ThermoFisherグループ
ThermoFisherは、rAAVによる遺伝子治療に関するCDMOサービスを提供するために、Brammer Bioを買収しました。
遺伝子治療のためのAAVやその他のウイルス・ベクターについてUSPおよびDSPのプロセス開発を行えるCDMOです。CDMOとは、このような開発ノウハウを持ち、スケールアップ開発も可能で、臨床用のGMP製造も可能な委託製造会社です。Brammerは、数多くのプロジェクト実績を持っています。
現在の治療対象は、症例数が少ないオーファンが多いので、200L程度のバイオリアクターで製造されるのがほとんどでした。しかし、今後の開発競争においては、症例数が多く且つ、全身投与などの投与量が多い症例へとシフトしてくるものと予想されます。製造装置としても更に大きなスケールアップが可能性なCDMOが求められることになってくると考えられます。具体的には、スケールアップの製造ノウハウや実際に持っている大きなバイオリアクターが競争優位性の重要なファクターになるものと思われます。
2019/3にThermoFisherによるBrammer Bioの買収を17億ドルで合意
https://www.genengnews.com/news/thermo-fisher-to-acquire-brammer-bio-for-1-7b-expanding-gene-therapy-presence/
ThermoFisherが買収することで、AAVベクターを用いた遺伝子治療用医薬品の製造が、世界的に本格化していることが垣間見えます。抗体医薬品のCDMOであるLONZA BIOLOGICSもAAVベクターのCDMOとして自社の設備の整備を完了しており、世界のバイオロジクスは、抗体医薬から遺伝子治療医薬へ舵を切ったといえます。
- 前臨床プロセス開発
- プロセス最適化
- スケールアップ
- 分析
- 製剤化
- 保管サービス
- 規制サポート
- 施設は、FDA Code of Federal Regulations (Part 21)及びEuropean Advanced Therapy Medicinal Products’ regulationsに適合するウイルスベクター製造が可能
Brammer Bio
Brammer Bio
https://www.brammerbio.com
経験
- first-in-human trials : 100以上のプロジェクト
- Clinical lots AAV, ADV, RV, HSV, LV and T-cells : >150
- Team members : >350 ( over 20 years of experience)
拠点
- フロリダ州アラチュア (本拠地)
- マルチプラットフォーム : 哺乳類/昆虫細胞の生産
- 50L ~ 2000L Bioreactor
- 安定性試験
- 製剤化、保管、流通 (商業供給)
編集履歴
2020/03/12 はりきり(‘Mr), ThermoFisherに買収されてからの調査 2021/02/24 追記 (Brammerの説明、遺伝子治療CDMOの説明)