ネットワークセキュリティ : UTMルーターは必要か?Buffalo VR-U500X・Synology Router 6600ax・余りPCで作るUTMを比較考察する.

はじめに

目次

  1. はじめに
  2. UTMとは何か
  3. Buffalo VR-Uシリーズの特徴
  4. Synology Routerの特徴
  5. 余っているPCでUTMを作る方法
  6. Synology Router故障時の予備としてPC UTMを使えるか
  7. 3方式の比較
  8. どれを選ぶべきか(2ページ)
  9. おすすめ構成(2ページ)
  10. 注意点(2ページ)
  11. まとめ(2ページ)
  12. 用語集:UTM・VPN・Synology・PCルーター編(2ページ)

自宅や小規模事業所でSynology NASやWordPressを外部公開している場合、通常の家庭用ルーターだけで十分なのか、UTMルーターを導入すべきなのか迷うことがあります。

この記事では、以下の3つを比較します。

  • Buffalo法人向けVPN/UTMルーター(10万円程度)
  • Synology Router(6万円程度,2023年当時は4万円)
  • 余っているPCにOPNsense/pfSenseを入れて作るUTM

UTMとは何か

UTMとは、Unified Threat Managementの略で、複数のセキュリティ機能を1台にまとめた仕組みです。

主な機能は以下です。

機能内容
ファイアウォール不要な通信を遮断する
VPN外部や拠点間を安全に接続する
IDS/IPS不審な通信を検知・遮断する
Webフィルタ危険なサイトへのアクセスを制限する
ログ管理通信状況や異常を確認する

ただし、UTMは万能ではありません。メール添付、PC内のマルウェア、NASの脆弱性、WordPressプラグインの脆弱性までは完全には防げません。

Buffalo VR-Uシリーズの特徴

Buffalo VR-U500Xは、法人向けのVPNルーターです。公式ページでは、IPsec VPNによる拠点間接続、AES 256bit暗号化、PPTPより安全性の高いIPsec対応が説明されています。

特徴は、以下です。

項目内容
目的法人・小規模事業所向けVPN/UTM
Wi-FiVR-U500Xは基本的に有線ルーター
VPNIPsec VPN重視
UTM別売ライセンスで追加
管理キキNaviによる遠隔管理
向く用途多拠点、事業所、業務用ネットワーク

Buffaloの強みは、日本語UI、国内サポート、法人向けの分かりやすさです。一方で、SynologyのようなNAS連携や多機能OS的な自由度は高くありません。

Synology Routerの特徴

Synology RT6600axなどは、SRMというルーターOSで動作します。公式ページでは、最大5つのネットワーク、最大15個のWi-Fi SSID、VLAN対応、ネットワーク分離などが説明されています。

特徴は、以下です。

項目内容
目的高機能Wi-Fiルーター+NAS連携
Wi-FiWi-Fi 6対応
VPNVPN Plus Server
セキュリティThreat Prevention、Safe Access
管理DSMに近いSRM GUI
向く用途Synology NAS利用者、自宅兼事務所、小規模LAN

Synology Routerは、NAS利用者には非常に分かりやすいです。DSMに近い感覚で、VPN、VLAN、Wi-Fi分離、アクセス制御を管理できます。

一方で、本格的な法人UTM専用機というよりは、高機能ルーターにセキュリティ機能を追加した製品と考える方が現実的です。

余っているPCでUTMを作る方法

余っているPCにOPNsenseやpfSenseをインストールすれば、UTMに近い機能を構築できます。OPNsense公式では、推奨構成として1.5GHz以上のマルチコアCPU、8GB RAM、120GB SSDが示されています。

基本構成は以下です。

ONU / モデム

OPNsense / pfSense PC

スイッチ

Synology NAS / PC / Wi-Fi AP / WordPressサーバー

最低限、PCには2つのLANポートが必要です。

WAN側NIC:インターネット側
LAN側NIC:家庭・事務所側

機能面では、BuffaloやSynologyを上回ることも可能です。

機能PC UTM
ファイアウォール可能
VPNWireGuard / OpenVPN / IPsec
VLAN可能
IDS/IPSSuricata等で可能
Webフィルタ追加機能で可能
ログ解析可能
多拠点VPN可能

ただし、設定ミスのリスク、電気代、故障時対応、アップデート管理はすべて自己責任です。

Synology Router故障時の予備としてPC UTMを使えるか

可能です。

通常時はSynology Routerを使い、故障時にOPNsense/pfSense PCへ切り替える構成が現実的です。

通常時:
ONU

Synology Router

LANスイッチ / NAS / PC

障害時:
ONU

OPNsense / pfSense PC

LANスイッチ / NAS / PC

もっとも簡単なのは、障害時にLANケーブルを差し替える手動切替です。

自動切替も理論上は可能ですが、Synology RouterとOPNsense/pfSenseを完全なHAペアにするのは難しいです。pfSenseのHA構成ではCARPを使いますが、公式ドキュメントではCARP構成に各サブネット3つのIPアドレスと同期用ネットワークが必要と説明されています。

3方式の比較

項目Buffalo VR-USynology RouterPC UTM
導入しやすさ高い高い低〜中
セキュリティ機能法人向け家庭〜小規模向け構成次第で強力
VPN拠点間VPN向きNAS/VPN利用向き非常に柔軟
Wi-Fi別途APが必要内蔵別途APが必要
NAS連携一般的強い設定次第
保守メーカー任せメーカー任せ自己管理
消費電力低め低めPC次第で高い
拡張性中〜高非常に高い
失敗時の復旧比較的簡単比較的簡単知識が必要

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