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[Bio-Edu] DNAワクチンとは – 2008年までの論文から、免疫細胞へのプラスミドDNAの取り込みにより特異抗体が産生される – ID13931 [2020/04/21]

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DNAワクチンとは

1998年、2000年および2008年の論文から、DNAワクチンの作用機序を調査した。最近の論文調査は今後追加する。

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1998年現在

1998年には、DNA vaccination, genetic immunizationと呼ばれている。作用機序は不明。

  • DNAワクチンの特徴としては強力な細胞性免疫の誘導能
  • 生ワクチンの長所と, 生きた病原体を使用しないため安全性が確保されるというペプチドワクチンの長所を具備
  • 合成が容易で保存性に優れ, 経済性, 長期にわたる免疫反応が持続するなどの面で従来のワクチンより優れている

DNAワクチンの現状と展望 (1998) – J-STAGE – より

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsb1944/53/2/53_2_407/_article/-char/ja/#article-overiew-references-wrap

2000年現在

  • アレルゲン遺伝子を組み込んだプラスミドDNAを接種することによってアレルゲン特異的Th1細胞が誘導できる
  • アレルゲン特異的Th2細胞の応答を抑制でき, アレルギー反応を抑制することができると考えられる
  • DNAワクチン接種の際の条件, たとえば投与方法や投与部位の調節, あるいは, アジュバントや補助シグナル分子を発現するプラスミドDNAの併用により, 免疫応答を操作できることが明らかになってきている.

DNAワクチン (2000) – J-STAGE – より

https://www.jstage.jst.go.jp/article/iryo1946/54/2/54_2_89/_article/-char/ja/

免疫細胞と非免疫細胞 (2008)

1. 免疫細胞が抗原特異的抗体を産生

阪大の研究成果により、作用機序が明らかになってきた。

  • DNAの右巻きの二重らせん構造(B-DNA)注2)が細胞内でTank-Binding Kinase 1 (TBK1)注3)という酵素(シグナル伝達分子)を介して自然免疫系注4)を活性化
  • このことが、ワクチンの内因性アジュバント注5)として作用し、自然免疫系活性化のシグナルがDNAワクチンの効果発現に必須である
  • DNAワクチンの効果のうち、抗体の産生のためには樹状細胞などの免疫細胞でのTBK1依存性の自然免疫活性化が重要
  • T細胞による細胞性免疫の活性化のためにはDNAを取り込んだ筋肉細胞などの非免疫細胞でのTBK1の活性化も重要
  • この論文は、2008年2月7日(英国時間)発行の英国科学雑誌「Nature」に掲載
  • DNAワクチンとは、プラスミドDNAと呼ばれる細菌由来の環状DNAに抗原を発現する遺伝子を組み込んだもの
  • 生体に投与すると、その抗原に特異的な免疫反応を誘導
  • 製法が簡便でコストも抑えられる
  • 動物用ワクチンとしてウマの西ナイルウイルス感染症、養殖サケのウイルス感染症、ペット犬の悪性黒色腫(メラノーマ)に対するDNAワクチンが北米で認可され、実際に使用されている
  • DNAワクチンがなぜ効くのか解明はあまり進んでいません。
  • 特にDNAワクチンが持つアジュバント効果に関しては、ワクチンのプラスミドDNAに存在するCpGモチーフ注6)という特殊な配列がトル様(よう)受容体9(Toll-like receptor 9, TLR9)注7)によって認識されることで起こる自然免疫系の活性化によるものと思われていました(図1)
  • この自然免疫反応はDNAワクチンの効果に無関係であるとの報告がある。
  • 今回の研究成果
    • TLR9ノックアウトマウスでも、ワクチン効果があった
    • I型インターフェロン注9)の受容体遺伝子ノックアウト・マウスの場合では、ワクチン効果が顕著に低下
    • 従って、I型インターフェロンを誘導する経路が重要である。
  • 一方で、B-DNAがTLRを介さずに、TBK1というシグナル伝達分子(酵素)を介し、炎症性サイトカイン注10)やI型インターフェロンを産生することを発見
  • 核酸(DNA)の自然免疫賦活化作用はTLR9を介する病原体(細菌やウイルス, 塩基配列(CpGモチーフ)である
  • ウイルス、宿主細胞両方に見られるDNAの二本鎖DNAの右巻き構造が、TLRに依存しない強いインターフェロン産生能を持つことが示された。
  • 樹状細胞などの免疫細胞
    • TBK1遺伝子を持つマウスでは、(1)抗原特異的な抗体の産生(液性免疫)、(2)ヘルパーT細胞の誘導
    • TBK1遺伝子を持つマウスでは、細胞障害性T細胞(CTL)の誘導
  • 筋肉細胞などの非免疫細胞
    • 状況(1)と(2)のワクチン効果は、見られなかった。
    • TBK1遺伝子を持つマウスでは、細胞障害性T細胞(CTL)の誘導が見られる
  • (A) DNAワクチンによる抗体産生には樹状細胞などの免疫細胞でのTBK1依存性の自然免疫活性化経路が重要である
  • (B) 細胞性免疫誘導のためにはDNAが主に取り込まれる筋肉細胞などの非免疫細胞における、TBK1依存性の自然免疫活性化シグナルも働いていること、
  • (C) 免疫・非免疫細胞双方における自然免疫活性化が相互に作用し合っている

2. 副作用関連

  • DNAはいくつかの自己免疫疾患、たとえば全身性エリテマトーデス(SLE)(自己のDNAに対する抗体ができる原因不明の疾患)などの発症、増悪の機序に関与している可能性がある

遺伝子(DNA)ワクチンの作用機序を解明(DNAワクチンの本格開発にはずみ)2008 – 大阪大学免疫学フロンティア研究所

http://www.ifrec.osaka-u.ac.jp/jpn/research/20080207-0524.htm

細胞性免疫

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編集履歴

2020/04/21 はりきり(Mr)
2020/07/24 追記 (細胞性免疫)
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