再構成(re-folding)
大腸菌で産生させたタンパク質の場合、立体構造の再構成(re-folding)処理が殆どの場合必要です。一般的にタンパク質は、アミノ酸が数珠繋ぎになっている一本の糸のようなものです。その糸がどのように絡まるかが、そのタンパク質の機能が発揮される条件です。その正しい絡まり方を導くことが、Re-foldingと言います。正しい絡まり方ができなかった結末の場合、それは、mis-foldingと言います。mis-foldingしたタンパク質を一旦解いてfoldingし直すには、Re-foldingが必要です。
詳しい手順は、以下のページをご参照ください。
吸着精製
その他にも土や活性炭、イオン交換樹脂や多孔性のガラスビーズ(Controlled Pored Glass: CPG)などが蛋白質を吸着させる物質として使用されていた。これらの物質を吸着担体 (resin)と呼んだすりする。
- 土(ミドライド)
- 活性炭
- イオン交換樹脂
- 多孔性ガラスビーズ ( controlled pore glass; CPG )Merck
これらのトラディショナルな技術は、現在の技術にシームレスに生かされている。バイオ医薬品のハーベストに使用されるディプスフィルター(Depth Filter)には、土や活性炭が膜の素材と共に練りこまれている製品がある。
クロマト精製
ゲル濾過精製
もっぱら研究室では、分子量で分画するGel Filtration Chromatography (GPC)を汎用していた。3cmφ x 120cmのカラムにSephacryl S-200などのレジンを1日ががり充填、バッファーによる平衡化、夕方にサンプルをロードして翌日までオートサンプラーでフランジョンを分取していた。
アフィニティクロマト
特に純度を高めたい場合は、免疫用の抗原をなんとかして精製し、ウサギに免疫して抗体を取得して、抗体をクロマト担体にカップリングしてAffinity Columnを用意した。更に、今から40年以上も前でも、精製度の改善には定評があったのは、リン酸カルシウムの結晶であるハイドロキシアパタイトであった。
- ゲル濾過(Gel Filtration Chromatograph; GFC), Size Exclusion Chromatography (SEC)などとも言う
- 抗体カラム
- ハイドロキシアパタイト (リン酸カルシウム)
ハイドロキシアパタイトは、通常は針状に結晶化したものをカラムに充填して使っていた。その針状結晶はもろいため、使用している間に粉砕が進み、繰り返し使用は難しかった。しかし、オリンパスがCeramix化に成功(人工骨の研究)したことで、蛋白質の精製に用途を広げて現在に至っている。
精製の戦略
精製の戦略 ( Purification Strategy )を考えてみる。
現在では、3種類の異なるモードのカラムクロマト精製で蛋白質の精製を行うのが主流である。
基本的な戦略は、(1)「キャプチャリング」、(2)「陰イオン交換体」、(3)「陽イオン交換体」の3つの特性の異なる担体を使った手法を用いれば、殆どの蛋白質は精製が可能である。
- キャプチャリング
- 陰イオン交換体
- 陽イオン交換体
抗体の場合のキャプチャリングであるAffinity精製は、Protein AやProtein Gなどを用いる。血液由来の凝固系因子のAffintiy精製では、Heparin担体が適用できることが多い。
- Protein Aカラム
- Heparinカラム
- Tag精製(His-tabを付加している場合)
どうしてもAffinityが使えない場合は、出来るだけAffinity精製と同等な精製方法を探索しなければ、精製は困難になってくる。
その探索に注力する必要も生じるが、吸着キャパシティから選択するならば、陽イオン/陰イオンを使った条件設定に注力することも必要である。
タンパク質の精製では、同じモードの精製方法は重ねてはいけない。それぞれのモードで除去できる不純物の特性はある程度一定であるため、同じモードを重ねても効率が悪く回収率の低下を招くばかりである。
- 同じ精製モードは重ねないこと
- 精製モードは、まんべんなく組み合わせること
- 最初の精製工程は、キャプチャリングであることを意識する
- バッファー組成は、次の工程への繋がりがよいこと
- UF/DFも多用しないこと
更に、純度がどうしても上がらない場合、疎水モードやマルチモーダルの使用も考慮する。
- 親和性担体 (Affinity resin)
- 陰イオン交換体 (Anion Exchange Resin)
- 陽イオン交換体 (Cation Exchange Resin)
- 疎水担体 (Hydrophobic Resin)
- Phenyl Resin: 低分子か疎水性が弱い蛋白質用
- Butyl Resin: 疎水性が強すぎる蛋白質用
- マルチモーダル (Multi Modal Resin)
- ハイドロキシアパタイト (BIO-RAD): 陰陽の両方のモードをもち、少なくとも塩濃度、リン酸濃度、pHの3つのパラメータを駆使できる
- capto Adhere (GE Healthcare): 陰イオンと疎水性のモード持つ
- MMC (GE Healthcare)