田辺三菱製薬のワクチン戦略
データリンク(バイオロジクスに関するもの)として格納します
日経のサイトに詳しい資料が掲載されてされています。ワクチンに関する基礎的知識、連携している阪大微生物研究所、VLP技術を有する子会社である「メディカゴ」に関して知ることができます。
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日経のサイトに詳しい資料が掲載されてされています。ワクチンに関する基礎的知識、連携している阪大微生物研究所、VLP技術を有する子会社である「メディカゴ」に関して知ることができます。
ドイツのBiopharmaceutical New Technologies (BioNTech) 社とPfizerが共同開発するmRNAをベースとする新型コロナウイルス感染症に対するワクチンです。開発ワクチンは、SARS-CoV-2受容体結合ドメイン(receptor binding domain; RBD)をコードするヌクレオチド修飾メッセンジャーRNAをベースのワクチン(BNT162b2)
mRNAをベースに治療薬を開発するベンチャー source
因みに、AstraZenecaが開発している新型コロナウイルス感染症ワクチンは、Adenovirsを使ったワンチンです。T細胞の免疫応答の強化が期待できるため、mRANワクチンよりもワクチン効果が高いことが期待されています。関連記事もご覧ください。
世界の製薬企業であるPfizer, ModernaおよびAstrazenecaの臨床試験の成績の比較は、以下のをご参考にしてください。
Pfizer-BioNTech COVID-19ワクチンは、SARS-CoV-2表面の改変したスパイク・糖タンパク質(spike (S) glycoprotein)をコードするメッセンジャー RNA (modRNA)を脂質膜で粒子状にした製剤です。提供形態は、凍結品で以下の組成になっています。
Pfizer-BioNTech COVID-19 Vaccine – Fact Sheets and Additional Information – FDA
特に、日本語のファクトシートを見たい場合は、ワクチン接種を受ける人と介護従事者のためのファクトシートを参照
https://www.fda.gov/emergency-preparedness-and-response/coronavirus-disease-2019-covid-19/pfizer-biontech-covid-19-vaccine
審査結果からわかる製造方法は以下の通り。
コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS- CoV-2)
(有効成分名:トジナメラン) , H2年 3月 12日
https://www.pmda.go.jp/drugs/2021/P20210212001/672212000_30300AMX00231_A100_4.pdf
2020/07/23 はりきり(Mr) 2020/07/31 日本との合意 2020/11/09 予防効果は90%以上 2021/02/03 Pfizer-BioNTech COVID-19ワクチンの組成 2021/06/10 追記(審査結果報告書)
アデノウイルス(adenovirus)を利用した治療薬の代表は、遺伝子治療薬です。adenovirusを用いた研究は歴史があり、遺伝子治療用のadenovirusは、最新世代の改変型adenovirusが使用されています。
使用されるワクチン用のadenovirusは、目的に適した改変adenovirusが使用されるはずですが、前世代adenovirusが使用されているようです。この部分は、十分に把握できていないので、今後の調査を進めたいと思っています。
アデノウイルス・ベクターを使ったワクチンとして代表的なものは、やはり、Astrazeneca社のCOVID-19ワクチンです。2021年中には、日本でも集団摂取が予定されています。Astrazeneca社のワクチンに関する情報は、後半に述べています。
adenovirusのウイルス膜表面に、目的の抗体を作りたいウイルスの膜表面タンパク質を発現さたり、ベクターとして組み込んだ遺伝子に目的のタンパク質を発現させることも可能です。現在、新型コロナウイルスのワクチンとしてAstrazenecaの臨床試験が行われているadenovirus vector vaccineがあります(2020)、mRNAなどの核酸ワクチンと比較して、細胞免疫を惹起するため強いワクチン効果が期待できます。ただし、ワクチン効果以外の服反応も起こるため、免疫獲得として摂取できる回数は少ない数回に限定されます。核酸ワクチンの場合は、副次的な反応が理論上はないため、複数回の免疫が可能です。抗体ができるまで、複数の免疫も可能と考えられます(2020/09/08)。
adenovirus vector vaccine (アデノウイルス・ワクチン)は、核酸ワクチンの原理と比較して、抗原提示に関するT細胞の免疫応答が強まる(細胞免疫)、感染細胞への殺傷効果が高い可能性があることから、よりワクチン効果が高い期待があります source: Adenoviral Vector-Based Vaccines and Gene Therapies: Current Status and Future Prospects, 2018。
上記参照文献は、adenovirusに関わる情報を網羅的によくまとめられおり、初学者には貴重な情報源となります。以下、原文の英語を日本語にまとめるとともに記載分類を再編成しレジメ化しました。以下の(数字)は、原文での参照文献番号を表しています。
adenovirusの特徴は、DNAウイルスであり以下の通りです。
遺伝子導入実験ハンドブック — タカラバイオ —
AAV (Parvoviridae) : ssDNAウイルス, 5kb, 18-26nm, P1レベル, 染色体への積極的なゲノム組み込み(-)
adenovirus (Adenoviridae) : dsDNAウイルス, 36kb, 70-90nm, P2レベル、染色体への積極的なゲノム組み込み(-)
lentivirus (Retroviridae) : ssRNAウイルス, 8-9kb, 80-130nm, P2レベル, 染色体への積極的なゲノム組み込み(+)by Mr. Harikir (2021/02/11)
https://catalog.takara-bio.co.jp/PDFS/transgenesis_experiment.pdf
adenovirus、その部品を認識するもの (27,28,29,30,31.32,33,34,35,36,37,38,39,40,41)
Vectorとしての良くない免疫応答
繰り返し投与により体液性免疫、細胞性免疫、細胞性細胞毒性、発癌などの課題に直面した(129)
アデノウイルス・ベクターは、HEK293細胞とともに改変が進められてきた(2021/02/11, by MR.HARIKIRI)。
増殖中の複製能力のあるadenovirus生成の可能性を排除できたが、導入遺伝子の発現が少ないとされる。依然として残る課題は、免疫原性と細胞毒性である。
ITRとパッケージングシグナルを除く全てのウイルスシーケンスを削除(114)
現在、世界で喫緊の課題である新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するワクチン開発は、イギリス(英国)のアストラゼネカ(Astrazeneca)が最も進んでいるようです。
英国のAstrazenecaとOxford大学が共同開発しているSARS-CoV-2の感染症(COVID-19)ワクチンは、アデノウイルスをベクターとして使用するAdenovirus vector vaccineです。
現在、臨床試験は、~10,000人程度を予定されるPhase III試験に入っており、今年中には、20億ドーズの供給が始まると言われています。日本へも1億ドーズを供給する準備があると言っています。Phase I/II試験(約1,000人)の結果、中和抗体の上昇と感染した細胞を破壊するT細胞の誘導が確認されており、結果は良好のようです。1回投与では90%代の効果、2回投与では100%の効果が確認されました。2回投与の場合、日本への1億ドースは、5,000万人分の計算になります。
Phase I/IIの臨床試験の内容は、以下の記事もご参照ください。
編集情報 2020/07/22 Mr.HARIKIRI 2020/07/25 追記 (adenovirusの網羅的情報) 2020/08/03 文言整備 2020/08/08 文言整備 2020/09/08 追記(細胞免疫)
以上
緩衝液の調製に際し、そのpHは3局対応の試験法に従って測定し調整される。その測定する温度は、室温付近に規定されている。しかし、リン酸緩衝液は、室温から凍結(-30℃など)までの範囲で、大きなpH変換を生じる。
リン酸緩衝液に続いて、pH変動が大きい緩衝液は、Tris緩衝液である。抗体医薬でよく使用されているHistidine、酢酸緩衝液では、その変動は少ない。
Buffer | pH at 25℃ | pH at 0℃ | pH at -35℃ |
50 mM Sodium phosphate | 7.00 | 7.02 | 3.36 |
20 mM Sodium acetate | 5.63 | 5.66 | 6.14 |
20 mM L-Histidine-HCl | 5.37 | 5.86 | 6.19 |
20 mM Histidine-acetate | 5.52 | 5.97 | 6.48 |
20 mM Sodium citrate | 6.16 | 6.49 | 5.93 |
20 mM Tris-HCl | 7.37 | 7.93 | 8.54 |
20 mM sodium Succinate | 5.55 | 5.60 | 5.85 |
Impact of Freezing on pH of Buffered Solutions and Consequences for Monoclonal Antibody Aggregation
https://www.researchgate.net/publication/40806387_Impact_of_Freezing_on_pH_of_Buffered_Solutions_and_Consequences_for_Monoclonal_Antibody_Aggregation
編集情報 2020/07/19 Mr.はりきり ID 19312
Examining the freezing process of an intermediate bulk containing an industrially relevant protein
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0141022915000046
以上
2004年と2005年の文献から,FcRに関する基礎情報を理解する.
以下のレジメは、「免疫グロブリン様受容体 (IgLR) 分子群による免疫制御, 2004」より。
Receptor | Structure and apparent | Affinity Mouse Ig | Affinity Human Ig | Constitutive Expression | Induced Expression | Type |
FcγRIa (CD64) | α: 70kDa γ: 9kDa + ITAM | 1e7M-1 to IgG2a>>3,1,2b | 1e7~1e9M-1 to IgG1 >=3>4>>2 | Macrophage Monocyte | Neutrophils, Eosinophils, Dendritic cells (DC) | I |
FcγRIIa (CD32A) | α: ~40kDa +ITAM – like | not found | <1e7M-1 to IgG3>=1, 2>>4 | Newutrophils, Nonocytes, Eosinophils, Macrophages, DC, Platelets | I | |
FcγRIIb (CD32B) | 40~60kDa + ITIM | <1e7M-1 to IgG1,2a,2b>>3 3e5M-1 to IgE | <1e7M-1 to IgG>=1>4>2 | II B1 : B cell II B2 : mast cell, basophil, DC, Leukocyte(LC), macrophage, eosinophil, newtrophil | I | |
FcγRIIc (CD32C) | NK cells, LC | I | ||||
FcγRIIIa (CD16A)* | α: 50~80kDa γ or ζ + ITAM | <1e7M-1 to IgG1, 2a,2b>>3 5e5M-1 to IgE | 1e7M-1 to IgG1,3>>2,4 | Macrophage, NK cell, Monocytes, Mast cell, eosinophil, LC, neutrophil (mouse) | Dendritic cells | I |
FcγRIIIb (CD16B) | ~50kDa + GPI link | not found | <1e7M-1 to IgG1,3>>2,4 | Newtrophil, | Eosinophils | I |
FcεRI (CD23) | α: 45~65kDa +β: 32kDa γ+ITAM | >1e10M-1 to IgE | >1e10M-1 to IgE | Mast cell, basophil, eosinophil, LC (human), CD (human) | Neutrophils, Eosinophils, T cells, Monocytes, Macrophages | II |
FcαRI (CD89) | α: 55~75kDa γ+ITAM | not found | 2e7M-1 to IgA1, 2 | Macrophage, neutrophil, eosinophil | I | |
FcRn (IgG recycling) | α: 50kDa β2m: 12kDa | 1e8M-1 to rat IgG2a>2b, 1,2c | 2e8M-1 to IgG | Placenta, small intestine, monocyte, DC, vascular endothelial cell | I | |
Fcα/μRI | α: ~70kDa | High, but not detemined | 1e5M-1 to IgM, IgA | B cell, macrophage | I | |
poly-IgR | ~85 kDa | High, but not detemined | High, but not determined | Epithelium, liver, small intestine, lung | I | |
DC-SIGN | Dendritic cells, Macrophages | II |
CD16
免疫グロブリン様受容体 (IgLR) 分子群による免疫制御, 2004
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjph1987/18/2/18_2_59/_article/-char/ja/
IgGとアレルギー、アレルギー 54(100, 1183-1189, 2005(平17), 東北大学加齢医学研究所遺伝子導入研究分野、高井俊行
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjph1987/18/2/18_2_59/_article/-char/ja/
Fc receptor proteins – ACRO Biosystems –
https://www.acrobiosystems.com/A712-Fc-Receptor-Proteins.html?utm_source=google&utm_medium=kw&utm_campaign=fc-PC&utm_content=both&utm_term=300X600&gclid=EAIaIQobChMI0LTeuMS46gIVT0tgCh2RsAUQEAEYASAAEgJdSPD_BwE
Fc受容体 – Sino Biological –
https://jp.sinobiological.com/research/fc-receptor/fc-receptor-proteins
ターゲット抗体のタイプを知ることができる
AlphaLISA FCGR3A Binding Kit – Perkin Elmer –
http://www.perkinelmer.co.jp/assays/tabid/1997/Default.aspx
Fcγ Receptor Function and the Design of Vaccination Strategies –
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5573140/
NK Cell-Fc Receptors Advance Tumor Immunotherapy 2019
https://res.mdpi.com/d_attachment/jcm/jcm-08-01667/article_deploy/jcm-08-01667-v2.pdf
NK細胞は、RcγRIIc(CD32c)を発現できる
編集情報 2020/07/18 Mr.はりきり 2020/08/20 追記
Polymerase chained reaction
デジタルPCRとは。そして更に、ドロップレットPCRの原理は、シンプルで美しい。
原理 | 説明 |
PCR | Denature → Annealing → Extension Denature : 100℃近い温度で、ダブルストランドのDNAを1本に解く Annealing : 50℃~60℃で、Primerを相補結合させる Extension : 70℃程度で、耐熱性のDNA polymerase (Tag Polymerase)で伸長反応 Endo point method、エンドポイント増幅量を標準と比較してして判定、装置が単純(サーマルサイクラー) |
Real time PCR | リアルタイム測定(増幅の傾き; 指数増殖フェーズのデータを利用)、蛍光シグナル使用 統計手法により絶対量を予測、広いダイナミックレンジ、1.5~2倍の濃度差識別 |
Digital PCR | 微細な多数のウェルに分子が0個のものもあように分配(ナノ流体工学に基づくチップ; 数千~数万の反応ウェル)してエンドポイントPCR。ネガティブ・ウェル(必ず必要)の割合と複数分子のウェルからポアソン統計(分子が0,1,2あるいは3個入る場合の確率)、により、絶定数を定量可能。標準曲線不要、PCR反応阻害を受けにくい |
Droplet Digital PCR | ナノ流体工学に基づくチップを、もっとシンプルな考え方で解決しています。チップでナノのスペースを作るのではなく、water in oilによる微細なエマルジョンの1つ1つを反応ウェルと見なせます。50μLの反応液に数万の反応ウェルが存在することになります。このままPCR反応を行います。エンドポイントの産物は、ドロップレットという粒子として、フローサイトメトリーの原理で一つ一つ数万の粒子ごとに蛍光強度を測定する。 |
次世代の定量技術!デジタルPCRの原理とは? – ThermoFisher –
https://www.thermofisher.com/blog/learning-at-the-bench/digitalpcr1/
QX200 Droplet Digital PCR システム – BIO-RAD –
https://www.bio-rad.com/ja-jp/product/qx200-droplet-digital-pcr-system?ID=MPOQQE4VY
編集情報 2020/07/16 Harikiri(Mr)
AAV5をSECカラムで分析する例示が示されている。SECカラムでAAVを分析できるかどうか不明であったが、SEC分析は問題ないようだ。
カラムのpore sizeのスクリーニングによりSRT SEC 500が最も分離能が良好。
Sepax Institutes, SRT SEC-500 for AAV
編集情報 2020/07/17 Mr.はりきり ID 4842
以上
抗体医薬でよく知られる副作用として、インフュージョンリアクション (infusion reaction, infusion-related reactio, 投与虹反応)がある
全身反応として現れる。
Antibody | Format | Infusion Reaction (Japanese Package Insert) |
rituximab | mouse/human chimera | ~90% |
infliximab | mouse/human chimera | unknow |
cetuximab | mouse/human chimera | <0.5~10% |
brentuximab vedotin | mouse/human chimera | 11% |
trastumumab | humanized | ~40% |
gemtuzumab ozogamicin | humanized | 47.9% |
bevacizumab | humanized | unknown |
eculizumab | humanized | unknown |
panitumumab | human | <1% |
mogamulizumab | humanized | 58.8% |
ofatumumab | human | 49.8% |
trastuzumab emtansine | humanized | 1.20% |
pertuzumab | humanized | 8.8% |
alemtuzumab | humanized | 96.9% |
nivilmab | human | unknown |
ipilimumab | human | 1% |
ramucirumab | human | 0.4% |
交代医薬の創薬から承認まで, 坂中千穂, YAKUGAKU ZASSHI 137(7)817-822 (017)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/yakushi/137/7/137_16-00252-1/_pdf
編集情報 2020/07/17 Mr.はりきり
Fed-batchで培養しながら、一定量の培養液を連続的に抜き取りろ過してハーベストするすることで、より長期間の培養が可能隣る。
カタログ ATF6, ATF10 – REPLIGEN
https://www.repligen.com/application/files/2415/6527/9704/SG-suATF6.pdf
ATF : Alternative Tangential Flow
XCell ATF – REPLIGEN –
https://www.repligen.com/technologies/xcell-atf
XCell ATF – REPLIGEN –
http://able-biott.co.jp/product/xcell-atf/
編集情報 2020/07/15 Mr.はりきり 2021/02/03 説明の詳細化
編集情報 2020/07/14 Mr.はりきり