CTDの構成はどうなっているか? [2025/05/06]

Module 2の構成

CTDのModule 2は、モジュール3〜5(品質・非臨床・臨床)に関する概要(サマリー)をまとめた部分です。
規制当局(PMDA, FDA, EMAなど)が審査の際に最初に読む、非常に重要なモジュールです。


🔹 CTD Module 2 の構成概要

📁 2.1 CTDの概要(General Introduction)

  • CTD全体に関する簡単な紹介文(提出の背景、構成など)
  • 通常1〜2ページ程度の説明書き(日本では必須ではない)

📁 2.2 CTDサマリー(Overall CTD Table of Contents)

  • CTD全体(Modules 2〜5)の目次
  • 各セクションの構成を一覧形式で示す(eCTDでは自動生成も)

📁 2.3 品質に関する全体概要(Quality Overall Summary:QOS

  • Module 3(品質情報)の要約版
  • 原薬(Drug Substance)と製剤(Drug Product)に分かれた構成:
    • 2.3.S:原薬の概要(製造法、特性、規格など)
    • 2.3.P:製剤の概要(組成、製造、安定性など)

📁 2.4 非臨床概要(Nonclinical Overview)

  • Module 4(非臨床試験)の全体的な要約
  • 薬理・毒性・薬物動態など、安全性の評価まとめ

📁 2.5 臨床概要(Clinical Overview)

  • Module 5(臨床試験)の全体的な要約
  • 有効性、安全性、使用経験、ベネフィット/リスク評価など

📁 2.6 非臨床サマリー(Nonclinical Written and Tabulated Summaries)

  • 分野別の非臨床試験データを表形式+記述形式で要約
    • 2.6.1 薬力学(一次・二次・安全性)
    • 2.6.2 薬物動態(吸収、分布、代謝、排泄)
    • 2.6.3 毒性(急性、反復、生殖、発がん性など)

📁 2.7 臨床サマリー(Clinical Summary)

  • 臨床試験データの詳細なサマリー(記述+表)
    • 2.7.1 生物薬剤学・臨床薬理
    • 2.7.2 有効性
    • 2.7.3 安全性
    • 2.7.4 付録(統合データの表など)

🧭 構成図イメージ

objectivecコピーする編集するModule 2
├── 2.1 CTD概要
├── 2.2 CTDサマリー目次
├── 2.3 品質概要(QOS)
├── 2.4 非臨床概要
├── 2.5 臨床概要
├── 2.6 非臨床サマリー(詳細表)
└── 2.7 臨床サマリー(詳細表)

📌 Module 2のポイント

  • 審査官がまず読む要約セクション:評価の印象を左右する重要パート
  • 明快で簡潔な要約が求められる(資料本文はModule 3〜5に格納)
  • eCTDではPDFで提出されることが多く、各セクションにXMLタグが付与される

以下に、**CTD Module 2(特に2.4 非臨床概要 / 2.6 非臨床サマリー)**の作成に関連する:

  1. GLP要件の基本
  2. 毒性試験記載テンプレート(2.6 / 2.4 対応)
  3. 新規モダリティ(例:核酸医薬)における非臨床戦略の考え方

を順にご紹介します。


✅ ① GLP要件(非臨床試験)

🔸 GLP(Good Laboratory Practice)とは

  • 非臨床安全性試験の信頼性を確保するための国際的基準
  • 日本では**医薬品GLP省令(厚労省)**が適用
  • **CTD Module 4(原報)**だけでなく、Module 2(サマリー)にもGLP準拠の明記が求められる

📌 Module 2での記載例(2.6や2.4中)

コピーする編集する本試験は、OECD GLP基準および厚生労働省のGLP基準に準拠して実施された。
GLP適合性確認は実施機関のQA部門により行われ、試験責任者による署名済み最終報告書を取得している。

GLP省令の概説


✅ ② 毒性試験の記載テンプレート(2.6.3向け)

🔹 サンプル構成:2.6.3「毒性に関する文書と表形式サマリー」

bashコピーする編集する【試験タイトル】
28日間反復投与毒性試験(ラット、経口投与)

【試験番号】
TOX-XYZ-001

【被験物質】
API(ロット番号:123456)

【試験機関・GLP適合】
ABC試験センター(OECD準拠)

【群構成】
対照群、高用量、中用量、低用量(各群10匹/性)

【評価項目】
臨床症状、体重、血液・血液生化学、器官重量、組織病理など

【主な結果】
- NOAEL:30 mg/kg/day(♂)、10 mg/kg/day(♀)
- 100 mg/kg群で肝障害(ALT, AST上昇)と脂肪変性を認めた

【考察】
→ 薬理作用と関連あり、可逆性を確認済。

📝 2.6には記述形式、表形式の両方が求められます(ICH M4Sに準拠)


✅ ③ 新規モダリティ(例:核酸医薬)の非臨床戦略

🔬 特性:

  • DNA/RNAベースの医薬品(例:アンチセンス、siRNA、mRNA、ASOなど)
  • 標的特異性が高く、毒性プロファイルが従来と異なる

📌 非臨床戦略のポイント(Module 2.4で総括)

評価項目留意点
薬理試験標的遺伝子の発現を確認するin vitro試験、動物種の選定(ヒトとの相同性)
PK試験分布(肝臓、腎臓への集積)、組織残留、消失経路の確認(代謝酵素不要)
毒性試験反復投与毒性(通常2種)、局所毒性(皮下注など)、免疫刺激性(Toll様受容体など)
遺伝毒性・発がん性一般に不要(ターゲット特異性と非組換え性に基づく)
免疫毒性必須、特に免疫活性化の有無(IL-6, INF-αなどの測定)
反芻動物への適応ヒトと近い動物種(例:サル)が必要な場合も多い

📄 Module 2.6/2.4ではどうまとめるか?

  • モダリティ特有の項目を明記し、ICHガイドラインとの整合性を示す
  • 必要な場合は、「評価不要」の理由も科学的に記載する
  • 例: 遺伝毒性試験は実施していない。本品は標的配列に特異的な20-merのASOであり、染色体DNAとの相互作用の可能性は極めて低く、既存のガイドライン(例:ICH S2(R1))に従い不要と判断した。

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