[健康] 高尿酸血症の痛風リスクと食事 (血液中の尿酸値と寿命, 2015-より) [2020/06/07]

尿酸値

兵庫県保健医協会のホームページから、血液中の尿酸値と寿命について言及されていたのでその内容1)をまとめた。

  • 血液中の尿酸とは、遺伝子の材料であるプリン塩基の最終産物、すなわち老廃物である
  • 尿酸自体は、活性酸素を抑制したり、血管拡張作用がありアンチエイジング効果がある
  • 正常値は、2.1~7.0 mg/dl
    • 大阪市立大学医学部(2017)の「糸球体濾過率&腎血漿流量 – 尿酸」、「輸入細動脈血管抵抗&糸球体内圧 – 尿酸」を詳細に調査した研究によれば、更に狭い範囲のコントロールが必要として、目標尿酸値は5 mg/dlを提案している2)
  • 心臓病や血管関連疾患との因果関係はわかっていない
  • 尿酸値7.0mg/dl超が「高尿酸血漿」で、以下の原因になります
    • 痛風関節炎
    • 慢性腎臓病 (CKD)の進行
  • 腎臓の機能による過度な尿酸排泄による尿酸値2.0mg/dl以下が、「腎性低尿酸血漿」です。
    • 無酸素運動後に起こる「急性腎不全(ALPE)」の危険因子
    • 無酸素運動により腎臓の血流が不良となり背中の激しい痛みを伴う
    • 一時的な血液透析が必要
  • 日本人成人男子で。
    • 4~5人に1人に高尿酸血漿
    • 100人に1人に痛風症状
  • 米国の痛風リスクの大規模研究 (2004)。
    • 1.5倍 : 魚介類、ビールの摂取
    • 1.4倍 : 肉類
    • 1.2倍 : BMIが高い
    • 1.2倍 : スピリッツ
    • 無関係 : ワイン
    • 0.6倍 : 果物、乳製品、適度な運動
    • 0.4倍 : コーヒー(6杯以上/日)
  • 血清尿酸値が高まれば、メタボリックシンドローム頻度が増加
  • 糖尿病では腎臓での尿酸の再吸収が増加し、将来の高血圧につながる
  • 尿酸値のコントロールによる悪性腫瘍リスク、総死亡率低下は不明
  • 痛風による腎不全は、慢性腎不全患者の18~41%を占めており、最も多い死因である
  • 病理学的には、高尿酸による尿酸結晶は、尿細管を閉塞させたり、腎臓に炎症を生じさせたり、結石を来たします
  • 高尿酸血漿の治療は以下に関わる生活習慣の改善です
    • メタボ
    • 肥満
    • 高血圧
    • 脂質代謝異常
    • 糖尿病
1)

血液中の尿酸値と寿命 (2015)

http://www.hhk.jp/kenko-telservice/2015/0702-181713.php
2)

以上

編集履歴
2020/06/07 はりきり(Mr)
2020/06/14 文言整備