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  • [特許] クレーム内容を理解するために文献レビュー —「対象発明の理解を通じたクレーム作成方法の提案、そしてその応用」、パテント (2013),Vol.66, No.13 – / Udemyのオンライン・ビデオ講座 で完結する – ID13101[2020/11/29]

    [特許] クレーム内容を理解するために文献レビュー —「対象発明の理解を通じたクレーム作成方法の提案、そしてその応用」、パテント (2013),Vol.66, No.13 – / Udemyのオンライン・ビデオ講座 で完結する – ID13101[2020/11/29]

    技術者としての特許の理解

    通り一辺倒の教育だけでは、理解は決して深まらない

    「特許の流れ」は手続きなので、理解は容易です。しかし、特許文献としてその特許の範囲を理解したり、自分で特許を書く場合手続きではないので、その理解は容易ではありません。今回、特許の内容の理解、特許を書くこと、について方法論を論じている論文を紹介します。

    特許に関わる役者には、現場レベルの研究者/技術者と、特許の専門家である弁理士、また、その間を繋ぐ組織内の専門組織やスタップがいます。

    昔から、「リエゾン」(参考1)を進める動きはありました。特許部門からの提案は、ある時、突然出てきます。しかし、特許の査定を中心とした思考活動を学ぶことに、専門外となる研究者/技術者は、なかなか真剣に取り組みません。

    技術者は、最低限において技術の内容が理解できれば良いため、特許成立に関わる基準が分からないまま、特許の内容を限定的に理解していることが多くあると思われます。

    これが、リエゾンが進まない大きな要因であると、僕は考えています。

    しかし、現場で特許に関する知識が、あやふやのままで良いのでしょうか?。折角の新規の技術が見つかったとしても、認知もできずに公知化することによる技術の流出や、競争相手の特許内容の理解が乏しく、対策が遅れたいするリスクが高まります。

    私も含めて、特許クレームを本当に、腹落ちするように理解ができているのでしょうか?

    今回、この文献を読んで、私は、腹落ちがしました。通り一辺倒の同じような教育やその内容を理解しても、堂々巡りです。尖った内容でアプローチの異なる理解により、停滞していた理解を深められます。

    今回、この文献を読んで、相当程度の理解が深まったと感じています。

    本当の研究者/技術者になる

    自分たちで見つけた新規技術を特許申請することは、競業他社の特許を読み解くよりは、遥かに簡単です。

    外部環境がどうなのかを知り、それを受けて自分たちの強みをどのように維持し、或いは、強めていくのか、そのためには、正確に外部環境を理解する必要があります。

    そこで、他社特許(査定中を含め)に対して、その特許クレームは、どのように読み解けばいいのか、未だ査定中で特許に至っていない公開段階で、そのクレーム内容を読み解いた時、すべてのクレームに特許性があるのか、その特許を受けるに値しないクレームはどれなのか、今後、特許として査定される範囲はどれくらいなのか、そのような判断を迫られる場面は、新規技術に関わる研究者/技術者として遭遇する事は多いと思います。

    特許の専門家にコメントを求めることは、当然必要です。しかし、実務レベルでも試行錯誤しなければならない場面も沢山あり、いつも、専門家のコメントを求めていれば、判断が遅れます。

    スピードが求められる場合や小さな組織では、多能であることも求められます。

    今回、レビューした1つの文献は、そうしたあやふやな技術理解ではなく、明確なメソッドとして、クレームを理解し、また、逆にクレームを書くスキームを提案しています。

    対象発明の理解を通じたクレーム作成方法 の提案,そしてその応用 – パテント (2013), Vol.66, No.13

    https://system.jpaa.or.jp/patents_files_old/201311/jpaapatent201311_045-060.pdf

    Udemyのビデオ学習

    今回の文献執筆者である大瀬さんが、以下に紹介した内容のオンライン教材としてUdemyでの受講が可能になりました。約60本のビデオによる解説と実習は、殆どが5分程度、長くて10分の講義です。僕もこの講義を受講し、2020/11/29に全ての学習を完了したので、少しレビューを述べたいと思います。

    講座タイトルは、「初心者でもわかる特許の書き方講座【初心者向け】【弁理士が教える実践特許講座】」です(定価12,600円)。

    副題 は、「特許知識ゼロでも大丈夫!自分の力で発明を文章にして特許書類が作成できるようになります。「発明を理解、把握するステップ」と「理解した発明を特許文章にするステップ」の2つのステップで誰でも簡単に「特許の書き方」を身につけることができます。」

    僕にとって、講座内容の最も重要な部分は、以下の項目の実習に尽きました。

    1. 実務として技術を「要素」、その「属性」、および、それらの「関係」について全てを、エクセル表などに列挙していくメソッド
    2. 以上で、とりまとめた「要素」、「属性」、および「関係」の説明文をほとんどそのままを使って請求項に記述していくメソッド

    これまでに、複数の書籍を購入し特許の勉強をしてきましたが、実務としてここまで、有益な情報を得ることが殆どできなかったことで、独学に限界を感じていました。しかし、今回、書籍ではなく、オンライ・ビデオ学習によって、また、特に技術者にとってわかりやすい開発されたメソッドによって、請求項というものが、3の要素、すなわち「要素」、「属性」及び「関係」からなっていることを、具体的な事例を実習することで、より良く短時間に知ることが出来ました。その結果、特許の請求項を書くことは、もちろん、誰かが書いた既存の特許の請求項を構造的に理解することができるようになったと思います。大変有意義な講義でした。大瀬さんに最大限の感謝を表します (2020/11/29, はりきり(Mr) )。

    予備知識

    クレーム

    • 1つのクレーム(請求項)は、1つの発明である。
    • 特許請求の範囲は、36条4項1号を満たすこと : 特定の課題を解決できること
    • 要素列挙形式 (一般的)
    • 構造的クレーム形式

    一般的な要素列挙形式

    まずは、「構造的クレーム形式」を読んで、用語を理解した上で、以下の要素列挙形式を読み進めてください。

    • 要素間の関連性が多くなると複雑な文章に陥りやすい
    • 曖昧な内容になりやすい

    構造的クレーム形式

    「構成」とは、「要素」、「属性」、「関係性」を総称する。

    この構成を意識すれば、日本語がシンプルになり、クレームを読み込むことも、クレームを作成することも容易になります。

    • 日本語の文章がシンプルになる
    • クレームが多義的になりにくくなる
    • クレームが不明瞭になりにくくなる
    • 補正がし易くなる
    • 外国語への翻訳がしやすくなる
    • 「要素」 (外的不可)
      • 「装置」の場合は、「部品」のこと
      • 「方法」の場合は、「単一の工程(ステップ)」
      • 「プログラム」の場合は、単一の演算を行う「関数」
    • 「属性」:要素の属性 (内的付加)
      • 絶対的な規定のこと
        • 一般名(ねじ、バネ、キャップ)
    • 「関係性」:要素同士の関係性 (特許の世界では組合せという用語が近い)
      • 「要素」間の関連性を相対的に規定すること
      • 丁寧な観察により他との比較を行うことで、見つけ出す
        • AとBは接続されている
        • Aは、Bの軸受けにより支持されている
        • AとBは、適切なな距離の間隔がある

    請求項の事例

    • 請求項1 (独立請求項)
      • 要素は、aとbを備え
      • 属性は、cとdであり
      • 関係性は、eとf
      • である「装置」
    • 請求項2 (従属請求項)
      • 要素は、gを備え
      • 関係性は、i
      • である「請求項1」の「装置」

    従属請求項は、上位概念のクレームに対して、新規性違反などの拒絶理由が出された際に、争える内容となるように構成しておく役目を持たせるのが良い。

    特許を理解するとは

    対象の発明の内容を理解すること。

    • 刺激 → (発明) → 反応、を理解できている
    • 多様な「刺激」に関しても理解できている

    理解を進める作業

    マインドマップを活用できる。

    1. 「要素」(部品)を抽出する
      • 「要素」の振る舞いを理解していること
      • 例えば、Aユニット、Bユニット、処理部
    2. 要素の「属性」を抽出する
      • 最小の単位で抽出する
      • 複数もあり得る
        • 硬さ
        • etc.
    3. 要素間の「関係性」を抽出する
      • 最小の単位で抽出する
      • 複数もあり得る
        • AとBは接続されている
        • Bとそは接続されている
    4. モデル化
      • 構造化 = (要素-属性) x 関係性
    5. 試動
      • 刺激 → 構造体 → 反応、を観察
    6. 発明の理解
      • 以下の反応が同一の結果となれば、発明について理解している
        • 刺激(入力) → (発明) → 反応(出力)
        • 刺激 → 構造体 → 反応
      • 理解できたと、構造体の細部が描かれていることになり、完全に理解したと言えます。
    7. 考察
      • 付随する機能の気づき

    機能・効果
    (要素、属性、関係)

    1)「新規構成の抽出」へ
    2)「発明の詳細な説明」、「課題を解決するための手段」として「明細書」へ

    新規構成の抽出
    (従来技術調査)

    1)「上位概念の発掘」へ
    2)「背景技術」、「先行技術文献」として「明細書」へ

    上位概念の発掘

    1)「構造的クレーム」へ
    2) 「変形例」、「産業利用性」として「明細書」へ

    構造的クレーム

    明細書

    構造的クレームの書き方

    以上を理解していれば、上記、「請求項の事例」に従ってクレームを作ることで、クレームを書くことができます。

    「発明の詳細な説明」欄

    • 構成の説明
    • 機能・作用の説明 : 実例レベルの説明。将来に補正する場合の自由度の担保の役割として利用する。[課題を解決するための手段]での、上位概念化された対象発明が課題を解決することを説明するのと異なる
    • 変形例 : 上位概念化作業の際に見つけた上位概念と含まれる下位概念を記載する箇所。〜のような機構があれば、どのようなものでも構わない。

    「課題を解決するための手段」欄

    • 「特許請求の範囲」をそのままコピペすることが多いが、それをすると、出願後の拡張(不要構成の削除)補正する場合に、それが新規追加事項になる危険性があります (出願当初の請求項の「すべての構成」が課題を解決するために必要と認定されると)
    • 請求項1に記載の発明がどのように機能・効果を発揮するかを簡潔(不要な構成を紛れ込ませない)に記載する

    「発明が解決しようとする課題」欄

    発見した新規構成(要素、属性、関係)を規定として、権利化したい構成をクレームする手法を

    • なぜ、記載順が、「発明が解決しようとする課題」、「課題を解決するための手段」としないのか  : 権利化を目的としているることから、発明内容に従った課題とすべきとの考え
    • 請求項1 : 要素を羅列、属性および関連性
    • 請求項2 : 要素を羅列、属性および関連性
    • ・・・

    注意点
    構成は漏れなく含まれていれば、不要なものがあったとても試動で完全に動かすことができます。即ち、冗長なものが、含まれている可能性を否定できません。

    • 振る舞いに貢献していない記述を削除する
    • これを、割り算型クレーム構築手法、といいます

    割り算型クレーム

    • 「部品」クレームにまで、削ぎ落とすことは、難しい

    掛け算型クレーム構築法の書き方

    • 構成を更に付加して、上位概念をクレームする。
    • 帰納的に推論する
    • 上位概念とは、共通するということ。それをもっと普遍的な言葉に置き換える
    • 掛け算型クレームは、「部品」クレームになりやすい

    • 発明の本質の抽出 (新規性、進歩性) : 従来の全ての技術と比較して
    • 構成が一致していれば、効果も同一のはず
    • 但し、「要素、属性、関係」と効果との因果関係が自明でない技術領域(化学、材料、バイオ)
      • 構成(要素、属性、関係)が、それぞれ開示されていたとしても、その効果が非自明であれば、進歩性がある場合があります
    • 要素同士の関連性がないのであれば、「寄せ集め発明」です
    • 従来技術の組み合わせの場合は、新規性が無いことが基本ですが、阻害要因がありそれを解決できれば、新規性はあると思われます(コメント)

    完成品クレームと部品クレーム

    • 部品クレームの方が権利範囲が広い

    上位概念化万能論への反論

    • 先ずは、不要構成を極限まで削ぎ落とすことが、広い権利を確保できる
    • その後、上位概念化して、広い特許範囲にしていく。

    知的労働の自動化

    • 構造化することでAI処理の容易性が挙げられる。
    • 構成(要素、属性、関係)は、部品として再利用できる
    • これらをデータベース化して、クレームの自動生成
    • 特許翻訳の自動化
    • 先行技術調査の自動化
    • 特許網構築状況の可視化
    • イ号製品被覆状況の可視化

    参考

    参考1

    パテントリエゾンマン養成講座 – より
    パテントリエゾンマン(特許リエゾン担当者)とは、技術者が発明創出をサポートするとともに、その発明を戦略的に活用することを考える立場の人をいいます。今、特許業界で必要とされているのは優秀なパテントリエゾンマンの存在です。

    https://www.nihon-ir.jp/patent-liaison-man/

    編集履歴

    2020/04/10 はりきり(Mr)
    2020/11/29 追記(今回紹介した「対象発明の理解を通じたクレーム作成方法 の提案,そしてその応用 - パテント (2013), Vol.66, No.13」の筆者である、大瀬さんが開発した本内容のビデオ教育プログラムについて受講したので、その概要)
  • [用語] フェリチン (ferritin) – 血液中で鉄分(Fe)を結合して輸送しているタンパク質 [2020/04/03]

    [用語] フェリチン (ferritin) – 血液中で鉄分(Fe)を結合して輸送しているタンパク質 [2020/04/03]

    Ferritin

    フェリチンを精製して純品にすると、その赤さからFeが結合していることが明確に感じられる。

    • フェリチン, ferritin
    • 血清タンパク質
    • 分子量450kDa
    • サプユニットはL鎖(19kDa), H鎖(21kDa)で構成
    • 第三鉄イオン(Fe3+)を4500個を結合する
    • 血中鉄濃度のバッファリング
    • 籠・球形構造
    • Feと結合していないフェリチンをapoferritin
    • 低酸素症で増加

    似た機能の他のタンパク質としてLactoferrin

    • 分子量 : 80kDa
    • 乳タンパク質
    • αヘリックスがリッチなタンパク質
    • 1分子に2つの鉄分子を結合する。

    フェリチン – ウィキペディア

    https://ja.wikipedia.org/wiki/フェリチン

    ラクトフェリン(lactoferrin:LF)

    https://bifidus-fund.jp/keyword/kw017.shtml
  • [Knowledge] 脳に存在する各種細胞 / ニューロン,グリア細胞とその分類- ID12734 [2025/01/04]

    [Knowledge] 脳に存在する各種細胞 / ニューロン,グリア細胞とその分類- ID12734 [2025/01/04]

    余談

    アインシュタインの脳は、死後も保存されているという。研究者によれば、アインシュタインのニューロン数は、一般平均と同等であったが、脳重量は、平均より重かった。その重量差は、グリア細胞の数の多さであった。

    考察するに、ニューロンを長時間活動させることに資するグア細胞(アウトロサイト)の多さが、深く思考するために必要であるのではないかと考えられる。

    脳の細胞

    ニューロン : グリア細胞 = 1 (>0.1兆個) : 10 (>1兆個)

    ニューロン

    • 神経細胞
    • 信号伝達のノード
    • ニューロン同士の結びつきが思考のパターン
    • プログラム言語でいうと、if then文
    • 大昔のコンピュータで言うと「リレー・ユニット」
    • 少し前のコンピュータで言うと、「トランジスタ」

    グリア細胞の種類

    • 活動電位を発生しないサイレントな細胞と思われて来た
    • 睡眠時に脳内から有害物質を除去している
    • グリア同士のやり取り
      • ATPを使う(サイエンス2004/7月号)
    • オリゴデンドロサイト
      • ミエリン鞘を作る
      • ミエリンが無いと信号伝達速度は1/100に落ちる
      • ミエリンは、神経回路の固定化
      • ヒトの神経が再生しない原因の一つ
      • 生後〜20歳ごろまでに作られる
    • ミクログリア
      • 多機能細胞である(膜貫通タンパク質 TREM2/DAP12 – ITAM)
      • 神経細胞の増殖・生存、視細胞の貪食、リソソーム機能、脂質代謝のホメオスタシスなどの調整
      • 中枢神経系 (CNS)での免疫機能(自然免疫)を担う (感染症・がんなどによる炎症や、ミエリンの代謝回転シグナルに応答する)
      • 骨髄由来の造血幹細胞が未熟な内に脳内に入ったもの
      • * TREM2 : Triggering Receptor Expressed on Myeloid cell 2
      • * DAP12 : DNAX-activating protein of 12 kDa
      • * ITAM : Immunoreceptor tyosine-based activation motif
    • アストロサイト
      • グリア細胞の中で最も数が多い
      • 多数の突起を軸索に伸ばして、脳空間を埋めている
      • 栄養の運搬、過剰なイオンの吸収、損傷の修復
      • BBBを担っている
      • 自然免疫を担う
      • (星細胞と言われたりする)
    • シュワン(Schwann cell, オリゴデンドロサイトと同種)

    グリア細胞 – 日本生物部理学会 – より

    https://www.biophys.jp/highschool/A-08.html

    Recent studies utilizing human genetics, brain imaging, and single-cell RNA sequencing have substantively elucidated the biochemical and gene expression programs that support microglial responses to damage – Vigil社, 2020/12

    https://www.vigilneuro.com/trem2

    神経軸索ガイダンス因子

    • RGM-A,B
      • Neogenin関連
    • Nogo-A~C
    • Netrin
      • 細胞膜
    • セマフォリン
    • エフリン

    Blood Brain Barrier (BBB)

    脳内の毛細血管の周囲には、脳内毛細血管内皮細胞を介してアストロサイトが取り巻いている。

    脳内毛細血管内皮細胞は一層であり、その細胞と細胞の間を「Tight Junction」と呼び、BBBの本質である。

    BBBが存在しない脳領域

    全身に及ぶホルモンの分泌が必要な脳領域には、BBBは存在しない.

    • 脳室周囲機関
      • 松果体・漏斗
      • 脳下垂体
      • 最後野

    ADとHGFとの関連

    脳に存在する各種の細胞(ニューロン、アストロサイト、ミクログリア、オリゴデンドロサイトなど)では,HGFの発現が確認されている.

    以下の論文では,データベースで初期のアルツハイマー病(AD)のマーカー(Aβ42, pTau, tTau)と脳髄液中の肝細胞増殖因子(HGF)の相関について統計学的に調査しており,その結果,脳髄液HGFの濃度が高いと,ADマーカーが高濃度であり,軽度認知障害(mild cognitive impairment (MCI))の認知機能低下の速度は速いことに関連していた.

    Associations of the cerebrospinal fluid hepatocyte growth factor with Alzheimer’s disease pathology and cognitive function | BMC Neurology | Full Text (2021)

    編集履歴

    2020/03/29 はりきり(Mr)
    2020/07/14 追記(アインシュタイン)
    2020/12/16、追記 (ミクログリアが多機能である分子機構TREM2について)
    2025/01/04 追記(脳の各種細胞にはADに関連するHGFの発現がみられること)
  • COVID-19関連 — 体外式膜型人工肺(Extracorporeal Membrane Oxygenation:ECMO; エクモ)- ID12683 [2020/03/29]

    COVID-19関連 — 体外式膜型人工肺(Extracorporeal Membrane Oxygenation:ECMO; エクモ)- ID12683 [2020/03/29]

    人工肺医療装置 – Extracorporeal membrane oxygenation(ECMO)

    COVID-19の局面は,死者を如何に少なくできるかに焦点が移ってきている.アメリカのトランプ大統領は,GMに対して国防生産法に従い,「人工呼吸器」の生産を命じたと(3/28)と報道された.

    人工呼吸器の使用よりも,より重症な場合に使用される「人工肺医療装置」がある.2009年の新型インフルエンザでは,既に,人工肺医療装置であるECMOの重要性が認識されているが,今回のCOVID-19においても,ECMOについてTV報道されていた.

    日本には、1,300台が保有されているとのこと。

    ECMOは,例に漏れず日本製ではなく,欧米の数社が製造販売している.

    以下,ECMOについて,原理,構造,製造メーカーについて調査した.

    編集履歴
    2020/03/29 はりきり(Mr)
    2020/04/19 Xenios AGより図を拝借

    原理

    • 鎖骨下中心静脈や太ももの付け根の静脈から静脈血をポンプで取り出し体外循環によって ,膜交換型のOxygenatorに送り,酸素と二酸化炭素を交換し,動脈に血液を戻す.

    構造

    • 血液ポンプは遠心ポンプ
    • 従来のボールベアリング型では, 回転軸部での発熱
      • 溶血や血栓形成,血液変性
      • 長期使用には向かなかった.
    • 現在主流のポンプヘッド部の軸部を点で支える点支持軸受
      • 過熱を抑制し長期可能
    • 膜型人工肺
      • 直径0.1 mm 程の中空糸膜によるガス交換膜
      • この中空糸膜を数千本束ねた構造
      • 接触面積は1~3m
      • 中空糸内部を酸素と空気の混合ガスが流れる
      • 中空糸の外側を血液が環流する
      • 血液相とガス相のガス分圧較差(圧力勾配)が生じることで,ガス交換が行われる
    • 膜の素材及び構造
      • 従来は多孔質ポリプロピレン製
        • 疎水性と血液の表面張力により,血液の漏出を防ぐ
        • 長期使用では徐々に膜の疎水性が損なわれ,血漿リークが問題となっていた。
      • 近年では,ポリメチルペンテン素材
        • 非対称構造多孔質膜
        • 構造の安定化
        • 長期使用可能

    送血および脱血回路

    • ヘパリンコーティング
      • 血栓形成の抑制効果
      • ECMOの臨床使用成績の向上に大きく貢献
      • イオン結合法
        • ヘパリンがマイナスに荷電
        • 基剤表面を陽イオン化処理することでヘパリンを結合させる。
        • コーティング層が厚く,徐々 にヘパリンが溶け出すことで強い抗血栓作用を発現
        • 比較的低コストで処理が可能
        • 結合力が弱く長期の抗血栓作用は期待できない。
      • 共有結合法
        • ヘパリン分子のカルボキシル基,水酸基,アミノ基 を利用して基材表面に付着させる
        • 結合力が強い
        • 長期に亘り抗血栓作用が維持
        • 製造コス トは高い
      • その他
        • 圧モニタリング
        • 脱血圧
        • 人工肺前後圧
        • 脱血側酸素飽和度
        • フローメータ
        • 温度センサー

    適応

    • 急性重症 呼吸不全患者に対して,従来の人工呼吸管理では生命が維持できなく なった時点,または従来の人工呼吸管理を続けた場合に,自己肺に不 可逆的な障害をこうむるおそれがある時点で適応

    具体的な適応

    • 重症呼吸不全 : respiratory ECMO,平均適応日数 10~14日
      • 成人の場合 : PaO2/FiO2 ratio(PFR) <80
      • 小児の場合 : oxygenation index(OI)>40 (参考文献2-1)
    • 重症心不全 : cardiac ECMO

    課題

    • 多大な費用を消耗
    • 多くのスタッフの労力を必要
    • 日本における2009 年のH1N1 インフルエンザでは,ECMOの成績は,他の先進国と比べて劣っていた
    • 専門スタッフの欠如
    • 適切な機材の欠如
    • 患者の集約化がなされていないこと

    酸素供給量の計算

    • 酸素供給量= 動脈血酸素飽和度(SaO2) ×血中ヘモグロビン濃 度(Hb)(g/dl)×10×心拍出量(L/min)×1.36
      • SaO2 :80%, 90%, 100%
      • Hb :8g/dl, 10g/dl

    ECMOプロジェクト

    • 日本の ECMO 成績向上を目的として,2012 年よりが開始
    • 症例登録
    • 適切な ECMO 機材に関する情報提供
    • 症例検討会やシミュレーションコースの開催

    ECMOサプライヤー

    Xenios AG

    以下の図は、Xenios AGサイトより。以上の説明より、以下の図は理解できると思います。

    以上

    参考文献

    参考文献1

    特集 進化した呼吸管理 (2014) –

    https://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/ajrs/003060777j.pdf

    参考文献2

    Extracorporeal Life Support Organization(ELSO)

    https://www.elso.org/

    参考文献2-1

    ELSO Guidelines

    https://www.elso.org/Resources/Guidelines.aspx

    参考文献3

    体外式膜型人工肺(ECMO)の最近の進歩, 四国医誌 73巻5,6号 207~220 DECEMBER25,2017(平29)

    https://repo.lib.tokushima-u.ac.jp/files/public/11/112039/20180809152938466709/sam_73_5-6_207.pdf

    Extracorporeal Membrane Oxygenation (ECMO) Systems Market 2019 to 2024 Growth Analysis by Manufacturers, Regions, Type and Application, Revenue, Market Size, Gross Margin Forecast Analysis

    https://www.marketwatch.com/press-release/extracorporeal-membrane-oxygenation-ecmo-systems-market-2019-to-2024-growth-analysis-by-manufacturers-regions-type-and-application-revenue-market-size-gross-margin-forecast-analysis-2019-11-08
  • [Bio-Edu]腫瘍溶解性ウイルスの発見と体内における免疫系の活性化について – ID12670

    [Bio-Edu]腫瘍溶解性ウイルスの発見と体内における免疫系の活性化について – ID12670

    はじめに

    英文の参考1(2017)を元に、周辺情報も含めてまとめました。

    脳腫瘍

    脳を形作る細胞 (神経組織 : Nervous tissue)

    • ニューロンとグリアの比率は、1:10
    • ニューロン : nerve cells (neurons)
      • 神経伝達の主役
      • 分裂しないためDNA変異の機会がなく腫瘍化しない
    • グリア細胞 (glia): 星細胞 (star-shaped astocytes)
      • 増殖能を有しており、癌化すれば脳腫瘍の主役となる(gliomas)
      • 空間を作るために存在しているのみではなく、ニューロンを動かすエネルギーを供給している
      • その数は、ニューロンよりはるかに多い
      • アインシュタイの脳の大きさは有名ですが、ある研究機関の調査では、ニューロンの数は健常人と変わらないものの、グリア細胞の数が多いという調査結果を出したらと聞いたことがあります(個人的知識)

    腫瘍溶解性の発見

    • マンハッタンの医師ウィリアム・ゴーリー (ゴーリーの毒素: Coley’s toxins)
      • 皮膚に感染した連鎖球菌による感染症で首の腫瘍が溶けることを発見(19世紀末)

    ウイルスの免疫系との接触と免疫系

    1. 病原体(pathogen)は、抗原提示細胞(antigen-presenting cell : sentinel)、マクロファージ、樹状細胞(dendritic cell)に遭遇 (sentinelにも感染)
    2. pathogenは、これら細胞の表面にあるtoll-like receptor (TLR)に結合(ちなみに、TLRはRNAにも結合する)、この記事では、この細胞が腫瘍細胞であることを想定している。
    3. TLRは細胞内にシグナル(danger signal,etc.)を発信
    4. 好中球(neutrophils)は、抗ウイルス物質(補体系のタンパク質、コレクチン、インターフェロン)を放出
    5. やって来たT cell (T細胞)が、更にインターフェロンを放出する(腫瘍細胞を殺す)と共に、B cell (B細胞)を活性化

    ポリオウイルスによる腫瘍攻略を試みた最初の事例

    医者であるMatthias Gromeierは、再発性神経膠腫をポリ王位するで治療することを考えた。

    • ポリオウイルス (改良されたSabin-Rhinovirus)ワクチン: PVSRIPO (病原性を示さないウイルス株)
    • Neuronには感染しない
    • 再発性神経膠腫には感染する (神経膠腫細胞には、CD155が多く発現している)
    • 野生型のポリオウイルスは、霊長類の脳幹と脊髄のNeuronにのみ感染し、1~2%の確率で「弛緩性麻痺」を起こす。感染のための細胞表面の受容体(receptor)は、CD155。

    特許技術へと進展

    2017/08/03、Dr. Gromeierらによる「ヒト腫瘍の腫瘍溶解性ポリオウイルス」: OncPoの特許を取得 、とありますが、この記事を介している今現在(2020/3)の段階で、その技術の成果がどうなっていの情報は、まだ、持っていません。今後、調査します。

    参考1
    Poliovirus To Treat Brain Cancer: A Curious Chronology , Ricki Lewis PhD – PROL BLOG – より

    https://blogs.plos.org/dnascience/2017/09/28/poliovirus-to-treat-brain-cancer-a-curious-chronology/

    以上

  • [健康] 風邪ウイルス (まとめ) – イラノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス・・・ – かぜは万病の元 – ID11306 [2020/03/03]

    [健康] 風邪ウイルス (まとめ) – イラノウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス・・・ – かぜは万病の元 – ID11306 [2020/03/03]

    かぜの症状を示すウイルス

    原因ウイルス

    1. ライノウイルス (rhinovirus) 1)
      • 鼻風邪ウイルス
      • 風邪の30%~50%
      • 100種以上の亜群がある。
      • Picornavirus=pico[スペイン語で、小さい] rna[RNA] virus[ウイルス])科に属する。以下はヒトに感染する
        • エンテロウイルス属
        • ライノウイルス属
        • ヘパトウイルス属(A型肝炎ウイルス。以前エンテロウイルス72型)
      • 春秋に多い
    2. アデノウイルス (adenovirus) 2)
      • 呼吸器感染症
      • プール熱
      • 流行性結膜炎
      • 出血性膀胱炎
      • 胃腸炎
    3. コロナウイルス (coronavirus) 3)
      • 風邪の20%程度を占める
      • 新型としてSARS, MERS, 最近では、SARS2が知られる
    4. RSウイルス (RSV) 4)
      1. 気道感染症の一般的な原因で、ほぼすべての小児が4歳になるまでに感染
    5. ヒトメタニューモウイルス (hMPV) 4)
      • RSウイルスに似ていますが、別のウイルスです。hMPVはRSウイルスと季節的に同じ時期に発生
      • RSウイルスほど多くの小児に感染しません。

    症状

    • 鼻、副鼻腔、のどの粘膜に起こるウイルス感染症 5)
    • 扁桃・咽頭炎 6)

    その他の話題

    A型インフルエンザとライノウイルスの同時感染は、高い確率で起こらないことが、大規模研究の報告がなされています 7)

    参考文献

    1) ライノウイルスについて – 横浜市

    https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/news/external/2019/12/17/18/43/753101

    2) アデノウイルス解説ページ-アデノウイルスの種類と病気

    https://www.niid.go.jp/niid/ja/adeno-pfc-m/2110-idsc/4th/4326-adeno-virus-page2.html

    3) コロナウイルス(投稿)

    4) RSウイルス (RSV) 感染症とヒトメタニューモウイルス感染症- MSDマニュアル 家庭版

    https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/23-小児の健康上の問題/乳児と小児におけるウイルス感染症/rsウイルス-(rsv)-感染症とヒトメタニューモウイルス感染症

    5) かぜ(感冒)- MSDマニュアル 家庭版

    https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/16-感染症/ウイルス感染症/かぜ(感冒)?query=ライノウイルス

    6) 扁桃・咽頭炎- MSDマニュアル 家庭版

    https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/19-耳、鼻、のどの病気/口とのどの病気/扁桃・咽頭炎?query=ライノウイルス

    7) 風邪とインフルエンザの同時感染がめったにない理由- MSDマニュアル 家庭版

    https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/news/external/2019/12/17/18/43/753101
  • [健康] 新型コロナウイルス(Sars-Cov-2)、MARS/SARSとの違い – 感染力 – [2020/10/11]

    [健康] 新型コロナウイルス(Sars-Cov-2)、MARS/SARSとの違い – 感染力 – [2020/10/11]

    ID10959

    風邪のウイルス、コロナウイルス

    ヒトからヒトへ感染する風邪の原因ウイルスの10~15%は、コロナウイルス(Human Coronavirus: HCoV)といわれている。流行期には35%にも達する。

    • HCoV-229E (αコロナウイルスに分類)
    • HCoV-OC43 (βコロナウイルスに分類)
    • HCoV-NL63 (αコロナウイルスに分類)
    • HCoV-HKU1 (βコロナウイルスに分類)

    動物からヒトへ感染するコロナウイルス

    重症化しやすい動物からヒトへ感染するコロナウイルスは、2種類が知られていましたが、新型コロナウイルスが加わり、3種類となりました。

    物性など

    安定性(感染力)まとめ

    • 皮膚表面、80%エタノールで15秒
    • 咳による飛沫では、空気中で最長3時間
    • 金属の銅では、4時間
    • 皮膚での感染力維持期間は、インフルエンザウイルスの1.8時間程度と比較して、9時間
    • 段ボールでは、最長24時間
    • 金属・ガラス・プラスチックでは、最長9日間

    新型コロナウイルスの安定性

    京都府立医科大学大学院は、「SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)とIAV(インフルエンザA型ウイルス)と細胞培養培地の混合物を様々な物体の表面上に塗布して安定性の評価結果を発表しました。SARS-CoV-2のステンレススチール・耐熱ガラス・プラスチック(ポリスチレン)の表面上での生存時間はIAVより8倍程度長いが、80%エタノールの15秒で不活化が可能」

    消毒

    一般論として、脂質二重膜があるウイルスは、アルコールによる消毒は非常に有効である。脂質はアルコールにより溶けるため、ウイルスの構造を破壊することができる。京都府立医科大学大学院の研究では、それを人の皮膚で実証した1)

    1)

    【論文掲載】ヒトの皮膚上に存在する新型コロナウイルスの生存期間を解明 2020/10 — 京都府立医科大学大学院医学研究科 消化器内科学 廣瀬亮平助教、内藤裕二准教授、伊藤義人教授、法医学 池谷博教授、感染病態学 中屋隆明教授ら研究グループ—

    https://www.kpu-m.ac.jp/doc/news/2020/20201005.html
    2)

    【解説】 新型コロナウイルス、表面でどれくらい生きられる? 2020/03

    https://www.bbc.com/japanese/51939641

    コロナウイルスの物性・特徴

    国立感染性研究所,「コロナウイルスとは」-より

    直径約100nmの球形で、小さくない大きさである。表面には突起が見られる。形態が王冠“crown”に似ていることからギリシャ語で王冠を意味する“corona”という名前が付けられた。

    ウイルス学的には、ニドウイルス目・コロナウイルス亜科・コロナウイルス科に分類される。

    脂質二重膜のエンベロープの中にNucleocapsid(N)蛋白に巻きついたプラス鎖の一本鎖RNAのゲノムがあり、エンベロープ (envelope) 表面にはSpike(S)蛋白、Envelope(E)蛋白、Membrane(M)蛋白が配置されている。

    スパイクタンパク質

    注) Spike (スパイク)タンパク質は、受容体結合ドメイン(Receptor Binding Protein)と呼ばれる細胞表面に存在する受容体 (Receptor)に結合する。

    2020/04/15のYAHOO Japan Newsの記事では、新型コロナウイルスでその変異が、早くも確認されたとあった。一般的に、1本鎖RNAは、2本鎖DNAと比較して、安定性が低く変異を起こし易いことが知られている。
    2020/04/15 はりきり(Mr)
    注) 2020/10現在、世界中で新型コロナウイルスのワクチンの開発が行われており、臨床試験の結果もModerna, Astrazenecaなど2、3が出てきている。日本への導入契約がなされたAstrazenecaのAdenovirus Vector Vaccineが最も開発が進んでおり、問題事象も無く抗体価も問題なく高まるとのこと。

    ウイルスゲノムの大きさはRNAウイルスの中では最大サイズの30kbである。遺伝学的特徴からα、β、γ、δのグループに分類される。

    以上、国立感染性研究所,「コロナウイルスとは」-より

    以上、ウイルスと細菌の大きさの違い – 秋田大学 大学院医学系研究科・医学部 – より

    http://www.med.akita-u.ac.jp/~doubutu/kansensho/virus17/virus2-2.html

    新型コロナウイルスとSARS/MERSとの比較

    新型コロナウイルスSARS
    (severe acute respiratory syndrome)
    MERS
    (middle east respiratory syndrome coronavirus)
    発生年2019/1220032012
    病名COVID-19重症急性呼吸器症候群中東呼吸器症候群
    ウイルス種コロナウイルス(1本鎖RNAウイルス)コロナウイルス(1本鎖RNAウイルス)コロナウイルス(1本鎖RNAウイルス)
    分類 ? αコロナウイルス αコロナウイルス
    ウイルス名SARS-CoV-2SARS-CoVMERS-CoV
    感染経路飛沫感染、濃厚接触飛沫感染、濃厚接触濃厚接触
    潜伏期間2-14 days2-7 days2-14 days
    症状発熱、咳、肺炎高熱、肺炎、下痢発熱、咳、肺炎、敗血症
    発生場所中国湖北省/武漢中国関東省アラビヤ半島諸国
    死亡率1.4-2.5%9.5%35%
    起源?コウモリ?ヒトコブラクダ
    取り扱いBLS3BLS3BSL3

    まとめ

    近年、世界的な流行を起こしたウイルスは、風邪のウイルスであるコロナウイルスでした。これまでに、SARS, MARSと世界的流行のなか、日本での影響は少なかったため、ウイルスにるパンデミックの経験としては、実質的にこのCOVID-19が初めてとなりました。SARSは、人間界から消えたと言われていますが、MARSは、小さな流行を繰り返しながら世界の何処かに存在しているようです。

    今後の対策に向けて敵を知るために、COVID-19とSARS, MARSの比較をまとめました。

    以上

    編集履歴
    2020/02/27 はりきり(Mr)
    2020/05/01 文言整備
    2020/05/10 追記(まとめ)
    2020/08/02 追記(MARSはまだ存在している)

    参考文献

    DIAMOND online

    日本は新型肺炎「発生早期」、SARSやMERSとの比較で考える対処法

    https://diamond.jp/articles/-/229049

    NIID 国立感染性研究所

    SARS(重症急性呼吸器症候群)とは

    https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/414-sars-intro.html

    海外で健康に過ごすために 厚生労働省 検疫所 FORTH

    2013年05月24日更新 中東で発生している新種のコロナウイルス感染症について (更新18)

    https://www.forth.go.jp/topics/2013/05241532.html

    NIID 国立感染性研究所

    コロナウイルスとは

    https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/9303-coronavirus.html

    BSL : Bio Safety Level

    関連記事(COVID-19,virus)

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  • 満を持して新世代PCR装置発売、コロナウイルスを15分で測定 – ジーンソック (GeneSoC) – キョーリン製薬 (PCR原理を含めたまとめ) – △ID10926

    満を持して新世代PCR装置発売、コロナウイルスを15分で測定 – ジーンソック (GeneSoC) – キョーリン製薬 (PCR原理を含めたまとめ) – △ID10926

    GeneSoC

    GeneSoc

    遺伝子検査定量装置 GeneSocは、キョーリン製薬が販売する。

    • 原理はリアルタイムPCR法による目的遺伝子の増幅
    • マイクロ流路型サーマルサイクルによる増幅反応サイクルの短時間化に成功
    • 測定時間は、最短5分(~15分)
    • 3波調の蛍光で検出
    • 右側にある4代の検出ユニット構成により最大4検体同時測定

    PCRの手順

    • 検体の前処理
      • 血液からウイルスのDNAを抽出。ウイルスがRNAウイルスの場合RNAを抽出 (手作業)
      • RNAの場合、逆転写酵素というもので、DNAに変換
      • DNA増幅用の酵素(耐熱性)を添加して測定用サンプルとする
    • DNAの増幅(ジーンソック、その他RPC装置)
      • 2重螺旋となっているDNAを1本ずつに解く反応 (denature: 95℃)
      • 目的ウイルスの配列に相補する配列断片(primer)をウイルスDNAに結合させる反応 (annealing: 60℃)
      • primerを足がかりにウイルスDNAの複製化する反応(extension: 75℃)
      • denatureに戻る
      • 以上のサイクルを数十回と重ねてDNAを複製する
    • 最大限増幅されたDNAを定量する

    リアルタイムPCRの原理

    改良されたリアルタイムPCRは、最終産物としてDNAを定量するのではなく、DNA増幅の1つ1つの過程でリアルタイムに増幅されたDNA量を測定するものである。

    人工的にDNAを合成するために添加している原料に蛍光標識してあり、DNA合成に使用された際に蛍光を発するように設計されている。

    最終産物としてのDNAの測定工程が必要でない分、判定結果までの時間が短縮化される。加えて、増幅率としてその傾きがある程度安定した時点で、早期の予測値も可能である。

    今回のGeneSocでは、PCR反応そのものを短時間化した装置となっている。装置が達成する高速化の理由を考察する。

    高速化できた理由

    PCR反応は、denature (例えば95℃), anneal (例えば60℃)及びextension (75℃)にの3つの反応工程で構成されている。すなわち、単純に温度と維持時間の設定をシーケンシャルに変換させていくのみである。

    GeneSocでのマイクロ流路型サーマルサイクルとは、何か。

    因みに、「サーマルサイクル」とは、上記の温度で言えば、95℃→60℃→75℃を1サイクル又は複数サイクルを意味する。

    おそらく、従来より小さな反応空間として少ない反応液量で済む「マイクロ流路」というものを開発したと考えられる。瞬時の温度調節が可能になり、反応温度設定にかかる時間の短縮化も可能となる。

    具体的に検証してみる。

    サーマルサイクルとして一般的な回数30サイクル、GeneSocが謳う15分で測定が完了すると過程する。

    1サイクルは、0.5分となる。各温度調節工程であるdenature, annealing及び extensionに10秒ずつかかる計算となる。

    測定時間が5分のケースでは、1/3の時間になるので、各温度調節工程にかかる時間は3秒ずつとなる。

    参考文献

    PCRを始めませんか、長崎大学医学部附属動物実験施設、大沢一貴さん

    http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/lac/PCR.html

  • [ナレッジ] SAP/Speed-iのワークフロー概要 [2020/02/27]

    [ナレッジ] SAP/Speed-iのワークフロー概要 [2020/02/27]

    アクションアクション概要
    申請承認者へ申請する処理
    承認申請情報を確認して次の承認者に進める処理
    引戻し申請者自身(途中承認者含む)が、申請内容の変更等を目的に次承認者が処理する前に、申請情報を引戻して自身の申請(途中承認)を取り消す処理
    差戻し申請情報を、前承認者または申請者に差戻す処理(否認)
    取止め差戻された申請情報を破棄する処理
    取止め時点でワークフローが完了する
    一時保存申請前(入力途中)の入力情報を一時的に保存する処理
    複写申請繰り返し申請したい申請情報(一時保存)を元に、新たに申請情報を作成(複写)し、申請する処理
    入力途中の申請情報や、完了した申請情報をコピー元として、一時保存することが可能
    転送他申請者が申請する際に複写元として利用できるように、一時保存した申請情報を任意の人に転送する処理(便利機能)
    代理申請他の申請者の代理で、申請する処理
    代理承認他の承認者の代理で、承認する処理
    振替ある特定の申請情報の承認行為を、他の承認者(同等の役職)へ依頼する処理
    保留申請情報に対し、差戻しでも承認でもな