タグ: resin

  • [Bio-Raw Material] Protein A resinの簡単な説明 [2020/06/01]

    [Bio-Raw Material] Protein A resinの簡単な説明 [2020/06/01]

    Bio-Raw Material-Resin

    Protein A Column

    抗体を産生株した培養液は、清澄ろ過してから、Protein AカラムによるBinding/Elutionモードで抗体のアフィニティ精製を行う。

    注意しなければならないこと

    • 電気泳動では、抗体の染色バンドのみが確認できるので、精製度は高いと思われがちであるが注意が必要
    • HCP、HCDは多量に含まれている。そのような理由から、精製とは呼びにくく、キャプチャリング(capturing)工程と呼ばれる
    • 次工程として、少なくとも、ハイドロキシアパタイトやAEXを実施すべきである。

    Mab Select SuRe

    Amsphere A3

  • [Bio-Material] ポリッシング用精製担体 – CHT (セラミック・ハイドロキシアパタイト)とは、BIO-RAD – ID9865

    [Bio-Material] ポリッシング用精製担体 – CHT (セラミック・ハイドロキシアパタイト)とは、BIO-RAD – ID9865

    CHTについて

    • BIO-RAD製品
    • 通常は、針状結晶で脆い結晶性ハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム)を、ある程度の結晶サイズに整えて、それを集めてある程度の粒子サイズにし、焼結することで物理的に強固にした製品
    • 製品名は、CHT セラミックハイドロキシアパタイト、(Ca5(PO4)3OH)3 
    • 精製が困難な蛋白質などのポリッシング用担体

    結晶ハイドロキシアパタイト

    • (Ca5(PO4)3OH)2
    • リン酸カルシウムの一種です
    • 5つの 2- カルシウム (C-sites) と 2 つのヒドロキシル含有 3- リン酸 (P-sites) が反復する幾何学的なパターンで配置
    • 本材料の電子顕微鏡像では、反復する六方晶構造
    • 六角面がCaが配置されているため、陰イオン交換作用がある
    • 円柱面は、リン酸が配置されているため、陽イオン交換作用がある

    CHT製品

    • 2 タイプの CHT セラミックハイドロキシアパタイト
    • タイプ I およびタイプ II は 3 つの粒子サイズ、20、40、および 80 µm
    • どちらのタイプも結晶性ハイドロキシアパタイトと同等の溶出特性を持つが、いくつか重要な違いがあります。
    • 400°C で焼結したタイプ I は、より高いタンパク質結合能を示し、酸性タンパク質に対してより優れた容量を有します
    • 700°C で焼結したタイプ II は比較的低いタンパク質結合能を有しますが、核酸および一部のタンパク質の分解能に優れます。また、アルブミンとの親和性が非常に低く、多くの種および綱の免疫グロブリンの精製に非常に適しています。

    ヒドロキシアパタイトには、正電荷を持つカルシウムと負電荷を持つリン酸基の 2 種類の結合部位があります。 これらの部位は、マトリックスの結晶構造を介して定期的に分配されます。 溶質種は主として、リン酸基を介した陽イオン交換および/またはカルシウム原子を介した金属アフィニティーによって相互作用します。

    CHT セラミックハイドロキシアパタイト Type II 担体, BIO-RAD

    https://www.bio-rad.com/ja-jp/product/cht-ceramic-hydroxyapatite-type-ii-support?ID=a642d16e-5ca8-4981-acf2-a57271984632

    製品タイプ別

    TypeParticle Size (μm)焼結温度(℃)
    I20400
    I40400
    I80400
    II20700
    II40700
    II80700

    仕様書

    機能グループCa2+、PO43-、OH
    さまざまな粒径が使用可能20、40、および 80 µm (公称値)
    推奨される線流速50 ~ 1,000 cm/時
    動作 pH 範囲6.5–14
    化学的適合性 (>24 時間)1 M NaOH、8 M 尿素、8 M 塩酸グアニジン、エタノール、メタノール、100% アセトニトリル
    再生0.4 ~ 1.0 M リン酸バッファー、0.5 M リン酸ナトリウム pH 7
    リン酸 3 ナトリウム 1.0 M、pH 11 ~ 12
    消毒1 ~ 2 N NaOH
    オートクレーブ滅菌 ( 121µC、20 分)はい
    充填密度 (g/ml 充填ベッド)0.63 g/ml
     タイプ Iタイプ II
    動的結合能>25 mg リゾチーム/g>12.5 mg リゾチーム/g
    標準的な IgG 結合能 (500 cm/時の場合)25 ~ 60 mg/ml15 ~ 25 mg/ml
    公称孔径600–800 Å800–1,000 Å
    最大動作圧力100 bar (1,500 psi)100 bar (1,500 psi)

    セラミックヒドロキシアパタイトの特徴

     タイプ Iタイプ II
    観察された IgG の動的結合能25 ~ 60 mg IgG/ml CHT*15 ~ 25 mg IgG/ml CHT**
    標準的な線流速の範囲50 ~ 1,000 cm/時 
    pH 安定性***6.5 ~ 14 pH 
    ベース安定性1 N NaOH で 21 か月以上 
    再生500 mM リン酸ナトリウム、pH 7 
     リン酸 3 ナトリウム 1,000 mM、pH 11 ~ 12 
    オートクレーブ滅菌 (バルク)121°C、リン酸バッファーに 20 分、pH 7 
    消毒1 ~ 2 N NaOH 
    推奨されるカラム保管法0.1 M NaOH 
    有効期限 (ドライ、未使用原料)乾燥し、密閉され、室温で 85 か月保管 

    * 40 µm 粒子、300 cm/時、5 mM リン酸ナトリウム、pH 6.5
    ** 40 µm particles, 300 cm/hr, 5 mM sodium phosphate, pH 6.5
    *** pH 5.5 ~ 6.0 については、セクション 3.1.1 バッファーおよびテーブル 1 を参照してください

    編集履歴
    2020/02/20 Mr.はりきり
    2020/07/29 文言整備
  • [Bio-Equip] Thermo Fisher 「CaptureSelect」 – AAV1~AAXをキャプチャリングできるAffinity resin – [2019/09/21]

    [Bio-Equip] Thermo Fisher 「CaptureSelect」 – AAV1~AAXをキャプチャリングできるAffinity resin – [2019/09/21]

    ID2320

    CaptureSelect

    CaptureSelectは、複数種類のアデノ随伴ウイルス(AAV)に対応するアフィニティ精製用の樹脂(resin)です。

    抗体医薬での精製方法がプラットフォーム化されているように、遺伝子治療薬のデリバリーシステムであるAAVの精製に欠かせない担体です。

    CaptureSelectは、抗体医薬のキャプチャリングとして使用するProtein Aレジンに相当するステップに使用します。

    動画による説明 : CaptureSelect

    ラクダ抗体を利用したAffinity Resin技術

    Binding Capacity: >10e13~10e14

    ウイルスベクター精製用 POROS CaptureSelect 樹脂および試薬 , より

    再生処理

    吸着・溶出してAAVを精製した後は、レジンの再生処理が必要です。十分な洗浄を行って、再利用することで実製造でのコスト低減が可能でなければなりません。0.5M NaOHなどのアルカリ再生処理が可能であることに越したことはありませんが、リガンドがタンパク質なのでアルカリ洗浄には対応していないようです。3M GuHClでの再生処理が可能であるので、取り敢えずは合格というところでしょうか。本当はアルカリ耐性が欲しいところですが。

    • Resistance: 4M Ures, 3M GuHCl

    文献

    1) データシート

    Enabling technologies for efficient downstream processing of biosimilars, vaccines and gene therapy vectors:

    https://www.thermofisher.com/content/dam/LifeTech/latin-america/promotions/pdf/bioproducao/12-Shelly-Parra-Efficient-downstream-processing-of-biosimilars-vaccines.pdf

    編集履歴

    2019/09/21, Mr.Harikiri
    2021/11/02,追記(解説、再生処理)

  • [rAAV-DSP] AVB Sepharose High Performance – ID2292 [2019/09/21]

    [rAAV-DSP] AVB Sepharose High Performance – ID2292 [2019/09/21]

    AVB Sepharoseの概要

    吸着可能なAAVの血清型

    • AAV1
    • AAV2
    • AAV3
    • AAV5

    Resinの特性

    • Binding Capacity: >10e12 vg/mL of resin
    • 組換え酵母で作られた蛋白質(14kDa)
    • Resingの安定性: 文献

    概要

    低pH溶出と比較して、高pH溶出および0.5または1.0 Mアルギニンでは、収量は低下したが、アルギニンを含む高pH溶出バッファーは、AAV純度が高くなることを示しており(260/280)、高pH溶出は、低pHでは敏感なウイルスを精製するための代替手段となる。

    Elution bufferの種類

    • EB1 0.1 M sodium acetate, 0.5 M NaCl, pH 2.5
    • EB2 0.1 M sodium acetate, 0.5 M NaCl, 0.5 M arginine, pH 10.0
    • EB5 20 mM Tris-HCl, 2.5 M MgCl2, pH 8.0
    • EB6 0.1 mM sodium acetate, 2.5 M MgCl2, pH 2.5
    • EB7 0.1 M glycine, 0.5 M NaCl, pH 3.0
    • EB8 20 mM Tris-HCl, 0.5 M NaCl, 0.5 M arginine, pH 10.8
    • EB9 1.5 M NaCl, 0.02% (w/v) TweenTM 80, 50% (v/v) ethylene glycol, 20 mM L-histidine, 20 mM CaCl2, pH 6.
    Load Sample/Column information
    • カラム : Tricorn 5/50 (1 mL column volume)
    • レジン : AVB Sepharose High Performance, 1 mL
    • 平衡化バッファ : 20 mM Tris-HCl, 0.5 M NaCl, pH 8.0
    • ロードサンプル : rAAV, 7x10e10 vg/mL x 20 = 1.4x10e12 in Equilibration buffer / 0.2 μm filter, 20 mL
    • 線流速 : 153 cm/h
    • 溶出液評価: AAV ELISA測定
    Study 1
    1. 1st Elution buffer: EB1(recovery 120% of 130% total recovered virus: batch wiseと結果が真逆)
    2. 2nd Elution buffer: EB8 (recovery 6%)
    Study 2
    • Elution buffer : EB3(recovery 72% of 73% total recovered virus
    Study 3
    • Elution buffer : 20mM Tris-HCl, 0.5M NaCVl, 1.0M arginine, pH10.8 (recovery 62% of 64% total recovered virus)

    AVB SepharoseTM High Performance, GE Healthcare

    https://gels.yilimart.com/Assets/Images/doc/file/28411211_DATAFILE_01.PDF

    編集履歴

    2019/09/21, Mr.HARIKIRI

  • [rAAV-Edu] POROS CaptureSelect (AAV精製 resin) の性能とAEXによるfull/emptyの分離 – ID2271 [2019/09/18]

    [rAAV-Edu] POROS CaptureSelect (AAV精製 resin) の性能とAEXによるfull/emptyの分離 – ID2271 [2019/09/18]

    AAVX Resinの特徴

    複数の血清型AAVを吸着

    POROSは、Thermo Fisherのブランドです。以前は独立したメカーでしたが、M&Aで傘下になっています。POROSプランドでAAVをキャプチャー精製する製品は、CaptureSelect(TM)というものがあります、そのラインナップは、AAV8, AAV9, AAVXです。AAVXレジンは特別で、血清型の違いに関係なく高い吸着性能を持っています。すなわち、1つのレジンで精製方法をプラットフォーム化することが可能です。

    これは、抗体医薬で使用されるていProtein Aレジンと同様の位置付けに等しい将来性のあるレジンです。

    • Binding Capacity: >10e14 (vg/mL)

    CaptureSelectとは

    ラクダの重鎖抗体を応用したnonobody技術により、AAVに対する結合性のあるLigandをPorosレジンにカップリングした製品である。

    AAVXレジンの吸着性能をバッチ法で評価

    CaptureSelectのラインナップの内、AAVXは殆どのAAVの血清型に対して高い親和性を有している。

    AAVXレジンと各血清型のAAV (培養、抽出、清澄化したサンプル液)を混合し、チューブ内で10分間の吸着反応させる系で、溶出バッファー(0.1M citric acid, pH2)により回収した溶出液をqPCRでvgを測定し、その回収率を評価している。

    その結果、AAV1(99.63%), AAV2(97.8%), AAV2_HSPG(98.33%), AAV4(98.05%), AAV5(97.88%), AAV6(97.45%), AAV6.2(98.93%), AAV7(98.37), AAV8(97.76%), AAVrh10(96.28%), AAVrh32.33(99.29%), AAV9PHPB(98.51%), AAV7m8(98.39%)、と多数の血清型のAAVを高い効率で吸着・溶出が可能であることが示されている。

    AAVXレジンとその他のレジンとの比較

    比較に使用したレジン

    1. AVB: GE Healthcare
    2. Poros AAV8
    3. Poros AAV9
    4. Poros AAVX

    その結果、下図のように、AABレジンでは、AAV8, AAV9、AAV10を吸着できるものの60%から80%程度の吸着能しかないことが示されている。AABレジンの製品仕様ではAAV1, AAV2, AAV3及びAAV5で使用できるとあることから、当然の結果である。

    AAV2のemptyとfullのHQカラムによる分離

    CsCl2密度勾配の超遠心処理で精製した遺伝子が封入されていないempty AAVと封入されているfull AAVを混和して、AEXカラムであるPOSOR HQカラムにアプライしてクロマトグラフィーを行うと、emptyとfullを分離できる。

    • emptyの溶出位置: 10mS/cm
    • fullの溶出位置: 12mS/cm

    参考文献

    Overcoming downstream purification challenges for viral vector manufacturing: enabling advancement of gene therapies in the clinic: https://pdfs.semanticscholar.org/935c/2e2ee928ba35ebbe22bf43c2e5e1ebe1a4f0.pdf

    Separation of adeno-associated virus type 2 empty particles from genome containing vectors by anion-exchange column chromatography: https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0166093406004022?via%3Dihub

    Review – ラクダが持つ不思議な抗体の魅力:https://harikiri.diskstation.me/myblog/biologics/2300/

    編集履歴

    2019/09/18, Mr. Harikiri
    2021/11/02,記載整備

  • 蛋白質の精製装置とその精製  [2019/08/25]

    蛋白質の精製装置とその精製 [2019/08/25]

    蛋白質精製装置の歴史

    もう40年も前から蛋白質の精製装置は開発されている。当時はPharmaciaという社名の企業で市販されていたFPLCという装置が有名だった。

    今では、Pharmaciaの社名なくなり、GE Healthcareに変わっていて、精製装置のブランド名は、AKTAになった。

    GE Healthcareは、今年中には、GEの業績が不振なことから放出されて、別会社の子会社となるようだ。

    引用元 : https://www.gelifesciences.co.jp/newsletter/biodirect_mail/technical_tips/tips60.html

    蛋白質の精製方法

    一般的に蛋白質は、熱や有機溶剤に弱く、変性してしまうため、有機化合物のようには精製できない。

    蛋白質の精製では、水溶液状態を維持しながら精製工程を進めて純度を上げていく必要がある。

    そこで、液体をハンドリングする液体クロマトグラフィーであるFPLCやAKTAの出番となる。

    精製装置の原理

    蛋白質の精製とは、液体をどうコントロールするかということであり、言い換えるとその液体組成のコントロールをいかにするかに尽きる。

    主要な溶液組成は、塩濃度を表す電気伝導度 (conductivity)とpHの2つが基本となる。

    これらの組み合わせを作り出し、精製の舞台となる担体という場で蛋白質の精製を行う。

    担体の選択

    担体とは、蛋白質と相互作用がある樹脂と定義できる。

    担体は、通常ビーズ状でありその大きさは50~100μmφ、樹脂(Resin)ともいう。

    粒子であるため、粒子と粒子の間に水分を濾(こ)すことができる。

    具体的には、ガーゼのようなもので樹脂を捕捉し、水分と分離させる。

    実際には、樹脂より小さい網目のハードメッシュを円筒の上下につけて樹脂を挟み込んでカラムという筒に充填し、このカラムの片方から液体を流し、もう一方から液体を出すという原理で、担体を使用する。これをクロマトグラフィという。

    樹脂(resin)といっても、昔は天然の素材からつくるセルロース系しかなかったが、今日では、合成樹脂(ビニル系など)が使われる。

    精製をしようとしている目的蛋白質と不純物質(木吹物質の分解物や重合物、原料上混入してくる産生細胞由来のDNA,細胞成分など)を担体との相互作用によって分別する。

    担体は、以下の種類のものを選択する。1種類の担体での精製では不十分であるため、相互作用が異なる単体を選択する。多くても3種類の担体が使用される。

    担体の種類

    先ず、陰および陽の電荷を持つイオン性のリガンドと呼ばれる低分子化合物を担体に結合させているイオン交換体があげられる。

    これらの担体には、親水性の素材が通常使われている。

    次に、電荷を持たないが、疎水性の担体がある。これらの担体の性質を併せ持つマルチモーダルな担体もあり、昔らか高度に精製したい場合に、使用されていたハイドロキシアバタイト(リン酸カルシウム塩: HA)は、今でも高度なタンパク精製に使用される。

    更に、目的蛋白質と強い特異性で結合できるリガンド分子を担体に結合させたアティニティ担体がある。

    アフィニティ担体として、一般的に良く知られているのが、Protein A担体である。血漿分解由来の凝固系蛋白質は、ヘパリンに親和性を持つものがおおく、ヘパリン担体もアフィニティ担体と呼ばれる。

    蛋白質精製装置で目的蛋白質を精製する

    通常は、蛋白質精製装置(AKTAなど)を使用してカラム・クロマトグラフィーを行う。

    また、カラム・クロマトグラフィー工程のつなぎの工程として、UF/DF処理、沈殿化処理、ウイルス除去フィルターろ過なども実施される。

    編集履歴

    2019/08/25 記載
    2020/02/01 改定(個別の工程の説明を分離しそれぞれ個別に説明)
    2020/02/18 文言整備、Desktopでは2カラム化(右にフローチャート配置)
    2020/10/04 体裁変更
  • [Bio-Edu] 血漿由来の抗体精製 – Poll AcroSep resin), 2009 – ID14 [2019/08/12]

    [Bio-Edu] 血漿由来の抗体精製 – Poll AcroSep resin), 2009 – ID14 [2019/08/12]

    血漿中の抗体(IgG)を精製する方法

    2019年現在、抗体医薬品のほとんどは、遺伝子組換えCHO細胞から造られている。これらの抗体医薬品は、特定の疾患に対する特異抗体、即ちモノクローナル抗体である。

    今回紹介する血漿からの抗体は、補充療法としての抗体である。ヒトの血漿中にある抗体は、モノクローナル抗体ではなく、様々な抗原にたいする抗体が混合体として存在しており、上述の場合をモノクローナル抗体と呼ぶのに対し、ポリクローナル抗体という。

    例えば、川崎病では従来から血漿由来抗体の投与が試みられる。川崎病はウイルス感染をきっかけとして、遺伝子素因に起因すると考えられる異常な免疫反応により血管炎が生じる疾患である。ウイルスは変異をするので、モノクローナル抗体では、変異したウイルスに治療効果はない場合がある。比較してポリクローナル抗体では、治療効果の確率が高くなる、理屈的には考えられる。

    余談だが、異常な免疫反応に対しては、抗体では効果はないと考えられるため、抗体で効かない場合は、免疫抑制のあるステロイド剤が使用される。

    概要

    PlasmaをBlue Trisacryl AcroSep columnでAlbuminを吸着除去し, Mix modeのMEP AcroSep columnでIgGを吸着、EDTAでtransferinを洗浄除去後、IgGをpH5で溶出する

    原理

    • 血中の主たるタンパク成分であるアルブミン (Albumin)は、青色素に特によく吸着する。
    • 抗体の物性が良ければ、AEX、CEXのクロマトで精製可能だが、一発で精製したいなら、Mix Mode クロマトが選択肢の一つとなる。
    • 血漿には、鉄の輸送屋であるTransferinが含まれているが、おそらく鉄を介してAlbuminと抗体は親和性を有している

    精製担体

    4-Mercaptoethylpyridine (4-MEP)

    https://products.pall.jp/jp/ja/Laboratory/Protein-Sample-Prep-and-Detection/ID25/mep–zidgri78m5c

    [ED] 免疫グロブリンG; IgG

    https://harikiri.diskstation.me/myblog/biologics/8697/
  • [Bio-Lab] GE Healthcare PD-10 Column – カスタムな使い方として、中身を取り除いて、好みのレジンを詰める方法 – ID776 [2021/03/10]

    [Bio-Lab] GE Healthcare PD-10 Column – カスタムな使い方として、中身を取り除いて、好みのレジンを詰める方法 – ID776 [2021/03/10]

    PD-10カラム

    • 脱塩カラム
    • 平衡化バッファで平衡化
    • ~1mLをロードして、平衡化バッファで押し出す
    • 目的画分をフラクショネーションする

    目的外使用

    中身のレジンを除外して、別のレジンに積み替えて、簡易精製検討に汎用していました。

    • レジン充填量 : 0.5mL(カラム高5mm程度)
    • 自然落下の方法で使用します
    • 通常の指定される流速より5倍から10倍の高速で検討が可能です
      • ただし、結合キャパシティは、高流速であるため、絶対的なデータ取得ではなく、相対比較とての検討に向いています
      • すなわち、人的な能力を活かした高速検討です。
      • 得られたデータは、相対比較による最も良い条件を確認できますが、実際のスケールアップに際して、通常の条件で確認し、そのスケールでの最適化検討を実施する手順となります。
    • 上下のメッシュの高速簡便な再装着にKnow Howがあります^^)
      • 未使用のレジンは、粒子が小さいものが含まれているので、デカンテーションで除去しておきます
      • 遠心機と遠心チューブを使って、50%スラリーを作ります。遠心した時のレジンの体積に対して溶液を添加します
      • 懸濁したスラリーを、トップのメッシュを外したPD-10カラムに必要なカラムサイズの2倍のスラリー液をピペットで添加します。ピペット・チップは、先を挟みで切って流入口の径を大きくしておきます
      • 添加し終えたら、水でも良いので、追加して液量を増加させ、カラムの80%程度までかさ増しします。ボトムから液が滴下しているはずです
      • 液が無くなってしまわない内に、ボトムのキャップを取り付けます
      • トップのメッシュを取り付けます。カラムの上部に取り付け、直径の合うアダプターを差し込んで、ボトムに向かってある程度の速でで押しコンで行きます。最終目標は、レジンと上下のメッシュに隙間がない状態です。
      • ある程度の速度でアダプターを押し込んで行くと、メッシュに溜まった気泡が抜けさすことができます
      • * アダプター : マルエムチューブ(ポリステレンの使い捨ての試験管)のSS14などが使えます。試験管口をメッシュに当てると真っ直ぐに押し込めることができます
      • 以上の操作で、レジンのPD-10カラムへの充填が完了です

    編集履歴

    2019/07/15 Mr. HARIKIRI
    2021/03/10 追記 (自家充填の方法)