ProteNova
ProteNovaは、従業員7名、徳島県発のバイオ関連ベンチー企業です。
抗体のアフィニティ精製用担体の製造に使用するリガンドの開発に特化して開発を行ったいるようです。Protein AやProtein Lをベースに改変を加えて工業的な使用耐え得るリガンドの開発を進めています。
一方で、糖鎖分析などの受託業務も行っています。
感想
日本のバイオベンチャー及びそれを支えるバイオ関連ベンチーには、頑張って欲しいと強く思っています。世界3位のGDPを誇る日本でも、バイオの世界では、世界から置いてきぼりです。バイオ医薬品は、様々な分野の技術が密に組み合わせって、その結果、高度なバランスで作られる非常に高性能な製品です。ProteNovaは、その一躍を担っており、目的タンパク質の精製、特に、抗体医薬品の最初の精製ステップであるキャプチャリングに関わる精製担体のリガンドを開発・販売しています。
しかし、近時、世界のバイオ医薬品における抗体医薬品は、もう既にコモドディティ化が進んでおり、参入障壁は急激に下がって来ています。ある意味、誰でも、抗体医薬関連分野に参入することが可能であり、競争が激しい段階に入りました。
世界のバイオ医薬品は、遺伝子治療に舵(がじ)を切っています。世界の大手医薬品メーカー、大手製造受託会社(CDMO)は、遺伝子治療用の医薬品の開発を独自で進めてきたベンチャー企業の買収や、その技術導入をほぼ完了してしまいました。今後は、目的物質であるAAV Vectorという病原性の無いウイルスパーティクルのアフィニティー・リガンドについて、大手の部材メーカー二より開発が、進められるでしょう。何故なら、AAV Vectorの精製方法は、まだ確立されておらず、誰どても高度に精製できるものでは無いためです。しかしながら、すでに、Thermo Fisherは、AAV selectという血清型に依存する事なく、高いアフィニティー特性を持つラクダ型抗体を開発し、レジンにカップリングした精製用担体を販売しています。この分野でもCytivaが一番乗りだったものの、性能面では、後発のThermo Fisherの製品が優れているようです。Thermo Fisherが一人勝ちの様相を示していますが、今後は、この精製用担体についても、抗体医薬品の時と同じ様に、更なる高性能を求め、競合他社がひしめき合う状態が、必ず来るはずです。数年もしないうちに。
プロテノバ、徳島県、日本
編集履歴 2020/11/28 Update, Harikiri(Mr)