カテゴリー: BIOLOGICS

  • [GT] 現在の遺伝子治療の技術は目標半ば – その先の遺伝子治療技術 – ID1108 [2019/07/25]

    [GT] 現在の遺伝子治療の技術は目標半ば – その先の遺伝子治療技術 – ID1108 [2019/07/25]

    ID1108

    遺伝子治療

    1. 遺伝子導入による治療

    正常な遺伝子をある細胞に補充して、正常な遺伝子によるタンパク質を体内で作らせることによる半永久的な治療法

    2. RNA編集による治療

    ゲノムから翻訳されたRNA段階での異常遺伝子を正常遺伝子に、そのRNAの寿命の期間一時的に正常にする治療法

    3. ゲノム編集による治療

    異常遺伝子を正常遺伝子に修正することで、これまでは異常な遺伝子による以上なタンパク質が作られていたものを正常な遺伝子による正常なタンパク質を作らせる治療法

    表1. 遺伝子治療技術の比較
    治療期待課題
    遺伝子治療安全性が高まってきた異常遺伝子は残る。正常遺伝子が組み込まれてる位置は制御できず、がん化の可能性がある。導入遺伝子の発現調節は困難。
    RNA編集
    ゲノム編集安全な位置への遺伝子導入が可能。異常遺伝子の機能消失が可能。プロモーターなどによる遺伝子の発現調節が可能
     
    目的外の編集の可能性。騒動組換えの効率が低く、細胞選別が

    参考文献

    http://www.nihs.go.jp/mtgt/section-1/related%20materials/201606.pdf

  • [Bio-Edu] rAAV vectorの製造・品質に関するリフレクションペーパー – [2019/07/21]

    [Bio-Edu] rAAV vectorの製造・品質に関するリフレクションペーパー – [2019/07/21]

    ID1065

    リフレクションペーパー

    リフレクションペーパーとは、その後成熟してガイドラインとなる。

    日本のpmdaは、遺伝子治療用製品についてのリフレクションペーパー(総19ページ)を発行した。

    参考となる欧米ガイドライン

    Guideline on the quality, non-clinical and clinical aspects of gene therapy medicinal products – 22 March 2018 EMA/CAT/80183/2014 – EUROPEAN MEDICINES AGENCY –

    1. Draft at April 2014
    2. Adoption by CAT at February 2018
    3. Adoption by CHMP at March 2018

    https://www.ema.europa.eu/en/documents/scientific-guideline/guideline-quality-non-clinical-clinical-aspects-gene-therapy-medicinal-products_en.pdf

    EMA, 2011, 遺伝子治療用製品の設計変更

    FDA, 2018, 遺伝子治療用製品の製法変更を含めた考え方をしめしたが、基本的にはバイオ医薬品のICH Q5Eに沿った同等性評価を求めている。

    • ベクターゲノムのIntegryty
    • ベクターの翻訳後修飾
    • 安全性評価: 感染細胞での持続発現性
    • カルタヘナ対応

    ispe.gr.jp – EMAからの最新のガイドライン

    https://www.ispe.gr.jp/ISPE/05_fda_issue/05_08.htm

    Cellular & Gene Therapy Guidances

    関連のガイダンスが1998年から最新の2020までが収録されている

    1. Vectorに関して3件
    2. 製造関連で2件
    3. Human Cellに関して3件
    4. その他

    https://www.fda.gov/vaccines-blood-biologics/biologics-guidances/cellular-gene-therapy-guidances

    編集履歴

    2019/07/21, Mr. Harikiri

  • [Edu] AAVウイルス感染のメカニズム – ID1039 [2019/07/20]

    [Edu] AAVウイルス感染のメカニズム – ID1039 [2019/07/20]

    AAVおよびAAVベクターの特徴

    • AAV(アデノ随伴ウィルス)はパルボウイルス科(Parvoviridae)のデペナドウイルス属(Dependovirus)
    • 直径20nm直径
    • 32個のカプソメアからなる正20面体の粒子構造
    • エンベロープを持たない1本鎖DNAウイルス
    • AAVベクター*1は,染色体への組込みは稀
    • 非分裂の細胞にも効率に感染可能
    • 重複感染が可能
    • ヒトやサルから100以上のAAV型が発見
    • ヒト成人の85%でAAVに対する抗体を有する
    • ヒトへの病原性は証明されていない.
    • AAVはアデノウイルスとの間でDNA塩基配列の類似性はない.
    • 自立で増殖できない
    • アデノウイルスをヘルパーととして,共感染状態で増殖できる
    • 変異原物質存在下で宿主細胞が同調分裂を行う条件下では自立増殖できる.
    *1 : 人工的にAAVウイルスの殻を作り、そこに目的遺伝子と機能性遺伝子を封入した人工のAAV(recombinant AAVともいう)

    感染の順序

    1. 宿主細胞の表面にあるレセプターにウイルスが吸着
    2. 細胞内への侵入
    3. (上記1、2の説明)細胞との接触
      • 融合型
        ウイルス・エンベロープが宿主細胞膜と融合し、粒子内部のヌクレオカプシドが細胞質内に送り込まれる膜融合タイプ(エンベロープを持 つウイルス)
      • 貪食型
        宿主細胞の飲食作用(エンベロープを持たないウ イルス)
      • バクテリオファージ型
        吸着したウイルス粒子の尾部にある管を通しての移動
      • カプシドごと細胞内に侵入
    4. カプシドが分解
    5. 核酸が宿主細胞質に遊離
    6. 核酸の複製とウイ ルス・タンパク質の合成は、基本的には別々に行われる
    7. カプソメアが核酸を包み込みカプシドを形成し、ヌクレオカプシドが作られる
    8. 出芽や宿主細胞が死ぬことにより、宿主細胞外に放出

    Refference : https://www.chem-agilent.com/stratagene/strategies/pdfs/19.3/Strategies%20Vol.2%20No.3_p8.pdf

    編集履歴

    2019/07/20, Mr. Harikiri

  • [Bio-Edu] AAV2の感染に関わるレセプターは何か? – ID18442 [2019/07/20]

    [Bio-Edu] AAV2の感染に関わるレセプターは何か? – ID18442 [2019/07/20]

    レセプターを考えるとき

    生体内の物資が、特定の組織に収束するのは、受容体(receptor)を介している。例えば、生体内でホルモンが分泌された時、血流に乗って全身に運ばれる。次に、必要な組織に到達するするのは、そのホルモンと結合親和性の有るreceptorが、その組織にあって、それに結合するためである。その結合の初期段階については、以下の様式を念頭に置いて置かなければならない。

    • 電荷的(正負のイオン的結合)
    • 構造的(パズルのマッチング)
    • 疎水的(疎水性が高いもの同士は収束する)

    AAV2のレセプター

    感染に関わるレセプターは、AAVの血清型によって異なるが、AAV2は、ヘパリンはよく知られており、そのHeparin分子について、AAV2の結合性を検討してしている2)、この文献によれば、Heparinの分子の長さによって親和性が異なるとのこと。

    個人的なコメントをすると、Heparinは、正電荷であるため、不電荷とはイオン的に結合が可能であり親和性を持つことが可能である。AAV2の表面に負電荷を持つ領域があるものと理解できるし、その分子の長さとその電荷の状態でAffinityは異なるものと思われる。

    編集履歴
    2019/07/20 はりきり(Mr)
    2020/05/31 文言整備、追加(レセプターを考えるとき、まとめ)
    Ref : 2) Characterization of Interactions between Heparin/Glycosaminoglycan and Adeno-associated Virus

    AAV2の必須な受容体の特定

    AAVは,ほとんどの細胞に高効率に感染することから,遺伝子治療用のベターに多用されている.参考文献3)によれば,感染細胞として、一倍体細胞を用いて遺伝子を1つずつノックアウトし,AAV2が感染するか否かを繰り返しAAV受容体を特定した後,ノックアウト動物で最終確認している.

    • Ig-likeドメイン (PKD: polycystin Kidony disease)の5回貫通する細胞外ドメインが受容体である
    • N末のIgドメインの2つがAAVと結合する
    • このIgドメインは,KIAA0319L遺伝子であり,小胞体輸送に関わる分子と結合し,ゴルジ体と細胞表面を行き来する.
    PKD : βシートが3枚と4枚で構成された構造

    基本的知識

    感染力(細胞内に入り込む能力)が有るrAAVを作る為には、天然AAVにコードされているrep/cap遺伝子が必要で有る。

    rep遺伝子

    Repタンパク質を発現する遺伝子.AAVの製造に必要である.

    cap遺伝子

    Capタンパク質を発現する遺伝子.AAV粒子を構成する3つのVP1, VP2及びVP3をコードしている.これらのカプシドタンパク質質により,正20面体の立体的構造を作り,その中にAAVの遺伝子が包含される.

    感染フロー

    StepProcessMemo
    1AAVの細胞への付着attachment, この付着する機序が2016年まで不明だった
      
    2エンドサイトーシスendocytosis
      
    3エンドソームによる輸送trafficking
      
    4エンドソーム又は,リソソームからの脱出escape
      
    5核への転移translocation
      
    6rep遺伝子の発現expression
      
    7ゲノム複製replication
      
    8cap遺伝子の発現,及び子孫ssDNAを含むAAV粒子を合成expression
      
    9子孫AAVの完成assembly
      
    10感染宿主細胞からの脱出release

    まとめ

    今回は、AAV2について、そのレセプターに関する参考文献を紹介した。

    良く知られたAAVの血清型としては、AAV1~AAV10程度が知られている。血清型によって、レセプターは異なるようである。なぜなら、感染ターゲットとなる細胞種が、血清型で異なることから、そのように推察されている。

    参考文献

    1)

    基礎知識 –
    Adeno-associated virus

    https://en.wikipedia.org/wiki/Adeno-associated_virus

    2)

    AAV2とHeparinの親和性について –
    Characterization of Interactions between Heparin/Glycosaminoglycan and Adeno-associated Virus – Biochemistry, 2013 –

    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3859860/#!po=2.00000

    3)

    AAV2のレセプターついて –
    An essential receptor for adeno-associated virus infection – Nature, 2016 –

    https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3859860/#!po=2.00000

    編集履歴

    2019/07/20, Mr. Harikiri

  • [Bio-Edu] Bio Safety Levelとは – 遺伝子組換え実験と輸送など – カルタヘナ法に関わる – ID144 [2020/10/28]

    [Bio-Edu] Bio Safety Levelとは – 遺伝子組換え実験と輸送など – カルタヘナ法に関わる – ID144 [2020/10/28]

    Bio Safety Level

    Bio Safety Level (BSL)とは、細菌やウイルスの取り扱いについて、その病気を引き起こすリスクに応じてグループ(1~4)分けし、そのグループに応じた取り扱いを規定する。基本的には、グループ1~4はBSL1~4とそれぞれに対応する。Protection Level (P1~P4)という表現もあるが、基本的に同義である。

    輸送におけるカテゴリーとして、BSL-1, BSL-2は、カテゴリーBに分類、BSL-2, BSL-4は、カテゴリーAに分類される。

    1. カテゴリーB
      1. BSL-1 : AAV、ワクチンや動物に無害な病原体
        人の生活に密着している麹菌、乳酸菌、枯草菌(納豆菌)などは、高校での生物実験に使用できる。
      2. BSL-2 : はしかウイルス、インフルエンザウイルス
    2. カテゴリーA
      1. BSL-3 : 狂犬病ウイルス、結核菌、鳥インフルエンザウイルス、など
      2. BSL-4 : エボラウイルス、ラッサウイルス、天然痘ウイルス、など

    関係法令

    Bio Safety Levelは、以下の法律や指針を理解し対応する必要がある。

    1. 遺伝子組換え実験規程 (自分たちで策定)
    2. バイオセーフティ管理規程 (自分たちで策定)
      1. 病原体等取扱に関する安全管理などの要領
      2. 安全委員会などの構築 (実施者や実験の審議)
      3. 使用におけるサンプルの保管、廃棄とその方法、輸送などの記録と記録の保管
    3. 感染性物質の輸送規則に関するガイダンス
      1. カテゴリーA/B
      2. 国際的には3次包装、日本では、ゆうパックなどの輸送業社のカタログ参照
      3. サンプル情報としてのラベルが必要
      4. 常温輸送とドライアイス詰め輸送
    4. カルタヘナ法 : 微生物等の拡散防止措置に関する条約。批准国リスト
      1. 第一種使用
        1. 拡散防止措置を取らない
        2. 大臣承認
      2. 第二種使用
        1. 拡散防止措置を取る
        2. 大臣確認
    5. 感染症法 (感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律、1998年10月2日公布)
      1. 特定病原体等(1種〜4種)
      2. それ以外
    6. 家畜伝染予防法、植物防疫法、外国為替及び外国貿易法
    7. 国立感染症研究所(NIID)病原体等安全管理規程
    8. NIH Guidelines for Research Involving Recombinant DNA Molecules
    9. WHO Laboratory Biosafety Manual
    10. 国民保護法施行令
    11. 植物防疫法
    12. 万国郵便条約
    13. 輸出貿易管理令
    14. 参考文献

    https://groups.oist.jp/sites/default/files/imce/u318/docs/biosafetymanual_ver100_j.pdf

    カルタヘナ条約カルタヘナ議定書(生物の多様性に関する条約のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書)
    (Cartagena Protocol on Biosafety)
    アメリカ、カナダ、オーストラリアは批准していない。台湾も批准していない状態と思われる(ナイトパール
    と呼ばれる光るメダカが作られ、日本に輸入され拡散している/環境省HPより)
    カルタヘナ法「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法), H16/2

    カルタヘナ法に従う承認申請手続き

    日本におけるカルタヘナ法に基づく申請手続きを示す。

    1. 申請書ドラフト作成
    2. ドラフトのPMDAへの提出
    3. PMDA (以下、第一種で6ヶ月、第二種で3ヶ月)
      1. 正式版のPMDAへの提出(承認申請)
      2. PMDAの審査
      3. 大臣承認/確認
    4. 治験計画の提出
    5. 使用の開始

    感染性物質の輸送規則に関するガイダンス 2011-2012版 – WHO guidance和訳 – NIID 国立感染性研究所 –

    https://www.niid.go.jp/niid/images/biosafe/who/WHOguidance_transport11-12.pdf

    感染性物質の輸送規則に関するガイダンス 2013-2014版 – WHO guidance和訳 – NIID 国立感染性研究所 –

    https://www.niid.go.jp/niid/images/biosafe/who/WHOguidance_transport13-14.pdf#page=29

    バイオセーフティ管理 – カテゴリーB容器 – NIID 国立感染性研究所 –

    https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-biosafe/947-youkisb.html

    バイオセーフティ管理 – カテゴリーA容器 – NIID 国立感染性研究所 –

    カテゴリーA容器は、リンク文書のp23~p26を参照

    https://www.niid.go.jp/niid/images/biosafe/who/WHOguidance_transport13-14.pdf#page=29

    カルタヘナ法ガイドブック – バイオインダストリー協会 –

    https://www.jba.or.jp/link_file/publication/H18_8_karutahena.pdf

    カルタヘナ法の「第一種使用規程承認申請書」及び「生物多様性影響評価書」に関する作成ガイダンスの策定 (2019) - AMED –

    遺伝子治療用のウイルス (アデノウイルス、ヘルペスウイルス、アデノ随伴ウイルス)を使ったベクターによる治療は、カルタヘナ法における第一種使用となる。今回、国立成育医療研究センター成育遺伝研究部HP内で公開された(「遺伝子細胞治療に関する規制及び学会等での資料/ AMED・遺伝子治療におけるカルタヘナ法の第一種使用規程の考え方に関する研究・成果物(2019.10.21)」 )。

    https://www.amed.go.jp/news/seika/kenkyu/20191127-02.html

    遺伝子治療用製品等及び感染症の予防を目的とする遺伝子組換え生ワクチンの治験実施までの留意事項 – JPMA –

    http://www.jpma.or.jp/information/bio/deliverables/2020/pdf/2020_notice_01.pdf

    遺伝子治療用製品等及び感染症の予防を目的とする遺伝子組換え生ワクチンの治験実施までの留意事項 (第2版) – JPMA –

    http://www.jpma.or.jp/information/bio/deliverables/2020/notice_01.html

    編集履歴

    2019/07/18 Mr.Harikiri
    2021/01/29 追記 (第一種使用に当たるウイルスベクターを使用した遺伝子治療に関するガイドライン)
  • [健康] BBBのタイトジャンクションは分子量450Da以上の分子は通過させない、核酸医薬はどうするか! – ID1015 [2019/07/16]

    [健康] BBBのタイトジャンクションは分子量450Da以上の分子は通過させない、核酸医薬はどうするか! – ID1015 [2019/07/16]

    脳血管関門はBBBとは

    脳血管関門はBBBと呼ばれ、脳微小血管を構成する内皮細胞は、密に寄り集まりタイトジャンクションを構成している。

    アンチ核酸など、その核酸の大きさが450Daより大き区なる場合、その分子はBBBを通過できず脳内の細胞には届かない。脳をターゲットにする場合、デリバリーできる技術が必要になる。

    タイトジャンクション

    タイトジャンクションは、2細胞からなるパイセルラータイトジャンクション(bicellular tight junction: bTj)と3細胞からなるトリセルラータイトバャンクション(tricellular tight junction: tTj)が存在する。

    bTj

    bTjは、claudin5, claudin3などから構成されている。claudin5を欠損させても800Da以上は通りにくい。

    tTj

    tTjは、angulin1やtricellulinから構成されている。これらにより中心管を構成している。

    E型ウェルシュ菌 (Clostridium perfringens)のイオウ毒素(iota-toxin; うさぎの腸炎の原因)は、angubidin1と相互作用する。他にも、ウェルシュ菌のC-CPE、エンテロトキシンのC末端領域と相互作用することを利用して、これらと拡散医薬の結合体を作り、BBBを超えらせる薬剤とする研究も行われている。

    編集履歴

    2019/07/16, Mr. Harikiri

  • [Bio-Lab] GE Healthcare PD-10 Column – カスタムな使い方として、中身を取り除いて、好みのレジンを詰める方法 – ID776 [2021/03/10]

    [Bio-Lab] GE Healthcare PD-10 Column – カスタムな使い方として、中身を取り除いて、好みのレジンを詰める方法 – ID776 [2021/03/10]

    PD-10カラム

    • 脱塩カラム
    • 平衡化バッファで平衡化
    • ~1mLをロードして、平衡化バッファで押し出す
    • 目的画分をフラクショネーションする

    目的外使用

    中身のレジンを除外して、別のレジンに積み替えて、簡易精製検討に汎用していました。

    • レジン充填量 : 0.5mL(カラム高5mm程度)
    • 自然落下の方法で使用します
    • 通常の指定される流速より5倍から10倍の高速で検討が可能です
      • ただし、結合キャパシティは、高流速であるため、絶対的なデータ取得ではなく、相対比較とての検討に向いています
      • すなわち、人的な能力を活かした高速検討です。
      • 得られたデータは、相対比較による最も良い条件を確認できますが、実際のスケールアップに際して、通常の条件で確認し、そのスケールでの最適化検討を実施する手順となります。
    • 上下のメッシュの高速簡便な再装着にKnow Howがあります^^)
      • 未使用のレジンは、粒子が小さいものが含まれているので、デカンテーションで除去しておきます
      • 遠心機と遠心チューブを使って、50%スラリーを作ります。遠心した時のレジンの体積に対して溶液を添加します
      • 懸濁したスラリーを、トップのメッシュを外したPD-10カラムに必要なカラムサイズの2倍のスラリー液をピペットで添加します。ピペット・チップは、先を挟みで切って流入口の径を大きくしておきます
      • 添加し終えたら、水でも良いので、追加して液量を増加させ、カラムの80%程度までかさ増しします。ボトムから液が滴下しているはずです
      • 液が無くなってしまわない内に、ボトムのキャップを取り付けます
      • トップのメッシュを取り付けます。カラムの上部に取り付け、直径の合うアダプターを差し込んで、ボトムに向かってある程度の速でで押しコンで行きます。最終目標は、レジンと上下のメッシュに隙間がない状態です。
      • ある程度の速度でアダプターを押し込んで行くと、メッシュに溜まった気泡が抜けさすことができます
      • * アダプター : マルエムチューブ(ポリステレンの使い捨ての試験管)のSS14などが使えます。試験管口をメッシュに当てると真っ直ぐに押し込めることができます
      • 以上の操作で、レジンのPD-10カラムへの充填が完了です

    編集履歴

    2019/07/15 Mr. HARIKIRI
    2021/03/10 追記 (自家充填の方法)
  • [Data Link] rAAV vectorの沈殿法を使った精製方法に関する文献のリンク – ID745

    [Data Link] rAAV vectorの沈殿法を使った精製方法に関する文献のリンク – ID745

    文献情報のみ

    A simplified purification method for AAV variant by polyethylene glycol aqueous two-phase partitioning Cell Pellet→Lysis→Nuclease→PEG8000-NaCl Precipitation. Replace from ultracentrifugation to precipitation procedure 10% PEG8000, 13.2% (HN4)2SO4
    Culture Supernatant + PEG solution (1/4 vol)→stir slowly 4℃, 1hr→4℃, 3hrs without string to allow full peciptation 40% PEG 8000, 2.4% NaCl, adjust pH7.4
    Adeno-associated Virus (AAV) AssemblyActivating Protein Is Not an Essential Requirement for Capsid Assembly of AAV Serotypes 4, 5, and 11make in 8% PEG 8000, 0.5 NaCl on ice for 3hrs. The pelet was suspet by 50 mM Tris-HCl (pH 8.5) and 2 mM MgCl
    2
    Helper-free Production of Laboratory Grade AAV and Purification by Iodixanol Density Gradient Centrifugation add 1:4 vol precipitation solution to supernatant from cell culture 40% PEG 8000, 2.5 M NaCl water

    関連記事

  • [用語] ribosome ; リボソーム – rRNAを鋳型にしてタンパク質を合成する細胞内機関 – ID18782 [2020/12/24]

    [用語] ribosome ; リボソーム – rRNAを鋳型にしてタンパク質を合成する細胞内機関 – ID18782 [2020/12/24]

    ribosome

    mRANから蛋白質を翻訳する細胞内機関。リボソームまたはリボゾーム(英: ribosome; ライボソーム)は、あらゆる生物の細胞内に存在する構造であり、粗面小胞体 (rER) に付着している膜結合リボソームと細胞質中に存在する遊離リボソームがある。wikipedia

    DNAからrRNA、そしてprotein

    核 (genome → DNA →RNA polimerase(DNA→ mRNA)1) → 細胞質 (mRNA → Ribosome (tRNA-amino acid)2) ) → protein

    • RNA Plymerase1)
      • DNAをmessenger RNA (mRNA)に変換する酵素
      • 2本鎖DNAを1本ずつに解き、1本を鋳型にしてmRNAを合成
    • Ribosome2)
      • 50種類以上のタンパク質と数種類のrRNAからなる複合体である。
        • 主要な構成成分は、rRNAである
        • 原生生物のRibosomeは、70S
          • large sub unit (50s)は、23SのrRNAと5SのrRNAで構成される
          • small sub unit (30s)は、16SのrRNAで構成される
          • タンパク質
        • 真核生物のRibosomeは、80S
          • large sub unit(60s)は、28SのrRNA、5.8SのrRNAおよび5SのrRNAで構成される
          • small sub unit(40S)は、18SのrRNAで構成される
          • タンパク質
      • small sub unitは、tRNAのアンチコドンとmRNAのコドンを正確に対応させる機能を持つ
      • large sub unitは、アミノ酸間のペプチド結合形成の機能を持つ
      • 機能部位
        • A部位 : アミノアシルtRNAと結合できる部位
        • B部位 : ペプチジルtRNAと結合できる部位
        • E部位 : tRNAの出口
      • 伸長反応
        • 伸長因子 (elongation factor)が、ペプチド合成を正確に且つ早くする
        • 大腸菌の伸長因子
          • EF-Tu
            • グアノシン三リン酸(GTP)と結合してEF-Tu-GTPとなり
            • アミノアシルtRNAと結合し機能する
          • EF-G
            • グアノシン三リン酸(GTP)と結合してEF-G-GTPとしtRNAの移動速度を促進される
          • EF-Ts
            • EF-Tu-GTPが加水分解されてできたEF-Tu-GDPをEF-Tu-GTPに変換する機能
        • mRNA鋳型にして、5’末端からコドンをアミノ酸に変換する
        • ポリペプチドは、N末端をスタートとして、C末端に1つずつ合成されていく
        • ポリペプチドのC末端には、ペブチジルtRNAが結合している
        • 次に合成付加されるアミノ酸は、アミノアシルtRNAの形でやってくる
        • アミノアシルtRNAは、ペプチジルtRNAが切断された後に置き換わる
        • 以上の繰り返しで、ポリペプチドは伸長していく
    1) RNA Polymerase

    DNA to RNA Transcription

    http://hyperphysics.phy-astr.gsu.edu/hbase/Organic/transcription.html
    2) Ribosome

    翻訳 -ポリペプチド鎖の伸長- , NS遺伝子研究室

    http://nsgene-lab.jp/expression/translation_extend/

    編集履歴

    2020/07/11 Mr.HARIKIRI
    2020/12/24、追記(RNA Polymeraseの解説を追加して、Ribosomeの上流を追加することで、周辺知識の拡充を図った)
  • [用語] mAb ; モノクローナル抗体 – ID18767

    [用語] mAb ; モノクローナル抗体 – ID18767

    mAb

    mAb: monoclonal Antibody; もっぱら、遺伝子組換え技術で作られたIgGを意味する, 分子量150kDa。長年の実績からノウハウの蓄積が多く、疾患ターゲットが異なっていても構築された製造プラットフォームの適用が容易にできることからバイオロジクス(遺伝子組換えタンパク質医薬品)では最も成功している。

    一部の大手バイオ企業では、nanobodyなど低分子化抗体で製品を提供している。

    編集履歴

    2020/07/11 Mr.HARIKIRI
    2021/01/08 追記 (最も成功しているバイオロジクスである)