[特許] クレーム内容を理解するために文献レビュー —「対象発明の理解を通じたクレーム作成方法の提案、そしてその応用」、パテント (2013),Vol.66, No.13 – / Udemyのオンライン・ビデオ講座 で完結する – ID13101[2020/11/29]

予備知識

クレーム

  • 1つのクレーム(請求項)は、1つの発明である。
  • 特許請求の範囲は、36条4項1号を満たすこと : 特定の課題を解決できること
  • 要素列挙形式 (一般的)
  • 構造的クレーム形式

一般的な要素列挙形式

まずは、「構造的クレーム形式」を読んで、用語を理解した上で、以下の要素列挙形式を読み進めてください。

  • 要素間の関連性が多くなると複雑な文章に陥りやすい
  • 曖昧な内容になりやすい

構造的クレーム形式

「構成」とは、「要素」、「属性」、「関係性」を総称する。

この構成を意識すれば、日本語がシンプルになり、クレームを読み込むことも、クレームを作成することも容易になります。

  • 日本語の文章がシンプルになる
  • クレームが多義的になりにくくなる
  • クレームが不明瞭になりにくくなる
  • 補正がし易くなる
  • 外国語への翻訳がしやすくなる
  • 「要素」 (外的不可)
    • 「装置」の場合は、「部品」のこと
    • 「方法」の場合は、「単一の工程(ステップ)」
    • 「プログラム」の場合は、単一の演算を行う「関数」
  • 「属性」:要素の属性 (内的付加)
    • 絶対的な規定のこと
      • 一般名(ねじ、バネ、キャップ)
  • 「関係性」:要素同士の関係性 (特許の世界では組合せという用語が近い)
    • 「要素」間の関連性を相対的に規定すること
    • 丁寧な観察により他との比較を行うことで、見つけ出す
      • AとBは接続されている
      • Aは、Bの軸受けにより支持されている
      • AとBは、適切なな距離の間隔がある

請求項の事例

  • 請求項1 (独立請求項)
    • 要素は、aとbを備え
    • 属性は、cとdであり
    • 関係性は、eとf
    • である「装置」
  • 請求項2 (従属請求項)
    • 要素は、gを備え
    • 関係性は、i
    • である「請求項1」の「装置」

従属請求項は、上位概念のクレームに対して、新規性違反などの拒絶理由が出された際に、争える内容となるように構成しておく役目を持たせるのが良い。

特許を理解するとは

対象の発明の内容を理解すること。

  • 刺激 → (発明) → 反応、を理解できている
  • 多様な「刺激」に関しても理解できている

理解を進める作業

マインドマップを活用できる。

  1. 「要素」(部品)を抽出する
    • 「要素」の振る舞いを理解していること
    • 例えば、Aユニット、Bユニット、処理部
  2. 要素の「属性」を抽出する
    • 最小の単位で抽出する
    • 複数もあり得る
      • 硬さ
      • etc.
  3. 要素間の「関係性」を抽出する
    • 最小の単位で抽出する
    • 複数もあり得る
      • AとBは接続されている
      • Bとそは接続されている
  4. モデル化
    • 構造化 = (要素-属性) x 関係性
  5. 試動
    • 刺激 → 構造体 → 反応、を観察
  6. 発明の理解
    • 以下の反応が同一の結果となれば、発明について理解している
      • 刺激(入力) → (発明) → 反応(出力)
      • 刺激 → 構造体 → 反応
    • 理解できたと、構造体の細部が描かれていることになり、完全に理解したと言えます。
  7. 考察
    • 付随する機能の気づき

機能・効果
(要素、属性、関係)

1)「新規構成の抽出」へ
2)「発明の詳細な説明」、「課題を解決するための手段」として「明細書」へ

新規構成の抽出
(従来技術調査)

1)「上位概念の発掘」へ
2)「背景技術」、「先行技術文献」として「明細書」へ

上位概念の発掘

1)「構造的クレーム」へ
2) 「変形例」、「産業利用性」として「明細書」へ

構造的クレーム

明細書





構造的クレームの書き方

以上を理解していれば、上記、「請求項の事例」に従ってクレームを作ることで、クレームを書くことができます。

「発明の詳細な説明」欄

  • 構成の説明
  • 機能・作用の説明 : 実例レベルの説明。将来に補正する場合の自由度の担保の役割として利用する。[課題を解決するための手段]での、上位概念化された対象発明が課題を解決することを説明するのと異なる
  • 変形例 : 上位概念化作業の際に見つけた上位概念と含まれる下位概念を記載する箇所。〜のような機構があれば、どのようなものでも構わない。

「課題を解決するための手段」欄

  • 「特許請求の範囲」をそのままコピペすることが多いが、それをすると、出願後の拡張(不要構成の削除)補正する場合に、それが新規追加事項になる危険性があります (出願当初の請求項の「すべての構成」が課題を解決するために必要と認定されると)
  • 請求項1に記載の発明がどのように機能・効果を発揮するかを簡潔(不要な構成を紛れ込ませない)に記載する

「発明が解決しようとする課題」欄

発見した新規構成(要素、属性、関係)を規定として、権利化したい構成をクレームする手法を

  • なぜ、記載順が、「発明が解決しようとする課題」、「課題を解決するための手段」としないのか  : 権利化を目的としているることから、発明内容に従った課題とすべきとの考え
  • 請求項1 : 要素を羅列、属性および関連性
  • 請求項2 : 要素を羅列、属性および関連性
  • ・・・

注意点
構成は漏れなく含まれていれば、不要なものがあったとても試動で完全に動かすことができます。即ち、冗長なものが、含まれている可能性を否定できません。

  • 振る舞いに貢献していない記述を削除する
  • これを、割り算型クレーム構築手法、といいます

割り算型クレーム

  • 「部品」クレームにまで、削ぎ落とすことは、難しい

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