カテゴリー: BIOLOGICS

  • [rAAV] Parvovirusに属するアデノ随伴ウイルス(AAV)をベクター(rAAV)にして遺伝子治療を行う — rAAVの特徴と臨床 (2003) – ID2516 [2019/10/02]

    [rAAV] Parvovirusに属するアデノ随伴ウイルス(AAV)をベクター(rAAV)にして遺伝子治療を行う — rAAVの特徴と臨床 (2003) – ID2516 [2019/10/02]

    AAVベクター

    Adeno associated virus (AAV) ベクター(rAAV : recombinant AAV)作成に関する現在の技術 (2019現在でも)では、Rep/Cap遺伝子と目的の治療用遺伝子(GOI)とは、別々のPlasmidで作り、それを混合体として細胞にトランスフェクションする方法が一般的である.即ち、野生型のAAVの感染状況とは異なる人為的な方法でウイルスが作られる.

    野生型(Wild type)のAAVの感染の場合、高い確率でターゲットとなっている染色体のある特定の位置に、そのAAVの遺伝子が組み込まれる。その位置は同定されている。

    しかし、rAAVによるGOIの染色体DNAへの組み込みは、Wild Type AAVの場合とは異なり、染色体に組み込まれたとしても稀で、しかもランダムの位置に導入される考えられている。

    AAVの血清型

    今回紹介する文献(2003年)では、当時で1から8型が知られていたようだ。血清型2, 3および5はヒトより分離されたもので、2型が最もよく研究されている。

    現在(2020)では、血清型9と10も知られており、血清型9では、脊髄性筋萎縮症(SMA)の遺伝子治療薬であるZolgensmaに使われている(2020/07/17追記)。

    ベクター種ごとの特徴

    • adeno associated virus( AAV )ベクターは、非分裂細胞への効率的な遺伝子導入と長期の遺伝子発現。他のウイルスベクターと比較してAAVの方が安全性に優れている。ただし、未分化な幹細胞への導入効率は低い。
    • レンチウイルスベクター(HIVベクターが代表的)は、AAVベクター同様に非分裂細胞への効率的な遺伝子導入と長期の遺伝子発現。静止期にある幹細胞に適しており、ES細胞に効率よく遺伝子導入できる
    • レトロウイルスベクター: 分裂細胞にしか遺伝子導入ができないため、造血系細胞への導入に絞られる
    • アデノウイルスベクター: 非分裂細胞への効率的な遺伝子導入が可能であるが、遺伝子発現は長期持続しない
    ウイルス種ターゲット発現持続性安全性
    AAVAAV1~10非分裂細胞長い高い
    LentivirusHIV非分裂細胞
    (ES細胞)
    長い
    Retrovirus分裂細胞
    (造血系)
    Adenovirus非分裂細胞短い

    AAVのウイルス学的特徴

    • AAVは、動物ウイルスの中で最も小型の線状1本鎖DNAウイルスであるパルボウイルス科(Parvoviridae)に属し、20-26nmの大きさで、ヒト成人での感染率は85%である。物理学的に極めて安定。
    • AAV2のReceptorはヘパラン硫酸が想定され、FGF receptorやαVβ5インテグリンなどもreceptorとして示唆されている。
    • AAV5のReceptorは、PDGF receptorであることが分かっている。

    Parvoviridaeは3属

    ここでは,AAVがどのウイルスに属しているのか,どんな特徴があるのか,について理解するために,その他のウイルスと比較する.

    1. Autonomous Parvovirus
      • バルボウイルス属
      • 複製にヘルパーウイルスを必要としない
    2. Dependovirus
      • ディペンドウイルス属
      • AAVのこと。複製にヘルパーウイルスを必要とする
      • 病原性は認められていおらず、血清型は1から8が知られている
    3. Erythrovirus
      • エリスロウイルス属
      • 人に感染するB19と猿パルボウイルスは、赤血球への特異性と特徴的な転写機構から区別されている

    AAVベクターとしての特徴

    ウイルスゲノムは約5kbの線状1本鎖DNA.ブラス鎖とマイナス鎖は半々。ゲノムの両端に145b長のITR (inverted terminal repeat)がT型ヘアピン構造で存在し、プライマーの役割となり複製時に機能すると共に、ウイルス粒子へのPackagingと宿主細胞染色体DNAへの組込みにも機能する。

    • AAVウイルスゲノム : 5kb,1本鎖DNA
    • ゲノムの両端に145bのinverted terminal repeat (ITR)を有する.
    • ITRは,T型ヘアピン構造をとっている.
    • ITRは,複製時にプライマー機能,ウイルス内へのPackaging,宿主染色体DNAへの組込機能を有する.具体的には,以下の通り.
    • p5プロモータからRep78, Rep68 (large Rep)のmRNAが転写: endonuclease, helical, ATPase は、プロモータ活性調節、ゲノム複製、宿主 第19版染色体長腕AAVS1領域(共通配列GAGCにRep78/Rep68が結合)へのゲノム組込み.
    • ただし、AAVベクターでは、ITRに続けてRepはコードさせず、GOIを配置するため、特定箇所への組込み機能は享受できないが、稀に組み込まれるとそれはランダムになる傾向があり、且つ、アクティブな遺伝子領域に起こりやすい.非分裂の場合、挿入変異を心配する必要はないと考えられる
    • p19プロモータからRep52, Rep40 (small Rep)のmRNAが転写: VP1, VP2, VP3のカプシド蛋白
    • 単独感染では、(A)潜伏感染のみで済むが、アデノウイルスなどのヘルパーウイルスが重感染するとAAVが複製されることになり、(B)溶解感染となる
    • AAVベクターで導入された遺伝子は、ほとんどがエピソームとして存在していると考えられているため、増殖細胞の場合では、失われやすい.
    • ゲノムが1本鎖であることから遺伝子発現には2本鎖になるStepが必要であり、その効率が高くない場合は、大量のベクターを必要とする
    • 小型の粒子であることから、挿入できる遺伝子は小さくなる
    • 重複関連が可能なため、別々のベクターを使って足りないものを導入することが可能 (コンカタマー形成が可能であるため、別々に導入(スプリットベクター)しても細胞内で連結される性質を利用できる)

    臨床試験

    参考文献によれば、AAV2ベクターによる血友病Bの臨床試験: 筋肉では一部の患者で効果があった。現在、肝臓で試験中(ベクターゲノムが精液中に一過性に検出されたが、生殖細胞への遺伝子導入は確認されていない)

    以上

    参考文献

    1. ウイルス 第53巻 第2号 pp.163-170, 2003, http://jsv.umin.jp/journal/v53-2pdf/virus53-2_163-170.pdf
    2. Dependoparvovirus, ViralZone
    編集履歴 Mr.HARIKIRI
    2019/12/31 文言整備、少々追記
    2020/05/03 文言整備
    2020/07/17 追記(Zolgensma)
    2023/10/24 文言整備
  • [rAAV] AVB SepharoseによるrAAVの精製, 2009 – ID2461 [2019/09/28]

    [rAAV] AVB SepharoseによるrAAVの精製, 2009 – ID2461 [2019/09/28]

    はじめに

    rAAVを特異的に精製が可能なAffinity resingの紹介です.

    rAAV (recombinant AAV)は、天然に存在するAAV(ウイルス)を遺伝子改変したものです。一般的にウイルスの電荷は負であるため、精製純度を高めるには物性を利用して陰イオン交換体に吸着・溶出(AEX)させてる手順で可能です。しかし、負の電荷を持っている物質は、精製対象となるウイルスを含む培養液には,多種多様な不純物が含まれています.そのため、このAEXは特異的な精製方法ではありません。そこで、特異的にAAVに結合性を有する精製基材が求められています。

    特異的な精製基材

    AVB Sepharose (TM) によるsf9細胞由来のrAAVの精製

    以下は,サンプルとしてバキュロウイルスで発現させたAAVを使用し,AVB Sepharoseを用いた精製手順です.

    1. Sf9 cell (10e8)のバキュロウイルスによるTransfection 1hr処理
    2. その後3daysの培養後
    3. cellをharvestして、Detergent処理して抽出液を回収
    4. capside化しなかったDNAなどをBenzonase処理により分解処理
    5. Affinity Column精製 (10 mm x 100 mm, AVB Sepharose High Performance)
    6. Washing: PBS(pH7.4)
    7. Elution: low pH glycine-HCl (pH2.7)
    8. Elution peak tiger: 1.7 x 10e13 particles/mL
    9. Purity: >90% (4-12% SDS-PAGE)
    10. AAV-1のVP1(81.4kDa), VP2(66.2kDa), VP3(59.6kDa)

    Abbreviations: NRP, nuclease-resistant paticle; TU, transduction unit.

    評価

    nuclease resistance particles/cell: 3.7 x 10e4 ~ 9.6 x 10e4

    1. ウイルス粒子内にウイルスの遺伝子が完全にパッキングされていれば,necleaseによる抵抗性があるという意味.
    2. 今回の1 step精製方法による回収量は,1つの細胞当たりに3.7 x 10e4 ~ 9.6 x 10e4のnuclease抵抗性のウイルス粒子を回収できた.

    文献

    A Simplified Baculovirus-AAV Expression Vector System Coupled With One-step Affinity Purification Yields High-titer rAAV Stocks From Insect

    https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1525001616308000

    編集履歴

    2019/09/28, Mr.Harikiri
    2022/01/12,追記(はじめに)
    2023/10/25,文言整備

  • [rAAV] 遺伝子治療薬としての遺伝子組換えAAV(rAAV)の沈殿法による精製のいろいろ – ID2452 [2019/09/27]

    [rAAV] 遺伝子治療薬としての遺伝子組換えAAV(rAAV)の沈殿法による精製のいろいろ – ID2452 [2019/09/27]

    はじめに

    遺伝子治療薬として、ヒトの細胞に感染させ目的の遺伝子をその細胞に導入するするために、目的遺伝子を封入したAAVベクターという器をきれいに精製する方法の紹介。

    PEG沈殿

    超遠心機を使用しないPEG 8000を使用した沈殿化精製条件でベクターとしてAAV2, AAV8を精製する。AAVベクターの精製をプラットフォーム化する 1)

    DNAはPEGの分子量が大きい程、沈殿化しやすい(PEG 6000, 30%)。また、沈殿化は、NaClやMgCl2で増強されるが、MgCl2の場合は、数mM濃度で沈殿化はトップとなりベルシェイプを呈する 2)

    クロロホルム沈殿法

    Chroloform沈殿法では、upper layerとbottom layerにそれぞれ水層とChroloform層の2層に遠心分離できる。Chroloform層には、lipidsが含まれ、それ以外の組成物は水層に含まれる 4)

    クロロホルム-メタノール沈殿法

    Chroloform-Methanol precipitationの方法論の基礎として、血漿1mLにChroloform-Methanol (2:1)を10mL電荷してタンパク質以外のトリグリセライドとコレステロールを水層に分離する方法 5).AAVベクターを上清に回収するには、おそらく66% Chroloformよりも低い濃度でないとlipidと共にChroloform層または沈殿として除去されると考えられる。当該1)文献では等量のChroloformを添加しているので50%濃度であるので、妥当な濃度であると考えられ。

    塩は、ダンパク質の凝集剤として使用される。ダンパク質間の静電相互作用を弱められ沈殿する

    有機溶剤は、溶液自体の導電率を低下させ、アミノ酸残機と相互作用 5)変性の状態へと状態が進む。軽い変性状態である場合、蛋白質の通常のFolding状態では内側に隠れている疎水性が表面に出でくるものとかんがえられ、それが相互に結合しやすいため、蛋白同士が凝集するものと考えられる。強い変性状態では、完全に変性すれば、ダンパク質は不溶性となる。高分子であるダンパク質の場合、排除体積効果による凝集と、アミノ酸残機との相互作用による溶解の両方の効果を考慮しなければならない 5)

    文献

    1)https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3374034/

    2)Polyethylene glycol and divalent salt-induced DNA reentrant condensation revealed by single molecule measurements†: https://www.researchgate.net/profile/Puneeth_Kumar_R/post/Why_and_how_does_PEG_precipitate_DNA_Why_is_it_better_than_isopropanol_to_reduce_the_polysaccharide_contaminants/attachment/59d62c5879197b807798ab8d/AS%3A346620320337920%401459652132379/download/Polyethylene+glycol+and+divalent+salt-induced.pdf

    3)DNA Condensation by Multivalent Cations: https://www.researchgate.net/profile/Puneeth_Kumar_R/post/Why_and_how_does_PEG_precipitate_DNA_Why_is_it_better_than_isopropanol_to_reduce_the_polysaccharide_contaminants/attachment/59d62c5879197b807798ab8e/AS%3A346620324532225%401459652133439/download/DNA+Condensation+by+Multivalent+Cations.pdf

    4)Protein precipitate forms at the interphase of a top aqueous layer(MeOH+H2O) containing salts, detergents, reducing agents, nucleic acids etc., and a bottom layer of chloroform containing lipids.

    5) Comparison of six methods for the extraction of lipids from serum in terms of effectiveness and protein preservation: https://pdfs.semanticscholar.org/44ca/c0638d3eb4d2648e2383c7f29130962931c2.pdf

    6) ダンパク質の凝集剤としての塩・有機溶剤・高分子

    編集履歴

    2019/09/27, Mr.HARIKIR

  • [rAAV] rAAVの従来からの精製方法 (PEG沈殿、超遠心), 2010 – ID2417 [2019/09/26]

    [rAAV] rAAVの従来からの精製方法 (PEG沈殿、超遠心), 2010 – ID2417 [2019/09/26]

    rAAV vectorの精製方法

    沈澱化と遠心分離、および超遠心機を使用する従来からのAAV精製方法を以下に2種類を示しました。工業化するには、超遠心機の使用は不適切です。何か代替できる方法に切り替える検討が工業化には必要です。具体的には、クロマトグラフィへの切り替えです。適切な吸着担体と詳細な条件検討により工業化を進める必要があります。

    Standard purificationOptimized purification
    TransfectionTransfection
    ⬇︎⬇︎

    Centrifugation (Cell Pellet by 2,500g x 10min)

    Same as left
    ⬇︎⬇︎
    Freeze-thaw Lysis (50mM Tris-HCl, 150mM NaCl, 2mM MgCl2, pH8.0)Same as left
    ⬇︎⬇︎
    cfg (2,500g x 10min)Same sa left
    ⬇︎⬇︎
    cfg-supcfg-sup + culture supernatant
    ⬇︎⬇︎
    ⬇︎8% PEG, 0,5M NaCl by adding 40% PEG 8000, 2.5M NaCl, 2h on ice    
    ⬇︎⬇︎
    ⬇︎cfg (2,500g x 30min)
    ⬇︎⬇︎
    ⬇︎cfg-ppt
    ⬇︎⬇︎
    ⬇︎

    Resuspend

    (50mM Tris-HCl, 150mM NaCl, 2mM MgCl2, pH8.0)

    ⬇︎⬇︎
    DNase Treatment (100U/mL, 1h, 37’c)Same as left
    ⬇︎⬇︎
    Ultracentrifugation (104,000g x 24h, 20’c)Same as left
    ⬇︎⬇︎
    Dialysis vs PBS (overnight)Same as left
    ⬇︎⬇︎
    Ultracentrifugation (182,000g x 24h, 20’c)Same as left

    まとめ

    上記表には,文献の精製手順の比較により,その詳細を示した.その内のOptimized Methodについて概略フローを,以下に示した.従来法と異なる点は,PEG8000による沈殿化である.

    Culture -> Cell -> Lysate -> Clarification -> Polyethylene Glycol (PEG) 8000 -> Ultracentrifugation -> Dialysis ->Ultracentrifugation

    注) UltracentrifugationをGradientと業界では読んでいるようで,おそよく塩化セシウムの濃度勾配を使用することが,それをGradientと称しているものと推察される.

    High AAV vector purity results in serotype- and tissue-independent enhancement of transduction efficiency

    編集履歴

    2019/09/26, Mr.HARIKIRI
    2023/10/25, 修正(まとめ)

  • 気になる企業 – Creative Biolabs Inc. はcGMP製造もできるCRO – ID2413 [2020/05/21]

    気になる企業 – Creative Biolabs Inc. はcGMP製造もできるCRO – ID2413 [2020/05/21]

    Creative BioLabs

    Creative BioLabs Incはアメリカに本社を置き.イギリスとドイツにも拠点を持つ.

    前身は2006に設立、2015年にfoundされました。創薬初期のステージで使用する技術としてPhage display,ハイブリドーマ作成などの実施が可能である.カスタムバイオテクノロジーと製薬サービスを提供する.創薬後期のステージで使用するヒト化技術,親和性成熟技術など,高度な分析技術を必要とするサービスも提供できる.を作製できる抗体は,研究用,診断用,治療用の提供が可能.cGMPによるモノクローナル抗体製造は1,000L規模で可能.100名の擁するContract Research Organization (CRO)です.。format変換, identification, affinity maturation, humanizationなどresearch段階での技術は高く、できることは沢山の説明はあります。

    https://www.creative-biolabs.com/immuno-oncology/cell-culture-process-development.htm

    Comprehensive service portfolio including antibody

    • reformatting
      • Fab
      • F(ab)’2
      • scFv
      • VHH
      • minibodies
      • bispecific
    • production
    • epitope binning and mapping
      • identify the epitope
      • elucidate the mechanism
      • strengthen intellectual property
    • humanization
      • variety of methods and toolkits
    • affinity maturation
      • high-throughput phage library
    • affinity measurement
      • kinetic properties
    • sequence liability identification
    • immunogenicity prediction
      • in vitro screening (Sensitive immunogenicity Assessment Technology; SIAT)
      • in vivo screening

    cGMP manufacturing

    • https://www.creative-biolabs.com/immuno-oncology/cgmp-manufacturing.htm
    • microbial
    • mammalian
    • plasmid DNA production and purity
    • Advanced packaging/filling equipment
    • All the upstream and upstream processes use a single system
    • FDA’s formal regulations on the design, monitoring, control and maintenance
    • Code of Federal Regulations (CFR) is the compilation (21)

    Development

    • Culture media screening and adaptation
    • Material preparation for different stages of projects, such as transient and pool material production
    • Various bioreactors available
    • Productivity and/or quality optimization
    • 細胞培養プロセス開発
      • クローン選択から培養条件の最適化
      • 培養開発プラットフォーム
      • 100名以上の専門スタッフ
    • 1L~2,000L cGMP製造
      • Wave
      • Vi-cell
      • YSI
      • Cedex Bio HT
      • Novaflex
      • Bioprofile 400
      • BGA
      • Terumo tubing welder
      • Osmometer
      • Steril tubing
      • welder and sealer
      • Integrity tester
      • Media prep systems for lab & pilot plant

    Product Quality Optimization

    • Aggregation control
    • Charge variant control
    • Glycosylation optimization
    • Sialic acid content optimization
    • ADCC/CDC activity optimization

    Late stage cell culture process development

    • Technical transfer
    • Commercial process development service
    • Process characterization and validation

    IND-enabling cell culture activities

    • Clone selection and process optimization
    • Scale-up and toxicological material production
    • Technical transfer for cGMP production for worldwide IND submissions

    Perfusion and concentrated fed-batch platform

    • High viable cell density and viability
    • For perfusion: long term steady-state operation and stable productivity and quality
    • For concentrated fed-batch: quick adoption from fed-batch with high harvest product titer and improved quality
    • From bench top scale-down model to cGMP anufacturing production

    GENE THERAPY DEVELOPMENT

    Adeno-associated Virus Vector

    様々なHost Cellを提供している

    YB2 / 0細胞株 : フコース含有率が低いラット骨髄腫細胞株

    rcAAVの測定

    委託で測定を受けてくれる。

    Replication-component AAV testing

    Replication-incompetent vector particles derived from AAV (adeno-associated virus) have been shown to mediate transfer and expression of heterologous genes (transgenes) into a variety of cells in vivo and in vitro. It has tremendous potential in both research and therapeutic applications.

    https://www.creative-biogene.com/Services/Custom-Viral-Service/Replication-Competent-AAV-Testing.html
    編集履歴
    2019/09/26 はりきり(Mr)
    2020/05/21 追記(詳細サービス)
    2020/11/24 追記(rcAAV測定)

    以上

  • [rAAV-Lab] AAVの発現・精製から動物試験までの手順をNovagenのAAV精製キット説明書から知る – ID2407 [2019/09/26]

    [rAAV-Lab] AAVの発現・精製から動物試験までの手順をNovagenのAAV精製キット説明書から知る – ID2407 [2019/09/26]

    アイキャッチ by DALL:E3

    はじめに

    AAV vectorを精製するNovagenのキットの紹介です。私たち研究者のナレッジにしてしまいしょう.

    手順は,(1)前培養、(2)トランスフェクシ,さらに(3)後培養(AAV増殖)

    (4)ハーベトス,(5)当該キットによる精製,(6)100kDaのUF膜を用いた濃縮,および(7)除菌ろ過で精製サンプル取得というのが,AAV vector取得の手順です.

    その後,目的のDNAが取得できているか評価するためには(8)AAV vectorからDNA抽出、(9)PCRによる目的遺伝子の確認、(10)動物への投与に至ります.

    Purification of Adeno-associated Virus (AAV) Vectors Using Norgen’s AAV Purification Kit
    NORGEN Biotek Corp.

    AAV Production

    1. 培養条件: HEK細胞と濃度,培養スケール,培地組成
      • Cell seed 10e7 HEK293 cells/15cm plates,
      • DMEM, 10% FBS, 2mM L-glutamine,
      • penicillin/streptomycin
    2. トランスフェクション: 培養1日後に細胞に封入させる遺伝子(pDNA)
      • Transfection (plasmids: rep/cap, genome, helper, containing the inverted terminal repeat (ITR) )after one day
    3. 後培養: トランスフェクション1日後に培地交換
      • Change media after one day, DMEM+L-glutamine (no serum)
    4. ハーベスト: 上清回収は後培養後3~6日
      • Harvest after 3-6days

    AAV Purification

    5. AAVの精製: AAVを増殖させた培養液を用いて精製します.

    • For in vitro and vivo, 300mL of AAV9 containing media
    • 33mL fo 300mL ->Norgen AAV purification kit -> eluate (9.9mL) ->

    6. 濃縮: 遠心型のUF膜を用いた濃縮

    • concentration 100kDa centrifugal filter unit Amicon Ultra-4
    • Collection: 0.5mL

    7. 除菌ろ過 (0.22μm)

    • 吸着が少ないタイプを使用(例えばDurapore)

    DNA Extraction

    8. DNAの抽出:

    • Sample,5μL + 4μL(2 units) DNase (Norgen’s Kit) ->
    • Incubation 37’c for 30min ->
    • EDTA add final 5mM ->
    • Heating 90’c for 20min (inactivation DNase)

    qPCR Quantification

    9. qPCRによる目的遺伝子の確認

    In vitro Transduction with AAV

    10. 動物投与試験: In vivo administration of AAV

    • Purified sample (Concentrated by UF 100kDa)
    • Dilution to 4 x 10e11/0.5mL
    • 2 divided volume
    • 2 mice C57BL/6, ~1 x 10e11/mice
    • mice tissues harvesting 1m post transduction

    文献

    NORGEN: Purification of Aden-associated Virus (AAV Vectors Using  Norgen’s AAV Purification Kit

    編集履歴

    2019/09/26, Mr.HARIKIRI
    2023/11/07, 文言整備

  • 気になる企業 – Nexredge – バイオ医薬品の開発など技術支援するサービスを提供する – [2023/11/07]

    気になる企業 – Nexredge – バイオ医薬品の開発など技術支援するサービスを提供する – [2023/11/07]

    Nexredge社

    Nexredge(ネクスレッジ)社は,バイオ医薬品の開発など技術支援するサービスを提供する.

    https://www.nexredge.co.jp/

    創立 : 2015年,東京中央区日本橋

    1. 生物学的製剤
    2. 再生医療等製品
    3. GMP等の薬事規制に適合した開発支援
    4. 工業化支援
    5. MF国内管理人(*1)
    6. 医薬品製造業国内代理人

    *1

    MF国内代理人とは、

    外国の原薬等製造業者が原薬等登録原簿(Master File; MF)に登録する際に、日本国内に住所を有する事務を行う者のことです.MF国内代理人は、登録申請書や変更登録申請書などの書類をPMDAに提出したり、PMDAや厚生労働省との連絡を行ったりする役割を担います.MF国内代理人は、登録者からの要望に基づいて、原薬等国内管理人の名称や住所などの情報を公表することもできます.MF国内代理人は、外国製造業者の認定(Accreditation of Foreign manufacturers; AFM*2)とは異なる制度であり、MF登録に関する業務のみを行います。

    原薬等登録原簿(MF)の公示について | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 (pmda.go.jp)

    *2

    AFMとは、

    Accreditation of Foreign Manufacturersの略で、医薬品等外国製造業者の認定を意味します.医薬品医療機器法に基づき、日本に輸出される医薬品や医薬部外品を製造する外国の業者は、厚生労働大臣の認定を受ける必要があります.認定は、製造所ごとに区分され、有効期間は5年です.認定を受けるためには、申請書や製造所の構造設備に関する資料を提出し、PMDAが行う調査に合格する必要があります.認定の手続きや必要な書類については、こちらをご覧ください。

    https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/foreign-mfr/0003.html

    編集履歴

    2019/09/26, Mr.HARIKIRI
    2023/11/07, 追記(事業内容9

  • [Bio-Equip] Thermo Fisher 「CaptureSelect」 – AAV1~AAXをキャプチャリングできるAffinity resin – [2019/09/21]

    [Bio-Equip] Thermo Fisher 「CaptureSelect」 – AAV1~AAXをキャプチャリングできるAffinity resin – [2019/09/21]

    ID2320

    CaptureSelect

    CaptureSelectは、複数種類のアデノ随伴ウイルス(AAV)に対応するアフィニティ精製用の樹脂(resin)です。

    抗体医薬での精製方法がプラットフォーム化されているように、遺伝子治療薬のデリバリーシステムであるAAVの精製に欠かせない担体です。

    CaptureSelectは、抗体医薬のキャプチャリングとして使用するProtein Aレジンに相当するステップに使用します。

    動画による説明 : CaptureSelect

    ラクダ抗体を利用したAffinity Resin技術

    Binding Capacity: >10e13~10e14

    ウイルスベクター精製用 POROS CaptureSelect 樹脂および試薬 , より

    再生処理

    吸着・溶出してAAVを精製した後は、レジンの再生処理が必要です。十分な洗浄を行って、再利用することで実製造でのコスト低減が可能でなければなりません。0.5M NaOHなどのアルカリ再生処理が可能であることに越したことはありませんが、リガンドがタンパク質なのでアルカリ洗浄には対応していないようです。3M GuHClでの再生処理が可能であるので、取り敢えずは合格というところでしょうか。本当はアルカリ耐性が欲しいところですが。

    • Resistance: 4M Ures, 3M GuHCl

    文献

    1) データシート

    Enabling technologies for efficient downstream processing of biosimilars, vaccines and gene therapy vectors:

    https://www.thermofisher.com/content/dam/LifeTech/latin-america/promotions/pdf/bioproducao/12-Shelly-Parra-Efficient-downstream-processing-of-biosimilars-vaccines.pdf

    編集履歴

    2019/09/21, Mr.Harikiri
    2021/11/02,追記(解説、再生処理)

  • [Bio-Edu] ラクダが持っている抗体は、一般的なIgGとは異なる構造の重鎖抗体 – ID2300 [2019/09/21]

    [Bio-Edu] ラクダが持っている抗体は、一般的なIgGとは異なる構造の重鎖抗体 – ID2300 [2019/09/21]

    ラクダの重鎖抗体

    一般的にラクダ抗体は、通常の抗体IgGとは異なる構造の重鎖抗体と呼ばれる少し分子量が小さい抗体をある比率で持っている。

    特にラクダ科のアルパカでは抗体の内50%は、この重鎖抗体を占めるという。結合ドメインは一般的な抗体では2本鎖なので2個のドメインだが、重鎖抗体は、軽鎖がないので1個のドメインで結合ドメインとして機能する。

    重鎖抗体の構造

    重鎖抗体の形状は、一般的なIgGから軽鎖(CL-VL)が外れて、更に重鎖のCH1ドメインが欠落したY字構造である。

    分子量は150kDa(各ドメインの分子量を単純割合で12.5kDaとする)から軽鎖の50kDa(2x(2×12.5)kDa)を引いて100kDaとなり、更にCH1の2×12.5kDa = 25kDaを引いて、75kDaであると簡単に推定される。

    • IgGの分子量 : 150kDa
    • 重鎖抗体の分子量 : 75kDa

    nanobody/VHH抗体

    重鎖抗体を産業上の利用を容易にする目的で、可変領域のみに改変したものを、VHH抗体又はNanobodyと呼ぶ.

    • nanobodyの分子量 : 12.5kDa(上記の計算による理論値)

    一般的な抗体(IgG)では、2個のドメイン(Y字の1の手に2つの指:(VHとVL)で抗原に結合する。

    ラクダ抗体では、軽鎖がないので、1個のドメイン(VH)で抗原と結合できるシンプルな構造となっているため、産業利用が進められてきた。

    最近では、更に抗原結合部位のみ、即ち、VHのみを使った研究が多く進められている。

    遺伝子治療などのバイオ医薬品(バイオロジクス)の開発には、欠かせないアフィニティ(Affinity)として、nanobodyが製品がされている(参照)。

    ラクダ抗体の産業利用

    参考文献

    アルパカが持つ不思議な抗体の魅力: https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9604/9604_index.pdf

    編集履歴

    2020/04/28 文言整備、追記(産業利用製品)
    2021/11/02 追記(アイキャッチ画像変更)