調節。
    H2Oで、100 mlにメスアップ。
    ろか滅菌後、小分けにして-20度で保存。

    備考
    より簡便な組成として、
    NaCl                           0.8 gram (140 mM)
    Na2HPO4·2H2O        0.027 gram (1.5 mM)
    HEPES                        1.2 gram (50 mM)
    もある。

  • [Bio-Edu] タンパク質を調製するための原材料 – ID9804 [2019/12/08]

    [Bio-Edu] タンパク質を調製するための原材料 – ID9804 [2019/12/08]

    タンパク質調製のための原材料

    遺伝子組換え細胞

    mammalian

    • CHO細胞
      • バイオ医薬品のほとんどは、CHO細胞の組換え体で作られます。
    • HEK細胞
      • 抗体医薬での使用されるケースはありません。Labでの使用が殆どですが、抗体以外のバイオロジクスでは、使用されていました。

    Fungal

    • 酵母
    • ビキア

    株価細胞培養上清

    • 遺伝子組換えしていない株化された不死の細胞を培養して得られる培養上清。組換遺伝子技術が普及するまで、この方法が用いられてきた。

    血液

    • 血液から血球成分を除去した画分: 血漿
    • 尿 (尿由来の医薬品がある)

    組織のホモジナイズ抽出液

    動物由来

    • 内臓のホモジナイズ (トリプシンは、動物由来の膵臓から作られる)

    植物

    • タバコの葉
    • トウモロコシ
    編集履歴
    2019/12/08 Mr.HARIKIRI
    2020/12/06 文言整備
  • [Bio-Edu] 遺伝子組換え技術でタンパク質サンプルを得るまでのフローと装置 : 培養→精製→分析→保管 – ID9802 [2019/12/08]

    [Bio-Edu] 遺伝子組換え技術でタンパク質サンプルを得るまでのフローと装置 : 培養→精製→分析→保管 – ID9802 [2019/12/08]

    原材料

    • 遺伝子組み換えによるタンパク質の製造に使用する原材料は以下の記事を参照してください。

    USP(培養)

    バイオロジクスではUp Stream Process (USP)は、細胞の培養です。

    • 培養
      • 浮遊培養(バッチ式)
      • 連続培養
      • 培養するための原材料
        • media
        • nutrient
      • 装置
        • ambr system (培養条件初期検討)
        • フラスコ培養システム (種培養)
        • Media Preparation
        • WAVE System (~20L; 拡大培養)
        • Bioreactor (10L, 50L, 1000L, 2000L; プロダクション培養)

    DSP(精製)

    バイオロジクスでは、Down Stream Process (DSP)は、培養工程で得られたプロダクトの精製です。

    分析

    • 精製検討を目的とした分析
      • SDS-PAGE
      • RP-HPLC (for quantitative)
      • GP-HPLC
      • DNA (Picogreen)
      • HCP ELISA
    • 製造におけるインプロセス試験(IP test)
      • SDS-PAGE
      • OD
    • 高度な分析と装置
      • MFI
      • DLS
      • AEX-HPLC
      • RP-HPLC
      • アミノ酸配列分析
      • 糖鎖分析
      • Endotoxin測定
      • HCP測定
      • Aggregates測定
      • 等電点測定 (糖鎖脱落、脱アミド、酸化)
      • MS
      • CDスペクトル
      • SDS-PAGE
    • 一般装置
      • HPLC System
      • 電気泳動装置(with パワーサプライ、ゲル振とう器)
      • 96穴蛍光光度およびUV測定計

    保管

    • インプロセスにおける保管の条件(短期保管)
      • 5℃保管
      • -20℃保管
      • 室温保管
    • 長期保管の条件
      • -60℃~-80℃
    • 必要な装置
      • 冷蔵庫
      • 冷凍庫(Freezer, Deep Freezer)
    一過性発現培養
    フラスコ培養装置

    for GMP

    Class 2 area for media preparation

    編集履歴

    2019/12/08, Mr.Harikiri
    2024/01/02,サイト内リンク訂正