アデノウイルスに対する免疫
宿主におけるウイルス認識
adenovirus、その部品を認識するもの (27,28,29,30,31.32,33,34,35,36,37,38,39,40,41)
- 細胞内でのバターン認識受容体 (PRR)
- adenovirus由来の5’-triphosphateを持つ2本鎖RNAは、RIG-Iなどのcytosolic PRRに認識される
- DNA, RNAは、TLR3, TLR7, TLR8などのエンドソーム膜(endosomal membrane)にあるintracellular PRRsに認識される(48,52,53,54,55)
- 2本鎖DNAの生体内認識 (34,35,56,57)
- TLR9
- DNA-dependent activator of IRFs (DAI)
- DNA-dependent protein kinase (DNA-PK)
- IFNγ-inducible protein 16 (IFI16)
- DEAD (Asp-Glu-Ala-Asp) box polypeptide 41 (DDX41)
- cyclic guanosine monophosphate-adenosine monophosphate (cGAS)
- 病原体関連分子パターン (PAMP)
- PRRがPAMPを感知する
- ウイルス(病原体)であると認識すると、1型インターフェロンを発現しウイルス抑制、炎症性サイトカイン発現 (23,24,25,26,27)
- receptor : Coxsackie adenovirus receptor (CAR)
- 促進因子 : IL-8, TNF-α
- integrin αvβ5 heparin sulfate proteoglycans
- CD46
- sialic acid
- scavenger receptors (マクロファージ、樹状細胞)(33)
- Toll-like receptors(TLRs)
- RIG-I like receptors(RLRs)
- nucleotide-binding oligomerization domain (NOD-like receptors (NLRs)
- cytosolic DNA sensors
- effector molecules
- CD46, desmoglein-2 (type B Adのmacropinocytosis)(39,40)→ IL-12で誘発されるINF-γの産生を抑制する
- 細胞のβ3インテグリンは、pentonのAgr-Gly-Asn (RGD)モチーフに親和性あり
Vectorとしての良くない免疫応答
- adenovirus粒子のみでは自然免疫の誘導は不十分であり、その原因は、DNA由来として残っている(51)
- 肝臓、脾臓のマクロファージの活性化(42,43)
- MCP-1, RANTES(TLR2依存性)の活性化
- IL-1抗体は、adenovirusによる角膜の炎症反応を低減化する(mouse)(45,46)
- TLR9(E1, E3欠損adenovirusでも感知する→角膜炎症、IL-6,IFNα産生)(49,50)
- plasmacytoid dendritic cells (pDCs)は、TLR9-MyD88依存、myeloid DCs (mDCs)は依存しない(48)
- 細胞免疫
- CD4+ Th1細胞
- CD8+ T細胞
adenovirus vector
adenovirus vectorの特徴
- HAd5は遺伝子送達用ベクターとして開発された
- 非複製性
- 広範囲な組織指向性
- ゲノム解析が進んでいる
- 大きなDNA遺伝子挿入が可能
- 宿主ゲノムに組み込まれない
- 宿主細胞の核にepsomeとしてDNAが残る
- 36kbの遺伝子をパッケージング可能
- 自然免疫(先天性免疫)シグナルを活性化することでワクチンとしての利点がある(21,130)
- 効果的な免疫細胞刺激→適応免疫(獲得免疫)である液性・細胞性の免疫応答
- 細胞内の病原体の解決には、CD8+細胞障害性Tリンパ球(CTL)が重要
- adenovirus vectorで運ばれる抗原は、
- MHCクラスI分子を介してT細胞に提示されるめた、adenovirus vectorは、堅牢なCTL応答を誘導できる
- CTLは、ウイルス感染細胞、細胞内病原体、ガン性細胞を強力に認識し死滅できる
- 抗体産生及び導入遺伝子て特異的T細胞の誘導
- 必要な遺伝子をadenovirusから分離し、HEK細胞に担わせることで、共同してベクターを産生させる
- adenovirusのタンパク質とHCVのタンパク質の相同性が高い
遺伝子治療におけるadenovirus vectorの歴史
繰り返し投与により体液性免疫、細胞性免疫、細胞性細胞毒性、発癌などの課題に直面した(129)
- 1992年、alpha-1 antitrypsin (A1AT)欠損症(124, 125)
- 嚢胞性線維症 (CFTR遺伝子)(126)
- 尿素回路関係(オルニチントランスカルバミラーゼ)(127,128)
ワクチンにおけるadenovirus vectorの歴史
- HIVワクチン 2003年~2006年、Merck(131)
- HAd5 vector-based
第1世代
アデノウイルス・ベクターは、HEK293細胞とともに改変が進められてきた(2021/02/11, by MR.HARIKIRI)。
- First generation
- E1削除
- 初期、後期のウイルスタンパク質は、濃度依存的にMHCクラスIによる抗原提示により細胞死を誘発するが、それをホスト細胞以外では産生できないことにより毒性低減化に繋がる(104,105)
- 削除により非複製アデノウイルスとなる (HEK293(ヒト胚性腎細胞), PER.C6などのE1トランスフェクト細胞を使用する (93)
- HEK293には、E1領域にトランス相補性を入れている(組織形質導入能力)
- 自然相同組換えが起こり複製力のあるadenovirus(RCA)が出現する可能性を持っている(98)
- RCAのリスク低減としてのPER.C6では、独自のプロモーター(PGK)を持つadenovirusのE1領域の発現カセットを使用し相同領域を削除(99,100)
- 4.5kb導入可能となった (92)
- E3削除
- 免疫学的経路の阻害(101)が知られている
- 完全に削除された(102)
- 8kb導入可能となった(103)
第2世代
増殖中の複製能力のあるadenovirus生成の可能性を排除できたが、導入遺伝子の発現が少ないとされる。依然として残る課題は、免疫原性と細胞毒性である。
- Second generation
- E1削除 : 第1世代から継承
- E2削除
- E3削除: 第1世代から継承
- E4削除
- 10.5kb導入可能となった
第3世代
ITRとパッケージングシグナルを除く全てのウイルスシーケンスを削除(114)
- Third generation (114)
- ITRs
- packaging signal
- Helper Dependent or gutless adenoviral vectors(115, 116, 117)
- high capacity adenoviral vectors (HCAds)と呼ぶ
- 2種類のvectorが必要(トランスフェクション)
- Helper virus
- ホスト細胞に組み込んでいたウイルス遺伝子補完遺伝子をHelper virusで提供により、adenovirusタンパク質を合成可能となる→ capsidのアセンブリ→HCAD genomeのパッケージング
- HCAdsのみのパッケージングが可能
- packaging signal flanking loxP siteを含む
- Helper virusのパッケージングシグナルは、loxP siteのCreを介した組換えにより阻害されることで、Helper virusのgenomeがadenovirus粒子に集まるのを防ぐ(機能が十分でない場合、Helper Virus汚染の問題が生じる)
- HCAd genome
- ITRsを含む
- packaging signalを含む
- Helper virus
- HEK293細胞
- constitutivery express Cre recombinase
- Helper virus
- 免疫原性と細胞毒性の低減化(118,120,121,122)
- 課題は、生産方法が複雑、Helper virusの汚染問題(123)
- 36kb導入可能となった