タグ: education

  • [Bio-Edu] 細菌・ウイルスをフィルターろ過で除去する[2020/05/25]

    [Bio-Edu] 細菌・ウイルスをフィルターろ過で除去する[2020/05/25]

    はじめに

    バイオ医薬品の製造において、製品段階では細菌が含まれないことを保証する必要があります。

    ウイルスにおいても、どれくらいの確率で含まれないかを証明する根拠となる予備データと、その確率を保証できる条件でろ過したことを保証する必要があります。

    ウイルスに関しては、少々コストを要することになります

    細菌のろ過による除去

    バイオ医薬品は蛋白質です。細菌との大きさの違いを利用して、フィルターによるろ過により細菌をフィルターに捕捉して除去します。

    • 細菌を除去する工程の実施
    • 細菌が含まれないことを示すテストの実施

    細菌をタンパク液から除去するには、0.22μmのフィルターを使用します。

    • 大きい
    • 細菌(5μm)
    • フィルターろ過 (サイズ: 0.22μm)
    • タンパク質 (~10nm)
    • 小さい

    ウイルスのろ過による除去

    ウイルスの除去については、細菌の除去のようには、簡単ではありません。理論的には、ウイルスは1個であれば感染すると考えられます。ウイルスの測定も簡単ではありません。ウイルス除去は、ウイルス・クリアランス試験という項目があり、詳しい説明はそちらに任せます。

    簡単な説明は、以下の通りです。

    バイオ医薬品の世界では、ウイルス除去フィルターが市販されています。公称としては、20nm, 30nmなどの孔径(ポアサイズ)がありますが、バッファー条件、温度、ろ過速度なでど、ウイルスの運動・形状などか変化するため、除去効率は変化してしまいます。

    • 大きい
    • 細菌(5μm)
    • フィルターろ過 (サイズ: 0.22μm)
    • ウイルス (20nm~100nm)
    • ウイルス除去フィルター(20nm, 30nm, etc)
    • タンパク質 (~10nm)
    • 小さい

    まとめ

    細菌もウイルスもろ過による除去方法は、基本的にその大きさを利用しています。ただし、ウイルスの場合は、その大きさが、細菌と比べて相当小さく、タンパク質に近いため、サイズによる分別除去は簡単ではありません。ウイルスを除去するためには、フィルターのポアサイズを厳密にコントロールできる高度な製造方法を要するためです。

    バイオロジクスにおけるウイルスの除去に関しては、ウイルス・クリアランス試験という項目が設定されています。ちらもご参照ください。

    編集履歴

    2020/03/07 はりきり(Mr)
    2020/05/25 追記(ウイルス濾過)

    以上

    関連記事

    ウイルスクリアランス

    BIOLOGICS

    [Bio-Edu] バイオ医薬品におけるウイルス・クリアランス試験 – モニターウイルス – 除去率 – [2020/08/23]

    [Bio-Edu] バイオ医薬品におけるウイルス・クリアランス試験 – モニターウイルス – 除去率 – [2020/08/23] はコメントを受け付けていません
    Post Views: 374 はじめに Biologics (生物製剤)では、混入する可能性のあるウイルスについてリダクション能力を評価していることが必要であり、商用製品では、製造工程のウイルス・クリアランス試験が必須…
    BIOLOGICS

    [Bio-Edu] 細菌・ウイルスをフィルターろ過で除去する[2020/05/25]

    [Bio-Edu] 細菌・ウイルスをフィルターろ過で除去する[2020/05/25] はコメントを受け付けていません
    Post Views: 491 はじめに バイオ医薬品の製造において、製品段階では細菌が含まれないことを保証する必要があります。 ウイルスにおいても、どれくらいの確率で含まれないかを証明する根拠となる予備データと、その確…
  • [Bio-Edu] 細胞・細菌・ファージ・マイコプラズマ・ウイルスの大きさ — ID11542 [2020/05/23]

    [Bio-Edu] 細胞・細菌・ファージ・マイコプラズマ・ウイルスの大きさ — ID11542 [2020/05/23]

    ID11542

    はじめに

    バイオロジクス研究を志す者として、必要となる関連知識は沢山あり、且つ学際的です。色んな事柄を知っておく事は、とにかく重要です。

    今回は、バイオロジクスの遺伝子組換えのホスト細胞としてよく使われる動物細胞を基準に、疾病の原因であるウイルスやホスト細胞としても良く使われる大腸菌などの大きさを確認しておきましょう。

    生物ごとの大きさ(1)

    細胞、細菌、ウイルス、ファージの大きさは、一言で以下の通りです。

    単位

    3桁毎の単位として、m(ミリ)の1/1,000はμ(マイクロ)、μの1/1,000はn (ナノ)です。m(メーター)の1/1,000を表すのにmm(ミリメーター)とします。以下、μとnを使って、それぞれからの1/1,000を表します。


    1mm = 1,000μm = 1,000,000 nm

    大きい > 細胞 > 細菌 > ファージ > ウイルス > 小さい


    病原体:ウイルスと細菌と真菌(カビ)の違い — 大幸薬品

    https://www.seirogan.co.jp/fun/infection-control/infection/dengerous_pathogen.html

    生物ごとの大きさ(2)

    実は、これら以外に、真菌、マイコプラズマ、リケッチア、ファージも役者として追加してみます。

    真菌の形は、球菌 (球状)、 桿菌 (棒状)、らせん菌 (らせん)などと色々あるため、大きさを定めのは難しいですが、細胞あたりの大きさに設定しました。

    • 大きい
    • 細胞(10μm) | 真菌
    • 細菌(5μm)
    • ファージ(0.025μm ~ 0.2μm)
    • マイコプラズマ(0.2μm ~ 0.8μm)
    • リケッチア (0.1μm ~ 2μm)
    • ウイルス(0.02μm (20nm) ~ 0.1μm)
    • 小さい

    大きい > 細胞 | 真菌 > 細菌 > ファージ > マイコプラズマ > リケッチア > ウイルス > 小さい

    以上、ウイルスと細菌の大きさの違い – 秋田大学 大学院医学系研究科・医学部 – より

    http://www.med.akita-u.ac.jp/~doubutu/kansensho/virus17/virus2-2.html

    リケッチアを含む「微生物」の大きさ

    臨床微生物学基礎編 より

    http://www.kankyokansen.org/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/publication/edu_03_pdf/uid000001_332D325F32332E706466

    3 マイコプラズマの検出と除去・予防 – より

    最小の自由生活・自己複製微生物、大きさ: 0.2μm~0.8μm、細胞質を持たない単純な原核細胞、180種類以上が確認されている

    http://www.lonzabio.jp/pdf/mycoplasma.pdf

    微生物の特徴

    実利増殖遺伝子核膜細胞壁
    ウイルスDNA or RNA
    細菌DNA有(まれに無)
    真菌DNA
    原虫DNA

    目でみる真菌症シリーズ2

    http://www.pf.chiba-u.ac.jp/medemiru/me02.html

    細菌を包んでいる膜

    • グラム陽性菌 (菌の内側から)
      • 分厚い「細胞膜」: リポタイコ酸、タイコ酸
      • 薄い「細胞膜」 : 二重膜
    • グラム陰性菌 (菌の内側から)
      • 薄い「外膜」 : 二重膜(ポーリン孔、リポ多糖)
      • 薄くて弱い「細胞壁」: ペリプラスム空間
      • 薄い「細胞膜」: 二重膜

    大腸菌

    実験者の間では、E.coli(いーコリー)と言ったりもします。

    遺伝子組換えに使用される大腸菌は、グラム陰性菌です。組換え産生タンパク質は、ペリプラスム空間に溜まる場合は、比較的、立体構造を保っている場合があります。

    臨床微生物学基礎編

    http://www.kankyokansen.org/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/publication/edu_03_pdf/uid000001_332D325F32332E706466

    臨床微生物学基礎編

    https://www.med.kindai.ac.jp/transfusion/ketsuekigakuwomanabou-252.pdf

    まとめ

    生物は細胞で作られています。細胞は一つの生命活動の単位です。その細胞内に似ているものの生物としてヒトや動物を形作らい面々がいます。一般的に病原体と呼ばれています。

    これらは、細胞に似ているから病原体になるのかもしれません。

    この解説では、以上のような背景を踏まえて、それぞれの大きさいを比較しました。

    以上

    編集履歴

    2020/03/07 はりきり(Mr)
    2020/05/06 追記 (生物ごとの大きさ(2))
    2020/05/09 文言整備
    2020/05/23 追記 (真菌、大腸菌)
    2021/10/31 追記 (単位の説明を修正)
  • 満を持して新世代PCR装置発売、コロナウイルスを15分で測定 – ジーンソック (GeneSoC) – キョーリン製薬 (PCR原理を含めたまとめ) – △ID10926

    満を持して新世代PCR装置発売、コロナウイルスを15分で測定 – ジーンソック (GeneSoC) – キョーリン製薬 (PCR原理を含めたまとめ) – △ID10926

    GeneSoC

    GeneSoc

    遺伝子検査定量装置 GeneSocは、キョーリン製薬が販売する。

    • 原理はリアルタイムPCR法による目的遺伝子の増幅
    • マイクロ流路型サーマルサイクルによる増幅反応サイクルの短時間化に成功
    • 測定時間は、最短5分(~15分)
    • 3波調の蛍光で検出
    • 右側にある4代の検出ユニット構成により最大4検体同時測定

    PCRの手順

    • 検体の前処理
      • 血液からウイルスのDNAを抽出。ウイルスがRNAウイルスの場合RNAを抽出 (手作業)
      • RNAの場合、逆転写酵素というもので、DNAに変換
      • DNA増幅用の酵素(耐熱性)を添加して測定用サンプルとする
    • DNAの増幅(ジーンソック、その他RPC装置)
      • 2重螺旋となっているDNAを1本ずつに解く反応 (denature: 95℃)
      • 目的ウイルスの配列に相補する配列断片(primer)をウイルスDNAに結合させる反応 (annealing: 60℃)
      • primerを足がかりにウイルスDNAの複製化する反応(extension: 75℃)
      • denatureに戻る
      • 以上のサイクルを数十回と重ねてDNAを複製する
    • 最大限増幅されたDNAを定量する

    リアルタイムPCRの原理

    改良されたリアルタイムPCRは、最終産物としてDNAを定量するのではなく、DNA増幅の1つ1つの過程でリアルタイムに増幅されたDNA量を測定するものである。

    人工的にDNAを合成するために添加している原料に蛍光標識してあり、DNA合成に使用された際に蛍光を発するように設計されている。

    最終産物としてのDNAの測定工程が必要でない分、判定結果までの時間が短縮化される。加えて、増幅率としてその傾きがある程度安定した時点で、早期の予測値も可能である。

    今回のGeneSocでは、PCR反応そのものを短時間化した装置となっている。装置が達成する高速化の理由を考察する。

    高速化できた理由

    PCR反応は、denature (例えば95℃), anneal (例えば60℃)及びextension (75℃)にの3つの反応工程で構成されている。すなわち、単純に温度と維持時間の設定をシーケンシャルに変換させていくのみである。

    GeneSocでのマイクロ流路型サーマルサイクルとは、何か。

    因みに、「サーマルサイクル」とは、上記の温度で言えば、95℃→60℃→75℃を1サイクル又は複数サイクルを意味する。

    おそらく、従来より小さな反応空間として少ない反応液量で済む「マイクロ流路」というものを開発したと考えられる。瞬時の温度調節が可能になり、反応温度設定にかかる時間の短縮化も可能となる。

    具体的に検証してみる。

    サーマルサイクルとして一般的な回数30サイクル、GeneSocが謳う15分で測定が完了すると過程する。

    1サイクルは、0.5分となる。各温度調節工程であるdenature, annealing及び extensionに10秒ずつかかる計算となる。

    測定時間が5分のケースでは、1/3の時間になるので、各温度調節工程にかかる時間は3秒ずつとなる。

    参考文献

    PCRを始めませんか、長崎大学医学部附属動物実験施設、大沢一貴さん

    http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/lac/PCR.html

  • [ゲノム編集] デュアルAAVデリバリーシステムによるマウスのデュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療研究 (CRISPR-Cas9を補助する) – ID9877 [2020/08/22]

    [ゲノム編集] デュアルAAVデリバリーシステムによるマウスのデュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療研究 (CRISPR-Cas9を補助する) – ID9877 [2020/08/22]

    はじめに

    ゲノム編集には、ウイルスベクターが必要です。小型の動物実験には、Labレベルのウイルスベクターの製造能力でも対応が可能ですが、ヒトへの臨床応用には、一般の実験室規模では対応が難しくなります。

    新しいモダリティであるウイルスベクターにも参入障壁となっています。研究者たちは、色々と試行錯誤して少ないウイルスベクターでも効率的なゲノム編集が可能な方法を模索しています。

    概要

    デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)は、ジストロフィン遺伝子(DMD)に変異を持つ。これまでは、CRISPR-Cas9を介した「シングルカット」ゲノム編集を行い、DMD動物モデルの多様な遺伝子変異を修正してきた。

    効率的にin vivoゲノム編集を行うには高用量のアデノ随伴ウイルス(AAV)が必要であるため、臨床に応用するには課題となっています。

    この研究では、従来のAAV vectorに、補完するAAV vectorを用意してデュアルAAVシステムとしてデザインされています。

    DMDマウスモデルでの検討

    • Cas9ヌクレアーゼを一本鎖AAV(ssAAV)にパッケージ
    • CRISPRシングルガイドRNAを自己相補的AAV(scAAV)にパッケージ

    効率的なゲノム編集に必要なscAAVの用量は、ssAAVの場合よりも少なくとも20倍低かった。治療を受けたマウスは、ジストロフィン発現の回復と筋肉収縮性の改善を示した。これらの調査結果は、scAAVシステムを使用することで、CRISPR-Cas9を介したゲノム編集の効率を大幅に改善できることを示した。

    Enhanced CRISPR-Cas9 correction of Duchenne muscular dystrophy in mice by a self-complementary AAV delivery system, 2020 – Science Advances –

    https://advances.sciencemag.org/content/6/8/eaay6812.full

    参考

    デュジェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の病態とビルテプソ®︎の作用機序 – 日本新薬 –

    (1)5歳ごろに運動能力のピークを迎え、10最ごろに歩行困難となる。
    (2)嚥下障害、排痰困難、消化管障害、呼吸筋や心筋障害と進み、呼吸不全、心不全で死に至る
    (3)ジストロフィン遺伝子は、79個のエクソンを有する。スプライシングにより、mRNAは14kbと小さくなる。
    (4)翻訳されたジストロフィン蛋白質のアミノ酸数は、3,685個、分子量は、427kDaと巨大分子である
    (5)ジストロフィンは、細胞室内のアクチンと結合し、細胞膜の糖タンパク質(αジストログリカン; αDG)とジストロフィン-ジストロフィン関連糖タンパク質複合体を形成し、ラミニンα2を通じて細胞外マトリックスの基底膜と連結している。すなわち、ジストロフィンは、基底膜と筋細胞の細胞骨格を固定し、筋細胞同士を固く構造を維持するしている
    (6)ジストロフィン-ジストロフィン関連糖タンパク質複合体の両端の構造は筋細胞の構造維持には必須である

    (7)発症機序 : ジストロフィンの欠損により筋細胞構造が脆弱であるため、筋細胞構造の破壊と再生が繰り返す結果、患部は瘢痕化(脂肪化、線維化)する事で、筋細胞の再生がされにくくなっていく
    (8)ジストロフィン遺伝子内にエクソンの欠失があり、その結果、塩基数が3の倍数でなくなる時、mRNAがアミノ酸へ翻訳できなくなるアウト・オブ・フレームが生じ、翻訳されるジストロフィンタンパク質は、縮小されるか欠損する
    (9)ビルテプソ®︎は、ジストロフィン遺伝子のエクソン53を標的とするアンチセンス核酸医薬品で、エクソン53に結合してスプライシング時にエクソン53をスキップさせるてアウト・オブ・フレームをさせなくする

    https://www.nippon-shinyaku.co.jp/viltepso/pathological/

    デュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne muscular dystrophy:DMD)- JMDA ; 日本筋ジストロフィー協会

    (1)X連鎖(性染色体のジストロフィン遺伝子の変異)の劣性遺伝であるため患者は男児に多い
    (2)健常人では、筋細胞の細胞膜の構成成分の1つであるβジストログリカン(β-DG)の細胞質側に細長い縄状のジストロフィン蛋白質が結合している。ジストロフインの先端はアクチンフィラメント結合している。DMDでは、ジストロフィン蛋白質を欠損している
    (3)突然変異での発症もある(1/3)
    (4)稀に鎖染色体と常染色体の相互転座、Turner症候群があると女児にも発症
    (5)女性で遺伝子の異常を持っている場合、稀にクレアチンキナーゼ(creatine kinase; CK)が高く、軽い筋力の低下がある
    (6)DMDの発症率は、3,300人あたり1人、10万人あたり3-5人
    (7)3~5歳頃から、転びやすく走れないなどの運動能力の低下が見られる
    (8)治療は、ステロイド治療、予防はリハビリが有効
    (9)AAVを使ったシストロフィン遺伝子治療への期待

    https://www.jmda.or.jp/mddictsm/mddictsm2/mddictsm2-1/mddictsm2-1-1/
    編集履歴
    2020/02/20 はりきり(Mr)
    2020/08/22 追記(アンチセンス医薬品(日本新薬)、日本筋ジストロフィー協会)
    2021/10/31,記載整備
  • [rAAV-Material] AAVpro® Helper Free System – ID9843 [2020/02/19]

    [rAAV-Material] AAVpro® Helper Free System – ID9843 [2020/02/19]

    研究用試薬である。生じたいかなる損害に対して責任を負わない。ライセンス締結は、治験開始前、上市前に締結。

    AAVpro® Helper Free System – TAKARA BIO –

    http://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100007791
  • [Bio-Edu] インスリン: Insulinの製法 – ID9405

    [Bio-Edu] インスリン: Insulinの製法 – ID9405

    インスリン

    http://www.madehow.com/Volume-7/Insulin.html

    insulinは、preproinsulinから酵素による分解を受けてproinsulinとなり、更にある酵素により22個のアミノ酸(A鎖)と30個のアミノ酸(B鎖)に分解され、2本の鎖がSS結合してinsulin (5,807Da)となり完成する。

    • preproinsulin →
    • proinsulin →
    • insulin (2本鎖)

    生産

    遺伝子組換えによる製造において、製造メーカーにもよるが、以前は、proinsulinを遺伝子組み換えで製造し、別途製造した酵素によりproinsulinを切断してinsulinにする方法が使われていたようで、最近は、A鎖とB鎖を別々に組換え大腸菌で製造し、それぞれを混ぜてco-refoldingすることでfoldしたinsulinを得ているものもあるようです。この条件の詳細についても製造メーカーの技術の見せ所であり、当然、バリエーションが存在しているでしょう。このバリエーションが研究者・技術者の腕の見せ所ですね。

    その他、酵母による分泌系・培養→精製・活性化の手順も使い得るでしょうが、酵母の場合、酵母由来の糖鎖の付加の問題が厄介なので、シンプルに大腸菌で生産するのが戦略的には間違いないと考えられます。

    編集履歴

    2020/02/14 Mr.HARIKIRI
    2021/10/23,文言整備

  • [Bio-Edu] 各種RNAの生物学的な作用点のマップ – by Qiagen – ID9331 [2020/02/13]

    [Bio-Edu] 各種RNAの生物学的な作用点のマップ – by Qiagen – ID9331 [2020/02/13]

    各種RNAの作用

    以下、Qiagenのサイトには、細胞内における各種RNAの作用点に関する図があり、参考になります。

    • Ribonuclease P (RNase P)の細胞内位置
    • Exosomal RNAの挙動
    • Circulating cell-free RNA (ccfRNA)の位置
    • microRNA (miRNA)の位置
    • messenger RNA (mRNA)の位置
    • long non-coding RNA (lncRNA)の位置
    • Small nuclear RNA (snRNA)の位置
    • Pri-mi RNAの位置
    • Y RNAの位置
    • Telomerase RNAの位置

    参考

    Explore the RNA Universe !

    https://www.qiagen.com/us/resources/download.aspx?id=2d28d429-6672-4965-8ee7-32000c65dd45&lang=en

    編修理歴

    2020/02/13, Mr.HARIKIRI
    2021/10/23,文言整備

  • [Bio-Edu] Drug development lifecycle 医薬品の開発ステージ毎の – コスト、期間、次期移行確率 by Lonza – ID8649 [2020/02/05]

    [Bio-Edu] Drug development lifecycle 医薬品の開発ステージ毎の – コスト、期間、次期移行確率 by Lonza – ID8649 [2020/02/05]

    医薬品の開発

    かかるコストについては、プログラム(研究テーマ)当たりで算出した。以下では、その項目以外特に、期間について紹介する

    • 種探しからターゲットまで
      • 1テーマ当たり、28億円
      • 4.5年
    • Pre-Clinica段階
      • 12億円
      • 1.0年
    • Phase I
      • 31億円
      • 1.5年
    • Phase II
      • 69億円
      • 2.5年
    • Phase III
      • 196億円
      • 2.5年
    • Submission (to BLS)
      • 43億円
      • 1.5年

    Survive the Valley of Death and De-risk Your Pipeline, Lonza –

    https://www.lonza.com/custom-manufacturing/development-technologies/protein-and-vaccine-development-services/developability-services/about-developability-assessment.aspx
  • [Bio-rAAV] AAVカプシド蛋白質VP1のpH依存的な構造変化 – エンドソーム脱出につながっているのか – ID8476 [2020/02/02]

    [Bio-rAAV] AAVカプシド蛋白質VP1のpH依存的な構造変化 – エンドソーム脱出につながっているのか – ID8476 [2020/02/02]

    VP1の機能

    カプシド蛋白質VP1の領域のうち、pH酸性(4-6)により内部にある部分が表出する、とのこと。

    要約 (Goolge翻訳より)

    感染に不可欠なカプシドの領域を特定するために、構造解析(X線結晶構造解析と低温EM)と変異原性および生化学的解析を組み合わせました。 これは、新しいベクター生産戦略の開発と標的ベクターの約束を可能にする重要な情報につながりました。 X線結晶構造解析を使用して、キャプシドが酸性pHにさらされたときに構造変化を受けるAAVカプシドの領域を特定し、円二色性(CD)を使用して、マイナーカプシドウイルスタンパク質VP1(VP1u)のユニークな領域を示しました。

    ホスホリパーゼA2(PLA2)機能を含む、同様の条件下で展開されます。

    これらのpH(pH 4〜6)は、生産的なAAV感染に不可欠であることが示されており、キャプシドが細胞侵入および輸送中にエンドソーム区画で遭遇するものに匹敵します。

    私たちの研究は、2つの予想外の新しい発見をもたらしました。

    1つ目は、カプシドが未知の酵素活性を持っていることです。つまり、カプシドと外部基質の自己分解的切断を触媒できるpH感受性プロテアーゼです。 プロテアーゼ活性のメカニズムとその機能の両方は不明であり、他のウイルスがコードするプロテアーゼと比較してユニークであるように見えます。

    2つ目は、キャプシドのpH感受性領域の変異は、ウイルスDNAが核でコーティング解除された後でも遺伝子発現に大きな影響を与えることであり、核でのDNAコーティング解除後にキャプシドが遺伝子発現に役割を果たすことを示唆しています。

    さらに、CDの研究は、通常キャプシド内部に埋もれているが、エンドソームの酸性コンパートメントを介して人身売買中に押し出されるVP1uの外部化のメカニズムを示唆しました。 この提案では、(1)プロテアーゼの活性部位とその切断ターゲットを特定することにより、(2)核の脱コーティング後の遺伝子発現におけるpH感受性キャプシド領域の役割を決定することにより、これらの新しい発見を探索したいと考えています。 (3)カプシド内の他の酵素活性であるVP1u関連PLA2に対するpHと陽イオンの影響を調べる。

    エンドサイトーシスで細胞内に入ったAAVは、エンドソーム内で、中性pHからpH5へpHが低下して行くなか、VP1の構造変化が起きること、さらに酵素活性を持っていること。このことは、エンドソームからの脱出の可能性を示唆しています。

    The role of pH and protease activity in AAV viral transduction 

    http://grantome.com/grant/NIH/R01-GM109524-01

    エンドソーム脱出モデル

    ドラッグでリバーリーとしてのナノキャリアが、エンドドームから脱出するモデルなどをまとめた論文

    Carriers Break Barriers in Drug Delivery: Endocytosis and Endosomal Escape of Gene Delivery Vectors, 2019

    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6639780/#!po=10.2941