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  • [Bio-Culture] Poloxamer 188 (Pluronic F-68) – バイオリアクターの撹拌翼による細胞のダメージを抑制 [2021/02/24]

    [Bio-Culture] Poloxamer 188 (Pluronic F-68) – バイオリアクターの撹拌翼による細胞のダメージを抑制 [2021/02/24]

    Poloxamer 188

    Poloxamer 188という名称は、馴染みがないが、商品名のPluronic F-68はよく知られている。細胞培養において、バイオリアクターの撹拌翼による細胞への物理的ダメージを低減化を目的に培地に添加される。蛋白医薬品(バイオロジクス)においても製品での添加剤として使用され、毒性が少ないことがわかっている。

    遺伝子治療用のウイルスベクター、たとえばAAVベクターの安定化剤として使用されることも多い。

    Poloxamerは、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンブロックポリマーです。 例として、商用グレードのポロキサマー188の不純物には、低分子量物質(アルデヒド、ギ酸と酢酸の両方)、1,4-ジオキサン、残留エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドが含まれます。 ほとんどのポロキサマーは、化粧品において界面活性剤、乳化剤、洗浄剤、および/または可溶化剤として機能し、0.005%から20%の濃度で141の化粧品に使用されているようです3)

    1)

    Development of an Improved Poloxamer 188 – Optimized for Cell Culture Performance (2017)

    https://cellculturedish.com/development-of-an-improved-poloxamer-188-optimized-for-cell-culture-performance/
    2)

    ジスロマックの毒性試験 – pmda –

    (poloxamerの毒性は非常に低い)

    https://www.pmda.go.jp/drugs/2009/P200900004/40007900_22100AMX00393000_J100_1.pdf

    毒性

    レビュー論文3)には、Poloxamer 188の安全性について評価し、安全であると結論づけられています。

    動物の静脈内注射 (Poloxamer)

    • 尿中に急速に排泄
    • 肺、肝臓、脳、腎臓の組織にいくらか蓄積

    ヒトの静脈内注射 (Poloxamer 188)

    • 血漿中濃度(エチレン性投与)は1時間で最大
    • その後定常状態に達する

    創傷治癒

    • Poloxamerは一般に創傷治癒に効果がない
    • 動物実験に置いて高コレステロール血症と高トリグリセリド血症を引き起こす可能性が示されています
    • 術後癒着を減らすのに効果的という報告もあります
    • Poloxamer 108, 4g / kgまでの短期静脈内投与
      • 体重に変化がない
      • 腎のびまん性肝細胞空胞化を引き起こした
      • 腎臓の尿細管拡張、および近位曲尿細管の上皮細胞の用量依存的な空胞化を起こした
    • 97 mg / m(3)でのポロキサマー101の短期吸入毒性試験
      • 2週間の暴露後に軽度の肺胞炎を確認
      • 2週間の暴露後の観察期間で肺胞炎は治癒した
    • Poloxamer 184の1000 mg / kgまでの用量でのウサギにおける短期皮膚毒性試験
      • 組織学的検査でわずかな紅斑とわずかな皮内炎症反応
      • 用量依存的な体重、血液学、血液化学、または臓器重量の変化はなかった

    動物実験

    • 試験系 : 摂食試験、ラットと犬
      • Poloxamer 188 (最大5%の食餌への暴露)、6ヶ月、ラットと犬、悪影響なし
    • 試験系 : 摂食試験、犬
      • Poloxamer 331(0.5 g / kg日(-1)までテスト済み)、悪影響なし
      • Poloxamer 235(1.0 g / kg日(-1)までテスト済み)、悪影響なし
      • Poloxamer 338(0.2または1.0 g / kg日までテスト済み)(-1))、悪影響なし
      • Poloxamer 331(0.5 g / kg日(-1)までテスト済み)、わずかな一過性の下痢
      • Poloxamer 338(5.0 g / kg日)(-1))、犬、わずかな一過性の下痢
    • 試験系 : 摂食試験、ラット
      • Poloxamer 188 (最大7.5%食餌への暴露)、2年間、5%および7.5%レベルで下痢、7.5%レベルで成長がわずかに減少、生存率に変化はなし

    ラットを使用して0.5mg / kg日(-1)までの用量で2年間、血清の黄色変色、高い血清アルカリホスファターゼ活性、および血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼおよびグルタミン酸-オキサル酢酸トランスアミナーゼ活性の上昇ポロキサマーは最小限の眼刺激性ですが、そうではありません 動物の皮膚刺激物または感作物質。 ポロキサマーの生殖毒性および発生毒性に関するデータは見つかりませんでした。

    AMES試験

    • 代謝活性化の有無にかかわらず、Poloxamer 407の変異原性活性は確認されませんでした

    発癌性

    • いくつかの研究は、Poloxamerの抗発癌効果を示唆
    • 多剤耐性癌細胞の抗癌剤に対する感受性を高める

    臨床試験

    • Poloxamer 188は、大量の下剤治療と組み合わせて使用​​すると、糞便の水分補給を増加させた
    • コントロールと比較して、Poloxamer 188を投与された血管形成術患者の1つの研究では、鎌状赤血球症を患っている患者にPoloxamer 188を投与すると、コントロールと比較して痛みが減少し、入院が減少
    • 心筋梗塞サイズの縮小と再梗塞の発生率の低下の臨床試験で、毒性の証拠はありませんが、他の2つの研究では効果が見られませんでした
    • 皮膚刺激性および感作性は一様に陰性

    化粧品

    化粧品成分レビュー(CIR)専門家パネルは、以下のように述べています。

    化粧品業界は、免疫グロブリン酸化物、プロピレンオキシド、および1,4-ジオキサンの低レベルを維持するために必要な精製手順を引き続き使用する必要があることを強調しています。

    Poloxamerの生殖毒性および発生毒性のデータがないことに留意している。分子量と溶解度に基づくと、皮膚への浸透はほとんどなく、皮膚への浸透は遅いはずである。

    また、入手可能なデータは、皮膚暴露以外の経路で体内に導入されたPoloxamerが体から急速に除去されることを示しています。

    全体として、入手可能なデータは発がんについての懸念を示唆していない。 製品の使用に関する知識にはギャップがあるが、製品の種類に関する全体的な情報が入手可能であり、生殖毒性および/または発生毒性のリスクがないことを示唆しています。

    これらの成分が使用されており、どの濃度での使用のパターンを示しています。 これらの安全性試験データと、不要な分子を制限するために製造プロセスを制御できるという情報に基づいて、専門家パネルは、これらのPoloxamerは使用しても安全であると結論付けられています。

    3)

    Safety assessment of poloxamers 101, 105, 108, 122, 123, 124, 181, 182, 183, 184, 185, 188, 212, 215, 217, 231, 234, 235, 237, 238, 282, 284, 288, 331, 333, 334, 335, 338, 401, 402, 403, and 407, poloxamer 105 benzoate, and poloxamer 182 dibenzoate as used in cosmetics (2008)

    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18830866/

    編集履歴

    2021/02/24 Mr.HARIKIRI
  • [Bio-Vector] 人工染色体 – 目的細胞に導入して安定発現細胞株を作る – AAVベクターの生産株として適用できるのか? – chromocenter/TaKaRa [2021/01/15]

    [Bio-Vector] 人工染色体 – 目的細胞に導入して安定発現細胞株を作る – AAVベクターの生産株として適用できるのか? – chromocenter/TaKaRa [2021/01/15]

    はじめに

    遺伝子組換えで目的物を作る方法には、一過性発現と安定発現細胞株を使う方法があります。目的物が1種類の場合、例えは抗体医薬の場合、殆どは一過性発現ではなく安定発現細胞株を樹立し製造に使用されます。

    遺伝子治療で使用されるAAVベクターの作り方の主流は、動物細胞や昆虫細胞に対して、構成要素として必要な遺伝子をコードする3つのプラスミドDNAをトランスフェクションする一過性発現法であるThree Plasmid Transrectionです。

    ウイルスベクターの新たな作り方

    ここ数年、遺伝子治療医薬品のコマーシャル品が承認されて、その製造方法に関する技術についても注目されてきています。Three Plasmid Transfectionと同様の手法により、Produce Cell LineやPackaged Cell Line (PCL)と言われる、3つの Plasmideを目的細胞に導入することで安定発現細胞株を作成してくれるCDMO (Vigene社など)もあります。

    ここで紹介する人工染色体を用いた安定発現細胞株の構築は、PLCと比較して優位性があるのでしょうか? 今後、結論を出したいとおもていますが、今回は、人工染色体を導入した安定発現細胞株の作り方について、TaKaRaとchromocenterのホームページから情報をまとめました。

    • Three (3) plasmid method
      • 一過性発現
      • 製造の段階で用意した3つのプラスミド(一定の比率)を使い、薬剤によるトランスフェクションして、一過性で生産させる
    • PLCによる生産株樹立
      • 安定生産細胞株
      • 3つのプラスミドを一つずつトランスフェクションとスクリーニングして構築
      • 製造時に、細胞株を拡大培養
    • 人工染色体導入による生産株樹立
      • 安定生産細胞株
      • 必要な構成遺伝子をコードした人工染色体を細胞にトランスフェクションして構築
      • 製造時に、細胞株を拡大培養

    人工染色体の特徴

    TaKaRaのサイトを参照しました。

    • 導入できる目的遺伝子の大きさは数Mb(大きいサイズ可能)
    • 染色体とし振る舞う
      • 細胞分裂により受け継がれる
      • 一定のコピー数(コントロール可能)
      • 宿主遺伝子の破壊の可能性が低い
    • 導入された遺伝子の発現について、サイレンシング、過剰発現されることは少ない

    人工染色体の構造

    マウスの染色体を使用したものをMouse Atrtificial Chromosome (MAC)、ヒトの場合をHuman Artificial Chromosome (HAC)と言います。

    • Wild type 染色体の構造
      • テロメア
      • セントロメア
      • 遺伝子領域 (内在遺伝子)
      • テロメア
    • 人工染色体の構造
      • (ヒト21番染色体(35Mb)の場合)
      • (内在遺伝子の削除)
      • テロメア
      • セントロメア
      • (loxPサイトの導入)
      • 人工テロメア
      • (このHACでは、5Mb)

    遺伝子搭載サイズ

    • Plasmid
      • ~ 20 kb
    • Virus
      • ~ 150 kb
    • BAC/PAC
      • ~ 300 kb
    • YAC
      • ~ 1Mb
    • HAC, Chromosome
      • ~ 100 Mb

    従来ベタクーとの比較

    • プラスミドベクター
      • 2本鎖DNA
      • 宿主染色体に取り込まれる *1
      • 遺伝子導入サイズは、~ 300 kb
      • 発現量は、挿入部位やコピー数に依存(コントロールが難しい)
      • 発現の安定性は、低く消失の可能性がある
    • アデノウイルスベクター
      • 2本鎖DNA
      • 宿主核内で独立存在、一部は宿主染色体に組み込まれる
      • 遺伝子導入サイズは、 理論的には~ 36 kb、現状8 kb
      • 発現量は、感染効率に依存(ある程度のコントロールは可能)
      • 一過性発現で発現は不安定性
    • センダイウイルスベクター
      • 1本鎖RNA
      • 宿主細胞室内で独立存在
      • 遺伝子導入サイズは、 ~ 5 kb (数遺伝子)
      • 発現量は、感染効率に依存(ある程度のコントロールは可能)
      • 一過性発現で発現は不安定性
    • 人工染色体ベクター
      • 2本鎖DNA
      • 宿主核内で独立存在
      • 遺伝子導入サイズは、 理論的には制限はない。現状~ 2.4 Mb
      • プロモーターで強弱は決まり、発現量は一定
      • 発現は安定性。転写レベルとして50世代以上
    *1 : 宿主染色体に組み込まれる原理として1の考察は、そもそも裸のDNAは染色体構造を取っていないことを理解しておく。輪っか状のpDNAであれば、核内に独立存在可能であると考えられるが、pDNA調整過程で1本鎖DNAが微量に混入する。これが、宿主染色体に組み込まれると理解される(Mr.Harikiri)

    chromocenter社の方法

    先ずは、目的遺伝子を持つ人工染色体を作成します。目的の染色体二は、薬剤耐性遺伝子タグが付けられます。

    ドナー細胞の作成

    1. 挿入型遺伝子搭載法

    以下の構成要素でMAC/HACを作成し、これらを内包する「ドナー細胞」を作成します。

    1. MAC作成の場合
      • 人工染色体ベクター
        • バクテリア人工染色体 (BAC, loxPやHPRT領域が必要)、または、
        • 酵母人工染色体 (YAC)
    2. MAC保持 CHO hprt -/-準備
    3. 目的遺伝子搭載ベクターの添加(+Cre)
    4. ドナー細胞の取得 (目的遺伝子が搭載されたMAC(hprt再構築)を有する)
    5. MMCT法により安定発現細胞株の取得
      • 以下に説明したMMCT法を実施
      • 目的遺伝子搭載のMACを保有する目的細胞

    2. 転座型遺伝子搭載法

    ヒト染色体導入マウスA9細胞ライブラリー等から、目的遺伝子領域を含む細胞を選択

    1. ヒト染色体導入マウスA9細胞を用意
      • 耐薬剤遺伝子を含む
    2. DT40細胞内
      • 相同組換え
      • 不要な染色体領域の切断
      • BS/loxP (部位特異的組換え配列) 挿入
      • 人工テロメア挿入
    3. MAC保持のCHO細胞を用意(ドナー細胞)
      • MMCT
      • Creによる相互転座
      • HAT選択
      • 転座型MACを保持する細胞の取得
    4. MMCT法により安定発現細胞株の取得

    MMCT法(微小核細胞融合法)

    1. ドナー細胞を準備
    2. コルセミド処理(48~72hrs)
      • 一つの核膜に包まれていた染色体が、個別に包まれ微小核が形成される
    3. サイトカラシン処理
      • 細胞骨格を壊し、微小核を遠心分離にて取得する
    4. ろ過精製
      • 8μm → 8μm → 3μm
    5. レシピエント細胞に微小核を混合
      • フィトヘマグルチニン; PHA (架橋剤)
      • ポリエチレングリコール; PEG (融合剤)
    6. スクリーニング
      • 薬剤耐性により選別培養する

    人工染色体ベクターによる安定発現細胞株作製 – TaKaRa, chromocenter社の紹介 –

    https://catalog.takara-bio.co.jp/jutaku/basic_info.php?unitid=U100009029

    chromocenter – ホームページ

    http://chromocenter.com

    編集履歴

    2020/01/15 Mr.Harikiri
  • [Bio-Education] 薬効薬理試験にはどんなものがあるか

    [Bio-Education] 薬効薬理試験にはどんなものがあるか

    薬効薬理試験(pharmacology)

    医薬品開発には、動物を用いた薬効薬理試験による効力の確認試験が必要です。製造関連の研究者としても、このあたりの知識は持っているべきです。以下には、LSIメディエンス社から、サービス項目を抜粋しました。

    source : LSIメディエンス

    1.中枢神経系

    2. 感染症

    • バイオセーフティレベル(BSL)2の動物飼育区域を有している
    • BSL2までのウイルス、細菌などの感染実験が対応可能
    • インフルエンザウイルスおよび黄色ブドウ球菌(MRSA含む)の受託試験の実施体制を整えている
    • 治験センターが所有している臨床分離株の使用可能
    • 2.1.1インフルエンザウイルス感染
    • 2.1.2黄色ブドウ球菌感染
    • 2.1.3MRSA感染
    • 2.1.4マラリア感染※マラリアウイルスをご提供いただければ対応可能です.

    3.循環器系

    4.呼吸器系

    5.腎泌尿器系

    • 5.1腎炎
    • 5.2排尿・結石 排尿障害モデルとして、過活動膀胱モデル(OAB:脳梗塞誘発)、間質性膀胱炎モデル(IC:塩酸、シクロフォスファミド、酢酸誘発)、下部尿路障害モデル[LUTS:前立腺肥大(BPH)]、腹圧性尿失禁(SUI)および脊髄損傷モデルがあります。評価法としては、膀胱内圧を測定可能なシストメトリー法と自然排尿により尿流動態を測定するウロフロメトリー法があります。弊社開発の排尿機能測定システムを用いて、継時的に微量排尿の尿流動態の測定が可能です。
      • 5.2.1過活動膀胱
      • 5.2.2脊髄損傷排尿障害
      • 5.2.3間質性膀胱炎(塩酸、シクロフォスファミド、酢酸誘発)
      • 5.2.4下部尿路障害(前立腺肥大症)
      • 5.2.5腹圧性尿失禁
      • 5.2.6膀胱結石(エチレングリコール飲水/アルファロール経口)

    • NBZ source
      • NZBマウスはニュージーランドのオタゴ大学の Bielschowskyらによって癌研究のために開発された。 1959年にこのマウスがクームス陽性の自己免疫性 溶血性貧血を高率に発症することが判った。 その後、NZWマウスとの交雑F1マウスが多彩な自己 抗体、特に抗核抗体を生じ、かつヒトSLEにみられる と同様の各種のループス病変を自然発症することが発見された。

    6. 免疫系(免疫制御)

    • 6.1.1抗原感作
      • 抗体産生-当社は「抗体作製業務」、「イムノアッセイ法の開発~検体測定 (GLP対応可)」、「バイオ医薬品の特性試験、保存安定性における測定」、「臨床検体の測定」などの受託ができます。
    • 6.1.2全身性エリテマトーデス(SLE)モデル全身性エリテマトーデス(SLE)は、全身の臓器に原因不明の炎症が起こる自己免疫疾患の一種であり、膠原病の1つとして分類されています。MRL/lprマウスおよびNZBWF1マウスは共にSLE様のループス腎炎を自然発症することで知られており、SLEモデルとして汎用されています。
    • 6.1.3乾癬モデル尋常性乾癬は、慢性の皮膚角化疾患であり、典型的な症状として赤い発疹とその上に白色の鱗屑(皮膚上皮の角質細胞が剥がれ落ちたもの)を伴う発疹が認められます。症状が目に見える形で現れるため、QOLを著しく低下させる疾患です。
      当社はマウスを用いて抗ウイルス剤であるイミキモド誘発尋常性乾癬モデルの作製し、被験物質の薬効評価することが可能です。
    • 6.1.4慢性GVHDモデル

    7. 血液系

    • 7.1.1鉄欠乏性貧血(瀉血)
    • 7.1.2in vitro 血小板凝集試験血小板凝集作用は血液凝固のために重要な機能ですが、血栓などを発生させることで脳疾患や心疾患など重篤な状態を誘発させる場合があります。血小板凝集試験は血小板凝固薬などの評価に汎用されています。

    8. 炎症・アレルギー

    • 8.1炎症・浮腫
    • 8.2アレルギー反応
    • 8.3結膜炎アレルギー性結膜炎では、花粉症などの抗原によるアレルギー反応により、かゆみ、結膜の腫脹、目やになどの分泌物が生じます。弊社はDNP-Ascaris、OVAおよびブタクサなどのアレルゲンを用いた抗原抗体反応によるモデルを有しています。
    • 8.3.1OVA誘発(アレルギー性)結膜炎
    • 8.3.2DNP-アスカリス誘発(アレルギー性)結膜炎
    • 8.3.3ブタクサ花粉誘発(アレルギー性)結膜炎

    9. 消化器系

    10. 皮膚

    11.糖・脂質代謝系

    12.がん(担がん)

    各種ヒト、マウスおよびラットがん細胞株を移植した担がん動物を作製し、薬の抗腫瘍効果を評価します。バイオセーフティレベル(BSL)2の細胞株の使用が可能です。移植部位は皮下、腹腔内および同所(脳内、胃、膵臓、子宮、前立腺等)が可能です。免疫不全動物として、ヌードマウス、ヌードラット、SCIDマウス、NOD SCIDマウス及びNOGマウス等の経験を有しています。

    • 12.1ヒト腫瘍細胞株皮下移植・腹腔内移植・同所移植
    • 12.2マウス腫瘍細胞株皮下移植・腹腔内移植・同所移植
    • 12.3ラット腫瘍細胞株皮下移植
    • 12.4転移 -肺転移、肝転移血行性肺転移モデル、自然肺転移モデル、経脾肝転移モデルなどの実績があります。ヒト大腸がん細胞株HT-29を用いた経脾肝転移モデルは、自然転移モデルと比較して再現性に優れています。
    • 12.5ウサギVX2がん移植 -肝、腎、脾、胃、腸、筋、皮下ウサギVX2がんは主に肝臓がんのモデルとして使用されています。投与はヒトの血管造影法に準じた固有肝動脈への動脈内投与により行います。腫瘍の大きさ、病理解析およびエコー観察による評価が可能です。
    • 12.6ウサギVX2がん転移 -肺、肝、脳

    13. In vitro

    • 13.1In vitro抗腫瘍試験(各種細胞)各細胞バンクから入手したがん細胞株などを用いて、薬の抗腫瘍効果を評価します。60以上の細胞株の使用経験があります。細胞生存率が50%となる濃度(IC50)等にて評価します。Cell Counting Kit-8やCell Titer Gloなど種々の検出法(比色法、蛍光法、発光法)による評価が可能です。
    • 13.2クロット溶解試験(各種動物血液)
    • 13.3初代細胞を用いる細胞傷害性試験(肝実質・副腎皮質・神経細胞)初代細胞を用いて薬の細胞傷害性を細胞逸脱酵素や細胞生存率をもとに評価します。肝実質細胞(ラット、イヌ、サル)、副腎皮質細胞(ラット、モルモット、イヌ、サル)、神経細胞(ラット)、シュワン細胞(ラット)、ライディッヒ細胞(ラット)の経験があります。
    • 13.4血小板凝集試験(各種凝集素)
    • 13.5ADCC(Antibody-Dependent Cellular Cytotoxicity:抗体依存性細胞傷害)活性測定抗体に依存した細胞傷害活性を応用した抗体医薬が数多く開発されています。その活性を評価する方法として抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性測定が知られています。弊社ではサルまたはヒトの末梢血単核球細胞(PBMC)をエフェクター細胞として用いた経験を多数有しています。
    • 13.6CDC(Complement-Dependent Cytotoxicity:補体依存性細胞傷害)活性測定(各種細胞)補体に依存した細胞傷害活性を応用した抗体医薬が数多く開発されています。その活性を評価する方法として補体依存性細胞傷害(CDC)活性測定が知られています。弊社では市販のヒトおよびウサギ補体を用いた経験を有しています。
    • 13.7遺伝子発現解析測定法:リアルタイムPCR測定法13.8細胞表面マーカー発現解析測定法:フローサイトメトリー法
    • NBZ source
      • NZBマウスはニュージーランドのオタゴ大学の Bielschowskyらによって癌研究のために開発された。 1959年にこのマウスがクームス陽性の自己免疫性 溶血性貧血を高率に発症することが判った。 その後、NZWマウスとの交雑F1マウスが多彩な自己 抗体、特に抗核抗体を生じ、かつヒトSLEにみられる と同様の各種のループス病変を自然発症することが発見された。

    14. その他 (In vivo)

    • 14.1育毛
    編集履歴
    2020/09/04 Mr.HARIKIRI
  • [Bio-Education] 細胞のモノクローナル化のための基本原理 – 最新装置を中心に解説 – [2020/09/03]

    [Bio-Education] 細胞のモノクローナル化のための基本原理 – 最新装置を中心に解説 – [2020/09/03]

    ID22024

    細胞のモノクローナル化のための3つの基本操作

    細胞をモノクローンにするには、1つの細胞を取得したことを確実に証明する必要があります。その基本操作は、以下の3種類あります。3種類とも浮遊細胞への適用は可能ですが、FACSとCell Printerは、付着細胞には不向きですsource: Solentim.com。そのため、付着性の強い細胞には、限界希釈法が未だ使われています。Solentim社のVIPSという装置は、これらを改善してマイルドな分注により高い生存率を達成し、1細胞の分注を高い確率で行い、それを高い確率で生存させてクローナリティにつなげる装置になっています。

    従来の装置と方法

    • FACS
      • FACS; fluorescence-activated cell sorter
      • 蛍光標識の検出と電場ソート (参考文献1)
        • レーザー光照射による蛍光励起により蛍光を測定、同時に細胞サイズを前方散乱光の強度を測定する
        • マイクロ流路から出てきた細胞をピエゾ振動子によりエンベロープ(液滴)化し、同時に荷電して、偏向版によりソートする
        • 処理能力は、30,000~70,000細胞/秒 (2011年技術)
      • ラミナフロー原理
        • マイクロ流路に細胞懸濁液を流すと細胞が1列に並んで流れる
      • 目的細胞の存在比率による制限
        • 0.1%を下回るとヒストグラムにおける位置予測ができない
      • 高流速こうと高電荷(数千V)による制限
        • 脆弱な細胞には適さない(2011年技術)
      • 原理の発明者 : レナード・アーサー・ハーツェンバーグ
      • 参考文献
        1. 全自動1細胞単離解析装置の開発, 2011, 生物工学会誌, 89, 2, 72-78 link
        2. フローサイトメトリーの原理、基礎や一般的なプロトコルを解説フローサイトメトリー入門講座, コスモ・バイオ, link
      • メーカー
    • Cell Printer
    • 限界希釈法
      • ある一定容量の細胞懸濁液を分取したときに、1細胞となるように希釈する方法

    VIPSおよびCell Metric

    VIPSとCell MetricはSolentim社の製品です。VIPSは、単一細胞播種に特化した製品、Cell Metricは、播種0日からのモニタリングについて、ウェルのエッジ付近の細胞も見逃さずクローン保証を確実にする製品です。

    • VIPSは、Solentim社の装置 source: Solentim.com
      • VIPS; Verified In-situ Plate Seeding)
      • 単一細胞をプレートに播種した直後に、細胞を画像により確認するベンチトップサイズの装置、装置説明 link
        • 細胞を含む培養懸濁液が入ったリザーバーから、プレートウェルの中心部に1滴分注する
        • そのご自動的に単一細胞の有無を画像撮影により検出する
        • もしも、1細胞以上の細胞が確認されると自動的に培地を補充する
        • もしも、細胞が確認されない場合は、再度の1滴分注を行い、以上を繰り返えす。
        • 96穴1プレートの処理に10分
      • SMART LD™️
        • 1psi未満の圧力でナノリットル単位でウェルに分注
        • 穏やかなディスペンスにより高い生存率が得られることで、1つの細胞からのコロニー化が高い確率になる
      • インテリジェンスな画像分析
      • 日々の個々のウェルを撮影してライブラリを作ることで、そのコロニーが0日まで遡った時にタインツの細胞から始まったことを確認できる
    • Cell Metric
      • 装置概要 link
      • 大手製薬企業、CRO/CDMOでの使用実績がある
      • 蛍光ラベルの必要がなく、ヴェルエッジの細胞も見逃さない
      • 蛍光ラベルにも対応している
      • クローンのスクリーニングに使用する
        • クローナリティのアシュアランスデータを得るために、コロニーの生育をモニタリングする
        • 高速スキャニングが可能
        • 播種0日から定期的な撮影を実施
        • 撮影期間は、10-21日館程度
      • 複数プレート撮影(10枚格納カセット装着可能)
      • プレートのバーコード管理
      • 処理時間 : 4.5分/プレート(6, 12, 24, 48, 96, 384, 1536 well plate対応)
      • 蛍光検出機能(オプション)
      • 規制当局対応のレポート作成機能

    プロデューサー細胞株は、遺伝子治療ベクターの製造コンポーネントの1つです。選択した細胞株の特性(起源/派生、倍加時間、ウイルス感染と複製の許容度)はウイルス生産性の効率を決定し、増殖条件は必要な下流の処理方法と最終製剤のリリーステストに影響します。この様式の細胞は、臨床目的によっては、患者に直接投与される可能性もあります。source

    編集履歴
    2020/09/03 Mr.はりきり

  • [用語] GMP

    [用語] GMP

    GMP; Good Manufacturing Practice

    GMPを知るには、ICHガイドラインが基本ですが、それ以外にも、世界でも通用する知識とするには、用語などの英語表現も必要です。ICHガイドラインでは、3局(日本、米国、欧州)の合意が進められており、日本語化された文書が保存されています。まずは、日本語の文書を理解して、その後は、米国FDAのサイトにある文書の理解などに進めていけば、GMPを効率よく理解できます。

    ICHガイドライン – PMDA –

    https://www.pmda.go.jp/int-activities/int-harmony/ich/0070.html

    GMP文書において、英語表現の参考になるリンク(by Mr.HARIKIRI)

    http://lifescientia.com/wp/wp-content/uploads/2015/10/15-018_対訳文USP最小文書化指針_改定案2015年.pdf

    米国FDA CDERLearn Training and Education 

    https://www.fda.gov/training-and-continuing-education/cderlearn-training-and-education

    品質マニュアル 英和用語集

    http://www.jbits.co.jp/materials/quality_manual.html

    PIC/S GMP ガイドライン パート 1 (英和)

    http://www.it-asso.com/gxp/pics/Part-1J_130101.pdf

    用語集 — ISPE —

    https://www.ispe.gr.jp/ISPE/setsumei/setsumei_a.htm

    用語集 —

    http://lifescientia.com/wp/wp-content/uploads/2015/09/15-016_対訳版_米国CGMP対訳文.pdf#page37

    GMP: Good Manufacturing Practice

    編集履歴
    2020/08/24 Mr.HARIKIRI
  • [用語] Working Cell Banking

    [用語] Working Cell Banking

    Working Cell Banking

    マスターセルパンク(MCB)の拡大培養により細胞を増やし、MCBと同様に品質試験されて、正式に決定された生産細胞株であるWorking Cell Bank (WCB)を作ること。ルーチン製造に使用される。

    編集履歴
    2020/08/24 Mr.はりきり
  • [用語] Master Cell Banking

    [用語] Master Cell Banking

    Master Cell Banking

    GMPに従いマスターセルバンク(Master Cell Bank; MCB)を製造し液体窒素による超低温保管する。日本、米国、欧州の3つの薬局方(3局)の合意としてICH Q5Dガイドラインがあります。MCBは、「細胞基材」です。その調整にあたり、材料となる元の細胞の履歴、行った作業などについて詳細に記録することが求められます。細胞自体の安定性、産生されるバイオ医薬品の目的物の品質、など多数の試験項目により、MCBの品質を保証する必要があります。

    生物薬品(バイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)製造用細胞基剤の由来、調製及び特性解析 – ICH Q5D, PMDA –

    https://www.pmda.go.jp/files/000156150.pdf
    編集履歴
    2020/08/24 Mr.はりきり
    2021/10/14,追記(ICH Q5D)
  • [用語] Cell Banking – ID21614

    [用語] Cell Banking – ID21614

    Cell Banking

    GMPに従いマスターセルバンクとワーキングセルパンクを製造し液体窒素による超低温保管すること。セルバンクには、開発段階ごとに以下のようなものが作成される。

    1. Research Cell Bank (RCB)
    2. Master Cell Bank (MCB)
    3. Working Cell Bank (WCB)

    遺伝子組換えしようとしている元の細胞株に遺伝子導入して、目的の物質を生産する遺伝子組換え細胞を作製し、単一のクローンにセレクトしたり、生産性の高いものを選んだりしながら、RCBを作製します。その後、更に、確実なモノクローンにしてMCBを作製します。バイオロジクスの開発段階、臨床の初期段階では、MCBを出発材料として、臨床用サンプルを製造します。その後、MCBの一部を使用して、拡大培養しWCBを作製します。その後は、WCBを使用して臨床用サンプル、商用の医薬品を作製することになります。

    編集履歴
    2020/08/24 Mr.はりきり
    2021/10/14,追記(RCB, MCBおよひWCBに関する記載)
  • [用語] Screening & Cloning

    [用語] Screening & Cloning

    目的物質の生産性、生産物の品質、培養容易性、培養安定性の観点からからプール細胞のスクリーニングとモノクローニングすること。

    スクリーニングに用いられる評価試験項目は以下の通りです。

    • 目的物の細胞あたり生産性(μg/cell)
    • 細胞増殖性
    • 多世代増殖安定性
    • 生産される目的物質の品質試験による目的適合性
    • 蛋白医薬の場合、タンパク質に起こる翻訳後修飾として、特にハイマンノース含有率を含む糖鎖の種類及び含有率
    編集履歴
    2020/08/24 Mr.はりきり
    2021/10/14,追記(スクリーニング評価試験項目について)
  • [用語] Transfection ; トランスフェクション – 遺伝子を細胞内に入れる

    [用語] Transfection ; トランスフェクション – 遺伝子を細胞内に入れる

    transfection

    transfection ; トランスフェクションは、遺伝子組換え技術の基本である目的遺伝子(plasmid)を細胞 (Host Cell)の中に入れる操作です。使用する薬剤として強カチオンを使用したり、薬剤ではなく電気パルスで細胞膜を緩め小さな穴を作って挿入したりする方法があります。

    [Bio-Equipment] 遺伝子導入装置 ; Transfection for Plasmid to cells

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    [用語] Transfection ; トランスフェクション – 遺伝子を細胞内に入れる

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    [rAAV-Design] – 治療用AAV Vectorの設計 – 考慮事項 – ID12947 [2020/06/24]

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    [rAAV-Production] – 治療用AAV Vector製造 – 考慮事項 – SM-ID12844 [2020/10/14]

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    [Bio-Edu] バイオ医薬品における生産細胞株の構築の方法 – ID5029 △[2020/08/19]

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    [Data Link] ウイルスベクターによる遺伝子導入と発現(4) – ID4158 [2019/12/09]

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    [Bio-rAAV] rAAV vector製造でplasmidを細胞に導入するトランスフェクション試薬 – ID3336 [2020/07/21]

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    編集履歴
    2020/08/24 Mr.はりきり
    2021/10/14,追記(電子パルスについて)