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  • [Bio-Culture] CHO細胞の培養における制御パラメータ、添加物及び装置・設備の事例 – ID6721[2020/09/08]

    [Bio-Culture] CHO細胞の培養における制御パラメータ、添加物及び装置・設備の事例 – ID6721[2020/09/08]

    細胞培養とは

    細胞を無菌・人工的に育てること

    制御パラメータ

    • 培養装置
      • 細胞バンクの保管容器
      • フラスコ (ポリ材質)
      • WAVE培養装置
      • iCellis (付着細胞用)
      • Bioreactor (浮遊細胞用)
    • シングルユースバッグ(ポリ材質)
      • Extractable and leachables (E&L/溶出物/浸出物)の問題を抱えている
      • ThermoFisher SciencesのSingle Use Bagす少ないらしい
      • E&L試験の概要 source: 一般社団法人化学物質評価研究機構
      • リスク評価→溶出試験(ワーストケース試験)→毒性試験→浸出試験(実環境の製品)
    • ステンレスタンク
    • 微量混入
      • タングステン(W)
    • 細胞周期
      • ダブリングタイム
        • 安定的に目的タンパク質を生産できる細胞の世代数は、細胞株の構築時に確認されている
        • プロダクション培養のスケールまで拡大培養していく過程で、その世代数は進む
        • プロダクション培養では、一般的に15日以内で終了することになるが、確認された世代数以内で完了しなければならない
      • 安定期
      • 分裂期
    • 温度
      • 基本的に37℃付近で制御する。酵母などでは動物細胞と違い発熱量が多いため基本的に冷却するが、動物細胞の場合、加温することが基本である。
      • 200L SUBでは、Jacket(7L)にLauda製の温度制御装置は、2.25kW加熱、1.25kW冷却を備える5)
    • pH
      • 新陳代謝によるpHの変動を制御。乳酸が蓄積されてくるとpHは下がる
      • 炭酸ナトリウム添加、CO2のスパージ
      • センサープローブ (Finess 5))
    • DO
      • Air, O2のスパージ
      • 30%~90% 5) : 一般的に40%を設定
      • DOプローブ (Finess 5))
    • 通気量
      • BIoreactorのトップからの吹付け、スパージング
      • 200L SUBのO2, Air, N2,では、20 standard liters/minute (SLPM)、CO2では、5 SLPM5)
    • 攪拌速度
      • 細胞の均一化、継続的・随時供給する栄養素の供給の均一化
      • 200L SUBでは、95~140rmp5)
    • 培地
      • 基礎培地 & フィード培地
        • アミノ酸
        • 栄養素
    • 酸素分圧
      • 細胞の呼吸
    • 二酸化炭素分圧(pCO2)
      • 二酸化炭素の培地中溶存量によりpH制御。pCOが低下するとpHが上がる。
      • 細胞培養により代謝産物として作られた乳酸は、pHを下げる
      • 下がったpHを上げるには、CO2を吹き込んでpCOを高める
    • エネルギー源: グルコース
      • 細胞が分裂したり目的蛋白質を生産するエネルギー源
    • ミネラル
      • 細胞が正しく活動するため
      • 亜鉛
      • マンガン
    • 無機塩
      • そのためpH制御のために炭酸ナトリウムの随時添加
    • 脂質
      • 細胞は細胞膜が一番外側にあり、その構成ようしは、蛋白質と脂質の混合構成となっていおり、細胞分裂に必要
    • 成長因子
      • 直接的な細胞増殖のために添加される
    • Antiform, Pluronic F68 5)
    • 代謝産物(中間体)の役割
      • ある代謝サイクルにおける律速の充足効果は研究が続けられている
      • α-ketogultalate (AKG) の添加効果(最近のアンチエイジングのマウスへの摂食研究では、健康寿命や寿命自体が伸びる)

    参考文献

    1)

    1から分かる細胞培養における培養環境

    https://www.thermofisher.com/blog/learning-at-the-bench/cell-culture-environment/
    2)

    Chinese Hamster Ovary(CHO)細胞を用いた高品質 な抗体医薬の高生産培養システムの開発

    https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/index.php?action=pages_view_main&active_action=repository_action_common_download&item_id=36952&item_no=1&attribute_id=17&file_no=1&page_id=13&block_id=83
    3)

    公開特許公報(A)_細胞培養制御方法、細胞培養制御装置及びこれを備える細胞培養装置

    https://biosciencedbc.jp/dbsearch/Patent/page/ipdl2_JPP_an_2011229215.html
    4)

    CHO プロトコール System200

    https://www.gelifesciences.co.jp/tech_support/manual/pdf/wave_03_16.pdf
    5)

    The Unican Concept: Engineering Dual Capability into Single-Use Vessels

    https://bioprocessintl.com/upstream-processing/upstream-single-use-technologies/unican-concept-engineering-dual-capability-single-use-vessels/
    編集履歴
    2020/01/11 HARIKIRI(MR)
    2020/09/08 追記(付着及び浮遊細胞用装置、AKG代謝)
  • [Bio-Edu] 高分子蛋白質の組換え宿主細胞として大腸菌、酵母に勝るCHO細胞 – ID6629

    [Bio-Edu] 高分子蛋白質の組換え宿主細胞として大腸菌、酵母に勝るCHO細胞 – ID6629

    大腸菌

    大腸菌では、翻訳後修飾における糖鎖付加機能がないものの、糖鎖の付加がされないタンパク質で、且つ比較的分子量が小さいバイオロジクス製品に採用されている。その理由は、不溶化(Inclusion Body)するほど高い生産性、低分子でのRefoldingは確立されているためである。

    ただし、抗体医薬などの高分子蛋白質においては、Re-folding技術は確立されておらず用途はこれらに限られる。

    • 原核生物に属する細菌 (染色体DNAが、裸で細胞内に存在する)
    • 倍化時間 : 20分
    • 生産性は、酵母より数倍高いと考えられる
    • 糖鎖付加しない
    • 産生タンパク質は、細胞内に留まる(Inclusion Body)
    • 糖タンパク質でない医薬品として、数十年の実績がある

    酵母・カビ

    酵母では、翻訳後修飾における糖鎖付加機能はヒトと同様にあるものの、付加される糖鎖は巨大な酵母型であり、ヒトにおいて免疫原性のリスクがある。ヒト型糖鎖付加の研究は地道になされているようであるが、道のりは長い。

    • 動物細胞と同じ真核生物である真菌(違いは、硬い細胞壁)
    • 倍化時間 : 2時間(酵母)
    • 高い生産性(Pichia Pastoris: >10g/L、カビ: >100g/L)
    • 酵母・カビ由来の巨大な糖鎖付加
    • 生産タンパク質は、菌外に分泌される
    • 医薬品として実績が殆どない

    酵母とシステムバイオロジー
    岡山屋大学

    https://tenure5.vbl.okayama-u.ac.jp/HM_blog/?p=97

    動物細胞

    CHO細胞では、哺乳細胞のであることから付加される動作はヒト型に類似していたものの、生産性が現在と比べて1/100 ~ 1/1000と低くコスト高であった。しかし、CHO細胞の改変と培養技術や培養用培地の改良された。

    • 倍化時間 : 24時間
    • ヒト型の糖鎖付加
    • 生産性は、抗体医薬で10g/Lの報告がある
    • 生産物は、細胞外に分泌される
    • 医薬品として数十年の実績がある

    細胞株

    商用化されている抗体医薬では、以下の細胞株が使われている。日本において70程度の抗体医薬品が薬価収載されているが、80%程度は、CHO細胞である。残りは、SP2/0とNS0であ。

  • [Bio-Material] 一過性発現 – 品質・生産性とも安定発現株に迫る – Gibco ExpiCHO Expression System (ThermoFisher) – ID5031 [2019/12/27]

    [Bio-Material] 一過性発現 – 品質・生産性とも安定発現株に迫る – Gibco ExpiCHO Expression System (ThermoFisher) – ID5031 [2019/12/27]

    ExpiCHO Expression System

    製造株は、CHO細胞を前提にすると、HEK293細胞でサンプルを調製するよりも、CHO細胞でサンプル調製するのが合理的である。

    ThermoFisherから、従来のHEK293細胞を用いた一過性発現システムに加えて、CHO細胞を用いた一過性発現システムが上市されている。

    抗体医薬などバイオロジクスの開発期間の短縮にもつながるもりと考えている。

    以下、CHO細胞を用いた一過性発現システム (Gibco ExpiCHO Expression System)を紹介する。

    Gibco ExpiCHO Expression Systemより

    一過性発現(transient expression)でも、生産性・品質とも安定発現株に迫る「Gibco ExpiCHO Expression System」

    品質もStable株由来に近似

    抗体での生産性は、通常の一過性発現では、0.1~0.5g/L程度のところを、一過性発現でありながらExpiCHO Expression Systemでは安定発現株で得られる4g/Lに迫り、且つ、付加糖鎖組成の類似性も高い。

    生産性

    ExpiCHOは、Expi293と比較しても、Human IgGで約3倍の生産性がある

    安定株との品質の比較

    高生産性を実現し、且つ安定発現株と同等の糖鎖組成を示す

    培養スケーラビリティ

    35mLから1L培養液スケールでのスケーラビリティは高く生産性比90%以上が得られる

    3つの培養条件

    条件3は、1より3倍の生産性(3g/L/Day12~13)

    条件

    1. Standard プロトコール:1回のフィード添加+温度シフトなし
    2. High titer プロトコール:1回のフィード添加+32℃への温度シフト
    3. Max titer プロトコール:2回のフィード添加+32℃への温度シフト
    編集履歴
    2019/12/27 Mr.はりきり
    2020/01/15 追記
    2020/03/30 文言整備
  • [用語] CHO; Chinese Hamster Ovary; (バイオ医薬品の宿主細胞として最も使用実績がある) – ID18725

    [用語] CHO; Chinese Hamster Ovary; (バイオ医薬品の宿主細胞として最も使用実績がある) – ID18725

    CHO

    CHO; Chinese Hamster Ovary。バイオ医薬品を産生させるホストセルとして頻用される株化された動物細胞である。世界で最も多くの製品がCHO細胞から作られている。抗体医薬では、培養液1リットル(L)あたり、10gという高い生産性の報告がある。通常は、~5g/L程度の生産性があれば実製造では十二分に高いと評価される。

    編集履歴

    2019/07/11, Mr. Harikiri