20条
各事例が「どの条文に抵触するか」は、品目区分、製造段階、承認書記載、SOP、記録の有無、品質影響、意図性により変わります。実際の監査指摘文や行政対応文書にする場合は、GMP・薬事の専門家に確認が必要です。
| 条文 | 主な規定内容 | 抵触し得る代表事例 |
|---|---|---|
| 第21条 | 原薬たる医薬品の品質管理・参考品保管 | 原薬ロットについて、所定の試験検査に必要な量の2倍以上の参考品を、リテスト日または必要保管期間まで適切な条件で保管していない。 |
| 第21条の2 | 原薬たる医薬品の安定性モニタリング | リテスト日が設定された原薬について、品質リスクに基づく安定性モニタリング対象選定、検体採取、試験項目選定、定期試験、結果評価を実施していない。 |
| 第22条 | 原薬たる医薬品の文書・記録の保管 | 原薬の製造記録・試験記録・逸脱記録を、リテスト日まで、または出荷完了日から3年間のいずれか長い期間より前に廃棄した。 |
| 第23条 | 無菌医薬品の製造所の構造設備 | 無菌操作区域にHEPA等で処理された清浄空気の供給や差圧管理設備がなく、清浄度を維持できない構造で無菌製造を行っている。 |
| 第24条 | 無菌医薬品の製造管理 | 無菌充填工程で、清浄区域・無菌区域の環境管理値、微生物管理、製造用水管理、更衣・入退室管理を適切に設定・運用していない。 |
| 第25条 | 無菌医薬品の教育訓練 | 無菌操作に従事する職員に、無菌操作、衛生管理、微生物汚染防止、更衣手順に関する教育訓練を実施しないまま作業させている。 |
| 第25条の2 | 生物由来医薬品等の製品標準書 | 生物由来原料、使用動物、細胞・微生物由来原料の規格や管理方法を製品標準書に記載せず、品質部門の承認も受けていない。 |
| 第26条 | 生物由来医薬品等の製造所の構造設備 | 微生物培養、採取、不活化、分注、無菌試験などを行う区域が明確に区分されておらず、交叉汚染や微生物汚染を防げない。 |
| 第27条 | 生物由来医薬品等の製造管理 | ウイルス・微生物の不活化または除去工程について、未処理品と処理済品の混同・汚染防止措置を講じずに製造している。 |
| 第28条 | 生物由来医薬品等の品質管理 | 特定生物由来医薬品または細胞組織医薬品について、参考品保管、検体識別、工程内試験、使用動物管理、微生物株管理、試験記録保管を適切に行っていない。 |
| 第29条 | 生物由来医薬品等の教育訓練 | 生物由来医薬品等の製造・試験に従事する職員に、微生物学、医学、獣医学、病原性微生物の汚染防止に関する教育訓練を実施していない。 |
| 第30条 | 生物由来医薬品等の文書・記録の保管 | 特定生物由来医薬品や人血液由来製品の記録を、有効期間+30年より前に廃棄している。 |
| 第31条 | 記録の保管の特例 | 厚生労働大臣が指定する生物由来医薬品について、指定された期間、必要な記録を保管していない。 |
GMP省令の目次では、第二章のうち第21条〜第22条が「原薬たる医薬品」、第23条〜第25条が「無菌医薬品」、第25条の2〜第30条が「生物由来医薬品等」、第31条が雑則として整理されています。
第21条は原薬の参考品保管、第21条の2は原薬の安定性モニタリング、第22条は原薬に係る文書・記録の保管期間を規定しています。
特に第22条では、リテスト日が設定された原薬について「リテスト日まで」または「製造所からの出荷完了日から3年間」のいずれか長い期間を保管期間として扱う趣旨が示されています。
第23条〜第25条は無菌医薬品の特則です。第23条では清浄度維持、専用室、滅菌装置、清浄空気供給、差圧管理などの構造設備が規定され、第24条では作業区域の清浄度管理、微生物管理、汚染防止、重要工程の管理値、製造用水管理、職員の衛生管理が規定されています。
第25条の2〜第31条は生物由来医薬品等の特則です。第25条の2では生物由来原料や使用動物等を製品標準書に記載すること、第27条では不活化・除去工程、発酵等の工程管理、カラム等の汚染防止、使用動物管理、生物由来原料の確認・記録保管などが求められています。
第28条では特定生物由来医薬品・細胞組織医薬品の参考品保管、検体の識別、工程段階での試験、使用動物管理、微生物株の記録などが規定されています。第30条では、生物由来医薬品等に係る記録について、特定生物由来医薬品または人血液由来製品は「有効期間+30年」、その他の生物由来医薬品または細胞組織医薬品は「有効期間+10年」などの保管期間が定められています。
第21条以降は、すべての製造所に一律に適用される条文ではありません。原薬、無菌医薬品、生物由来医薬品等、細胞組織医薬品、特定生物由来医薬品など、品目区分や製造工程に応じて適用条文が変わります。
また、同じ事例でも、実際の監査指摘では第21条以降だけでなく、第8条、10条、11条、13条、14条、15条、20条などの通則条文と併記されることが多いです。たとえば、無菌区域の環境モニタリング不備は第24条だけでなく、手順書不備なら第8条、記録不備なら第20条、逸脱未処理なら第15条も関係します。
【出典】
【確実性: 高】
条文の見出しと主要要求事項は一次情報に基づくため確実性は高いです。ただし、個別事例がどの条文に「抵触」と評価されるかは、品目区分、工程、承認書、製造所のSOP、品質影響、記録の有無により変わるため、実際の監査指摘文や行政対応文書にする場合はGMP・薬事の専門家に確認が必要です。