余談
アインシュタインの脳は、死後も保存されているという。研究者によれば、アインシュタインのニューロン数は、一般平均と同等であったが、脳重量は、平均より重かった。その重量差は、グリア細胞の数の多さであった。
考察するに、ニューロンを長時間活動させることに資するグア細胞(アウトロサイト)の多さが、深く思考するために必要であるのではないかと考えられる。
脳の細胞
ニューロン : グリア細胞 = 1 (>0.1兆個) : 10 (>1兆個)
ニューロン
- 神経細胞
- 信号伝達のノード
- ニューロン同士の結びつきが思考のパターン
- プログラム言語でいうと、if then文
- 大昔のコンピュータで言うと「リレー・ユニット」
- 少し前のコンピュータで言うと、「トランジスタ」
グリア細胞の種類
- 活動電位を発生しないサイレントな細胞と思われて来た
- 睡眠時に脳内から有害物質を除去している
- グリア同士のやり取り
- ATPを使う(サイエンス2004/7月号)
- オリゴデンドロサイト
- ミエリン鞘を作る
- ミエリンが無いと信号伝達速度は1/100に落ちる
- ミエリンは、神経回路の固定化
- ヒトの神経が再生しない原因の一つ
- 生後〜20歳ごろまでに作られる
- ミクログリア
- 多機能細胞である(膜貫通タンパク質 TREM2/DAP12 – ITAM)
- 神経細胞の増殖・生存、視細胞の貪食、リソソーム機能、脂質代謝のホメオスタシスなどの調整
- 中枢神経系 (CNS)での免疫機能を担う (感染症・がんなどによる炎症や、ミエリンの代謝回転シグナルに応答する)
- 骨髄由来の造血幹細胞が未熟な内に脳内に入ったもの
- * TREM2 : Triggering Receptor Expressed on Myeloid cell 2
- * DAP12 : DNAX-activating protein of 12 kDa
- * ITAM : Immunoreceptor tyosine-based activation motif
- アストロサイト
- グリア細胞の中で最も数が多い
- 多数の突起を軸索に伸ばして、脳空間を埋めている
- 栄養の運搬、過剰なイオンの吸収、損傷の修復
- BBBを担っている
- (星細胞と言われたりする)
- シュワン(Schwann cell, オリゴデンドロサイトと同種)
グリア細胞 – 日本生物部理学会 – より
https://www.biophys.jp/highschool/A-08.html
Recent studies utilizing human genetics, brain imaging, and single-cell RNA sequencing have substantively elucidated the biochemical and gene expression programs that support microglial responses to damage – Vigil社, 2020/12
https://www.vigilneuro.com/trem2
神経軸索ガイダンス因子
- RGM-A,B
- Neogenin関連
- Nogo-A~C
- Netrin
- 細胞膜
- セマフォリン
- エフリン
Blood Brain Barrier (BBB)
脳内の毛細血管の周囲には、脳内毛細血管内皮細胞を介してアストロサイトが取り巻いている。
脳内毛細血管内皮細胞は一層であり、その細胞と細胞の間を「Tight Junction」と呼び、BBBの本質である。
BBBが存在しない脳領域
全身に及ぶホルモンの分泌が必要な脳領域には、BBBは存在しない.
- 脳室周囲機関
- 松果体・漏斗
- 脳下垂体
- 最後野
編集履歴
2020/03/29 はりきり(Mr) 2020/07/14 追記(アインシュタイン) 2020/12/16、追記 (ミクログリアが多機能である分子機構TREM2について)