はじめに
遺伝子治療薬のデリバリー・システムとしてAAV使用が盛んです。今後は、AAVの精製についても抗体医薬と同様に精製方法のプラットフォーム化が進むと予想されます。それを目指して精製関連機材メーカーは、意欲的な製品を発表しているところです。
ここでは、AAVの精製方法について情報を集めてみたいと思います。現状が把握できれば、今後の方向性も自ずと見えてきます。
文献の内容
AAVの血清型に依存しないプットフォーム化された精製方法に関する文献
GE HealthcareのAVB SepharoseとPOROSの CaptureSelect AAV8及びAAV9の比較
トリビア: 欧州で開発された最初の遺伝子治療薬Glybera (AAV1-LDL)
Affinity精製の不利な点は、遺伝子が封入の有無(Empty/Full)にかかわりなく精製されること。
AEXは、EmptyとFullの分離が可能であり、微妙な電荷の違いが存在することを示唆している。
この文献では、AffinityとAEXを使用することで精製プラットフォームを提案している。
Affinity精製サンプルのAUC分析では、多数のピークが確認され、Full以外のEmptyやその他のCapcid蛋白質などの不純物が多く含まれていた。
Affnity後のAEX精製サンプルのAUC分析(UVモニター)では、1つの主ピークを認め、精製度が上がっている画分は、AEXのクロマトプロファイルとしてA260/A280比は、1を超えておりFull画分と考えられた。
編集履歴
2019/09/18 はりきり(Mr)
2020/06/12 整備(Gutenberg blockに変換)
精製方法の骨格
Affinityクロマト→イオン交換クロマト
対象文献
Universal Method for the Purification of Recombinant AAV Vectors of Differing Serotypes, 2018
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5767896/pdf/main.pdf
参考文献
AVB SepharoseTM High Performance, GE Healthcare
https://www.gelifesciences.co.jp/catalog/pdf/28920754ab.pdf
アデノ随伴ウイルス精製用アフィニティー担体 – GE Healthcare –
https://www.gelifesciences.co.jp/catalog/1259.html
POROSTM CaptureSelectTM AAV Resins: AAV8, AAV9, AAVX – Thermo Fisher –
https://assets.thermofisher.com/TFS-Assets/LSG/manuals/100038399_POROS_CapSel_AAV8_AAV9_Resins_UG.pdf
Enabling Custom Solutions for Downstream Processing for Future Therapies: AAV Case Study, BioProcess International, 2016 – bioprocess international –
https://bioprocessintl.com/ask-the-experts/aav-case-study-poros-resins-captureselect-ligand-webcast/
編集履歴
2019/09/18, Mr. Harikiri
2021/11/02,記載整備