CTDはどのような医薬品関連手続きに使われるのか [2026/06/06]

]はじめに

目次

  1. ]はじめに
  2. CTDの基本構成
  3. CTDが正式に使われる主な手続き
  4. CTDとeCTDの違い
  5. 国・地域別に見たCTDの使用場面
  6. 日本の場合
  7. 米国の場合
  8. EUの場合
  9. EUのIMPD-QとCTDの関係(2ページ)
  10. EUのASMFとCTDの関係(2ページ)
  11. 日本MF、米国DMF、EU ASMFの違い(2ページ)
  12. 「CTD形式」と呼んでよいもの、注意が必要なもの(2ページ)
  13. CTDが使われる手続きの全体像(2ページ)
  14. まとめ(3ページ)
  15. 注意点・例外(3ページ)
  16. 参考文献・出典(3ページ)

CTDとは、Common Technical Document の略で、日本語では「コモン・テクニカル・ドキュメント」または「国際共通化資料」と呼ばれます。

CTDは、医薬品の承認申請資料を国際的に共通化するために、ICHで整備された資料構成です。日本、米国、EUでは、医薬品の承認申請においてCTDまたはeCTDが広く使われています。

ただし、すべての医薬品関連手続きが「正式なCTD形式」になるわけではありません。
特に、治験申請、IMPD-Q、ASMF、DMFなどは、CTDそのものではなく、CTD Module 3の構成や考え方を利用する資料として扱う必要があります。

CTDの基本構成

CTDは、主に5つのモジュールで構成されます。

モジュール内容主な位置づけ
Module 1各国・地域固有の行政情報日本・米国・EUで内容が異なる
Module 2品質・非臨床・臨床の概要・要約CTD全体の要約
Module 3品質に関する資料CMC、原薬、製剤、製造、規格、安定性
Module 4非臨床試験に関する資料薬理、薬物動態、毒性
Module 5臨床試験に関する資料臨床試験成績、安全性、有効性

PMDAはICH-M4 CTDを掲載しており、日本の新医薬品承認申請資料作成の基本資料として位置づけられています。

CTDが正式に使われる主な手続き

CTDが正式に使われる中心的な手続きは、医薬品の承認申請です。

国・地域手続きCTDとの関係説明
日本新医薬品の製造販売承認申請CTD形式Module 1〜5で申請資料を構成する
日本バイオ医薬品・抗体医薬品の承認申請CTD形式品質、非臨床、臨床資料をCTDで整理する
日本一部変更承認申請CTD/eCTDで提出される場合あり製法、規格、適応などの変更内容に応じて資料を提出する
日本後発医薬品の承認申請CTD形式が使われる場合あり品目区分や当局要件に応じる
米国NDAeCTD形式New Drug Application、新薬承認申請
米国BLAeCTD形式Biologics License Application、生物製剤承認申請
米国ANDAeCTD形式Abbreviated New Drug Application、後発医薬品申請
米国承認後変更申請eCTD形式既承認品目の変更申請
EUMAACTD/eCTD形式Marketing Authorisation Application、販売承認申請
EU中央審査方式の申請eCTD形式EMAを通じたEU中央審査
EU承認後変更申請eCTD形式Variation、renewalなど

EUでは、中央審査手続きにおいてeCTDが申請・提出形式として使われています。米国FDAも、NDA、ANDA、IND、BLA、DMF/BMFなどをeCTD提出対象として扱っています。

CTDとeCTDの違い

CTDとeCTDは似ていますが、意味が異なります。

用語意味
CTD医薬品承認申請資料の構成
eCTDCTDを電子的に提出するための形式
Module 3品質・CMC資料
Module 4非臨床資料
Module 5臨床資料

つまり、CTDは資料の構造であり、eCTDは電子提出の形式です。

国・地域別に見たCTDの使用場面

日本の場合

日本では、CTDは主に医薬品の製造販売承認申請で使用されます。

特に、新医薬品、バイオ医薬品、抗体医薬品、バイオシミラーなどでは、品質・非臨床・臨床のデータをCTD構成で整理します。

日本の手続きCTDとの関係
新医薬品製造販売承認申請CTD形式
バイオ医薬品の承認申請CTD形式
抗体医薬品の承認申請CTD形式
バイオシミラーの承認申請CTD形式
一部変更承認申請変更内容に応じてCTD/eCTD資料を提出
治験計画届CTD一式ではない
原薬等登録原簿、MFCTD Module 3の品質情報と関係する

日本の治験計画届では、承認申請用CTD一式を提出するわけではありません。
ただし、治験薬の品質情報を整理する際には、CTD Module 3に近い考え方が使われることがあります。

米国の場合

米国では、FDAへの医薬品関連提出においてeCTDが広く使われています。

米国の手続きCTD/eCTDとの関係
NDAeCTD形式
BLAeCTD形式
ANDAeCTD形式
INDeCTD提出対象
DMFeCTD提出対象
BMFeCTD提出対象
承認後変更eCTD形式

米国では、承認申請だけでなく、IND、DMF、BMFもeCTD提出対象に含まれます。ここが日本やEUの説明と混同されやすい点です。

ただし、INDは治験申請に相当する手続きであり、承認申請用CTD一式と同じ完成度の資料を提出するという意味ではありません。
米国では、提出形式としてeCTDが使われると理解するのが正確です。

EUの場合

EUでは、医薬品の販売承認申請、すなわちMarketing Authorisation Application: MAAでCTD/eCTDが使われます。

EUの手続きCTD/eCTDとの関係
MAACTD/eCTD形式
中央審査方式eCTD形式
承認後変更、VariationeCTD形式
Clinical Trial ApplicationCTD一式ではない
IMPDCTDではない
IMPD-QCTD Module 3に類似した品質資料
ASMFCTD Module 3に強く関連する原薬マスターファイル

EUで特に注意すべきなのは、IMPD-QASMFです。
どちらも品質情報を扱うためCTD Module 3と関係しますが、CTDそのものではありません。

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