カテゴリー: BIOLOGICS

  • [Bio-Edu] 核酸の抽出 – QIAGEN製品 – ID21335 [2020/08/17]

    [Bio-Edu] 核酸の抽出 – QIAGEN製品 – ID21335 [2020/08/17]

    核酸抽出に使用されるキット

    検体によって使い分けます。

    Source: DNAチップ研究所

    ■ QIAamp DNA Mini Kit (通常組織用)
    https://www.qiagen.com/jp/shop/sample-technologies/dna/genomic-dna/qiaamp-dna-mini-kit/

    ■ GeneRead DNA FFPE Kit (FFPE検体用)
    https://www.qiagen.com/jp/shop/sample-technologies/dna/plasmid-dna/generead-dna-ffpe-kit/
    ※ 酵素Uracil-N-Glycosilase(UNG)により、DNA から脱アミノ化されたシトシン残基を特異的に除去します。

    ■ QIAamp Circulating Nucleic Acid Kit (ヒト血漿・血清用)
    https://www.qiagen.com/jp/shop/sample-technologies/dna/genomic-dna/qiaamp-circulating-nucleic-acid-kit/

    編集履歴
    2020/08/17 はりきり(Mr)
  • 気になる企業 Pall – ろ過膜の総合メーカー / グループ親会社Danaherのもう一つのバイオ関連企業であるCytivaと共にバイオ関連需要に対応すべく関連増資を進める [2021/12/04]

    気になる企業 Pall – ろ過膜の総合メーカー / グループ親会社Danaherのもう一つのバイオ関連企業であるCytivaと共にバイオ関連需要に対応すべく関連増資を進める [2021/12/04]

    Pall

    Pallは、バイオ技術ソリューション企業です。

    会社情報

    • US
    • Danaher Corpのグループ会社
      • 2015/03、2兆円の市場規模でのシェア拡大を期待して買収報道 source。5月、Pallは買収提案($13.8bn)に合意 source
    • Air and Water-filter maker

    バイオ技術ソリューション投資拡大

    Danaherグループのバイオ関連事業は、グループ会社であるPallとCytivaが担っています。新型コロナウイルス関連で、世界におけるバイオ関連の需要は増大し逼迫する程になっています。以下のソース記事では、Pall (拠点は米国が多い)とCytiva (拠点はイギリスに多い)にある拠点において技術関連ソリューション投資を今後2年間で$m15規模で行うとしています(2021/12/04)。

    Cytivaとポール・コーポレーションがバイオ技術ソリューションの需要増対応へ2年で15億米ドルを投資 – 宮崎日日新聞 –

    https://www.the-miyanichi.co.jp/special/prwire/detail.php?id=202107278195

    Pall 関連記事

    Depth filter

    Virus Reduction Filtration

    Tangential Flow Filtration

    TFF System

    以上

  • [用語] cIEF; Capillary Isoelectric Focusing [2020/08/19]

    [用語] cIEF; Capillary Isoelectric Focusing [2020/08/19]

    cIEF

    cIEF; Capillary Isoelectric Focusing, キャピラリー構造の等電点電気泳動,または、icIEF: imaged capillary isoelectric focusing

    用途

    バイオ医薬品における identity test (同一性試験)やPurity test (純度試験)に使用され,リリーステスト,安定性試験では欠かせない.

    cIEFの原理

    はりきり:

    PA800という装置を使ってタンパク質のキャビラリーを使った等電点電気泳動を実施した場合,泳動パターンが得られるが,それそれれのタンパク質のピークの位置を求める原理について知りたい.具体的には,キャピラリーの中の等電点に応じた荷電を持つタンパク質が二つの電極に引っ張られた結果,一定のpIの位置にたどり着く,その後,どのようにしてピークの位置を測定するのか,検出ウインドウはどの時点で測定を開始するのか測定のシーケンスのどの部分に位置しているのか教えて?

    Copilot:

    PA800を用いたキャピラリー等電点電気泳動(CIEF)での測定シーケンスとピークの位置を求める原理について説明します。

    キャピラリー等電点電気泳動の測定シーケンス

    1. 試料の導入: キャピラリーにタンパク質サンプルを導入します。サンプルはキャピラリーの始点から終点にかけて均一に分布します。
    2. 電場の印加: 高電圧をキャピラリーの両端に印加します。これにより、タンパク質は自分の等電点(pI)に向かって移動します。陽極側に正に荷電したタンパク質、陰極側に負に荷電したタンパク質が引っ張られます。
    3. 等電点への移動(フォーカシング): タンパク質が各自の等電点に達すると、その電荷はゼロになります。電荷がゼロになると、電場の影響がなくなり、タンパク質は移動を停止します。この段階がフォーカシングです。ここで、各タンパク質はキャピラリー内の特定の位置に集まります。
    4. 移動(モビライゼーション): フォーカシングの後、タンパク質が分離された位置で留まっている状態から、キャピラリーの中で検出ウィンドウに向かって移動させます。このステップでは、異なるタイプの緩衝液を流すか、電場を再び印加してタンパク質を動かします。

    検出の原理

    • 検出ウィンドウ: キャピラリー内に設けられた検出ウィンドウを通過する際に、各タンパク質のピークが検出されます。一般的に、検出ウィンドウはキャピラリーの途中に配置されており、タンパク質が移動する過程でこのウィンドウを通過します。
    • UV検出器: 検出ウィンドウに配置されたUV検出器により、タンパク質の吸光度を測定します。吸光度の変化に基づいて、各タンパク質の濃度と位置が記録され、泳動パターンが生成されます。
    • ピークの解析: 得られたデータを解析することで、各タンパク質のピーク位置を特定します。キャピラリー内の移動時間と吸光度の変化に基づいて、ピークの位置が決定されます。

    測定のシーケンスにおける検出ウィンドウの役割

    1. モビライゼーションの開始後、タンパク質が検出ウィンドウに到達するまでの間に、検出ウィンドウはUV吸光度を測定し続けます。
    2. 検出ウィンドウ通過時に、タンパク質のピークが吸光度として記録され、ピークの位置が特定されます。

    このようにして、PA800装置はキャピラリー等電点電気泳動を通じて、各タンパク質の等電点を正確に測定し、ピークの位置を特定します

    iCE systems

    ICE3 SYSTEMS ARE BEING DISCONTINUED JUNE 30, 2022.

    iCE systems – Automate Imaged cIEF and CE-SDS Data :: ProteinSimple
    編集履歴
    2020/08/19 Mr.HARIKIRI
    2024/05/22 追記 (iCE systems)
    2024/11/22 追記 (cIEFの原理)
  • [Bio Edu] Quality by Design – [2021/05/11]

    [Bio Edu] Quality by Design – [2021/05/11]

    ID29705

    Quality by Design

    Quality by Design (QbD)とは、医薬品の開発から始まり、コマーシャル製造のための製造承認申請、および市販後までにおける医薬品の品質を戦略的にデザインする手法である。

    そのためには、様々なツールが使われる。例えば、「魚の骨」、リスク分析ツール、実験デザインのためのDesign of Experience (DoE)などを駆使して、医薬品の品質の向上性・維持に継続的な活動が行われる。

    開発段階では、構築した最終的な製造方法について、その方法がその医薬品の品質にどのように影響するのかを確認するために、製造方法について様々な角度から確認する「Process Characterization」(PC)というイベントの実施が必要となる。その方法で確認された医薬品の製造方法は、市販品と同一の方法である必要がある。別の言い方をすれば、臨床試験第三相試験に使用される治験薬の製造方法とも同一でなければならない。

    PCで確認された製造方法における製造における各種パラメータは、市販品と同スケールでの実製造スケールでの製造確認、すなわち、PPPQは、

    QbDの全体像

    • Quality by Design
      • Development
      • non-clinical study
      • clinical experience
      • QTPP
      • QA → CQA (中間体、原薬の品質特性)
      • PP → CPP (原薬に影響を与える、原薬までの製造プロセスにおけるパラメータ)
        • Proven Acceptable Ranges (PARs)
        • Critical, Key, non-critical (for QA, PP)
          • Safety and Efficacy? (i.e. CQA) → NO : Non-critical
          • YES : NORとPARの関係? → Low RIsk : Key
            • Edge of Failure (失敗の始まり)
            • プロセスの頑健性
            • IPC
            • PAT
          • High Risk → Critical

    NOR : Normal Operating Range (通常の稼働範囲)
    PAR : Proven Acceptable Range (許容範囲)

    • Proven Acceptable Range
      • Zone
      • Normal Operating Range
        • Processing Target

    Quality by Designによる製剤開発とCTD申請 – ファイザー株式会社、September, 2008, 平成20年度GMP事例研究会 –

    http://www.jpma.or.jp/information/quality/pdf/080929_7.pdf

    A-MAB; A Case Study in Process Development

    https://cdn.ymaws.com/www.casss.org/resource/resmgr/imported/a-mab_case_study_version_2-1.pdf

    A-VAX: Applying Quality by Design to Vaccines CMC-Vaccines Working Group May 2012

    https://www.dcvmn.org/IMG/pdf/a-vax-applying-qbd-to-vaccines_2012.pdf

    編集履歴

    2020/08/10 Mr.HARIKIRI
  • 気になる企業 – Voyager Therapeutics – 中枢神経疾患の遺伝子治療薬の開発 – [2020/08/06]

    気になる企業 – Voyager Therapeutics – 中枢神経疾患の遺伝子治療薬の開発 – [2020/08/06]

    ID20838

    Voyager Therapeutics

    • NASDAQ: VYGR, US、サイト
    • Voyager Therapeutics, Inc.
      • is clinical-stage gene therapy company
    • 中枢神経疾患(Central nervous system; CNS) source
      • Parkinson’s disease
      • a monogenic form of amyotrophic lateral sclerosis (ALS)
      • Huntington’s disease
      • Friedreich’s ataxia
      • frontotemporal dementia/Alzheimer’s disease
    • 2019年売り上げは、約40億円
    • AAVを使った中枢神経系の遺伝子治療薬の開発
    • 投資サイト : investing.com
    • Collaborators source; ライセンス先(Licensee)
      • abbvie (Parkinson’s Disease : upfront: $65M, option: $245M, $728M, source)
      • neurocrine (Parkinson’s Disease : upfront: $165M, milestones: $1.7B, source )
      • umass medical school
      • university of california San Francisco
      • Standord University
      • Sanofi-Genzyme (AAV遺伝子治療薬での関係性を再構築中, source)

    Manufacturing

    • 500 L max for 数千ドーズ (AAV gene therapy)

    開発品

    Product ProgramPreclinicalLead Candidate SelectionPhase IPhase IIPhase III
    VY-AADC
    Advancing Parkinson’s Disease (rAAV2)
    ✔︎✔︎✔︎✔︎
    VY-HTT01
    Huntigton’s Disease
    ✔︎✔︎
    VY-SOD102
    Monogenic ALS
    ✔︎✔︎
    VY-FXN01
    Friendreich’s Ataxia
    ✔︎✔︎
    Tau & Alpha-Synuclein Programs
    Tauopathies (Alzheimer’s, PSP, FTD) & Synucleinopathies (Parkinson’s), LBD, MSA)
    ✔︎
    with AbbVie
    Early Pipeline
    Undisclosed
    ✔︎
    PSP: Progressive Supranuclear Palsy, FTD: Frontotemporal Dementla, LBD: Lewy Body Dementia, MSA: Multiple System Atrophy

    イベント

    2020/08/03 source
    Voyager Therapeutics、Inc.(NASDAQ:VYGR)は、AbbVieとのコラボレーションに関連した情報アップデートとして、タウとアルファ-シヌクレインのVectorized antibodyとのコラボレーションを終了したことを発表 (Vectorized antibodyは、AAVを利用して脳内での抗体の産生により治療する技術)

    編集情報
    2020/08/06 Mr.HARIKIRI
  • 気になる企業 – Sanofi – 新型コロナワウイルス・ワクチンの開発を組換えタンパク質ベースとmRNAで臨床試験が進められている  [2021/03/12]

    気になる企業 – Sanofi – 新型コロナワウイルス・ワクチンの開発を組換えタンパク質ベースとmRNAで臨床試験が進められている [2021/03/12]

    Sanofi

    • France (54, rue La Boétie 75008 Paris)、Home Page
    • 2019年の売り上げは、€36.1 bn (約4.4兆円)
    • Insulin製剤の3大メーカーの1つ
    • Insulin plant
    • Sanofi-Aventisの社名は、2012年まで
    • ビジネスユニット
      • Sanofi Genyme
      • Sanofi Pasteur

    Sanofi Pasteur

    Sanofi Pasteurは、Sanofi社のワクチン部門です。

    mRNAによるSARS-Cov-2ワクチン

    Translate Bio (NASDAQ:TBIO) 社と共同で開発していた新型コロナウイルス(Sars-Cov-2)に対するmRNAワクチン (MRT5500) の動物試験のデータが出てきました。

    マウスとカニクイザルでのデータです。3週後に2回目を投与することで更に中和抗体価は高まり(セロコンバージョン)ました。この結果を受けて、2020/Q4から、ヒトでの臨床試験(P1/2)が開始されるようです。source

    • Sタンパク質
      • 2つの変異
        • 2P : 細胞膜結合前の状態に関わる変異
        • GSAS : 宿主細胞が分泌するfurinによる切断による変異
    • 前臨床(マウス)
      • 3週間間隔で2回のワクチン接種
      • 投与量 : 0.2、1、5、および10 µg
    • 前臨床(非ヒト霊長類; NHP)
      • 3週間間隔で2回のワクチン接種
      • 投与量 : 15、45、および135 µg
      • 力価測定 : 2種類の中和アッセイ
        • 偽ウイルス中和
        • マイクロ中和
      • 結果
        • 最初の投与後、NHPの大部分はSARS-CoV-2スパイクタンパク質に反応する中和抗体が確認された
        • 抗体価は2回目の投与後にさらに増強され、NHPの100%が日ごとに増加し、投与開始後35日までは、ヒトの回復期血清の抗体価よりも有意に高いレベル達した
    • Th1細胞の応答優位が示された。Th1(細胞性免疫, ヘルパーT細胞、CD4+)、Th2(液性免疫)

    MRT5500の進展

    2021/03/12, mRNACOVID-19ワクチン候補の第1/2相臨床試験を開始)

    • 前臨床データが高い中和抗体レベルを示した後の安全性、免疫応答および反応原性を評価するための臨床試験
    • 415人の参加者を登録する予定。
    • 2021年第3四半期に予想される中間結果
    • 並行して、新たなSARS-CoV-2変異体に対する追加のmRNA候補を評価するための前臨床試験が進行中。

    組換えタンパク質ベースによるSARS-Cov-2ワクチン

    mRNAとは別の季節性インフルエンザ・ワクチンと同じ技術である「組換えタンパク質」ベースのSARS-Cov-2ワクチンについても、GSKと共同開発しています。GSKのアジュバントとの組み合わせで、9月にP1/2が開始されています。

    Sanofi Genzyme

    • US, サイト
    • 2011年にGenzymeは、Sanofiに吸収されてビジネスユニットとなった source
    • ビジネスユニット領域
      • 日本では、希少疾患領域、希少血液疾患領域、オンコロジー領域、免疫領域、リウマチ領域の5つ
    • Genzymeは、2005年に遺伝子治療薬開発のAvigen, Incの技術を取り込んでいる
    • 製品
      • Aldurazyme (laranidase)
      • Alprolix (Coagulation Factor IX)
      • Aubagio (teriflunomide)
      • Cablivi (caplacizumab-yhdp)
      • Cerdelga (eliglustate) capsules
      • Cerezyme (imiglucerase for injection)
      • Clolar (clofarabine injection)
      • Dupixent (dupilumab) injection
      • ELITEK (rasburicase)
      • Eloctate (Anthihemophilic factor(Recombinant), Fc Fusion Protein
      • ELOXATIN (oxaliplatin)
      • Fabrazyme (agalsidase beta)
      • JEVTANA (cabazitaxel)
      • KEVZARA (sarilumab) injection
      • LEMTRADA (alemtuzumab
      • LIBTAYO (cemiplimab-rwlc) injection
      • Lumizyme (alglucosidase alfa)
      • Sarclisa (isafuxamab-irfc) injection for Intravenous Use
      • TAXOTERA (docetaxel) injection
      • ZALTRAP (ziv-aflibercept) injection for intravenous injusion
    • 開発品
      • 19のmAbの免疫疾患(biosimilar,その他)
      • 23のmAbのガン領域(ADC含む)
      • その他mAb(to C1s, etc)
      • RNAi
      • small molecle

    Sanofi Genezyme

    https://www.sanofi.co.jp/ja/about-us/product/genzyme

    Division of MediciNova Inc.  
    www.avigen.com : 今はもう無い

    Avigen, Inc.’s Gene Therapy Technology Acquired By Genzyme Corporation

    https://www.biospace.com/article/releases/avigen-inc-s-gene-therapy-technology-acquired-by-genzyme-corporation-/
  • 気になる企業 – uniQure – 血友病B遺伝子治療開発 [2020/08/04]

    気になる企業 – uniQure – 血友病B遺伝子治療開発 [2020/08/04]

    uniQure

    • オランダ (Paasheuvelweg 25a 1105 BP Netherlands)、サイト
    • AAVを使った遺伝子治療薬の開発

    開発品

    • Glybera : alipogene tiparvovec, 家族性リポタンパク質リパーゼ(LPL)欠損症, 2012/07/26 ~ 2017/10/25販売終了source:日経バイテク
    • AMT-061 : 血友病B (FIX gene called the Padua variant), AAV5
    • AMT-130 : ハンチントン病 (Huntington’s Disease)

    イベント

    2020/07/01, etranacogene dezaparvovec (AMT-061)のライセンシー source

    編集情報
    2020/08/05 Mr.HARIKIRI
  • [Bio-Equip] Single Use Mixer

    [Bio-Equip] Single Use Mixer

    ThermoFisher Single Use Mixer

    HyPerformer single use mixer (SUM)、50L, 200L, 500L, 1000L

    HyPerformer/Agegis5-14

  • [Virus-Edu] 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染機序  [2020/07/27]

    [Virus-Edu] 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染機序 [2020/07/27]

    はじめに

    コロナウイルスの感染機序の1つは、細胞膜とウイルス膜の融合により、ウイルス粒子が細胞膜と一体となり、ウイルス粒子内の遺伝子が細胞内に取り込まれるものと、もう一つは、貪食という機構により、ウイルス粒子そのものが、細胞内に取り込まれ、やがてウイルス粒子からウイルス遺伝子が漏出して細胞内に至るものがある。いずれにしても、細胞内に到達したウイルス遺伝子は、その機能を細胞内に存在する酵素などを利用して発揮することになる。

    新型コロナウイルスの感染機序

    新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) 感染のある過程で、以下に説明する薬剤の臨床試験における抗ウイルス効果のポイントが存在する。

    1a Fusionでの感染

    SARS-CoV-2は、エンベロープを持つウイルスである。このエンペロープであるスパイク・タンパク質が、宿主細胞の表面抗原に対して結合親和性があり、そこに結合することで、最初の感染の足がかりを作る。

    結合すると、ウイルスの脂質二重膜と細胞の脂質二重膜は、膜融合をおこし、ウイルスのRNAが細胞の中に入っていく。

    RNAは、タンパク質の設計図であるため、細胞内のタンパク質合成装置であるリポソーム(Ribosome)により、コードされたタンパク質を合成する設計図となる。

    合成されたタンパク質は、必要な箇所で切断(Proteolysis)されるが、このポイントで、Lopinavir-ritonavirが抗ウイルス効果を発揮する。

    Lopinavir, ritonavir配合剤 – KEGG –
    作用機序: ロピナビルはHIVプロテアーゼの活性を阻害し,HIVプロテアーゼによるgag-polポリ蛋白質の開裂を抑制することで,感染性を持つ成熟したHIVの産生を抑制する.リトナビルは,CYP3Aによるロピナビルの代謝を競合的に阻害し,ロピナビルの血中濃度の上昇をもたらす.本剤の抗ウイルス活性は,ロピナビルによるものである

    https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00057826

    Proteolysisで適当な大きさになったタンパク質(非構造タンパク質:nsps)と小胞体由来の膜(と考えられている)が作る複製/転写複合体(Replication-transcription complex; RTC)が作られ、SARS-CoV-2の複製を媒介するsource

    このRTCの中には、RNA依存性RNAポリメラーゼ(RNA-dependent RNA polymerase; RdRp)が含まれている。このRdRpsourceを阻害する考えられるのが、Remdesivirである。

    Remdesivir – KEGG –

    レムデシビルはアデノシンヌクレオシドのプロドラッグであり、加水分解等による代謝を経て、ヌクレオシド類似体の一リン酸体となった後、細胞内に分布し、代謝されてヌクレオシド三リン酸型の活性代謝物を生成する。活性代謝物はアデノシン三リン酸(ATP)の類似体として、SARS-CoV-2 RNA依存性RNAポリメラーゼによって新たに合成されるRNA鎖に天然基質ATPと競合して取り込まれ、ウイルスの複製におけるRNA鎖の伸長反応を取り込みから少し遅れて停止させる。

    https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00068750

    1b 貪食での感染

    SARS-CoV-2ウイルス粒子を貪食する形で細胞内にそのまま取り込む(Endocytosis)。細胞内に入ってきた構造体をEndosomeと言う。

    生成初期のEndosomeの内部は、pH6.3で、その後pH4.7sourceと低くなるsource。この段階で抗ウイルス作用を示すのが、Chloroquine, Hydorxychloroquineであると考えられる。

    COVID-19

    以上

    編集履歴
    2020/07/27 Mr.はりきり
    2022/03/12,追記(はじめに: 2つの感染機序の概説)
  • [Data Link] 研究実験施設ガイダンス – 実験施設の設計に参考になる  [2020/07/27]

    [Data Link] 研究実験施設ガイダンス – 実験施設の設計に参考になる [2020/07/27]

    研究実験施設ガイダンス

    研究所計画における建築設備
    568 ~ 572 頁
    ■衛生設備
    ・給水、給湯、排水設備
    ・排水トラップ ・特殊ガス、真空、圧縮空気、スチーム設備 ・電気設備
    ■配管の立上げ及び接続
    ・中央実験台、サイド実験台、流し台 ・配管の立上げ高さ
    ヒュームフード
    573 ~ 574 頁
    ■ヒュームフードの給排気システム
    ・排気風量の設定 ・排気システムの検討
    実験室の設計
    575 ~ 583 頁
    ■安全な化学実験室とするための基本的な施設条件
    ・レイアウトに際しての配慮事項 ・実験室の壁面構成で考えなければならないこと ・研究設備品関連の安全対策
    ■医薬品安全性動物実験室の設計
    ・SPF 動物飼育室の設備
    ■バイオハザード実験室の設計
    ・BSL2 および BSL3 実験室 ・実験分類の名称と封じ込めレベルの対応 ・物理的封じ込め施設の設計
    ■水質検査室の設計
    ・各室設計上の注意点(共通事項) ・部屋別にみた設計上の留意点

    各項目の詳細は、研究実験施設ガイダンス