[特許] クレーム内容を理解するために文献レビュー —「対象発明の理解を通じたクレーム作成方法の提案、そしてその応用」、パテント (2013),Vol.66, No.13 – / Udemyのオンライン・ビデオ講座 で完結する – ID13101[2020/11/29]

技術者としての特許の理解

通り一辺倒の教育だけでは、理解は決して深まらない

「特許の流れ」は手続きなので、理解は容易です。しかし、特許文献としてその特許の範囲を理解したり、自分で特許を書く場合手続きではないので、その理解は容易ではありません。今回、特許の内容の理解、特許を書くこと、について方法論を論じている論文を紹介します。

特許に関わる役者には、現場レベルの研究者/技術者と、特許の専門家である弁理士、また、その間を繋ぐ組織内の専門組織やスタップがいます。

昔から、「リエゾン」(参考1)を進める動きはありました。特許部門からの提案は、ある時、突然出てきます。しかし、特許の査定を中心とした思考活動を学ぶことに、専門外となる研究者/技術者は、なかなか真剣に取り組みません。

技術者は、最低限において技術の内容が理解できれば良いため、特許成立に関わる基準が分からないまま、特許の内容を限定的に理解していることが多くあると思われます。

これが、リエゾンが進まない大きな要因であると、僕は考えています。

しかし、現場で特許に関する知識が、あやふやのままで良いのでしょうか?。折角の新規の技術が見つかったとしても、認知もできずに公知化することによる技術の流出や、競争相手の特許内容の理解が乏しく、対策が遅れたいするリスクが高まります。

私も含めて、特許クレームを本当に、腹落ちするように理解ができているのでしょうか?

今回、この文献を読んで、私は、腹落ちがしました。通り一辺倒の同じような教育やその内容を理解しても、堂々巡りです。尖った内容でアプローチの異なる理解により、停滞していた理解を深められます。

今回、この文献を読んで、相当程度の理解が深まったと感じています。

本当の研究者/技術者になる

自分たちで見つけた新規技術を特許申請することは、競業他社の特許を読み解くよりは、遥かに簡単です。

外部環境がどうなのかを知り、それを受けて自分たちの強みをどのように維持し、或いは、強めていくのか、そのためには、正確に外部環境を理解する必要があります。

そこで、他社特許(査定中を含め)に対して、その特許クレームは、どのように読み解けばいいのか、未だ査定中で特許に至っていない公開段階で、そのクレーム内容を読み解いた時、すべてのクレームに特許性があるのか、その特許を受けるに値しないクレームはどれなのか、今後、特許として査定される範囲はどれくらいなのか、そのような判断を迫られる場面は、新規技術に関わる研究者/技術者として遭遇する事は多いと思います。

特許の専門家にコメントを求めることは、当然必要です。しかし、実務レベルでも試行錯誤しなければならない場面も沢山あり、いつも、専門家のコメントを求めていれば、判断が遅れます。

スピードが求められる場合や小さな組織では、多能であることも求められます。

今回、レビューした1つの文献は、そうしたあやふやな技術理解ではなく、明確なメソッドとして、クレームを理解し、また、逆にクレームを書くスキームを提案しています。

対象発明の理解を通じたクレーム作成方法 の提案,そしてその応用 – パテント (2013), Vol.66, No.13

https://system.jpaa.or.jp/patents_files_old/201311/jpaapatent201311_045-060.pdf

Udemyのビデオ学習

今回の文献執筆者である大瀬さんが、以下に紹介した内容のオンライン教材としてUdemyでの受講が可能になりました。約60本のビデオによる解説と実習は、殆どが5分程度、長くて10分の講義です。僕もこの講義を受講し、2020/11/29に全ての学習を完了したので、少しレビューを述べたいと思います。

講座タイトルは、「初心者でもわかる特許の書き方講座【初心者向け】【弁理士が教える実践特許講座】」です(定価12,600円)。

副題 は、「特許知識ゼロでも大丈夫!自分の力で発明を文章にして特許書類が作成できるようになります。「発明を理解、把握するステップ」と「理解した発明を特許文章にするステップ」の2つのステップで誰でも簡単に「特許の書き方」を身につけることができます。」

僕にとって、講座内容の最も重要な部分は、以下の項目の実習に尽きました。

  1. 実務として技術を「要素」、その「属性」、および、それらの「関係」について全てを、エクセル表などに列挙していくメソッド
  2. 以上で、とりまとめた「要素」、「属性」、および「関係」の説明文をほとんどそのままを使って請求項に記述していくメソッド

これまでに、複数の書籍を購入し特許の勉強をしてきましたが、実務としてここまで、有益な情報を得ることが殆どできなかったことで、独学に限界を感じていました。しかし、今回、書籍ではなく、オンライ・ビデオ学習によって、また、特に技術者にとってわかりやすい開発されたメソッドによって、請求項というものが、3の要素、すなわち「要素」、「属性」及び「関係」からなっていることを、具体的な事例を実習することで、より良く短時間に知ることが出来ました。その結果、特許の請求項を書くことは、もちろん、誰かが書いた既存の特許の請求項を構造的に理解することができるようになったと思います。大変有意義な講義でした。大瀬さんに最大限の感謝を表します (2020/11/29, はりきり(Mr) )。

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