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  • 気になる企業 – MSD – 主力製品は、抗PD-1抗体 (Keytruda)  [2021/12/04]

    気になる企業 – MSD – 主力製品は、抗PD-1抗体 (Keytruda) [2021/12/04]

    Merck

    Merckは、ドイツとアメリカにあり、それぞれ別の会社です(下表)。第一次世界大戦時に、政治的理由でアメリカに押収されたのが、現在、アメリカにある製薬会社のMerck (Merck & Co. ; メルクアンドカンパニー)です。

    Merck & Co.の日本法人がMDSです。

    地域ドイツメルク(Merck KGaA)アメリカメルク (Merck & Co.)
    世界的(日本を含む)に社名使用MerckMSD
    (Merck Sharp and Dohme)
    アメリカ北米で社名使用EMD
    (Emanuel Merck, Darmstadt)
    Merck
    参照 : wikipedia

    製品ラインナップ

    • 抗体医薬: Keytruda, Remicade,
    • ワクチン: HPVワクチン「シルガード9」
    • 低分子 : C型肝炎治療薬

    主力製品は、最初の適応症として黒色種治療薬を取得した抗体医薬である抗PDA抗体(Keytruda)です。その後、適応拡大を図っています。

    • 黒色種
    • 非少細胞肺癌(NSCLC)
    • 腎細胞癌 (RCC)
    • 子宮頸癌

    KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、局所進行または転移性食道がんおよび食道胃接合部(GEJ)がんに対するプラチナ製剤およびフッ化ピリミジン系製剤との併用療法がFDAの承認を取得 組織型やPD-L1発現の有無にかかわらず食道がんおよびGEJがんの一次治療において化学療法との併用療法が承認された初の抗PD-1抗体

    https://www.msd.co.jp/news/chq-0401/

    MSD製薬

    医薬品会社であるメルクの日本法人

    MSD製薬

    https://www.msd.co.jp/about/summary/

    編集履歴

    2020/06/23 はりきり(Mr)
    2021/12/04,追記(KEYTRUDA関連情報、MDSはMerck & Co.の日本法人)
  • 気になる企業 – Roche グループ – 全世界で約9万人 – Genentech, 中外製薬, Spark – がグループを支える  [2020/06/24]

    気になる企業 – Roche グループ – 全世界で約9万人 – Genentech, 中外製薬, Spark – がグループを支える [2020/06/24]

    Roche グループ

    売上規模

    • 2019年のPharmaceuticalsの売り上げは、48.5 CHF billion (約4.9兆円)でした。

    Annual Report 2019
    Roche – サイトより

    https://www.roche.com/investors/annualreport19.htm#financials

    歴史

    • 1896年設立したF. Hoffmann-La Rocheに端を発する
    • Roche Holding AGが統括、更に各国の現地法人への出資は、Roche Pharmholding B.V.が担当source
    • 1997年、試薬大手であった独のベーリンガー・マイハイムをM&A
    • 診断薬部門(ロッシュ・ダイアグノスティックス)
      • 世界3位
      • プロフェッショナル・ダイアグノスティックス
      • モレキュラー・ダイアグノスティックス
      • ティッシュー・ダイアグノスティックス
      • ダアベディスケア
      • シークエンシング・ユニット
    • 医薬品部門
      • 中外製薬、を2002年にM&A
      • Genentech, Inc. を2019/03/12に完全子会社化(USD468億, 約4兆5700億円)薬事日報
      • Spark、遺伝治療

    シグマアルドリッチジャパンは、Roche社のバイオケミカル試薬の販売について独占契約を締結している(2015/6/8)

    Biosimilar Strategy

    2015年現在での、バイオ医薬品メーカーでBiosimilarを推進しているメーカーは、

    • pfizer/Hospira
    • SANDOZ
    • Boehringer Ingelheim
    • AMGEN
    • SAMSUNG BIOEPICS
    • CELLTRION

    を掲載している。

    RocheのBiosimilar戦略は、(1) HER2, (2) CD20、そして(3) Avastinを拡大して行くとのこと。

    Recent developments and global trends in the biosimilar market: What would oncology look like?

    8th Annual Biolsimilar Conference /Bernstein; December 2015 – より

    https://www.roche.com/dam/jcr:16cc118a-26d3-4e19-ab91-fd38a62ca515/en/irp151203.pdf
    編集履歴
    2020/06/19 Mr.HARIKIRI
    2020/06/24 追加(RocheのBiosimilar戦略, 2015版、売上規模)
  • 気になる企業 – Genentech – 抗体のエフェクター機能を主力に抗体医薬を開発する戦略  [2020/06/19]

    気になる企業 – Genentech – 抗体のエフェクター機能を主力に抗体医薬を開発する戦略 [2020/06/19]

    Genentech

    Genentechは、Rocheのグループ企業です。

    https://www.genentechoncology.com

    • 2019/03/12にRocheの完全子会社化(USD468億, 約4兆5700億円)薬事日報
    • 癌治療の抗体医薬を開発する戦略
    • バイオマーカー
      • 乳がん : HER2, PD-L1
      • 胃・腸癌 : 胃食道癌(Gastroesophageal Adenocarcinoma; GEA), HER2
      • 肺癌
        • PD-L1
        • KRAS
        • FGFR1
        • EGFR
        • ALK
        • PTEN
        • DDR2
        • HER2
        • BRAF
        • PIK3CA
        • ROS1
        • MET
        • NRAS
        • RET
        • AKT1
        • MEK1
      • 膵臓癌
        • NTRK
        • MSI
        • TMB/bTMB
      • enspryng; satralizumab-mwge (アクアポリン4(AQP4)に対する抗体陽性に対する適用),2020/08/17 FDAがBLAを承認
        • pH依存的結合性抗体
        • リサイクリング技術を適用
        • ターゲット : IL-6R
        • US患者数 4,000~8,000

    Fcを介したエフェクター機能

    3つのエフェクター機能

    • 抗体依存性細胞性細胞毒性 Antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity ADCC 
    • 抗体依存性細胞貪食 Antibody-dependent cellular phagocytosis ADCP
    • 保体依存性細胞貪食 Complement-dependent cytotoxicity CDC

    エフェクター機能の増強

    • 抗体のヒンジ領域にある糖鎖付加サイトのFucose付加が少なくなると、エフェクター活性が高まることが知られている。糖鎖科学を通じた糖分子を操作することでエフェクター活性の増強を研究している

    抗体ライブラリ

    • ファージディスプレイ(phage display)技術による抗原に対する抗体の結合ライブラリを用いて特異的抗体の配列をスクリーニングに持ちしている

    Bispecific

    抗体は、L鎖とH鎖 (L-H)が2つ結合した構造(L-H) – (H-L)である。Bispecific Antibodyは、抗原Aに対する抗体(L-H)a – (H-L)aと抗原Bに対する抗体(L-H)b – (H-L)bのうち、それぞれ片方の(L-H)同士を結合させた構造(L-H)a – (H-L)bとした構造である。

    癌細胞を攻撃するT細胞の表面抗原と癌細胞の表面抗原に、それぞれ親和性がある(L-H)t – (H-L)cを作れば、T細胞は癌細胞に接近することが可能となる。その結果、T細胞は、効果的に癌細胞を攻撃するすることが可能となる。

    ADC

    Antibody Drug Conjugate (ADC)は、細胞毒性物質を抗体に結合させたものである。細胞毒性物質を癌細胞に対して特異的に届けることが可能となる。

    Genentech, About Monoclonal Antibodies

    https://www.genentechoncology.com/development-platforms/monoclonal-antibodies.html
  • 気になる企業 – LONZA – 遺伝子治療薬の製造も含めたバイオロジクスCDMOとして投資を進め世界の需要に応える [2021/05/29]

    気になる企業 – LONZA – 遺伝子治療薬の製造も含めたバイオロジクスCDMOとして投資を進め世界の需要に応える [2021/05/29]

    LONZA

    動向

    Lonzaの投資状況から、世界の需要は更に膨らんでいることが、容易に伺えます。2021/5に、現行のバイオロジクス製品の製造サイトであるVispサイト、Portsmouthサイトについて、ビッグサイズ (20,000L)のBioreactorを備えた製造ファシリティーの追加投資、または整備に関する発表がありました。いずれも2~3年後には本格可能します。エネルギ効率を追求した最新のファシリティとなるようですRef2

    経営状況

    • 2019の売り上げは、LONZA全体で約5,900億円
    • そのうち、Pharma Biotech & Nutritionの売り上げは、約4,200億円 source

    Single use bioreactorの製造体制

    • 2023年には、現在、各地で整備されているsingle-use Bioreactorを使用した製造体制の連携したネットワーク体制を完了させる (Hayward (US), Slough (UK), Tuas (SG) and Visp (CH) )Ref2

    ウイルスベクター分野

    https://pharma.lonza.com/offerings/cell-and-gene-therapies

    • 20年以上の関連経験を持つ科学者チームによるプロセス設計
    • 開発、規制当局へのCMCパッケージの申請サポート
    • 2001年にAdenovirus Type 5の製造経験
    • >120 プロセス開発(gene and gene therapy) source
    • >50 ウイルスベクターのカスタマーへの提供実績
    • ヒューストン施設でのフレキシブルな製造

    製造施設

    Houston, TX, US

    CVlinical Manufacturing, Commercial Manufacturing, Cell and Gene Manufacturing, Viral Vector Manufacturing

    • 300,000ft2 (細胞及び遺伝子治療施設)
    • モジュラー設計クリーンルーム
    • 施設の拡張性 (single use system)
      • non-GMP: Max 250L suspension
      • cGMP: 50L to 2,000L suspension
      • AAV, Lentivirus, Adenovirus, 腫瘍溶解ウイルス(oncolytic viruses)
    • テクノロジー
      • AAV製造
        • HEK293 based transient transfection (独自)
        • Hela cell-based producer cell lines
        • baculovirus-based method
      • Lentivirus製造
        • 付着/浮遊
      • Adenovirus及び腫瘍溶解性ウイルス

    フィスプ(CH)、ポーツマス(US)とチュアス(SG)

    臨床及び商用生産の提供

    • Visp (CH) : スイスのフィスプ
      • 6 x 20,000Lの新しい最新型の製造施設を650m CHFで建設(27,500 m2)すると発表。2024に稼働予定
    • Portsmouth, NH, USA
      • Clinical Manufacturing, Commercial Manufacturing, Cell and Gene Manufacturing
      • 8 x 20,000L
    • Tuas, Singapore
      • Production, Sales & Suport
    Ref 2.

    06 May 2021, Lonza Announces Expansion Plans for Next-Generation Mammalian Manufacturing Facilities in Visp (CH) and Portsmouth (US)

    https://www.lonza.com/news/2021-05-06-07-02

    ペアランド(US)とゲレーン (NL)

    プロセス開発/分析開発、臨床用製造、商用製造

    • Geleen, The Netherlands
      • Clinical Manufacturing, Commercial Manufacturing, Cell and Gene Manufacturing, Process Development, Analytical Development
      • 2017年にPharmaCell BV(2005年にBrightlands Maastricht Health Campusに細胞及び遺伝子治療と再生医療を目的に設立、2017年現在、6000m2のGMP施設と関連施設、過去7年間の実績)を買収source
    • Pearland, TX, USA

    編集履歴

    2020/06/15 Mr.Harikir
    2021/05/29,追記(Visp (6 x 20,000L追加)とPortsmouth (8 x 20,000L体制整備)の大規模製造サイトに更なる投資により顧客需要に応える)
  • [Bio-Edu] Fcエフェクター活性 – ADCC活性を増強するafucosylation技術 [2020/05/22]

    [Bio-Edu] Fcエフェクター活性 – ADCC活性を増強するafucosylation技術 [2020/05/22]

    ID15631

    はじめに

    ADCC活性は、NK細胞などの免疫エフェクター細胞(immune effector cells)上に存在する抗体のFc領域に対するレセプターであるRcγRIIIaが関与しています。

    IgG1のFc領域は、FcγRIIIaと結合親和性があり、その結合強度によってADCC活性が増強されます。この結合親和性の強さに影響するのが、Fc領域の糖鎖です。一般的にFc領域には、糖鎖結合部位がありますが、付加されている糖鎖として「フコース; fucose」含有量が少なければ、立体構造上から結合力が増加してADCC活性(エフェクター機能)が高まることが知られています。

    fucoseは、Fc領域の糖鎖負荷領域のN型結合グリコシル(N-linked glycosylation)に付加されます。

    ADCC活性とCDC活性

    抗体のFc領域を介した生体反応は、(1) IgG1のFc領域と補体系のC1分子と作用する古典経路の活性化を惹起します(CDC)。また、(2) IgG1のFc領域とFc受容体(FcγIIIa)を介して貪食細胞の動員による作作用経路の活性化(ADCC)を惹起します。

    • CDC (complement-dependent cytotoxicity)
    • ADCC (Antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity)

    FcとRcγレセプターの結合親和性

    FcγIIIaは、Fc領域にあるヒンジ部とCH2ドメインと相互作用します。

    この相互作用は、CH2ドメインのAsn297 (N297)に付加される糖鎖構造に左右されます。この糖付加をできなくするアミノ酸の変異により、FcγRIを除くFcγRs (FcγRII, FcγRIII)への結合親和性は完全に消失します。

    ヒトにおける天然のIgGの付加糖鎖は非常に不均一です。そのfucosylation研究では、フコシル化(afucosylation)のレンジは、1.3%~19.3%でした2)。CHO細胞から作られているモノクローナル抗体のフコシル化は、90%程度です。この差によるADCCやCDCに関わる活性の違いが生じています。

    FcγIIIの遺伝子は2つ

    FcγIIIの遺伝子は、2つあり、FcγIIIa (細胞の膜貫通型;殆どのエフェクター*)細胞で発現 )とFcγIIIb (好中球でのみGPIアンカー型タンパク質として発現)です。その配列相同性は97%ですが、FcγIIIbのADCCはありませ。しかし、貪食に関する役割を持つ可能性があります。

    • FcγIIIa (殆どのエフェクター細胞)
    • FcγIIIb (好中球のみ)
    編集履歴
    2020/05/22 はりきり(Mr) 参考文献1)を基に解説

    FcγIIIaの対立遺伝子*)には、Val(V158)とPhe (F158)が知られていますが、FcγIIIa-V158では、より高いIgG1結合親和性(10倍)を持っています。anti-epidermal growth factor receptor (EGFR)、anti-CD20で、その観察結果が出ています。

    • V185
    • F185

    関連する抗体医薬 (ADCCによる癌細胞の破壊)

    • リツキシマブ (rituximab, Anti CD20 mAb)
    • トラスツズマブ (trastuzumab, Anti HER2 mAb)

    Protein fucosylation in mammalian system

    Fucose (6-deoxycholate-L-galactose)は、哺乳動物細胞におけるN及びO型グリカンの共通成分です。

    Fucose付加反応を担う酵素は、ヒトでは13種類のフコシルトランスフェラーゼ : FUT (fucosyltransferase)が知られています。

    FUTは、fucose residue (フコース残基)をGDPフコース (GDP-β-L-フコース: 細胞室内(cytoplasm)で合成、フコシル化反応の基質)からアクセプター基 (acceptor substrate)に転移します。

    細胞室内のGDP-fucoseの合成には、de novo経路が大半を担い、salvage pathway (生体でのフコースの再利用)はその一部を担っています。

    • de novo回路 → GDP-fucose → (cytoplasm) → fucose residue

    de novoは更に、GDP-mannoseからGDP-fucoseに変換する反応も担っています。

    • GDP-mannose →(by GDP-mannose 4,6 dehydrates (GMD) and GDP-keto-6-deoxymannose 3,5-epimerase/4 reductive)→ GDP-fucose
    • GDP-fucose → ( Golgi apparatus or endoplasmic reticulum (ER) )
      • GDP-fucose transporter (GFT), encoded by the Slc35cl gene (Solute Carrier family 35), この遺伝子の変異は、白血球接着不全II型(LADII)、重度の免疫不全、精神遅滞、成長鈍化(グリコシル化IIc型の先天疾患)の発症につながります。
    FUT機能
    1fucose residue →(転移)→ terminal galactose
    α1,2 linkageの形成
    2同上( same as above)
    3α1,3/α1,4 – fucosyltrasferase (Lewisa, Lewisb合成と関連構造に関わる)反応
    4 – 7α1,3 – fucosyltransferase (ABHとLewis抗原の合成)
    8α1, 6 – fucosyltransferase (fucose – innermost(最も内側) N-acetylglucosamin on N-glycans)
    肝臓以外の組織で広く発現しているが、肝細胞癌 (HCC)でアップレギュレーとされる
    9 – 11α1,3 – fucosyltransferase (ABHとLewis抗原の合成)
    (POFUT1)O-fucosyltransferase
    Ser/Thr残基にfucoseを直接付加 (ER内)
    (POFUT2)O-fucosyltransferase
    Ser/Thr残基にfucoseを直接付加 (ER内)

    ガン抗原としてのLewis構造

    Lewis抗原は、癌細胞が血管内皮 (vascular endothelium)へ接着する際に機能します(血行性移転)

    Lewis関連の3糖または4糖 (ルイス抗原)は、炎症反応におけるリンパ球のホーミング中に白血球の接着に重要な役割を果たします。

    Lewis構造

    • ルイス抗原 type-1 (Lewis)
      • Lewisa (Lea)
      • sialyl-Lewisa (SLea) : ガン抗原CA 19-9と共に腫瘍マーカーとして一般的に使用
      • Lewisb (Leb)
    • ルイス抗原 type-2 (Lewisb)
      • Lewisx (Lex)
      • sialyl-Lewisx (Slex)
      • Lewisy (Ley) : ヒトの消化管粘膜のO型結合グリカンと類似

    ADCCの増強

    • 抗体のFc領域 – FcγRIIIa の結合をトリガーとする
    • FcγIIIaを持つ免疫細胞は、NK細胞
    • 標的細胞を殺すサイトカイン/細胞溶解剤の放出
    • ADCC活性は、FcのN-グリカンの影響を受ける
    • CHO細胞由来のIgGでは、そのN-グリカンのコア位置に付加されたフコース残基は、異種の2分岐複合型であり、N-グリカンには、シアル酸は殆ど含まれない
      • G0 galactose residue
      • G1 galactose residue
      • G2 galactose residue
    • CHO Lec13細胞由来IgG1抗体と野生型CHO細胞由来との比較研究では(Shields er al.)、
      • CHO Lec13細胞は、GMD遺伝子変異があり、非フコシル化N型糖鎖の含有率が高い
      • CHO Lec13細胞で作ったIgG1のFcγIIIaへの結合親和性は、50倍増強(NK細胞/PBMC)
    • ガラクトースやバイセクティングGlcNacの存在ではなく、フコースの不存在がADCCを高める(Shinkawa er al.)
    • 別の研究では、コアフコースの除去が最大のADCC活性をは達成すると示唆した (コアフコースの除去と、S229D / D298A / I1332Eのミューテーションでは、ADCC活性の増強の差は無かった)
    • FcγRIIIのアミノ酸変異 (Asn162Gly)とIgGとの結合研究によるADCC活性の増強の比較
      • IgG-フコースフリーとFcγRIIIa-Asn162 >> IgGネイティブグリカンとFcγRIIIa-Gln162 > IgGネイティブグリカンとFcγRIIIa-Asn162
    • Fcのガラクトシル化とシアリル化によるADCC増強は、コアフコース除去と比較して限定的だが、Alanineスキャンにより増強効果が確認された。
    • Fcエンジニアリング(IgG1)
      • FcγRIIIaとの相互作用最大1倍の増強(増強しない)(T256A、K290A、S298A、E333A、K334A)
      • FcγRIIIaとの相互作用最大169倍 (S239D or I332E、S239D and I332E、S239D and I332E and A330L
      • 「活性化FcγRIIIa」と「阻害性RcγRIIb」との結合比を最大9倍 (S239D and I332E and A330L): Xencorによるヒト化の抗CD19抗体(XmAb5574: 広範囲のBリンパ腫および白血病の細胞株に対するADCC活性増強、患者由来急性リンパ牙球性白血病とマントル細胞リンパ腫細胞のタイルADCC活性増強)

    afucosilated 抗体の生産戦略

    GDP-fucoseの生合成酵素

    CHO Lec13細胞は、内因性(endogenous)のGDP-mannose 4, 6 – dehydratase (GMD) 遺伝子を欠乏しています。GMDは、de novo GDP-2 fucose生合成3経路 (biosynthesis pathway)の最初のステップの触媒を担っています。

    GMD遺伝子を欠乏しているにも関わらず、フラスコ培養で培養した結果、フコシル化抗体の比率は、50~70%になったという研究があります。

    mRNAレベルでGMDが少なからず発現しており、別の発現パスウェイがあると考えられます。

    GDP-keto-6-deoxymannose 3,5-epimerase/4 reductive (FX) – ノックアウト CHO細胞を用いて、完全にフコシル化を抑えたという研究もあります。

    FUT8

    Fut8遺伝子の発現レベルが低いYB2/0細胞を使用した研究 (CHO細胞との比較, Arakawa er al.)

    • humamized anti-human interleukin-5 receptor (IL-5) IgG1 antibody (KM8399) in YB2/0 cell
    • core fucose of KM8399 was lower level
    • 産生したIgG1は、いずれの細胞でも同様の抗原結合性を示した
    • YB2/0細胞由来では、コアフコースのレベルが低くく、ADCC活性は、約50倍であった
    • YB2/0細胞のFUT8 mRNAレベルは、有意に低くかった

    FUT8遺伝子の不活化(Yamane er al.)

    • 抗CD20抗体産生CHO細胞 DG44細胞株
    • FUT8対立遺伝子ともにゲノム領域からのノックアウト(FUT8 -/-)
    • 同様の培養増殖曲線と、同様の生産性
    • 完全な非フコシル化抗体の産生
    • 親株との比較で2倍のADCC増強

    siRNAを使用したCHO DG44細胞の培養

    • 60%の非フコシル化抗体の産生

    CHO細胞のGDP-fucose transporter (GFT)を除去

    • ゴルジ体のGDP-fucose transporter (GFT)遺伝子(Slc35c1)のノックアウトによるゴルジ体でのフコシル化反応を止める
    • zinc-finger mucleases (ZFNs)、transcription activator-like effector nucleases (TALENs)及びCRISPR-Cas9、などの技術を用いた
    • fluorescence-activated cell sorting (FACS)で分別 (Aleutian aurantia lectin (AAL) )
    • 得られた細胞は、CHO-gmt3 (CHO-glycosylation mutant3)
    • EPO-Fc融合タンパク質とIgG1抗体において、core fucoseは、完全に欠落していた
    • この手法により、無血清培地、細胞増殖率、生存細胞密度についての安定株を2ヶ月で樹立することが可能
    • CHO-K1細胞は、そのtranscriptome dataから、Golgi fucosyltransferaseの内、FUT8のみを発現していることが示されています
    • Fut8よりもSut35c1をノックアウトする方(Stc35c1 -/-)が利点があると筆者は述べています。
    • CHO細胞に適用した結果、培養増殖率、生存率、抗体産生などが同等であった

    Bisecting GlcNac

    β-1, 4-mannosyl-glycoprotein 4-β-N-acetylglucosaminyltransferase (GnT-III)は、普通CHO細胞では発現されません。

    以下の2つの過剰発現のCHO細胞株は、抗CD20抗体GA101の宿主株として成功しています。最高レベルの(1) bisecting、(2) afucosylated glycansを、IgGで実現しました

    • GnT-IIIの過剰発現
      • これのみでCHO細胞でのFcコアのフコシル化が減少
    • Golgi α-mannosidase II (αManII)の過剰発現

    GnT-IIIは、以下を触媒します。

    • 以下を結合 (β1,4)させて、bisecting GlcNAcを作る
      • GlcNAc
      • N-glycansのtrimannosyl coreのβ結合型mannose

    GDP-フコース de novo経路

    [GDP-fucose de novo(advice)経路]では、GDP-mannoseは、GKDMに変換される。

    • GDP-mannose → (GDP-mannose-4,6-dehydratase)→ GDP-4-keto-6-deoxy mannose (GKDM)
    • GKDM → (several downstream emzymatic reactions) →GDP-fucose

    [バクテリア]では、GKDMはGDP-rhamnose形態に還元できます。GDP-rhamnoseは、細菌の一般的な細胞膜表面グリカンの1種です。

    • GKDM → (GDP-4-keto-6-deoxy mannose reductase (RMD) )→ GDP-rhamnose

    [CHO細胞]の細胞質内に、このRMDを異種発現することで、[GDP-Fucose de novo経路]がバイパスされるため、afucosylated IgGが作られます。最終産物であるGDP-rhamnoseは、GMDの阻害剤である可能性があります。

    • GKDM → (GDP-4-keto-6-deoxy mannose reductase (RMD) )→ GDP-rhamnose

    フコシル化阻害剤

    遺伝子改変ではないアプローチとして、Okeley et al.による阻害剤研究があります。

    • 2-fluorofucose
    • 5-alkynylfucose

    その作用機序は、以下のことが考えられます

    • 細胞内GDP-fucoseの枯渇化 → de novo経路の遮断
    • FUT8の阻害

    植物細胞と後処理

    植物細胞の利用

    植物細胞では、以下の糖鎖が欠落します。

    • α1,6-fucose
    • β1,4-galactose
    • α2,3-sialic acid

    植物細胞では、通常、N-glycanは、(1)以下の糖鎖が付加されますが、(2)大きな糖鎖(哺乳動物でも稀に見られる)が付加されることもあります。

    1. Man3GlcNAc2コアに以下のもので糖鎖修飾
      • β1,2-xylose ( mammalian では不要であり免疫原性がある)
        • コアxhloseは、献血ドナーから抗体が検出される
      • α1,3-fucose
        • この糖鎖を含むGnGnXF3構造(免疫原性)
        • コアα1,3-fucoseは、健常人献血ドナーから抗体が検出される
    2. Large complex type N-glycans
      • Lewisa構造
        • α1,4-fucose
        • β1,3-galactose
    Strategy to overcome this immunogenicity

    植物由来の糖鎖の免疫原性を克服するには、以下戦略があります。

    • RNAi knockdown of α1,3-fucosyltransferase (FucT) in plant
    • β1,2-xylosyltransferase (XylT) in plant
    • FucT/XylT-knowckout lines

    水草のLemna minorで作ったafucosylated anti-CD30 monolclonal antibody

    • 得られたG0構造のこの抗体は、CHO細胞由来と比べてADCC活性が改善されました

    Anti-HIV 2G12 from XylT/FucT – knockdown N.benthamiana

    • 得られたG0構造は、N-acetylglucosamine末端において、以下の糖鎖を欠落してさせることができました
      • xylose
      • α1,3-fucose

    付加糖鎖を後処理で除去

    • endo-β-N-acetylglucosamidaseなどのEndo SでN-glycanを切断
    • その後、exoglycosidaseであるfucosidaseで、core fucoseを除去
    • 残ったmono-GlcNAcは、不均一であるので、desialylated complex型のoxazolineの存在下、Endo Sベースのglycosynthases(グリコシンセターゼ)によるtransglycosylation (糖転移反応)を行う
    • この方法は、コストがかかります

    治療用のafucosylated mAbs

    2018年現在で、3つのafucosylated mAbsが市場に、20以上が臨床試験にあります。

    name and companyTarget andformatcomment
    obinutuzumab/GA101/Gazyva
    Roche
    CD20
    Humanized IgG1 with low fucose content
    Marketed
    first glycoengineered therapeutic anti-CD20, in 2013 by FDA
    3 x Phase 1~3
    mogamulizumab/POTELIGEO/KM0761
    Kyowa Hakko Kirin
    CD chemokine receptor 4(CCR4) Humanized afucosylated IgG1Marketed in lymphoma
    first approved in 2013 in Japan for hematologic malignancies
    in 2014 for cutneous T-cell lymphoma (CTCL)
    in 2017, FDA granted itbreakthrough, FUT8-knockout CHO
    10 x Phase1~3
    Benralizumab/MDEI-563/Fasenra
    AstraZeneca
    IL-5Rα
    Humanized afucosylated IgG1
    Marketed in Asthma
    approved by FDA in 2017 for severe eosinophil asthma, FUT8-knockout CHO (Biowa Poteligent Technology), IL-5R
    9 x Phase1~3
    Inebilizumab/MEDI-551
    Medlmmune
    CD19
    Humanized afucosylated IgG1
    10 x Phase1,2 and 3 (lymphoma,myeloma)
    Ublituximab/TG1101/LFB-R603
    TG Therapeutics Inc
    CD20
    Chimeric IgG1, low fucose content
    10 x Phase 1,2 and 3 in lymphoma, leukemia
    TrasGEX/GT-MAB7.3-GEX/Glycooptimized Trastuzumab-GEXHER2
    Mumanized glyco-optimized (reduced fucosylated IgG1)
    Solid Tumors in Phase 1 (completed)
    SEA-CD40/Seattle Geneticshumanized afucosylated anti-CD40 IgG1Cancer and carcinomas in Phase 1
    その他多数、原書を参照のこと

    以上

    参考文献

    1)

    The “less-is-more” in therapeutic antibodies: Afucosylated anti-cancer antibodies with enhanced antibody-dependent cellular cytotoxicity, 2018

    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6150623/
    2)

    Glycosilation engineering of therapeutic IgG antibodies: challenges for the safety, functionality and efficacy

    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5777974/#!po=7.60870
    3)

    Improved in vitro and in vivo activity against CD303-expressing targets of the chimeric 122A2 antibody selected for specific glycosylation pattern, 2018

    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5973763/
    4)

    細胞性免疫・エフェクター細胞 – 日本ガン免疫学会

    http://jaci.jp/patient/immune-cell/immune-cell-04/
    5)

    対立遺伝子

    https://mycode.jp/glossary/allele.html

    編集履歴

    2020/02/22, by Mr.Harikiri

  • [Bio-Edu] バイオ医薬品におけるウイルス・クリアランス試験 – モニターウイルス – 除去率 – [2020/08/23]

    [Bio-Edu] バイオ医薬品におけるウイルス・クリアランス試験 – モニターウイルス – 除去率 – [2020/08/23]

    はじめに

    Biologics (生物製剤)では、混入する可能性のあるウイルスについてリダクション能力を評価していることが必要であり、商用製品では、製造工程のウイルス・クリアランス試験が必須である*1。臨床サンプルについてもウイルス・クリアランス試験として、1~2種類のモデル・ウイルスを用いて実施されているのが実情である。

    ウイルス・クリアランス試験には、(1) エンベロープを有し比較的耐久性の低いレトロウイルスのモデル・ウイルスとしてX-MLV (MuLV: Xenotropic murine leukemia virus)、(2) エンベロープを持たず小型で耐久性の高いパルボウイルスのモデル・ウイルスとしてMVM (minute virus of mice:MVM = murine minute virus:MMV = Murine parvorirus source)の使用が多い。

    1. MLV (MuLV; MMLV) source:wiki
    2. MVM; Murine Minute Virus, MMV; Mice Minute Virus, Murine Parvovirus
    編集履歴
    2020/05/18 はりきり(Mr)
    2020/05/25 追記(ウイルス除去工程)
    2020/08/23 充実化(ウイルス除去工程)

    製造工程のウィルス・クリアランス試験など、求められる試験 – Eli Lilly and Company, CMC Strategy Forum, Europe, 2018 – より

    Modular Retrovirus Clearance in Support of Clinical Development, Bio-product Research & Development
    ウイルス記号ゲノムエンベロープサイズ (nm)抵抗性
    ネズミ白血病ウイルスMuLV *2single stranded RNA(+)80 – 110低い
    マウス微小ウイルスMVMsingle stranded DNA(-)18 – 24非常に高い
    ウイルスクリアランス事件の課題と事例検討 — 総ウィルスクリアランス指数(LRV)をどこまで追求するか — PDA Journal of GMP and Validation in Japan Vol.7, No.1 (2005)

    MLVのRNAをqPCRで定量

    ウイルス・クリアランス試験

    一般的なウイルス除去工程

    • 培養終了後のハーベスト
      • 清澄ろ過膜にAEXモードを持つフィルター機材を採用している場合は、ウイルス除去効果が期待される
    • Affinity Chromatography
      • 抗体医薬では、Protein Aのアフィニティ・カラムクロマト工程によるウイルス除去効果が期待される
    • AEX Chromatography
      • 陰イオン交換カラムクロマトの不純物除去工程によるウイルス除去効果が期待される
    • CEX Chromatography
      • 陽イオン交換カラムクロマトの不純物除去工程によるウイルス除去効果が期待される
    • Virus reduction Filtration
      • ウイルスの除去を目的としたウイルス除去ろ過工程
      • Planova 20NやViresolveが使用される

    評価方法

    • 除去率(Reduction Level; RL)は、Log10で表記
    • 各工程で、ウイルスの添加回収実験の実施
    • 各工程でのRLの総和を求めて、製造工程全体のクリアランス能力を算定する
    • 細胞アッセイ
    • 動物への投与
    • PCR
    • など

    ウイルス除去率の解釈

    関連するガイドラインには、ウイルスの除去率に関して考慮すべき要因が示されています1)。以下の要因について考慮することで、プロセスステップをウイルスの不活性化/除去において、以下のように見なすことができるかどうかを決定します

    • 有効
    • 適度に有効
    • 無効

    考慮する要因

    1. 使用したテストウイルスの適切性(セクション4を参照/工事中
    2. 検証研究の設計(セクション5を参照/工事中
    3. 除去率
      • 4 logまたはそれ以上の削減は、モニターウイルスにおいて明確な効果を示していると言える
    4. 不活化の速度論
      • 不活化は通常、単純な一次反応ではなく、多くの場合、最初の段階が速く、その後に遅い段階があります。 ただし、時間とともに不活性化率が劇的に低下する場合は、不活性化剤の有効性が失われていること、または残存ウイルス画分が不活性化剤に耐性があることを示唆している可能性がある
    5. 不活化/除去の性質
      • および特定のクラスのウイルスに対してのみ選択的かどうか。 プロセスステップは、一部のウイルスに対しては非常に効果的ですが、他に対しては効果がありません。たとえば、S / D処理は、脂質を含むが脂質を含まないウイルスに対しては効果的です
    6. プロセスパラメータの小さな変動に対するウイルスの不活性化/除去の影響は、ステップの信頼度に影響する
    7. アッセイ感度の限界

    何回か試験を実施して、異なる除去率が計算された場合、リスクを考慮して評価するなら低い方の値を採用する。

    ウイルス・アッセイの例示

    ウイルス・アッセイについて、以下の文献から例示として情報を抽出した。ウイルスに応じて感染効率の高い細胞を使用し、用いる細胞の培養に使用する培地についても参考になる。

    Cell

    • S+L- cell line on semisolid agar colony
    • 3T3FL cell for SV assay
    • C-182 cell line, a mixture of apparently normal 3T3FL cells and S+L- cells for MuLV assay

    media

    • McCoy’s 5a medium ( Grand Island Biological Co., Grand Island, N.Y.), 10% FCS and antibiotics
    • Eagle’s minimum essential amino acids
    • 10% FCS, antibiotics, 20mM thymidine
    • (Phenol Redを入れない場合が多い)

    Virus (MLV)

    • Moloney leukemia virus (MLV) from Electro-Nucleonics Laboratories, Inc., Bethesda, Md., as crude tissue culture fluid from MSV infected JLSV9 cells
      • 5 x10E5 FFU/mL to use for the superinfection of S+L- cells.
    • MLV from University Laboratories, Highland Park, N.J., as 10% spleen suspension from MLV-infected mice.
      • to use for the MSV assays as leukemia helper virus

    Virus assays

    • A rapid cell culture assay technique for MuLV
      • induction of foci in S+L- cells with superinfection
    • MSV focus-forming assay
    • Both sample are prepared
      • by freezing and thawing 3 times cells and supernatant fluids together followed by low-speed centrifugation to remove cell debris.
      • stored at -70 C prior to virus assays

    文献タイトル :
    Rescue of Murine Sarcoma Virus from a Sarcoma-Positive Leukemia-Negative Cell Line: Requirement for Replication Leukemia Virus

    追記

    ウイルス液の清澄化は、低いGでの遠心上清、超遠心で濃縮する。

    レトロウイルス・系統樹

    図1(左)の系統樹をもとに、以下詳細にまとめた。

    • レンチウイルス属
      • EIAV (equine infectious anemia virus), ウマ
      • MVV (Mahdi-Visna virus), ヒツジ、ウマ
      • FIV (feline immunodeficiency virus), ネコ(免疫不全)
      • HIV-1
      • SIVAGM
      • HIV-2
    • スプーマウイルス属
      • FFV (feline foamy virus),ネコ,
      • HFV
    • アルファレトロウイルス属
      • ALV (avian leukosis virus),トリ
    • ベータレトロウイルス属
      • MMTV (Mouse mammary tumor virus), マウス
      • JSRV (jaagsiekte sheep retrovirus), ヒツジ,
      • MPMV
    • ガンマレトロウイルス属
      • MLV (murine leukemia virus; マウス白血病ウイルス), マウス
        • E-MLV (ecotropic:同種指向性)
        • X-MLV (xenotropic:異種指向性)
      • FeLV (feline leukemia virus), ネコ
      • GALV
      • PERV (porcine endogenous retrovirus), ブタ
    • デルタウイルス属
      • BLV (bovine leukemia virus)、ウシ
      • HTLV-1
      • HTLV-2
    • イプシロンウイルス属
      • WDSV
      • WEHV-1
      • WEHV-2
    • SnRV

    *2, MuLVは、MLVと同義

    The Retroviridae, 第2巻に、Murin type C virusesは、MuLV又はMLVのことであるとの記載がある。MuLVの中でも異種指向性をXenotropicといい、“X-“を冠する子で同種指向性(ecotropic)と区別している。

    パルボウイルス・系統樹

    • Proto-parvovirus
      • MVM (minute virus of mice)
    • Boca-parvovirus
      • HBoV
    • Erhthro-parvovirus
      • B19
    • Amdo-parvovirus
      • AMDV
    • Tetraparvorirus
      • BHoV
      • PHoV
      • PARV4_co
      • PARV4_ch
      • PARV4_2
      • PARV4_3
      • PARV4_1
    • Dependo-parvorirus
      • AAV_1
      • AAV_7
      • AAV_8

    *3 Advice<br>パルボウイルスの系統樹

    PARV4: An Emerging Tetraparvovirus

    Maloney murone leukemia virus: MolLVとMurine Leukemia virus: MLVAの違い

    MLVの実験室軽打により病原性が高いウイルス株としてSarcoma 37細胞から単離されたエコトロビックレス炉ウイルスである – 生物多様性影響評価書
    https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/06/dl/s0630-14f_0003.pdf

    感染様式

    レトロウイルスの感染様式

    図1(右)は、レトロウイルスの感染様式を示している。

    先ず、レトロウイルスは、細胞表面に非特異的に吸着し、その後、以下の機構のいずれかで細胞内に進入する

    1. 非特異的吸着
    2. レトロウイルスのエンベロープと細胞表面の受容体が結合

    次に細胞質内に以下の機構により侵入する

    • 直接膜融合
      • エンベロープの構造変化により、エンベロープを除くウイルス様粒子が、細胞質内取り込まれる
    • エンドサイトーシス
      • エンベロープごと裏返った細胞膜に覆われて、細胞質内に取り込まれる(エンドソソーム)
      • 直接膜融合により、エクンドソームから飛び出し、細胞室内に移動する。

    パルボウイルスの感染様式

    パルボウイルスは、細胞表面に吸着した後、endocytosisで細胞質内に入ります。その後、endosomeは、内部がpH4になったLysosomeに変換され、同時にphospholipase A2を活性かされて、Lysosomeの膜を破り、ウイルス粒子は細胞質内にでできます。その後、VP1を介して細胞核に入り込まれてゆきます。

    Advice パルボウイルスの感染様式<br>VIROLOGY JOURNAL, 2015

    Role of capsid proteins in parvoviruses infection

    1) ガイドライン

    The European Agency for the Evaluation of Medicinal Products<br>Human Medicines Evaluation Unit<br>London, 14 February, 1996 CPMP/BWP/268/95

    CPMP/BWP/268/95

    以上

    ウイルスクリアランス関連記事

  • [抗体/情報] 年々増える抗体医薬 – Antibody Societyでは抗体医薬がリストされている – ID15492 [2020/05/08]

    [抗体/情報] 年々増える抗体医薬 – Antibody Societyでは抗体医薬がリストされている – ID15492 [2020/05/08]

    Antibody Societyサイトの紹介

    抗体医薬の承認数は増加するばかりです。バイオシミラー(Biosimilar)以外の新薬に関する承認済みやレビュー中のリストは、「Antibody Society」のサイトで見ることができます。

    • 以降に示したテーブルは2020/5現在のEU/USでの承認済み抗体医薬のリストです。
    • 2021/01~2021/09までに、9つの抗体医薬が承認され(リンクから確認)、2021/10現在、21つの抗体医薬の開発が規制当局に登録されています。
    抗体協会は、承認された抗体治療薬と欧州連合(EU)または米国(米国)で規制審査中のものの包括的なリストを維持しています。 下の表では、レビュー中の製品候補が最初にリストされ、承認された製品は最初の承認の年ごとに新しい順にリストされています。 承認されたが、その後市場から撤退した製品は、表に含まれています。 バイオシミラー製品は除きます。
    欧州医薬品庁(EMA)が公開している人間の医薬品に関するヨーロッパの公開評価レポート、および保留中の欧州委員会の決定と評価中の医薬品に関する情報は、EMAの[Find medicine]ページで確認できます。 米国で承認された治療法に関する情報は、Drugs @ FDAにあります。 EUまたは米国以外の地域で最初の承認が与えられた抗体療法は、表の最後に記載されています。
    5月1日の時点で、2020年に米国で4つの抗体治療薬が初めて承認され、さらに15件が規制当局による審査を受けています。

    Antibody Society

    欧州または米国で承認済みまたは審査中の治療用モノクローナル抗体(Therapeutic monoclonal antibodies approved or in review in the EU or US.)

    international non-profit supporting antibody-related research and development

    https://www.antibodysociety.org/resources/approved-antibodies/

    以下は、2020/05/01時点のリストです。最新は、リンクから確認ください。


    INN
    Brand nameTarget; Format1st indication approved / reviewed1st EU approval year1st US approval year
    Sutimlimab(Pending)C1s; Humanized IgG4Cold agglutinin diseaseNAReview
    Aducanumab(Pending)Amyloid beta; Human IgG1Alzheimer’s diseaseNAReview
    Teplizumab(Pending)CD3; Humanized IgG1Type 1 diabetesNAReview
    Dostarlimab(Pending)PD-1; Humanized IgG4Endometrial cancerReviewReview
    Tanezumab(Pending)Nerve growth factor; Humanized IgG2Osteoarthritis painReviewReview
    Margetuximab(Pending)HER2; Chimeric IgG1HER2+ breast cancerNAReview
    Naxitamab(Pending)GD2; Humanized IgG1High-risk neuroblastoma and refractory osteomedullary diseaseNAReview
    Belantamab mafodotin(Pending)BCMA; Humanized IgG1 ADCMultiple myelomaReviewReview
    Oportuzumab monatox(Pending)EpCAM; Humanized scFv immunotoxinBladder cancerNAReview
    REGNEB3(Pending)Ebola virus; mixture of 3 human IgG1Ebola virus infectionNAReview
    Narsoplimab(Pending)MASP-2; Human IgG4Hematopoietic stem cell transplant-associated thrombotic microangiopathiesNAReview
    Tafasitamab(Pending)CD19; Humanized IgG1Diffuse large B-cell lymphomaNAReview
    Satralizumab(Pending)IL-6R; Humanized IgG2Neuromyelitis optica and neuromyelitis optica spectrum disordersReviewReview
    Inebilizumab(Pending)CD19; Humanized IgG1Neuromyelitis optica and neuromyelitis optica spectrum disordersNAReview
    Leronlimab(Pending)CCR5; Humanized IgG4HIV infectionNAReview
    Sacituzumab govitecanTrodelvyTROP-2; Humanized IgG1 ADCTriple-neg. breast cancerNA 2020
    TeprotumumabTepezzaIGF-1R; Human IgG1Thyroid eye diseaseNA2020
    IsatuximabSarclisaCD38; Chimeric IgG1Multiple myelomaReview2020
    EptinezumabVyeptiCGRP; Humanized IgG1Migraine preventionNA2020
    [fam]-trastuzumab deruxtecanEnhertuHER2; Humanized IgG1 ADCHER2+ breast cancerNA2019
    Enfortumab vedotinPadcevNectin-4; Human IgG1 ADCUrothelial cancerNA2019
    CrizanlizumabAdakveoP-selectin; Humanized IgG2Sickle cell diseaseReview2019
    BrolucizumabBEOVUVEGF-A; Humanized scFvMacular degeneration20202019
    Polatuzumab vedotinPolivyCD79b; Humanized IgG1 ADCDiffuse large B-cell lymphoma20202019
    RisankizumabSkyriziIL-23p19; Humanized IgG1Plaque psoriasis20192019
    RomosozumabEvenitySclerostin; Humanized IgG2Osteoporosis in postmenopausal women at risk of fracture20192019
    CaplacizumabCablivivon Willebrand factor; Humanized NanobodyAcquired thrombotic thrombo- cytopenic
    purpura
    20182019
    RavulizumabUltomirisC5; Humanized IgG2/4Paroxysmal nocturnal hemoglobinuria20192018
    EmapalumabGamifantIFNgamma; Human IgG1Primary hemophagocytic lymphohistiocytosisReview2018
    CemiplimabLibtayoPD-1; Human mAbCutaneous squamous cell carcinoma20192018
    FremanezumabAjovyCGRP; Human IgG2Migraine prevention20192018
    Moxetumomab pasudotoxLumoxitiCD22; Murine IgG1 dsFv immunotoxinHairy cell leukemiaReview2018
    GalcanezumabEmgalityCGRP; Human IgG4Migraine prevention20182018
    LanadelumabTakhzyroPlasma kallikrein; Human IgG1Hereditary angioedema attacks20182018
    MogamuizumabPoteligeoCCR4; Humanized IgG1Cutaneous T cell lymphoma20182018
    ErenumabAimovigCGRP receptor; Human IgG2Migraine prevention20182018
    TildrakizumabIlumyaIL-23p19; Humanized IgG1Plaque psoriasis20182018
    IbalizumabTrogarzoCD4; Humanized IgG4HIV infection20192018
    BurosumabCrysvitaFGF23; Human IgG1X-linked hypophosphatemia20182018
    DurvalumabIMFINZIPD-L1; Human IgG1Bladder cancer20182017
    EmicizumabHemlibraFactor IXa, X; Humanized IgG4, bispecificHemophilia A20182017
    BenralizumabFasenraIL-5Rα; Humanized IgG1Asthma20182017
    OcrelizumabOCREVUSCD20; Humanized IgG1Multiple sclerosis20182017
    GuselkumabTREMFYAIL-23 P19; Human IgG1Plaque psoriasis20172017
    Inotuzumab
    ozogamicin
    BESPONSACD22; Humanized IgG4, ADCHematological malignancy20172017
    SarilumabKevzaraIL-6R; Human IgG1Rheumatoid arthritis20172017
    DupilumabDupixentIL-4Rα; Human IgG4Atopic dermatitis20172017
    AvelumabBavencioPD-L1; Human IgG1Merkel cell carcinoma20172017
    BrodalumabSiliq, LUMICEFIL-17R; Human IgG2Plaque psoriasis20172017
    AtezolizumabTecentriqPD-L1; Humanized IgG1Bladder cancer20172016
    BezlotoxumabZinplavaClostridium difficileenterotoxin B; Human IgG1Prevention of Clostridium difficileinfection recurrence20172016
    OlaratumabLartruvoPDGRFα; Human IgG1Soft tissue sarcoma20162016
    ReslizumabCinqaero, CinqairIL-5; Humanized IgG4Asthma20162016
    ObiltoxaximabAnthimProtective antigen of B. anthracis exotoxin; Chimeric IgG1Prevention of inhalational anthraxReview2016
    IxekizumabTaltzIL-17a; Humanized IgG4Psoriasis20162016
    DaratumumabDarzalexCD38; Human IgG1Multiple myeloma20162015
    ElotuzumabEmplicitiSLAMF7; Humanized IgG1Multiple myeloma20162015
    NecitumumabPortrazzaEGFR; Human IgG1Non-small cell lung cancer20152015
    IdarucizumabPraxbindDabigatran;
    Humanized Fab
    Reversal of dabigatran-induced anticoagulation20152015
    AlirocumabPraluentPCSK9; Human IgG1High cholesterol20152015
    MepolizumabNucalaIL-5; Humanized IgG1Severe eosinophilic asthma20152015
    EvolocumabRepathaPCSK9; Human IgG2High cholesterol20152015
    DinutuximabUnituxinGD2; Chimeric IgG1Neuroblastoma20152015
    SecukinumabCosentyxIL-17a; Human IgG1Psoriasis20152015
    NivolumabOpdivoPD1; Human IgG4Melanoma, non-small cell lung cancer20152014
    BlinatumomabBlincytoCD19, CD3; Murine bispecific tandem scFvAcute lymphoblastic leukemia20152014
    PembrolizumabKeytrudaPD1; Humanized IgG4Melanoma20152014
    RamucirumabCyramzaVEGFR2; Human IgG1Gastric cancer20142014
    VedolizumabEntyvioα4β7 integrin; Humanized IgG1Ulcerative colitis, Crohn disease20142014
    SiltuximabSylvantIL-6; Chimeric IgG1Castleman disease20142014
    ObinutuzumabGazyvaCD20; Humanized IgG1; GlycoengineeredChronic lymphocytic leukemia20142013
    Ado-trastuzumab emtansineKadcylaHER2; Humanized IgG1, ADCBreast cancer20132013
    Raxibacumab(Pending)B. anthrasis PA; Human IgG1Anthrax infectionNA2012
    PertuzumabPerjetaHER2; Humanized IgG1Breast Cancer20132012
    Brentuximab vedotinAdcetrisCD30; Chimeric IgG1, ADCHodgkin lymphoma, systemic anaplastic large cell lymphoma20122011
    BelimumabBenlystaBLyS; Human IgG1Systemic lupus erythematosus20112011
    IpilimumabYervoyCTLA-4; Human IgG1Metastatic melanoma20112011
    DenosumabProliaRANK-L; Human IgG2Bone Loss20102010
    TocilizumabRoActemra, ActemraIL-6R; Humanized IgG1Rheumatoid arthritis20092010
    OfatumumabArzerraCD20; Human IgG1Chronic lymphocytic leukemia20102009
    CanakinumabIlarisIL-1β; Human IgG1Muckle-Wells syndrome20092009
    GolimumabSimponiTNF; Human IgG1Rheumatoid and psoriatic arthritis, ankylosing spondylitis20092009
    UstekinumabStelaraIL-12/23; Human IgG1Psoriasis20092009
    Certolizumab pegolCimziaTNF; Humanized Fab, pegylatedCrohn disease20092008
    CatumaxomabRemovabEPCAM/CD3;Rat/mouse bispecific mAbMalignant ascites2009#NA
    EculizumabSolirisC5; Humanized IgG2/4Paroxysmal nocturnal hemoglobinuria20072007
    RanibizumabLucentisVEGF; Humanized IgG1 FabMacular degeneration20072006
    PanitumumabVectibixEGFR; Human IgG2Colorectal cancer20072006
    NatalizumabTysabria4 integrin; Humanized IgG4Multiple sclerosis20062004
    BevacizumabAvastinVEGF; Humanized IgG1Colorectal cancer20052004
    CetuximabErbituxEGFR; Chimeric IgG1Colorectal cancer20042004
    EfalizumabRaptivaCD11a; Humanized IgG1Psoriasis2004#2003#
    OmalizumabXolairIgE; Humanized IgG1Asthma20052003
    Tositumomab-I131BexxarCD20; Murine IgG2aNon-Hodgkin lymphomaNA2003#
    Ibritumomab tiuxetanZevalinCD20; Murine IgG1Non-Hodgkin lymphoma20042002
    AdalimumabHumiraTNF; Human IgG1Rheumatoid arthritis20032002
    AlemtuzumabMabCampath, Campath-1H; LemtradaCD52; Humanized IgG1Chronic myeloid leukemia#; multiple sclerosis2013;
    2001#
    2014;
    2001#
    Gemtuzumab
    ozogamicin
    MylotargCD33; Humanized IgG4, ADCAcute myeloid leukemia20182017;
    2000#
    TrastuzumabHerceptinHER2; Humanized IgG1Breast cancer20001998
    InfliximabRemicadeTNF; Chimeric IgG1Crohn disease19991998
    PalivizumabSynagisRSV; Humanized IgG1Prevention of respiratory syncytial virus infection19991998
    BasiliximabSimulectIL-2R; Chimeric IgG1Prevention of kidney transplant rejection19981998
    DaclizumabZenapax; ZinbrytaIL-2R; Humanized IgG1Prevention of kidney transplant rejection; multiple sclerosis2016;
    1999#
    2016;
    1997#
    RituximabMabThera, RituxanCD20; Chimeric IgG1Non-Hodgkin lymphoma19981997
    AbciximabReoproGPIIb/IIIa; Chimeric IgG1 FabPrevention of blood clots in angioplasty1995*1994
    EdrecolomabPanorexEpCAM; Murine IgG2aColorectal cancer1995*#NA
    NebacumabCentoxinEndotoxin; Human IgMGram-negative sepsis1991*#NA
    Muromonab-CD3Orthoclone Okt3CD3; Murine IgG2aReversal of kidney transplant rejection1986*1986#
    2020/05/01現在のリトス
    編集履歴
    2020/05/08 はりきり(Mr)
    2021/10/17,追記(2021/01~09までのリスト状況)
  • 気になる企業 – Catalent Biologicsの特徴は、retrovectorを使うGMEx技術による高生産性 -ID12544 [2020/08/05]

    気になる企業 – Catalent Biologicsの特徴は、retrovectorを使うGMEx技術による高生産性 -ID12544 [2020/08/05]

    Catalent Biologics

    Catalent Biologicsは、バイオ医薬品のCDMOです。

    • 2019年の売り上げは、約2,520億円 source
    • 2022年からBloomington Siteの拡張オープン

    バイオロジクスにおいて、生産株の構築技術に関してretrovectorを用いる先進的な手法に特徴(GPEx)がある。又、コマーシャル品の実績を積んでいる。今流行りの遺伝子治療法を生産株に向けて行うものと考えれば分かりやすい。

    GPEx : <5m, Beacon Clonal Selection, ambr, 2L, 250L, Purification -> 2,000L x2 in Madison, in future commercial

    https://biologics.catalent.com/

    • 5つの大陸
    • 30以上のサイト
    • 10,000 employees (Catalent全体)
    • バイオロジク関連の製造機能の増強
    • 遺伝子治療の製造機能の増強 (2017~)
    • Cell line開発 (GPEx, GPEx BOOST)
    • 2018年に1つのユニットを分割
      • (1)経口デリバリー
      • (2)BiologicsとADC

    Cell Line開発

    • GPEx technology2020
      • GMEx retrovectorにタンパク質遺伝子をパッケージング
      • 選択した動物細胞(mammalian cell)に形質導入
      • mammalian cell
        • CHO, HEK293, PER.C6, CAP
      • Stability demonstrated up to 100 generations, no need for selectable markers (安定性試験は不要)
      • 600 different monoclonal antibodies
      • 80 different recombinant proteins
      • over 7g/L production for standard mAbs
      • 12 commercially approved products
      • 120+ ongoing clinical trials
    • GPEx BOOST
      • CHOZN(R) glutamine synthase (GS) knock-out CHO cell line
      • 10g/L production for standard mAbs
      • for difficult-to-express protein
      • Higher cell density
      • 培養時アンモニア低減

    CatalentのBiologicsサービス

    CatalentののBilogicsサービスの詳細は、リンクhttps://biologics.catalent.com/biologics/から確認できます。興味がある原薬製造に関して、バイオリアクターのスケール等は、以下に情報をまとめました。

    製造の機能

    • Biologics development and manufacturing in Madison, WI(ウィスコンシン州)
      • cGMP: 2 x 2,000L single use bioreactor2020
      • BIoreactor/Scale
        • Sartorius ambr15
        • 2L ~ 10L glass
        • 20L/50L WAVE Single-Use
        • 50-2000L HyClone Single-Use
        • Finesse Controllers
    • in Bloomington,IN
      • cGMP: 2 x 2,500L Stainless Steel Bioreactors
      • Bioreator/Scale
        • 50L single-use stirred
        • 20L – 2,500L stainless-steel
        • Delta V Control System
      • Fill/Finish
        • 液剤 : INOVA isolator
        • 凍結乾燥
        • Prefilled syringe
        • Flexible Filling Line YouTube
    • Fill/Finish services in Brussels (BELGIUM) and Limoges, France (small and dedicate)
    • Fill/Finish & packaging/Labeling (液剤) in Anagni (Italy)
    • SMARTag(TM) conjugation technology in Emeryville, CA (カリフォリニア州)
      • ADC技術 (バイオコンジュゲート技術)
      • Roche(は、非独占的権利を取得)と共同開発
      • 様々な治療法の組み合わせによる次世代分子の創出
    • Biologics analytical network
    • Clinical Supply Service
      • delivery to clinical site

    2022現在、非公開となった。Integrated Development, Analytical and Biomanufacturing Services at Madison, WI: 2020

    https://youtu.be/q3e-RCbVx6g

    2022現在、非公開となった。Process Development 2020

    https://youtu.be/N9jhfVdeQAM

    Integrated Development, Analytical and Biomanufacturing Services at Bloomington, IN: 2020

    製剤の機能

    • 2017年 Cook GroupからCook Pharmicaを買収($750M)2017
      • Headquarterd in Bloomington, IN(インディアナ州), A棟, B棟
      • 750 employees
      • Bloomington facility. (2004~, 875,000ft2)
      • Sterile formulation and fill/finish
        • liquid/lyophilized vials
        • prfilled syringes
        • cartridges
      • cell line engineering
      • bioconjugate development
      • analytical services
      • biomanufacturing
    • 遺伝子治療に注目している

    Syringe filling

    LOCATIONS

    Syringe filling 2020

    Anagni, Italy
    Bloomington, Indiana
    Brussels, Belgium

    関連イベント

    2020/02 Zumutor Biologics Inc.(Headquarter in Cambridge, MA, R&D in Bangalore, India)とのNK細胞活性化抗体の共同開発契約締結 2020

    2019年、遺伝子治療メーカーのParagon Bioservicesに12億ドルを支払いました。

    Catalent to buy Paragon for $1.2B as gene therapy demand grows, 2019/04, Biopharma Dive – より

    https://www.biopharmadive.com/news/catalent-to-buy-paragon-for-12b-as-gene-therapy-demand-grows/552750/?fbclid=IwAR0Xi95csG6wdXAD7nvR-gyuk54BdnVAXitahs1X1-hrGjo8uurzLDJzjoM

    Paragonの買収

    遺伝子治療メーカーのParagon Bioservicesを1.2bドル(記事元:BioPharma Dive)で買収(1,200億円)したと2019/04/15に発表しました。CatalentのCEO, Marc Funkは、以下のように語った。

    遺伝子治療分野を2年間見てきた。今回の買収は妥当である。
    • Paragon Bioservies (2018年度の収益は、1.1億ドル
    • CMO事業
    • rAAVベクター製造
    • 買収額 12億ドル(1,200億円)
    • 2つの製造施設
    • 380人
    • 2020/Q3には、325,000ft2の製造スペースを準備できる
    • EDITDA成長として、今後8~11%を見込む
    記事元のBioPharma DiveのCEOは、”Lonzaは2018/04に300,000ft2の遺伝子治療用医薬品製造工場を解説し、これまでに45を超える顧客のウイルス・ベクターに取り組んできた。ウイルス・ベクター製造は急速に増加している”、と語った。

    関連記事

    遺伝子治療薬関連 – ThermoFisherによるBrammer買収

    Virus VectorのCDMOであるBrammer Bioを17億ドルで買収に合意した。Michel Lagarde, (president of pharma services)は、遺伝子治療開発者は、まだネットワークを構築できていないと語った。Lagardeは、遺伝子治療関連の総支出の65%が、まだアウトソースしてないと語っている。

    大手のバイオ医薬品会社

    Novartis, Roche, Biogenのような大手バイオ医薬品会社は、2018年から遺伝子治療関連の買収を行っており、自前での製造が可能となっている。

    編集履歴

    2020/03/29 はりきり(Mr)
    2020/05/16 追記(大幅な情報を追記、各サービスのビデオがあり初学者には理解が進む)
    2020/08/05 追記(Bloomingtonサイトの拡張とフルサービス開始について)
  • 気になる企業 – Omeros – 頑張るベンチャーの1つの戦略を垣間見る – ID4832 [2020/08/11]

    気になる企業 – Omeros – 頑張るベンチャーの1つの戦略を垣間見る – ID4832 [2020/08/11]

    OMEROS

    バイオ医薬品会社。炎症、凝固障害及び中枢神経系の障害を標的とする孤児の適応症のための小分子及びタンパク質治療薬の発見、開発、商業化に従事する。

    OMEROS, Seattle, WA, US

    投資情報: investing.com、社員250

    2019年の売り上げは、26億円

    Pipeline

    • Omidria (marketed)
      • 1%フェニレフリンおよび0.3%ケトロラック眼内溶液)
      • 用途: 白内障手術または眼内レンズ交換
      • OMIDRIA®は、FDAに承認された術中縮瞳(瞳孔収縮)を防止して瞳孔サイズを維持し、術後眼痛を軽減する、白内障手術または眼内レンズ交換中に使用される薬剤
      • Omidria: 薬価サーチサイト KEGG MEDICUS
    • Narsoplimab; OMS721
      • first-in-class monoclonal antibody complement inhibitor
      • MASP-2 inhibitor, lectin pathway
        • 母体媒介性炎症と内皮損傷を抑制
        • 市場/開発中の競合品とは異なり、感染に対する後天的応答の古典経路である補体経路を阻害しない
        • 自然免疫の他の経路に影響を与えない
      • Phase 3
        • Hematopoietic Stem Cell Transplant-Associated TMA (HSCT-TMA) (Phase 3)
          • 100日製造率を約6灰に改善
          • 補体媒介TMAの予防/阻害としてオーファンドラッグ指定(FDA)
          • HSCT-TMA治療としておーファンドラッグ指定(FDA)
          • 造血幹細胞移植の治療薬としておーファンドラッグ指定(EMA)
        • IgA Nephropathy (IgAN)
        • Atypical Hemolytic Uremic Syndrome (aHUS)
      • Phase 2
        • Lupus Nephritis & Other Renal Diseases
    • OMS405(PPARγ)
      • Phase 2
        • Opioid and Nicotine Addiction
    • OMS527(PDE7 inhibitor)
      • Phase 1
        • Addictions and Compulsive Disorders; Movement Disorders
    • 4 of other

    商用製造は、LONZA

    Lonza to continue narsoplimab manufacture for Omeros – by BioPharma Reporter.com (2019/08)

    narsoplimab

    KEGG result: narsoplimab

    narsoplimab: の解説

    • 種類: モノクローナル抗体 (first-in-class)
    • 治療薬 : 造血幹細胞移植などの血栓性微小血管症 (HSCT-TMA)の治療薬
    • 標的: 補体系のレクチン経路のエフェクター酵素であるマンナン結合レクチン関連セリンプロテアーゼ-2(MASP-2)
    • 解説: レクチン経路は補体の主要な経路の1つであり、主に組織の損傷と微生物感染によって活性化される。
    • 作用: MASP-2の阻害は、感染に対する獲得免疫応答の重要な要素である古典的な補体経路を妨害するようには見えないため、この薬剤は、自然免疫の他の経路のそれぞれの機能をそのまま残しながら、補体媒介性炎症と内皮損傷を抑制する。

  • [Bio-Edu] 抗体医薬の脱アミド化を抑制するためのアミノ酸添加剤に関する特許出願 (アクテムラ)- 高濃度抗体含有溶液製剤, 2012 – ID3138 [2021/06/06]

    [Bio-Edu] 抗体医薬の脱アミド化を抑制するためのアミノ酸添加剤に関する特許出願 (アクテムラ)- 高濃度抗体含有溶液製剤, 2012 – ID3138 [2021/06/06]

    脱アミド化を予防する製剤組成

    抗IL-6受容体抗体に対して、50mM以上のアルギニン、メチオニンを含む溶液、更にヒスチジンを含む溶液により二量体化、脱アミド化を抑制する。

    • アルギニン (arginine)
    • メチオニン (methionine)
    • ヒスチジン (histidine)

    高濃度抗体含有溶液製剤に関する特許出願

    クレーム1(請求項1)が最も重要なので、以下に解説する。

    アルギニン及びメチオニンを含有するとあるので、両方の含有が特許範囲である。さらに、クレーム2では、ついてきにヒスチジンを含有することとありので、アルギニン、メチオニン、ヒスチジンを含有することが特許範囲である。

    【特許請求の範囲】【請求項1】

     アルギニン及びメチオニンを含有することを特徴とする、安定な抗体含有溶液製剤。
    【請求項2】

     さらにヒスチジン緩衝剤を含む、請求項1に記載の溶液製剤。

    タイトル:特許公報(B2)_高濃度抗体含有溶液製剤
    出願番号:2009548102
    年次:2012
    IPC分類:A61K 39/395,A61K 9/08,A61K 47/18,A61P 43/00

    特許広報(B2)となっていることから、特許が権利かされている。優先権主張日は、2007/12/27となっている。ただし、その他の特許にあるように、5年の特許期間の延長がアクテムラに対して認められている(H29から5年の2022年まで)。

    日本の特許検索サイト – J-Platpat

    https://www.j-platpat.inpit.go.jp

    脱アミド化は、アスパラギンがあると起こりやすいため、抗体の結合ドメインであるCDRにアスパラギンがあると、活性低下のリスクが高まる。ある発明では、アスパラギンをリジンに置き換える方法(抗体安定化方法, 2006)も開発されている。

    編集履歴

    2019/11/12, Mr. Harikir
    2021/06/06, 内容整備(アクテムラが対象であること)