カテゴリー: BIOLOGICS

  • [Bio-Education] 医薬品の開発スケジュール [2021/04/08]

    [Bio-Education] 医薬品の開発スケジュール [2021/04/08]

    医薬品の開発スケジュールの概要

    バイオロジクスの開発スケジュールは、以下のようにモダリティの開発を進めつつ、臨床試験を実施し、その結果をもとにさらに臨床試験を実施し、最終的に製造許可を受けます。

    その後、製品についてのモニタリングも臨床試験としての位置づけとしてデータを取得していきます。

    1. Drug Discovery
    2. Pre-Clinical
    3. IND申請(EUではIMPD)と臨床試験開始(Phase I)- 安全性
    4. その結果を受けて、Phase II試験 – 有効性
    5. その結果を受けて、Phase II試験 – 被験者を増やす
    6. そのデータをもとに、NDA申請 (BLAともいう)
    7. 当局から許可が降りれば、製造販売が可能
    8. その後、コマーシャル品でのデータ取得を続ける
    9. (これを市販後調査という)
    10. 問題が生じれば、速やかな対応が義務づけられている
    11. (医薬品メーカーは、定期的な模擬テストにより、情報伝達と対処法の稼働状況を確認し、実際の問題対応に備えている)

    以下は、2015の記事で少し古いが、考え方は変わっていないので、参考になる記事です。

    Special Report on Product Stability Testing: Developing Methods for New Biologics and Emerging Markets, 2015

    https://bioprocessintl.com/manufacturing/formulation/special-report-on-product-stability-testing-developing-methods-for-new-biologics-and-emerging-markets/

    バイオロジクスの開発における細胞株から製造方法

    Manufacturing Process of Biologics (2011, ICH)

    各ステップに関連するICH

    https://www.ema.europa.eu/en/documents/presentation/presentation-manufacturing-process-biologics-kowid-ho-afssaps_en.pdf

    Cell Bankの作成

    FraunhoferのGMP manufacture of master and working cell banksと題する説明には、以下のように解説されている。

    • セルバンクの製造は、医薬品のライフサイクルと生産チェーンにおける最初のGMP要素である.
    • これは、生物学的APIを一貫して作成するための前提条件である.
    • 繰り返しの継代培養または複数世代の生物は、特性と完全性に予期しない変化をもたらす可能性がある
    • そのため、すべての生物学的原薬の生産は、少数の世代倍増で準備されたマスターセルバンク(MCB)とワーキングセルバンク(WCB)に基づいている.
    • MCBとWCBで構成される2層セルバンクシステムは、バイオ医薬品のライフサイクル以降にわたって一貫した原材料/細胞基質の供給を保証する.
    • 更に、セルバンクのストレージは、安全で制御され、監視されたセルバンクシステムで、超高温、つまり液体窒素より上の気相で行われる必要がある.

    Fraunhofer ITEMのサービスから

    Fraunhoferのサービスから、MCB/WCBは、ICHQ5Dに準拠したGMP製造で行うとしていることから、これは要件であると捉えられる. 前述の文献( 2011 ICH)にもMCB/WCBに関連するのは、ICHQ5Dとの記載がある。

    • 原核生物および真核生物(細菌、酵母、真菌、哺乳類細胞株など)のマスターおよびワーキングセルバンク(MCBおよびWCB)のICHQ5D準拠のGMP製造
    • MCBまたはWCBバイアルの数量:最大300
    • MCBまたはWCBの容量:クライオバイアルあたり1 ml〜5 ml
    • セルバンキング用の特別装備の生産設備、すなわちクラスDおよびクラスCのクリーンルーム
    • 25年にわたる社内の技術および規制に関する専門知識
    • 液体窒素の気相での超低温(<-150°C)でのMCBおよびWCBのGMP準拠の保管
    • テストと特性評価のために、FraunhoferITEMはすでにいくつかのテストラボと契約関係を確立しています。

    Fraunhofer ITEM

    GMP manufacture of master and working cell banks

    https://www.item.fraunhofer.de/en/services-expertise/drug-development/development-of-biotherapeutics/GMP_manufacture.html

    ICHQ5D

    • バンク化された株が対象
    • 動物細胞、微生物
    • 微生物の代謝産物、例えば、 抗生物質、アミノ酸、炭水化物、及びその他の低分子物質はこれに含まれない
    • 起源、由来、履歴
      • 微生物細胞の場合、細胞株として 樹立した後の継代数を記載すればよい
      • 血清、酵素、加水分解物、又はその他の生細胞等
      • ヒト又は動物由来の材料に細胞が 曝露されることがあったのか
      • それら生体成分の起源、調製及び管理方法、各種試験結果、並びに 品質保証に関する情報
      • 適切な親株
        • 特別な操作の例としては、細胞融合、形質導入、細胞の 選択、コロニー分離、クローニング、遺伝子増幅、特定の培養環境や培地への適応化など
        • 細胞基材の開発過程でどのような方法が用いられたかに関する情報
      • 「細胞基材」とは、目的の遺伝子配列が導入された 形質転換細胞であり、更に、単一の前駆細胞からクローニングされたものである
      • セル・バンクの品質、及び各セル・バンクについて実施した試験の内容を保証する責任負っている
      • セル・バンク・システム
        • MCBからワーキング・セル・バンク(WCB)を調製するという2段階方式のセル・バンク の考え方
      • セル・バ ンクの適格性に関する評価基準
      • ローニングはされていないが、既に十分均一であり、製造目的にかなう細胞集 団の場合も、クローン細胞からセル・バンクを調製する必要はない
      • 重要な点は、特性解析されたセル・バンクによって、一定品質の医薬品が得られる ということである
      • 微生物発現系においては、セル・バンクの更新にあたって、形質転換を改めて行って、新 たなセル・バンクを調製する場合がある。この方法は、新規の形質転換ごとに、あらかじめ 綿密に試験してある宿主セル・バンク及びプラスミド・バンクを使用すること、並びに形質 転換して得られたセル・バンクごとに改めて試験を実施することが前提となる
        • このような代替法が妥当と認められる理由は、細菌や酵母での形質転換が、 後生動物細胞の形質転換とは異なり、一般的に高い再現性を有し、しかも容易な操作で行い 得るからである
      • セル・バンクで起こる可能性がある汚染すべてを検出でき るような試験方法はない。したがって、細胞をバンク化する過程で以下の予防策を講じるこ とで、汚染がないことを
        • 採用したバンク・システムの種類、セル・バンクのサイズ、用いる容器(バ イアル、アンプル、その他の適当な容器など)及びその密封方法、凍結保護剤や培地を含む セル・バンクの調製方法、並びに凍結に際しての条件や保存条件について明らかにする必要
      • 微生物汚染や同一室内で使用される他の細胞との交叉汚染を回避
        • 方法、並びに各セル・バンクを構成する容器について事後の追跡調査をするための方 法を記載
      • バンクを構成する各保存容器の内容 が均一であることを保証するためには、各容器に分注する前に、すべての培養容器の培養液 からの細胞を合わせて、1つの細胞プール
      • 細胞プールから細胞を滅菌済の容器に分注し、 密栓後、適当な条件下で保存
      • 製造に使用
        • 火災、停電、人的過失がある。製造業者は、こうした 状況に対する予防措置について明らかに
          • 複数の冷凍庫で のセル・バンクの重複保存
          • 予備電源や液体窒素をセル・バンク保存ユニットへ自動供給す るシステムの使用
          • MCBやWCBの遠隔施設での分割保存
          • MCBの更新
      • 特性解析/品質評価
        • 細胞基材への他の細胞株の混入、外来 性の有害因子及び内在性因子やその他の混入物質(例えば、宿主由来の毒素や抗生物質)の 有無について評価す
      • ウイルス安全性評価
        • ICHQ5A
      • 遺伝子発現構成体の分析
        • ICHQ5B
        • 目的タンパク質をコ ードする遺伝子配列が既に明らかにされている場合には、同様の方法により塩基配列を解析すれば、有用な情報となる
        • しかし、関連する遺伝子群から発現するタンパク質ファミリー、 微生物ワクチン抗原、ハイブリドーマから得たモノクローナル抗体のような複雑な構造を持 つタンパク質の遺伝子配列の解析は、必ずしも必要とは考えられない。
      • 特性解析
        • 表現型、遺伝子型
        • フル試験は、MCB
        • 一部の試験は、WCB
        • 動物細胞
          • 形態解析
          • アイソザイム
        • 微生物
          • 選択培地
          • ファージ型分析
      • 純度試験
        • 以降、執筆中

    ICHQ5D (2000)— pmda —

    生物薬品(バイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)製造用細胞基材の由来、調製及び特性解析

    https://www.pmda.go.jp/files/000156150.pdf

    編集履歴

    2020/09/24 Mr.Harikir
    2021/04/08 追記: バイオロジクスの開発における細胞株から製造方法
  • [遺伝子治療薬] ZOLGENSMA – AveXis-Novartis社が開発した筋萎縮性側索硬化症 (SMA)治療薬 – SM [2020/07/27]

    [遺伝子治療薬] ZOLGENSMA – AveXis-Novartis社が開発した筋萎縮性側索硬化症 (SMA)治療薬 – SM [2020/07/27]

    筋萎縮性側索硬化症

    筋萎縮性側索硬化症(Spinal Muscular Atrophy (SMA))は、10万人あたり0.6人です。日本では、認定されているSMA患者は約900人、0~9歳の患者数は30人。年間の投与対象患者数は、15~25人と見積もられています source

    ZOLGENESMA

    スイスのノバルティス社が買収したAveXis社の開発した骨髄性筋萎縮症(ウィキペディアより)に対する遺伝子治療薬。2歳未満の患者を対象として、infusion pumpで投与され、血液脳関門(BBB)から神経へ送達される。

    類似薬 : Biogen社のヌシネルセン「スピンラザ®️」 (アンチセンスオリゴヌクレオチド; ASO)、参考文献、KEGG(薬価)

    薬価収載

    売り上げ想定(25人 x 1.67億円 = 42億円)は、50億円を超えないので先駆け審査加算10%が適用されています source。もしも超える場合は、傾斜加算(割引)の規定により加算率は低くなっていたとのこと。

    2020/05/20, 1億6707万7222円 source(製薬業界 きょうのニュースまとめ読み)

    米国では、2億3千万円です。

    HIGHLIGHTS OF PRESCRIBING INFORMATION
    The highlights do not include all the information needed to use ZOLGENSMA safely and effectively. See full prescribing information for ZOLFGENSMA.

    HIGHLIGHTS OF PRESCRIBING INFORMATION These highlights do not include all the information needed to use ZOLGENSMA safely and effectively. See full prescribing information for ZOLGENSM

    詳細

    以下は、現在、Authorしか閲覧できません。

    [ignore]

    使われているAAVベクター

    • Biologics License Application, STN 125694
    • 血清型 : AAV9
    • エンハンサー/プロモーター : サイトメガメロウイルスエンハンサー/ニワトリβ-アクチンハイブリッドプロモーター
    • GOI : ヒト生存運動ニューロン遺伝子
    • TLR : AAV2の2つのうち、1つは導入遺伝子の分子内アニーリング促進を促進する修飾

    製造

    製造期間は30日、製品は12ヶ月保存可能 source: BioProcess International

    AveXis Inc.は、RegenexBio社からAAV9を含むライセンスを受けている。

    培養細胞

    • 宿主細胞は、mammalian(哺乳動物)の接着性のHEK293細胞が使われている。
    • (おそらく接着細胞の培養装置であるiCELLis 500+が使われている?)
    • トリプルトランスフェクション

    製造方法

    • 製法変更(Process → Process B)はP1後に実施、ブリッジしている。新製造でも安定性の改善はない。純度は上がった。

    評価

    • SMM(目的蛋白質遺伝子)、モデルマウスのサバイバル

    Drug Substance

    <60℃ long-term frozen storage

    Drug Product

    • 2.0e13 vg/mL
    • 5.5mL or 8.3mL in 10mL vial
    • 2-9 vial kit
    • 組成 : 20mM Tris pH8.0, 1mM MgCl2, 200mM NaCl, 0.005% Poloxamer 188(Pluronic F68)
    • 冷蔵保存 <14days、凍結保存 < 1年
    • Vialへの吸着が重要
    • AvexisへのSite Changeあり、Comparability Studyの実施(マウスサバイバル)、
    • Clinical Qualityとして、特製解析、力価(2種類)、純度試験、由来不純物、感染性、DNAシーケンス(方法非開示)
    • Potency(細胞内での目的蛋白質の発現量)、安定性は、vg濃度でみている
    • 1e14 vg/15mL ~ 70mL / infusion by pump(CMAXが臨床データと異なるのではないか)

    因みに、製造量から取れ高を試算

    iCerisは500L Maxとして, 1e17 vg/500Lが製造できると仮定, 回収率を10% → 1e16 vg。投与量は、上記投与量から1e14 → 100人分。

    [/ignore]

    ZOLGENSMA

    (CMC Review Memoより、製造方法を確認できる)

    https://www.fda.gov/vaccines-blood-biologics/zolgensma

    Novartis’ Zolgensma study halted by FDA amid safety questions

    https://www.reuters.com/article/us-novartis-gene-therapy/novartis-zolgensma-study-halted-by-fda-amid-safety-questions-idUSKBN1X90XS
  • [Bio-Material] Mustang® Q Membrane Units (2004) を使ったアプリケーション (Pall)

    [Bio-Material] Mustang® Q Membrane Units (2004) を使ったアプリケーション (Pall)

    AAVの精製

    Pall社の陰イオン交換体: Mustang Q membraneを使用したアデノウイルスの精製方法

    吸着/溶出モードによるアデノウイルスの精製.流速,吸着容量の設定の記載あり.

    溶出画分は,不純物であるDNAより前にアデノウィルスが溶出される.

    Dynamic High Capacity Mustang® Q Membrane Units for Scaleable Anion Exchange Chromatography Purification of Adenoviral Vectors

    https://www.cell.com/action/showPdf?pii=S1525-0016%2816%2940971-8

    pDNAの精製

    pDNAは負の電荷であるため、陰イオン交換体であるMUSTANG Qに結合することが可能である。

    • 吸着(一般)
      • 塩濃度: 低い(数十mM)
      • pH: 中性 ~ アルカリ性

    編集履歴

    2020/09/19, Mr.HARIKIRI
    2021/07/06, 追記(pDNAの精製)
  • [抗体医薬] ゾレア; Omalizumab (ノバルティス) – 花粉症を対象とする抗IgE抗体 – 重症に限定 – 効能変化再算定 により薬価引き下げ  [2021/05/11]

    [抗体医薬] ゾレア; Omalizumab (ノバルティス) – 花粉症を対象とする抗IgE抗体 – 重症に限定 – 効能変化再算定 により薬価引き下げ [2021/05/11]

    最初に

    ゾレアは、花粉症の体内における発症メカニズムにおいて、IgEと結合して、IgEとマスト細胞との結合を抑制し、その後の反応経路を抑える抗体医薬です。ただし、誰でも投与できる薬ではありません。重症の患者に限定されています。

    アレルギー反応では、アレルゲンに対するIgEが多く作られ、このIgEのFc部分がマスト細胞(肥満細胞)の細胞表面にあるIgE受容体(FcεRI; エプソーイプシロンレセプターワン)に結合し、さらにアレルゲンとIgEが結合します。

    よく知られた反応では、その後の体内での反応は、マスト細胞内でヒスタミンの放出シグナルが発生し、ヒスタミンが細胞外に放出されますsource(奥羽大学)

    ゾレア(Zolair, 皮下注,オマリズマブ、ノバルティスファーマ)は、このアレルギー反応におけるIgEの経路を抑制することで、花粉症というアレルギー反応を改善する抗体医薬です。

    2020年に日本で承認されましたが、承認とともに使用方法についてのガイドラインが発出されています。

    アレルギーが起こるしくみを理解する

    -新規抗アレルギー薬の開発をめざして-, 研究紹介 – 奥羽大学

    http://www.ohu-u.ac.jp/faculty/research/researchP5.html

    適性使用ガイドライン

    ガイドライン(1)ガイドライン(2)、季節性アレルギー性鼻炎の成人の患者に対して、75~600mg/回、2週または4週おきに皮下に注射する。類似の抗体医薬であるアトピー性皮膚炎(デュピルマブ)では、一般的には、初回600mg投与、2週おきに300mg投与との情報もある。

    検査

    適性使用する場合、重症度の指標である血中のIgE濃度が検査される。検査方法は、FEIA, CLIEAなどがあり、それぞれで感度がことなることから、それぞれの閾値は異なるものの設定される。CLEIA, FEIAの詳細は、検査方法の略称と概要を参照のこと。

    • FEIA : Fluorescence Enzyme Immunoassay, 蛍光酵素免疫測定法, 抗原抗体反応の最終産物として蛍光が得られる。蛍光は、一般的な色素より微量で測定できるため感度が高い
    • CLIEA : Chemiluminescent Enzyme Immunoassay, 化学発光・酵素免疫測定法, 反応の最終産物として化学的な光が得られる。感度は、FEIAとより高い(化学発光は蛍光より感度が高い*1)。

    *1 : シングル検出(化学発光)から マルチ検出(蛍光)へ – Bio-Rad –

    一般的に、化学発光は、蛍光より感度が高いが、高コスト、同時多種測定は不可、発光強度の経時的な変化が大きく再現性に課題、などかある。

    https://www.bio-rad.com/webroot/web/pdf/lsr/japan/japanese/literature/C11682L_wb_news_vol3.pdf

    薬価

    薬価は、KEGGサイトで参照できる。

    薬価サーチサイト KEGG MEDICUS 薬価

    https://www.kegg.jp/kegg/medicus/
    • ゾレア皮下注用150mg: 46,422円, (2019/12)
    • ゾレア皮下注150mgシリンジ: 46,490円, (2019/12)

    類似のアトピー性皮膚炎の治療薬である「デュピルマブ」の薬価は、300mgで83152円(2019/12)であり、ゾレアとほぼ同等の薬価となっている。

    参考

    ノバルティス、抗体製剤オマリズマブのスギ花粉症に対する国内第Ⅲ相臨床試験結果発表 – ノバルティス –

    https://www.novartis.co.jp/news/media-releases/prkk20190226

    効能変化再算定による薬価引き下げ

    ゾレアの主たる効能は、2019年12月の適応拡大の承認に伴って、「気管支喘息」から「季節性アレルギー性鼻炎」と判断され、効能効果再算定の特例の適応を受けている。

    • 効能変化再算定 : 主たる効能に変化があった医薬品の薬価を、類似した医薬品の薬価に近づくように引き下げるルール。
    • 2020年度より、特例が新設され、類似薬がなくても、患者数が、10倍以上に拡大する、などの要件が揃うと適用される。
    • 2020/4の薬価改訂により、ゾレアは、以下のように薬価が引き下げられた。
      • 23,625円 → 14,812円 (75mgシリンジ)
      • 46,490円 → 29,147円 (150mgシリンジ)

    「ゾレア」効能変化再算定の特例で37.5%の引き下げ、335成分55品目に新薬創出加算 – 20年度薬価改定 | トピックス

    https://answers.ten-navi.com/pharmanews/17895/

    編集履歴

    2019/12/09 はりきり(Mr)
    2020/06/23 文言整備
    2021/02/12 追記(FEIAとFCIEAの解説、文言整備)
    2021/05/11 追記(2020/04,効能変化再算定による薬価引き下げ)
    重篤副作用疾患別対応マニュアルアナフィラキシー
    承認情報
    公知申請への該当性に係る報告書
    最適使用推進GL 等
     承認年月日等 報告書 申請資料概要 備考
     2019年12月11日  季節性アレルギー性鼻炎(最適GL) –  – 
     2019年12月11日  審査報告書 申請資料概要季節性アレルギー性鼻炎(既存治療で効果不十分な重症又は最重症患者に限る)の効能・…
     2017年03月24日  審査報告書 申請資料概要特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る)の効能・効果を追加とする新…
     2013年08月20日  審査報告書 申請資料概要気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)を…
     2009年01月21日  審査報告書 申請資料概要気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)を…
    改訂指示
    DSU 等
     発出日 文書名
     2017年05月08日  DSU259.pdf
     2013年10月01日  DSUNo.223
     2012年10月01日  DSUNo.213
     2010年03月01日  DSUNo.187
  • [遺伝子治療薬] ZOLGENSMA – スイスのノバルティス社(AveXis)が開発した遺伝子治療薬  [2020/06/22]

    [遺伝子治療薬] ZOLGENSMA – スイスのノバルティス社(AveXis)が開発した遺伝子治療薬 [2020/06/22]

    ZOLGENESMA

    スイスのノバルティス社(売上高約500億ドル, Investing.com調べ)が買収したAveXis社の開発した骨髄性筋萎縮症(Spinal Muscular Atrophy; SMA)に対する遺伝子治療薬。

    • 開発コード : AVXS-101
    • 日本申請 :2018/11/14 source

    薬価収載

    Drug Product

    • 2.0e13 vg/mL
    • 5.5mL or 8.3mL in 10mL vial
    • 2-9 vial kit
    • 1.1e14 vg/kg
    • 20mM Tris pH8.0, 1mM MgCl2, 200mM NaCl, 0.005% Poloxamer 188(Pluronic F68)
    • 冷蔵保存 <14days、凍結保存 < 1年

    HIGHLIGHTS OF PRESCRIBING INFORMATION
    The highlights do not include all the information needed to use ZOLGENSMA safely and effectively. See full prescribing information for ZOLFGENSMA.

    HIGHLIGHTS OF PRESCRIBING INFORMATION These highlights do not include all the information needed to use ZOLGENSMA safely and effectively. See full prescribing information for ZOLGENSM

    使われているAAVベクター

    • Biologics License Application, STN 125694
    • 血清型 : AAV2のrep2, AAV9のcap9source(1)
    • エンハンサー/プロモーター : サイトメガメロウイルスエンハンサー/ニワトリβ-アクチンハイブリッドプロモーター
    • GOI : ヒト生存運動ニューロン遺伝子
    • TLR : AAV2の2つのうち、1つは導入遺伝子の分子内アニーリング促進を促進する修飾

    培養細胞

    • 宿主細胞は、mammalian(哺乳動物)のHEK細胞が使われている source(1)

    SMM(目的蛋白質)、モデルマウスのサバイバルをみている。

    製法変更(PA→PB)はP1後に実施、ブリッジしている。新製造でも安定性の改善はない。純度は上がった。

    Drug Substance

    <-60℃ long-term frozen storage

    ~ For member only



    ZOLGENSMA

    https://www.fda.gov/vaccines-blood-biologics/zolgensma

    Novartis’ Zolgensma study halted by FDA amid safety questions

    https://www.reuters.com/article/us-novartis-gene-therapy/novartis-zolgensma-study-halted-by-fda-amid-safety-questions-idUSKBN1X90XS

    ゾルゲンスマ点滴静注に関する資料
    PMDAサイトより

    https://www.pmda.go.jp/regenerative_medicines/2020/R20200407001/300242000_30200FZX00001_B100_2.pdf

    審査報告書

    ゾルゲンスマ – 審査報告書 – PMDA –

    https://www.pmda.go.jp/regenerative_medicines/2020/R20200407001/300242000_30200FZX00001000_A100_2.pdf
    編集履歴
    2019/12/04 Mr.HARIKIRI
    2020/06/22 追記 (薬価、AveXis)
  • [Bio-Edu] 抗体医薬 – パセオンが提案する3つの製造受託オプションとCOGs – Patheonが提案するオプションとは  [2020/01/24]

    [Bio-Edu] 抗体医薬 – パセオンが提案する3つの製造受託オプションとCOGs – Patheonが提案するオプションとは [2020/01/24]

    はじめに

    COGsとは、Cost of Googsのことで、単位生産費用を意味します。バイオ医薬品の製造におけるBioreactorのスケールの需要は5,000L以下が最も多いようです。もっとも、世界的に売り上げている製品では、ステンレス・タンクの20,000Lスケールでの製造も行われています。

    Patheon社はバイオ医薬品のCDMOです。スケール需要の多い5,000Lを前提にして、この複数のSingle Use Bioreactorの稼働を前提にすれば、製造設備建設の数年の期間を生産株の生産性向上として開発期間を充てることができまする。これによりCOGsの改善を進める戦略を提案しています。

    PHARM TECH JAPAN – バイオ医薬品の製造戦略による競争力向上市場と技術・設備動向に合わせた新たな選択肢 – Patheon 2018 セミナー-より

    https://ptj.jiho.jp/article/133619
    Option 1Option 2Option 3
    Productivity(g/l)2.12.17
    Yield(g)42003150028000
    Bioreactor(L)2000150004000
    COGs:Own($/g) 幅あり1256050
    175100100
    COGs:CMO($/g) 幅あり35010080
    500150120
    CAPEX 幅あり60800100
    1001200150
    BuildDuration (year) 幅あり1~1.53~51.5~2
    • Option 1 : Small Scale, Orphan Drug
    • Option 2 : Large Scale, Blockbuster Drug
    • Option 3 : CDMOの高産生株技術採用でProductivity向上、複数Bioreactor使用

    参考文献では、抗体医薬品のCost of Goods (COGs)は、5,000円〜15,000円/gである。

    1) 動物細胞による抗体医薬品のステンレスタンクを使用した場合の土地・建物を除くコスト構造
    培養・精製の消耗品比率(%)
    人件費20
    設備・減価償却費25
    メンテナンス10
    培養原材料費15
    精製原材料費30
    2) 原材料のコスト構造
    項目比率(%)
    培地関連30
    各種フィルター20
    クロマト関連40
    試薬10

    バイオ医薬品製造技術の最新動向とビジネス展望 2017 抗体医薬品の製造コスト構造 より

    クロマト関連では、Protein Aの価格が大きな割合を占めている

    考察
    2)の原材料のコスト構造では、シングルユース使用を前提としていない。シングルユース使用の場合、シングルユースバッグが多数使われる。培地関連:25%, 各種フィルター + シングルユース関連: 30%, クロマト関連: 40%, 試薬: 10%が妥当。

    CDMO委託の場合、1)から培養精製の原材料と人件費・設備・メンテナンスなどの固定費の比率が約50:50であるとすると。原材料の費用の2倍に、CDMOの利益が設定される。合理的には、33:33:33として、原材料の3倍が原材料込みの委託製造費用であると試算できる。

    Phatheonのサイト

    編集履歴
    2020/01/24 Mr.HARIKIR
    2020/08/19 タイトル修正、文言整備
    2020/09/19 追記(COGsの説明と生産スレールの需要について
  • [Bio-Equip] Single Use Bioreactor – ThermoFisher  [2020/09/19]

    [Bio-Equip] Single Use Bioreactor – ThermoFisher [2020/09/19]

    Bio-Equipment

    シングル・ユース・バイオリアクター及びバッグ

    HyPerforma 5:1 シングルユースバイオリアクター (S.U.B)

    https://assets.thermofisher.com/TFS-Assets/BPD/brochures/hyperforma-5-1-single-use-bioreactor-br-12-ja.pdf

    HyPerforma Single-Use Bioreactor (S.U.B.)
    For optimal cell culture performance

    http://tools.thermofisher.com/content/sfs/brochures/Brochure5-1Single-UseBioreactorCOL31347October2016.pdf

    バイオプロダクション向け 統合ソリューションのご紹介

    https://assets.thermofisher.com/TFS-Assets/BPD/brochures/bpd-capabilities-pb-16-ja.pdf

    BIOPRODUCTION – ThermoFisher

    http://assets.thermofisher.com/TFS-Assets/LSG/brochures/BPD-Product-Capabilities-Catalog.pdf

    HyPerforma 2:1 2,000 L Single-Use Bioreactor

    https://assets.thermofisher.com/TFS-Assets/LSG/brochures/hyperforma-2-1-2000l-single-use-bioreactor-data-sheet.pdf
    編集履歴
    2020/03/06 Mr.HARIKIRI
  • [Bio-Equip] Single Use Bioreactor, 4,000L – ABEC  [2020/09/19]

    [Bio-Equip] Single Use Bioreactor, 4,000L – ABEC [2020/09/19]

    Bio-Equipment

    2,000Lを超えて

    2,000Lを超えるSingle use bioreactorは、ABECが2015年に4,300L(3,500L working volume)として販売を開始している。さらに、2017年には、4,900L(4,000L working volume)を販売してを開始した(2019/10, BioProcess Insider, Mullen)。

    シングル・ユース・バイオリアクター用バッグ

    HyPerforma 5:1 シングルユースバイオリアクター (S.U.B)

    https://assets.thermofisher.com/TFS-Assets/BPD/brochures/hyperforma-5-1-single-use-bioreactor-br-12-ja.pdf
    https://youtu.be/2o3mQ9859e8

    [Bio-Equip] Single Use Bioreactor, 4,000L – ABEC [2020/09/19]

    [Bio-Equip] Single Use Bioreactor, 4,000L – ABEC [2020/09/19] はコメントを受け付けていません

    [Bio-SUB] Single Use Bioreactor – バイオ医薬品の要である培養装置 – 製造メーカーまとめ [2020/08/12]

    [Bio-SUB] Single Use Bioreactor – バイオ医薬品の要である培養装置 – 製造メーカーまとめ [2020/08/12] はコメントを受け付けていません

    気になる企業 – ABEC、バイオリアクター供給メーカー、日本ではあまり知られていない [2019/11/24]

    気になる企業 – ABEC、バイオリアクター供給メーカー、日本ではあまり知られていない [2019/11/24] はコメントを受け付けていません
  • [Bio-Equi] Viresolve – ウイルス除去フィルター – Merck Millipore  [2020/09/19]

    [Bio-Equi] Viresolve – ウイルス除去フィルター – Merck Millipore [2020/09/19]

    Viresolve® Proソリューション

    Cross Flowタイプのウイルス除去フィルター

    チョイス

    実績で選ぶなら、AsahiKASEIのPlanovaシリーズ、処理効率で選ぶならMerck MilliporeのViresolveシリーズです。Viresolveでは、Cross Flowタイプであるため、デッドエンドろ過のPlanovaシリーズより5~10倍の処理時間短縮が図れます。

    • Planovaシリーズは、実績、コスト
    • Viresovleシリーズは、効率性
    viresolve

    Viresolve® Proソリューション

    https://www.merckmillipore.com/INTERSHOP/web/WFS/Merck-JP-Site/ja_JP/-/JPY/ShowDocument-Pronet?id=201306.4952

    Viresolve® Pro Virusろ過ソリューション

    https://www.merckmillipore.com/JP/ja/20140219_170502

    関連

    編集履歴
    2020/03/06 Mr.HARIKIRI
  • [Gene Therapy] Valrox –  血友病Aの遺伝子治療法薬として世界で初めて市販なるか – 200~300万ドルを予定 [2020/06/22]

    [Gene Therapy] Valrox – 血友病Aの遺伝子治療法薬として世界で初めて市販なるか – 200~300万ドルを予定 [2020/06/22]

    ID23142

    Valrox

    Valroxは、アメリカのBIOMARIN社が開発した血友病Aに対するrAAV(遺伝子組換えAAVベクター)を使用する遺伝子治療薬です。

    遺伝子治療薬は、1回の治療で症状が改善または完治することを前提にしている治療薬です。

    臨床試験では良好な成績を得て、今年、当局の承認を得そうです。現在、同様の遺伝子治療薬として、ROCHE-SPARKも臨床試験を継続しています。

    BIOMARINは、Valroxの価格を200~300万ドルを想定していると言っているようです。

    世界で最初に当局に承認されたrAAVを使用する遺伝子治療薬は、2019に承認されたZolgensmaという脊髄性筋萎縮症の治療薬ですが、その価格は、2億1,250万ドルです。日本では、2020/05/20に薬価収載され1億6707万7222円になりました。

    詳しい価格設定のスキームは理解していませんが、日本では、薬の価格は当局が一定の算定基準により決めますが、このような他に類を見ない医薬品は原価積み上げ方式で設定されます。アメリカなど外国では、企業が価格を設定しているようですが、詳細は把握していません。

    Valrox, Potential Hemophilia A Gene Therapy, May Cost Up to $3 Million, BioMarin Says (2020/01/20)

    https://hemophilianewstoday.com/2020/01/20/biomarin-weighing-2-million-to-3-million-price-for-valrox-hemophilia-a-gene-therapy/

    編集履歴

    2020/06/11 はりきり(Mr)
    2020/06/22 追記 (Zolgensmaの薬価)