ID11542
はじめに
バイオロジクス研究を志す者として、必要となる関連知識は沢山あり、且つ学際的です。色んな事柄を知っておく事は、とにかく重要です。
今回は、バイオロジクスの遺伝子組換えのホスト細胞としてよく使われる動物細胞を基準に、疾病の原因であるウイルスやホスト細胞としても良く使われる大腸菌などの大きさを確認しておきましょう。
生物ごとの大きさ(1)
細胞、細菌、ウイルス、ファージの大きさは、一言で以下の通りです。
単位
3桁毎の単位として、m(ミリ)の1/1,000はμ(マイクロ)、μの1/1,000はn (ナノ)です。m(メーター)の1/1,000を表すのにmm(ミリメーター)とします。以下、μとnを使って、それぞれからの1/1,000を表します。
1mm = 1,000μm = 1,000,000 nm
大きい > 細胞 > 細菌 > ファージ > ウイルス > 小さい
病原体:ウイルスと細菌と真菌(カビ)の違い — 大幸薬品
https://www.seirogan.co.jp/fun/infection-control/infection/dengerous_pathogen.html
生物ごとの大きさ(2)
実は、これら以外に、真菌、マイコプラズマ、リケッチア、ファージも役者として追加してみます。
真菌の形は、球菌 (球状)、 桿菌 (棒状)、らせん菌 (らせん)などと色々あるため、大きさを定めのは難しいですが、細胞あたりの大きさに設定しました。
- 大きい
- 細胞(10μm) | 真菌
- 細菌(5μm)
- ファージ(0.025μm ~ 0.2μm)
- マイコプラズマ(0.2μm ~ 0.8μm)
- リケッチア (0.1μm ~ 2μm)
- ウイルス(0.02μm (20nm) ~ 0.1μm)
- 小さい
大きい > 細胞 | 真菌 > 細菌 > ファージ > マイコプラズマ > リケッチア > ウイルス > 小さい
以上、ウイルスと細菌の大きさの違い – 秋田大学 大学院医学系研究科・医学部 – より
http://www.med.akita-u.ac.jp/~doubutu/kansensho/virus17/virus2-2.html
リケッチアを含む「微生物」の大きさ
臨床微生物学基礎編 より
http://www.kankyokansen.org/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/publication/edu_03_pdf/uid000001_332D325F32332E706466
3 マイコプラズマの検出と除去・予防 – より
最小の自由生活・自己複製微生物、大きさ: 0.2μm~0.8μm、細胞質を持たない単純な原核細胞、180種類以上が確認されている
http://www.lonzabio.jp/pdf/mycoplasma.pdf
微生物の特徴
実利増殖 | 遺伝子 | 核膜 | 細胞壁 | |
ウイルス | 無 | DNA or RNA | 無 | 無 |
細菌 | 有 | DNA | 無 | 有(まれに無) |
真菌 | 有 | DNA | 有 | 有 |
原虫 | 有 | DNA | 有 | 無 |
目でみる真菌症シリーズ2
http://www.pf.chiba-u.ac.jp/medemiru/me02.html
細菌を包んでいる膜
- グラム陽性菌 (菌の内側から)
- 分厚い「細胞膜」: リポタイコ酸、タイコ酸
- 薄い「細胞膜」 : 二重膜
- グラム陰性菌 (菌の内側から)
- 薄い「外膜」 : 二重膜(ポーリン孔、リポ多糖)
- 薄くて弱い「細胞壁」: ペリプラスム空間
- 薄い「細胞膜」: 二重膜
大腸菌
実験者の間では、E.coli(いーコリー)と言ったりもします。
遺伝子組換えに使用される大腸菌は、グラム陰性菌です。組換え産生タンパク質は、ペリプラスム空間に溜まる場合は、比較的、立体構造を保っている場合があります。
臨床微生物学基礎編
http://www.kankyokansen.org/common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/publication/edu_03_pdf/uid000001_332D325F32332E706466
臨床微生物学基礎編
https://www.med.kindai.ac.jp/transfusion/ketsuekigakuwomanabou-252.pdf
まとめ
生物は細胞で作られています。細胞は一つの生命活動の単位です。その細胞内に似ているものの生物としてヒトや動物を形作らい面々がいます。一般的に病原体と呼ばれています。
これらは、細胞に似ているから病原体になるのかもしれません。
この解説では、以上のような背景を踏まえて、それぞれの大きさいを比較しました。
以上
編集履歴
2020/03/07 はりきり(Mr) 2020/05/06 追記 (生物ごとの大きさ(2)) 2020/05/09 文言整備 2020/05/23 追記 (真菌、大腸菌) 2021/10/31 追記 (単位の説明を修正)