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  • 気になる企業 – Eli Lilly – インスリン製剤のグローバルシェア 25%  [2020/09/28]

    気になる企業 – Eli Lilly – インスリン製剤のグローバルシェア 25% [2020/09/28]

    Eli Lilly

    当サイトでも調査したように、Eli Lillyのインスリン製剤の世界シェアは、1/4です。以下、Eli Lillyを見てみましょう

    売上規模

    • 2019年の売り上げは、$22bn (約2.2兆円) source
    • 近年、Boehringer Ingelheimとの協業による開発を多数行っている

    歴史

    • 1876年創業、創業者のEli Lillyは、インスリンを発見し、ノーベル生理学・医学賞を受賞している
    • 1923年、インスリン製剤(ブタ由来)を世界で初めて商用化
    • 1982年、遺伝子組換えヒト・インスリン製剤(Humulin)を開発
    • 2018年、傘下のElanco Animal Healthのスピンオフ

    製品

    • インスリン製剤
      • 自社のインスリン製剤に専念するだけでなく、強豪であるSanofiのインスリン製剤のBiosimilarを開発するなど、インスリン製剤の寡占状態に甘んじているようでもないように見える
    • 抗体医薬
      • Taltz (IL-17, 尋常性乾癬)
        • 競合は、Novartisの「Consentyx」、Ortho Dermatologics (Bausch Health傘下)の「Siliq」
        • 異なる分子ターゲットでの競合は、「Skyrizi」(Janssen Biotech, AbbVie)、「Duobrii」(Bausche Health)
      • Olumiant (RA)
    • フォルテオ(骨粗鬆症治療薬): ヒト副甲状腺ホルモン(PTH), インタビューフォーム
      • バイオシミラー参入(2020)
    • サインバルタ(抗うつ薬)

    Boehringer Ingelheimとの共同開発

    編集情報
    ID 18848
    2020/07/13 はりきり(MR)
    2020/09/28 追記(インスリン以外の製品)
    
  • [Bio-Edu] インスリン: Insulinの製法 – ID9405

    [Bio-Edu] インスリン: Insulinの製法 – ID9405

    インスリン

    http://www.madehow.com/Volume-7/Insulin.html

    insulinは、preproinsulinから酵素による分解を受けてproinsulinとなり、更にある酵素により22個のアミノ酸(A鎖)と30個のアミノ酸(B鎖)に分解され、2本の鎖がSS結合してinsulin (5,807Da)となり完成する。

    • preproinsulin →
    • proinsulin →
    • insulin (2本鎖)

    生産

    遺伝子組換えによる製造において、製造メーカーにもよるが、以前は、proinsulinを遺伝子組み換えで製造し、別途製造した酵素によりproinsulinを切断してinsulinにする方法が使われていたようで、最近は、A鎖とB鎖を別々に組換え大腸菌で製造し、それぞれを混ぜてco-refoldingすることでfoldしたinsulinを得ているものもあるようです。この条件の詳細についても製造メーカーの技術の見せ所であり、当然、バリエーションが存在しているでしょう。このバリエーションが研究者・技術者の腕の見せ所ですね。

    その他、酵母による分泌系・培養→精製・活性化の手順も使い得るでしょうが、酵母の場合、酵母由来の糖鎖の付加の問題が厄介なので、シンプルに大腸菌で生産するのが戦略的には間違いないと考えられます。

    編集履歴

    2020/02/14 Mr.HARIKIRI
    2021/10/23,文言整備

  • [Bio-Edu] バイオロジクスの原材料が、天然型から遺伝子組換え蛋白質へ移行した理由 – ID6622 [2020/06/25]

    [Bio-Edu] バイオロジクスの原材料が、天然型から遺伝子組換え蛋白質へ移行した理由 – ID6622 [2020/06/25]

    移行先の宿主細胞

    出発材料を天然の原材料から遺伝子組換え細胞に変更した理由は、もちろん生産性が高いためですが、生産性が高いだけでは、変更はできません。

    生産した後の精製工程で歩留まりも問題になってきます。歩留まりに関しては、タンパク質のフォールディングの問題が含まれてきます。

    組換え体として大腸菌を選んだ場合と動物細胞を選んだ場合で、問題となる課題が異なってきます。

    低分子量のタンパク質の場合

    比較的低分子であるインスリンやインターフェロンでは、スムーズに天然型から遺伝子組換え型に移行しています。

    インスリン(6kDa)の場合は、豚や牛由来(膵臓)から・・・

    インターフェロン(13kDa ~ 21kDa)の場合は、白血球や株価細胞から・・・

    それぞれ大腸菌を宿主とする遺伝子組換え蛋白質に移行しています。

    高分子量のタンパク質の場合

    血栓溶解剤のウロキナーゼ(uPA, 31kDa)も、尿由来から・・・

    増血因子であるエリスロポエチン(34kDa)も、尿由来から・・・

    動物細胞を宿主とする遺伝子組換え体に移行しています。

    遺伝子組換え技術と生産株のマッチ

    • 低分子量の蛋白質(分子量: ~20kDa)では、組換え大腸菌での高生産が比較的容易に達成でき、低分子量蛋白質であることから再構成(Refolding)も比較的最適化しやすい。そのため、定分子量のタンパク質では、遺伝子組換え大腸菌に原材料を移行できたと考えられます
    • 高分子量の蛋白質(分子量が30kDa以上の蛋白質)では、Refolding効率が著しく低く、大腸菌で産生させたとしても立体構造の正しいフォールディングになっていないことが多く、そのアンフォールドからフォードを元に戻すことは、工業的な歩留まりを維持しながらは、現在の技術ではほとんど不可能です。そのため、高分子量のタンパク質では、大腸菌ではなく、動物細胞の組換え体に原材料を移行したと考えられます
    編集履歴
    2020/01/09 はりきり(Mr)
    2020/06/25 文言整備

    Insulin human

    https://pubchem.ncbi.nlm.nih.gov/compound/Insulin-human

    インターフェロン アルファ(BALL-1)、分子量は13kDa~21kDaのサブタイプからなる

    http://www.nihs.go.jp/dbcb/Biologicals/interferon-alpha-ball.html

    昔は、尿由来の医薬品も現在では、ほとんどが、遺伝子組換え体に移行しています。

    https://www.chem-station.com/blog/2019/04/urine.html

    インスリン製剤の 変遷をたどる

    http://www.saitama-med.ac.jp/uinfo/mnaika4/pdf/ditn01-11.pdf
  • [Kw] Novo Nordisk, Lilly、および Sanofiの3社はInsulin製剤を寡占している – ID690

    [Kw] Novo Nordisk, Lilly、および Sanofiの3社はInsulin製剤を寡占している – ID690

    3社で寡占する市場規模

    3社で分け合う市場規模は,$22B (2.2兆円)

    Just 3 companies own the global insulin market, and they’re all allergic to fair prices. 2018/10/26

    https://thehustle.co/eli-lilly-novo-nordisk-sanofi-insulin-premiums/

    Novo NordiskのInsulinの市場シェア

    価格による3社の市場シェアは,Novo Nordisk, Sanofi及びEli Lilly,その他の比率は,44%, 33%, 22%, 1% (2011)

    1. 2019のglobal share : $2.0B
    2. Novo Nordisk : 51% -> 46%(2019)
      1. 60 DKK billion (デンマーククローネ, 0.15 USD/DKK) = $9b (0.9兆円), 2019 source: novo nordisk invester presentation
    3. Sanofi : 23%
    4. Eli Lilly : 22%
    5. other : 1%

    販売量による3社の市場シェアは,同様に,51%, 23%, 22%, 4%

    https://www.statista.com/statistics/219598/leading-companies-operating-in-the-global-insulin-market/

    Novo社の公開された資料によれば,insulinの市場シェアは45.9% in 2017であり,2011から2017と6年が経過していてもその地位は揺らいでいない

    https://www.novonordisk.com/content/dam/Denmark/HQ/investors/irmaterial/investor_presentations/2019/20190201_Q4%202018%20roadshow%20presentation.pdf

    ここ50年以上に渡り,Novo Nordisk, Eli LillyおよびSanofiの3社でインスリン市場で寡占を続けている.

    インスリン製剤の外観

    http://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/insulin_list.pdf

    Biosimilar開発企業の動き

    Biocon Biologics

    1. 韓国
    2. 取り組み source
    編集履歴
    2019/07/12 はりきり(Mr)
    2021/01/08 文言整備