はじめに
目次
- はじめに
- UTMとは何か
- Buffalo VR-Uシリーズの特徴
- Synology Routerの特徴
- 余っているPCでUTMを作る方法
- Synology Router故障時の予備としてPC UTMを使えるか
- 3方式の比較
- どれを選ぶべきか(2ページ)
- おすすめ構成(2ページ)
- 注意点(2ページ)
- まとめ(2ページ)
- 用語集:UTM・VPN・Synology・PCルーター編(2ページ)
自宅や小規模事業所でSynology NASやWordPressを外部公開している場合、通常の家庭用ルーターだけで十分なのか、UTMルーターを導入すべきなのか迷うことがあります。
この記事では、以下の3つを比較します。
- Buffalo法人向けVPN/UTMルーター(10万円程度)
- Synology Router(6万円程度,2023年当時は4万円)
- 余っているPCにOPNsense/pfSenseを入れて作るUTM
UTMとは何か
UTMとは、Unified Threat Managementの略で、複数のセキュリティ機能を1台にまとめた仕組みです。
主な機能は以下です。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| ファイアウォール | 不要な通信を遮断する |
| VPN | 外部や拠点間を安全に接続する |
| IDS/IPS | 不審な通信を検知・遮断する |
| Webフィルタ | 危険なサイトへのアクセスを制限する |
| ログ管理 | 通信状況や異常を確認する |
ただし、UTMは万能ではありません。メール添付、PC内のマルウェア、NASの脆弱性、WordPressプラグインの脆弱性までは完全には防げません。
Buffalo VR-Uシリーズの特徴
Buffalo VR-U500Xは、法人向けのVPNルーターです。公式ページでは、IPsec VPNによる拠点間接続、AES 256bit暗号化、PPTPより安全性の高いIPsec対応が説明されています。
特徴は、以下です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 法人・小規模事業所向けVPN/UTM |
| Wi-Fi | VR-U500Xは基本的に有線ルーター |
| VPN | IPsec VPN重視 |
| UTM | 別売ライセンスで追加 |
| 管理 | キキNaviによる遠隔管理 |
| 向く用途 | 多拠点、事業所、業務用ネットワーク |
Buffaloの強みは、日本語UI、国内サポート、法人向けの分かりやすさです。一方で、SynologyのようなNAS連携や多機能OS的な自由度は高くありません。
Synology Routerの特徴
Synology RT6600axなどは、SRMというルーターOSで動作します。公式ページでは、最大5つのネットワーク、最大15個のWi-Fi SSID、VLAN対応、ネットワーク分離などが説明されています。
特徴は、以下です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 高機能Wi-Fiルーター+NAS連携 |
| Wi-Fi | Wi-Fi 6対応 |
| VPN | VPN Plus Server |
| セキュリティ | Threat Prevention、Safe Access |
| 管理 | DSMに近いSRM GUI |
| 向く用途 | Synology NAS利用者、自宅兼事務所、小規模LAN |
Synology Routerは、NAS利用者には非常に分かりやすいです。DSMに近い感覚で、VPN、VLAN、Wi-Fi分離、アクセス制御を管理できます。
一方で、本格的な法人UTM専用機というよりは、高機能ルーターにセキュリティ機能を追加した製品と考える方が現実的です。
余っているPCでUTMを作る方法
余っているPCにOPNsenseやpfSenseをインストールすれば、UTMに近い機能を構築できます。OPNsense公式では、推奨構成として1.5GHz以上のマルチコアCPU、8GB RAM、120GB SSDが示されています。
基本構成は以下です。
ONU / モデム
↓
OPNsense / pfSense PC
↓
スイッチ
↓
Synology NAS / PC / Wi-Fi AP / WordPressサーバー
最低限、PCには2つのLANポートが必要です。
WAN側NIC:インターネット側
LAN側NIC:家庭・事務所側
機能面では、BuffaloやSynologyを上回ることも可能です。
| 機能 | PC UTM |
|---|---|
| ファイアウォール | 可能 |
| VPN | WireGuard / OpenVPN / IPsec |
| VLAN | 可能 |
| IDS/IPS | Suricata等で可能 |
| Webフィルタ | 追加機能で可能 |
| ログ解析 | 可能 |
| 多拠点VPN | 可能 |
ただし、設定ミスのリスク、電気代、故障時対応、アップデート管理はすべて自己責任です。
Synology Router故障時の予備としてPC UTMを使えるか
可能です。
通常時はSynology Routerを使い、故障時にOPNsense/pfSense PCへ切り替える構成が現実的です。
通常時:
ONU
↓
Synology Router
↓
LANスイッチ / NAS / PC
障害時:
ONU
↓
OPNsense / pfSense PC
↓
LANスイッチ / NAS / PC
もっとも簡単なのは、障害時にLANケーブルを差し替える手動切替です。
自動切替も理論上は可能ですが、Synology RouterとOPNsense/pfSenseを完全なHAペアにするのは難しいです。pfSenseのHA構成ではCARPを使いますが、公式ドキュメントではCARP構成に各サブネット3つのIPアドレスと同期用ネットワークが必要と説明されています。
3方式の比較
| 項目 | Buffalo VR-U | Synology Router | PC UTM |
|---|---|---|---|
| 導入しやすさ | 高い | 高い | 低〜中 |
| セキュリティ機能 | 法人向け | 家庭〜小規模向け | 構成次第で強力 |
| VPN | 拠点間VPN向き | NAS/VPN利用向き | 非常に柔軟 |
| Wi-Fi | 別途APが必要 | 内蔵 | 別途APが必要 |
| NAS連携 | 一般的 | 強い | 設定次第 |
| 保守 | メーカー任せ | メーカー任せ | 自己管理 |
| 消費電力 | 低め | 低め | PC次第で高い |
| 拡張性 | 中 | 中〜高 | 非常に高い |
| 失敗時の復旧 | 比較的簡単 | 比較的簡単 | 知識が必要 |
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