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はじめに
新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するには、ワクチンが有効です。しかし、ワクチンを投与しても感染予防効果が得られるまで1ヶ月以上必要です。
感染予防を投与直後から得られる薬剤があります。それが、「抗体医薬」です。ワクチンによって体内に出来てくる抗体の代わりに、人為的につくった抗体「抗体医薬」を補充するというのがその原理です。感染予防効果をより高める方策が補完的に異なる抗体を複数カクテルする方法が考案されました。
抗体カクテル療法
抗体カクテル療法は、COVID-19治療で本格化しました。抗体医薬を複数使用して治療する方法です。抗体医薬は、モノクローナル抗体(mAb)と呼ばれ1つの抗原に対する結合性能を持っています。そのため、ウイルスなどの病原性を効率的に中和するには限定的です。
そこで、異なる抗原に対するmAbを複数混ぜて投与することで、病原性の中和効率を改善させる試みがあります。
COVID-19の治療薬として、mAbを複数製剤を投与する治療方法が進められています。それを抗体カクテル療法と言います。
2021年04月16日皮下投与によるcasirivimabとimdevimabの抗体カクテル療法が、予防目的の第III相臨床試験で症候性COVID-19の発症リスクを81%減少 – 中外製薬 ホームページ
https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20210416160000_1101.html
効果のある抗体医薬
2021/11現在、日本で新型コロナウイルス感染への効能効果が認められているのは、以下の4つの抗体医薬です(GemMed)。
(1)レムデシビル(販売名:ベクルリー点滴静注液100mg、同点滴静注用100mg)
(2)バリシチニブ(販売名:オルミエント錠2mg、同錠4mg)
(3)カシリビマブ(遺伝子組換え)およびイムデビマブ(遺伝子組換え)(販売名:ロナプリーブ点滴静注セット300、同点滴静注セット1332)—による「コロナ感染症治療への一定の効果」が認められ、
(4)ソトロビマブ(遺伝子組換え)(販売名:ゼビュディ点滴静注液500mg)
コロナ感染症治療薬「ロナプリーブ」、重症化リスクのある濃厚接触者等の発症予防にも使用可―厚労省 – GemMed –
https://gemmed.ghc-j.com/?p=44127
ロナプリープ
ロナプリープは、中外製薬株式会社が製造販売業者です。新型コロナウイルス感染症の患者を対象とした中和抗体薬で、以下の2種類の抗体医薬がカクテルされています。販売名は、「ロナプリーブTM点滴静注セット300、ロナプリーブTM点滴静注セット 1332」です。2021年(令和3年) 7月19日、新型コロナウイルス感 染症の治療薬として特例承認されました。
- カシリビマブ
- イムデ ビマブ
厚生労働省新型コロナウイルス感染症対策推進本部、事務連絡 (2021/7/20)
https://www.mhlw.go.jp/content/000808472.pdf
編集履歴
2021/09/13,はりきり(Mr) 2021/12/02,追記(はじめに、ロナプリープ)