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  • [BIOLOGICS] 「essentical QbD」の進め方からバイオ医薬品におけるプロセス開発(QTPP/ CQA/ CPP/P PA/ IPQA, PC/PPQ batch位置づけも含めて)その方法を学ぶ

    [BIOLOGICS] 「essentical QbD」の進め方からバイオ医薬品におけるプロセス開発(QTPP/ CQA/ CPP/P PA/ IPQA, PC/PPQ batch位置づけも含めて)その方法を学ぶ

    世界で初めて

    バイオ医薬品が承認されたのは1982年,人インスリンは大腸菌培養プロセスで生産されたものである.以後,酵母や動物細胞,昆虫細胞を用いた生産系も現れた.いずれの場合でも,安全性と有効性の観点から品質を保証できるかが重要なポイントである.メーカー側からは「生産性」の高さも同列に扱わなければならない経済性の観点である.

    essential QbD

    の手順は,以下の通りである.essential QbDは,バイオ医薬品におけるプロセス開発の最低限の活動である.

    1. 目的 : 原薬を製造するプロセスについて開発する
    2. 前提 : 製剤の特性は,原薬の特性と同一である
    3. 手順 : 目標をさだめてその前段階の必要要件を設定していくというボトムアップで進める
    4. (1) QTPPの設定 : 製剤(最終製品)の目標製品品質プロファイル(QTPP)
    5. (2) QTPPを保証できる適切な「限度内」,「範囲内」,「分布内」に,管理すべき特性を重要品質特性(CQA)としてリストする.具体的には規格試験項目に相当する.
      • 純度
      • 含有量
      • pH
      • conductivity
      • 規制要件(無菌皮下注射剤要件: 薬局方,ICHQ6)を含む
    6. (3) 管理範囲
      • 全プロセスに一貫して管理されるもの
      • 培養工程のみで管理されるもの
      • 原材料として管理されるもの
      • など
    7. (4) 製造プロセスのessential QbD
      • FDAが提唱するPVのアプローチに従う.
      • これは3つのステージで構成される.
      • (1) プロセス設計 ステージ
        • 原薬CQAの設定
        • 製造プロセスの設計
        • IPQA/PPA選定と重要度評価 (critical, key, non-key,後述)
        • Process Characterization (PC)試験
      • (2) プロセス検証 ステージ
        • 管理戦略の提案
        • プロセス検証
      • (3) 継続的プロセス検証のステージ
        • 承認申請時管理戦略の確定
        • 継続的プロセス検証
    1. *QTPP : quality target product profile
    2. *CQA : ciritical quality attribute

    ステージの詳細

    は,以下の3のステージに分けられる.

    (1) プロセス設計

    抗体医薬品のperformance attributeとは,工程毎に管理すべき管理特性のことである.

    • IPQA : in-process quality attribute
      • 原薬品質保証のために工程中で逐一,試験/管理する品質特性である.
      • 選定手順 : 「原薬CQA」の抽出 → 「IPQA」(工程毎の重要度評価により**)の選定 → IPQAを工程で管理する.
      • 重要度評価 :
      • ** 精製ステップがStep 1からStep 3あった時,Step 2での重合物の除去率がデータから高いとすると,Step 2がクリティカル(critical)であると評価し,Step 2をIPQAとして選定する.
      • ** また,データには反映されていなくても,原理的に重合体の生成/除去に関わりがあると考えられる場合は「key」,そうでない場合は「non-key」とする.
    • PPA : process performance atribute
      • 製造プロセスの恒常性保証の指標である.
      • ある工程が期待通りに終了したことを確認できる項目である.
      • 重要度評価 : 安全性に直接的に関与すると考えられる場合は「critical」,そうでなければ「key」とする(欧米規制当局ではこの3つの分類方法は否定的とある)
    1. *CQA : critical quality attribute
    2. *PA : performance attribute
    3. **PPA : process performance attribute
    4. **IPQA : in-process quality attribute
    分類performance attribute
    IPQA目的実質由来撫順物: 重合体,分解物,糖鎖非結合体
    工程由来不純物 : 宿主由来DNA,異種タンパク質,バイオバーデン,エンドトキシン
    精製工場製確認のための品質特性 : 糖鎖多様性
    原薬での管理が必要な一般特性 : 政治用,活性
    処方関連品質特性 : pH, 添加剤濃度
    PPA生細胞数,生細胞密度,目的物質濃度,収率

    PC

    とは,process characterizationの略であり,開発したプロセスの頑健性を評価する試験である.

    各工程には操作パラメータ(process parameter: PP)があり,このPPの組み合わせによりperformance attributeに影響を与える.PPの値とperformance attributeとの因果関係とバランスについて確認される.

    確認する方法は,small-scaleおよびpilot-scaleでのPC試験が用いられる.その試験法としてOFATまたはdesign of experiments(DoE)がある.試験結果から重要度を評価する.これらの結果は「commercial-scale」の製造条件として評価するのであるから,そのsmall-scaleやpilot-scaleは適格性が検証されていなければならない.PC試験の結果が不良である場合,プロセスの再設計も検討する必要性もあり得る.

    1. *PP : process parameter
    2. *PA : performance attribute
    3. 重要度評価には,リスクベースアプローチを含む
    4. 重要度評価は品質管理戦略の構築に大きな影響を与えるためスキームが重要

    QTPP → PP →

    (2) プロセス検証

    このステージでは,管理戦略の設計も含まれる.

    前ステージまでにperformance attribute (PP)が設計されている.この基準がcommercial-scale製造において適合しているかを「process performance qualification (PPQ)」という製造バッチで検証する.不備が確認されれば,プロセスの再設計も検討する.

    1. 設計したPPを用いる
    2. PPQを実施する
    3. 結果を検証する

    (3) 継続的プロセス検証

    とは,管理戦略に従い市販後の製品についてPPQで検証された状態が維持されていることを継続的に確認することである.更に,このステージにより製造プロセスの理解を深化させ知識管理体験を充実させることができる.

    より進んだQbD

    1. 管理戦略を製品ライフサイクルを通じて製品と製造プロセスに適合させるアプローチ
    2. 市販後に想定される変更も管理戦略に含まれる
    3. 適応拡大,製造需要増大,剤形追加,
    4. 生産性やコスト

    まとめ

    1. QbDとは,科学者が科学的に妥当だと考えられる範囲を正当に認可させ,その範囲内で柔軟に変更管理ができるようにするための基本的概念である.
    2. essential QbDは,バイオ医薬品開発における最低限の活動である.
    3. 医薬品の製造は,原薬の製造と製剤の製造の大きく2つに分類できる.
    4. 原薬の組成や特性は,そのまま製剤に受け継がけるため,バイオ医薬品の製剤のほとんどの特性は原薬の設計と製造プロセスの結果であると言える.
    5. バイオ医薬品では品質特性の多くで安全性/有効性への影響を完全に評価することはできない
    6. そのため,既に得られている情報/知識を活用する
      • 期間は,製品のライフサイクル全体
      • 対象は,開発初期で行うプロセス設計,プロセス性能,製品の評価などの品質とその戦略
    7. QbDとessential QbD
    8. QbDのためのデータ取得 (enhanced approach)にはコストがかかる.
    9. QbDで承認された「Gazyva」では相当量のdata packageが必要だった.
    10. Design Space (DS)の設計
    11. traditional approach
      • プロセス管理戦略の採用は必要
      • リスクベースアプローチの採用は必要
    12. enhanced approach
      • traditional approachをベースとしなから
      • QbD, DS
    13. 製品ライフサイクルを見据えたQTPPの設定は,Phase 2での有効性確認ができていない段階では難しい.すなわち,現状では,Phase 2の結果がでてから,QTPPが設定される.
    14. 現実的なプロセス開発は,当初に仮のQTPPと仮のCQAに従い開発をすすめてPC試験前のタイミングで長期的製品戦略に基づくQTPPの再設定の実施となる.そのためにプロセス開発機能と製品戦略機能の連携が必須である.
    15. 医薬品開発におけるPhase 3 pivotal ロットの製造プロセスは,市販後のものと同じである必要がある.

    ガイダンス

    ICHや各国規制当局は,医薬品開発の基本的な考え方としてQbDがまとめられている.

    FDA

    : Biological Products QbD Pilot Program (2008)

    CMC Biotech Working Group (EU)

    : A-Mab (case study, 2009)

    PMDA

    : QbD評価 プロジェクト

    : EMA-FDAのQbD同時並行評価パイロットプログラムの延長に対するPMDAのオブザーバー参加について

    参考文献

    バイオ医薬品におけるQuality by Design の実践 – 協和発酵キリン(株) 生産本部バイオ生産記述研究所 - Vol.35 No.5 2017 ファルマシア, 最前線 –

    ファルマシア・53巻・5号・435頁 (jst.go.jp)

    1st ObD Approval for Biologics: Gazyva Design Space

    https://qbdworks.com/qbd-biologics-gazyva-design-space/

    )  PhRMA, CHART PACK-Biopharmaceuticals in Perspective (2016).
    2) 長部喜幸,治部眞里,情報管理,56, 611-621(2013).
    3)  西島正弘,川崎ナナ,“バイオ医薬品 開発の基礎から次世代医薬品まで”,化学同人,京都,2013, pp. 2-3.
    4) 河合浩史,化学装置,56, 17-23(2014).
    5) Joseph A. D. et al., J. Health Econom., 47, 20-33(2016).
    6) Abboud L., Scott H., The Wall Street Journal, 2003 年 9 月 3 日 .
    7)  CMC Biotech Working Group, “A-Mab:a Case Study in Bioprocess Development”, 2009.
    8) Ettore O. et al., Biologicals, 44, 332-340(2016).
    9)  ICH Harmonised Tripartite Guideline, “Pharmaceutical Development Q8(R2)”,2009.
    10)  ICH Harmonised Tripartite Guideline, “Development and Manufacture of Drug Substances (Chemical Entities and Biotechnological/Biological Entities) Q11”,2012.
    11)  FDA Office of Pharmaceutical Quality, “MAPP 5016.1-Applying ICH Q8(R2), Q9, and Q10 Principles to Chemistry, Manufacturing, and Controls Review”, 2016.

    12)  ICH Harmonised Tripartite Guideline, “Specifications: Test Procedures and Acceptance Criteria for Biotechnological/Biological Products Q6B”,1999.
    13)  FDA Guidance for industry, “Process Validation General Principle and Practice”, 2011.
    14)  ICH Harmonised Tripartite Guideline, “Pharmaceutical Quality System Q10”, 2008.
    15)  Feroz J. et al., “Quality by Design for Biopharmaceutical Drug Product Development”, Springer, 2016, pp. 17.
    16) Hirofumi K. et al., J. Pharm. Innov., 7,195-204(2012).

    編集履歴

    2024/01/25 Mr.HARIKIRI

  • [Bio] 1st QbD Approval for Biologics

    [Bio] 1st QbD Approval for Biologics

    2013年

    にバイオ医薬品として初めてQbDを用いて求めたDesin SpaceによるBLA承認を取得した.

    概要

    バイオ医薬品の品質に関するデザインスペースの概念と実践について、ジェネンテック社の経験を紹介したものです。デザインスペースとは、製品の品質属性を満たすためにプロセスパラメータ(PP)を変化させることができる範囲のことです。デザインスペース(DS)が承認されると、製造者は柔軟にプロセスを最適化(optimize)できます。しかし、DSの承認には、多くのデータや根拠が必要です。

    文書では、ジェネンテック社が二つの製品(PerjetaとGazyva)について、全面的なQbD(品質に関するデザイン)の申請を行った結果を報告しています。

    Perjetaはデザインスペースの承認を得られませんでしたが、Gazyvaはデザインスペースの承認を得ることができました。文書では、デザインスペースの承認を得るために、以下のようなポイントが重要であると述べています。

    • 品質属性(QA)やプロセスパラメータ(PP)のリストを作成し、重要度に基づいて選択しないこと
    • 規制当局と早期に相談(comunication)し、自分たちが知っていることや知らないことを透明にすること
    • 不確実性が残っていても、承認後の管理戦略をしっかりと策定すること
    • データを得た後に、リスク評価を反復することを計画すること

    文書は、バイオ医薬品の品質管理におけるデザインスペースの意義と課題について、実例を交えて解説しています。詳しくはこちらをご覧ください

    結論とまとめ

    1. Quality by Design (QbD)はDSの根拠である
    2. Design Space (DS)は成果物である.
    3. traditional approch (従来の手法)
    4. enhanced approach (進んだ手法)

    参考文献

    1st ObD Approval for Biologics: Gazyva Design Space (2013)

    https://qbdworks.com/qbd-biologics-gazyva-design-space/

    編集履歴

    2024/01/25 Mr.HARIKIRI

  • [Bio Edu] Quality by Design – [2021/05/11]

    [Bio Edu] Quality by Design – [2021/05/11]

    ID29705

    Quality by Design

    Quality by Design (QbD)とは、医薬品の開発から始まり、コマーシャル製造のための製造承認申請、および市販後までにおける医薬品の品質を戦略的にデザインする手法である。

    そのためには、様々なツールが使われる。例えば、「魚の骨」、リスク分析ツール、実験デザインのためのDesign of Experience (DoE)などを駆使して、医薬品の品質の向上性・維持に継続的な活動が行われる。

    開発段階では、構築した最終的な製造方法について、その方法がその医薬品の品質にどのように影響するのかを確認するために、製造方法について様々な角度から確認する「Process Characterization」(PC)というイベントの実施が必要となる。その方法で確認された医薬品の製造方法は、市販品と同一の方法である必要がある。別の言い方をすれば、臨床試験第三相試験に使用される治験薬の製造方法とも同一でなければならない。

    PCで確認された製造方法における製造における各種パラメータは、市販品と同スケールでの実製造スケールでの製造確認、すなわち、PPPQは、

    QbDの全体像

    • Quality by Design
      • Development
      • non-clinical study
      • clinical experience
      • QTPP
      • QA → CQA (中間体、原薬の品質特性)
      • PP → CPP (原薬に影響を与える、原薬までの製造プロセスにおけるパラメータ)
        • Proven Acceptable Ranges (PARs)
        • Critical, Key, non-critical (for QA, PP)
          • Safety and Efficacy? (i.e. CQA) → NO : Non-critical
          • YES : NORとPARの関係? → Low RIsk : Key
            • Edge of Failure (失敗の始まり)
            • プロセスの頑健性
            • IPC
            • PAT
          • High Risk → Critical

    NOR : Normal Operating Range (通常の稼働範囲)
    PAR : Proven Acceptable Range (許容範囲)

    • Proven Acceptable Range
      • Zone
      • Normal Operating Range
        • Processing Target

    Quality by Designによる製剤開発とCTD申請 – ファイザー株式会社、September, 2008, 平成20年度GMP事例研究会 –

    http://www.jpma.or.jp/information/quality/pdf/080929_7.pdf

    A-MAB; A Case Study in Process Development

    https://cdn.ymaws.com/www.casss.org/resource/resmgr/imported/a-mab_case_study_version_2-1.pdf

    A-VAX: Applying Quality by Design to Vaccines CMC-Vaccines Working Group May 2012

    https://www.dcvmn.org/IMG/pdf/a-vax-applying-qbd-to-vaccines_2012.pdf

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    2020/08/10 Mr.HARIKIRI
  • [用語] QbD ; quality by design

    [用語] QbD ; quality by design

    QbD ; Quality by Design ; クオリティ・バイ・デザイン

    • 医薬品開発の手法の1つである
    • 製品、工程の理解、および工程管理に重点を置いた、実験によって立証された科学及び品質リスクマネジメント基づく体系的な開発手法
    • 設計した機能を有する最終製品が、純度と有効性の両方の面から計画値を確実に満たす製造方法及び分析方法を開発する
    • ある製造条件で製造され、その結果は分析手法により品質を評価される。ようにするためのものです。 このためには明確な目的と正しいリスク管理が必要です。この条件と結果の因果関係の十分な理解が必要です。
    • この手法の開発によって、消費者、及びメーカーにとって、それぞれ製品に一貫した安全性と有効性の実現、及び品質とコストが十分に管理されるため、両方にメリットをもたらす。 

    PMDA

    https://www.pmda.go.jp/files/000222953.pdf

    医薬品研究開発におけるQuality by Design(QbD)とは? – Mettler Toledo

    https://www.mt.com/jp/ja/home/applications/L1_AutoChem_Applications/L2_PAT/quality-by-design.html

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    2022/01/09, Mr.HARIKIRI