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[Bio-Vector] 人工染色体 – 目的細胞に導入して安定発現細胞株を作る – AAVベクターの生産株として適用できるのか? – chromocenter/TaKaRa – ID26979 [2021/01/15]

[Bio-Vector] 人工染色体 – 目的細胞に導入して安定発現細胞株を作る – AAVベクターの生産株として適用できるのか? – chromocenter/TaKaRa – ID26979 [2021/01/15]
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はじめに

遺伝子組換えで目的物を作る方法には、一過性発現と安定発現細胞株を使う方法があります。目的物が1種類の場合、例えは抗体医薬の場合、殆どは一過性発現ではなく安定発現細胞株を樹立し製造に使用されます。

遺伝子治療で使用されるAAVベクターの作り方の主流は、動物細胞や昆虫細胞に対して、構成要素として必要な遺伝子をコードする3つのプラスミドDNAをトランスフェクションする一過性発現法であるThree Plasmid Transrectionです。

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ウイルスベクターの新たな作り方

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ここ数年、遺伝子治療医薬品のコマーシャル品が承認されて、その製造方法に関する技術についても注目されてきています。Three Plasmid Transfectionと同様の手法により、Produce Cell LineやPackaged Cell Line (PCL)と言われる、3つの Plasmideを目的細胞に導入することで安定発現細胞株を作成してくれるCDMO (Vigene社など)もあります。

ここで紹介する人工染色体を用いた安定発現細胞株の構築は、PLCと比較して優位性があるのでしょうか? 今後、結論を出したいとおもていますが、今回は、人工染色体を導入した安定発現細胞株の作り方について、TaKaRaとchromocenterのホームページから情報をまとめました。

  • Three (3) plasmid method
    • 一過性発現
    • 製造の段階で用意した3つのプラスミド(一定の比率)を使い、薬剤によるトランスフェクションして、一過性で生産させる
  • PLCによる生産株樹立
    • 安定生産細胞株
    • 3つのプラスミドを一つずつトランスフェクションとスクリーニングして構築
    • 製造時に、細胞株を拡大培養
  • 人工染色体導入による生産株樹立
    • 安定生産細胞株
    • 必要な構成遺伝子をコードした人工染色体を細胞にトランスフェクションして構築
    • 製造時に、細胞株を拡大培養
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人工染色体の特徴

TaKaRaのサイトを参照しました。

  • 導入できる目的遺伝子の大きさは数Mb(大きいサイズ可能)
  • 染色体とし振る舞う
    • 細胞分裂により受け継がれる
    • 一定のコピー数(コントロール可能)
    • 宿主遺伝子の破壊の可能性が低い
  • 導入された遺伝子の発現について、サイレンシング、過剰発現されることは少ない
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人工染色体の構造

マウスの染色体を使用したものをMouse Atrtificial Chromosome (MAC)、ヒトの場合をHuman Artificial Chromosome (HAC)と言います。

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  • Wild type 染色体の構造
    • テロメア
    • セントロメア
    • 遺伝子領域 (内在遺伝子)
    • テロメア
  • 人工染色体の構造
    • (ヒト21番染色体(35Mb)の場合)
    • (内在遺伝子の削除)
    • テロメア
    • セントロメア
    • (loxPサイトの導入)
    • 人工テロメア
    • (このHACでは、5Mb)
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遺伝子搭載サイズ

  • Plasmid
    • ~ 20 kb
  • Virus
    • ~ 150 kb
  • BAC/PAC
    • ~ 300 kb
  • YAC
    • ~ 1Mb
  • HAC, Chromosome
    • ~ 100 Mb
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従来ベタクーとの比較

  • プラスミドベクター
    • 2本鎖DNA
    • 宿主染色体に取り込まれる *1
    • 遺伝子導入サイズは、~ 300 kb
    • 発現量は、挿入部位やコピー数に依存(コントロールが難しい)
    • 発現の安定性は、低く消失の可能性がある
  • アデノウイルスベクター
    • 2本鎖DNA
    • 宿主核内で独立存在、一部は宿主染色体に組み込まれる
    • 遺伝子導入サイズは、 理論的には~ 36 kb、現状8 kb
    • 発現量は、感染効率に依存(ある程度のコントロールは可能)
    • 一過性発現で発現は不安定性
  • センダイウイルスベクター
    • 1本鎖RNA
    • 宿主細胞室内で独立存在
    • 遺伝子導入サイズは、 ~ 5 kb (数遺伝子)
    • 発現量は、感染効率に依存(ある程度のコントロールは可能)
    • 一過性発現で発現は不安定性
  • 人工染色体ベクター
    • 2本鎖DNA
    • 宿主核内で独立存在
    • 遺伝子導入サイズは、 理論的には制限はない。現状~ 2.4 Mb
    • プロモーターで強弱は決まり、発現量は一定
    • 発現は安定性。転写レベルとして50世代以上
*1 : 宿主染色体に組み込まれる原理として1の考察は、そもそも裸のDNAは染色体構造を取っていないことを理解しておく。輪っか状のpDNAであれば、核内に独立存在可能であると考えられるが、pDNA調整過程で1本鎖DNAが微量に混入する。これが、宿主染色体に組み込まれると理解される(Mr.Harikiri)
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chromocenter社の方法

先ずは、目的遺伝子を持つ人工染色体を作成します。目的の染色体二は、薬剤耐性遺伝子タグが付けられます。

ドナー細胞の作成

1. 挿入型遺伝子搭載法

以下の構成要素でMAC/HACを作成し、これらを内包する「ドナー細胞」を作成します。

  1. MAC作成の場合
    • 人工染色体ベクター
      • バクテリア人工染色体 (BAC, loxPやHPRT領域が必要)、または、
      • 酵母人工染色体 (YAC)
  2. MAC保持 CHO hprt -/-準備
  3. 目的遺伝子搭載ベクターの添加(+Cre)
  4. ドナー細胞の取得 (目的遺伝子が搭載されたMAC(hprt再構築)を有する)
  5. MMCT法により安定発現細胞株の取得
    • 以下に説明したMMCT法を実施
    • 目的遺伝子搭載のMACを保有する目的細胞

2. 転座型遺伝子搭載法

ヒト染色体導入マウスA9細胞ライブラリー等から、目的遺伝子領域を含む細胞を選択

  1. ヒト染色体導入マウスA9細胞を用意
    • 耐薬剤遺伝子を含む
  2. DT40細胞内
    • 相同組換え
    • 不要な染色体領域の切断
    • BS/loxP (部位特異的組換え配列) 挿入
    • 人工テロメア挿入
  3. MAC保持のCHO細胞を用意(ドナー細胞)
    • MMCT
    • Creによる相互転座
    • HAT選択
    • 転座型MACを保持する細胞の取得
  4. MMCT法により安定発現細胞株の取得

MMCT法(微小核細胞融合法)

  1. ドナー細胞を準備
  2. コルセミド処理(48~72hrs)
    • 一つの核膜に包まれていた染色体が、個別に包まれ微小核が形成される
  3. サイトカラシン処理
    • 細胞骨格を壊し、微小核を遠心分離にて取得する
  4. ろ過精製
    • 8μm → 8μm → 3μm
  5. レシピエント細胞に微小核を混合
    • フィトヘマグルチニン; PHA (架橋剤)
    • ポリエチレングリコール; PEG (融合剤)
  6. スクリーニング
    • 薬剤耐性により選別培養する

人工染色体ベクターによる安定発現細胞株作製 – TaKaRa, chromocenter社の紹介 –

https://catalog.takara-bio.co.jp/jutaku/basic_info.php?unitid=U100009029

chromocenter – ホームページ

http://chromocenter.com
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編集履歴

2020/01/15 Mr.Harikiri
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AAV

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