Blog

  • [Trip] カメリカ・カリフォルニア – Hyatt House Emeryville/San Francisco – ID2752 [2019/10/21]

    [Trip] カメリカ・カリフォルニア – Hyatt House Emeryville/San Francisco – ID2752 [2019/10/21]

    Hyatt House Emeryville/San Francisco

    カリフォルニア空港から車で40分ほどの距離にある振興都市Emeryville villeのホテルです。この地域のアパートの賃貸料は高騰しているとのことです。

    朝食

    Rock outの教訓

    USA、カリフォルニアのホテルです。寝れずに夜中2時頃、iPad Pro 11でblogのメンテナンスをしていました。

    部屋の外の廊下で人がバタバタと走る物音がした。

    しばらくすると、英語のアナウンス。”Building” だの、”fire”だの。警報が更に焦らせます。そして、パニクりました。

    なぬ〜。”何をもって外に逃げないといけないのか”、”それよりまずは廊下に出てみるか”。

    外に出てみた。

    ”オーマイゴット”。Rock out, my key in my room!!

    でも逃げねば、非常階段はチェックしていたので、非常階段に向かう、下る。ドタバタ。。。

    結果。Hotel’s staff said that “all ok”. トースターの加熱とのこと。確かにいい匂いが充満してたよね。フロントに行ってキーを再発行してもらう。I just come back to my room now.

    Finish!. びびった。

    編集履歴
    2019/10/21 はりきり(Mr)
    2020/05/26 追記 (写真)
    2022/11/15 地図(プラグインからGoogleMapコードに変更)
  • [Bio-Edu] 動物細胞の培養工程(USP) – 代謝産物である乳酸、アンモニアを低減化するCHO細胞の作成技術 (2018) – ID2732 [2019/10/14]

    [Bio-Edu] 動物細胞の培養工程(USP) – 代謝産物である乳酸、アンモニアを低減化するCHO細胞の作成技術 (2018) – ID2732 [2019/10/14]

    培養工程

    バイオ医薬の生産細胞株であるCHO細胞の培養において、目的物質の生産性を上げるためには、細胞を死なせないように培養を継続しなければならない。

    細胞にダメージを与えるのは、代謝物である乳酸(lactic acid)やアンモニア(ammonium)などです。

    • 高い細胞密度 → アンモニア↑、乳酸↑、(高い浸透圧)

    蓄積を抑えることができれば、細胞は死ななくなるとともに目的タンパク質の生産性を高めることが期待できます。

    これまでに、pHを下げる、培養温度を下げる、グルコースを別の糖で代替、グルコース/グルタミンの濃度を下げる、銅の添加などに関する多数の報告がありますが、この論文では、もっとシンプルに解決しています。

    • 技術
      • 乳酸に適応したCHO細胞の作成技術
    • 結果 (現在知られている最高の生細胞数)
      • 乳酸を50%削減(flask)、1/8に削減(bioreactor)
      • 生細胞数 : 35e6 cells/mL
      • 積算性細胞数 : 273e6 cells/days/ml
    Glucose + 2HPO4-2 + 2 ADP → 2 Lactate - + 2H+ + 2 ATP ・・・(1)
    Pyruvate- + NADH + H+ ⇄ Lactate- + NAD+ ・・・(2)
    ΔG = ΔG’° + RT ln(([LAC-][NAD+]) / ([PYR-][NADH])) ・・・(3)
    ΔG’° = -25.1 kj/mol 
    ΔG’° = RTlnK’eq = -25.1kj/mol・・・(4)

    Pyruvate : ピルビン酸

    ADP : アデノシン2リン酸

    文献

    A Simple Method to Reduce both Lactic Acid and Ammonium Production in Industrial Animal Cell Culture: https://res.mdpi.com/d_attachment/ijms/ijms-19-00385/article_deploy/ijms-19-00385-v2.pdf

    https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29382079/
  • [Kw] CHO細胞の大きさが培養ステージで異なる – Metabolic characterization of a CHO cell size increase phase in fed-batch cultures (2017) – ID2730 [2019/10/14]

    [Kw] CHO細胞の大きさが培養ステージで異なる – Metabolic characterization of a CHO cell size increase phase in fed-batch cultures (2017) – ID2730 [2019/10/14]

    CHO細胞の大きさ

    抗体医薬に使用されるCHO細胞の培養にいて、その増殖ステージとアミノ酸の代謝などに関する文献。CHO細胞が数を増やすことは、一般的な知識として知っていたが、その細胞の大きさの変化が、培養のステージで起こることは知らなかった。

    文献によると、本培養12日間において、培養CHO細胞の直径は、16μmから24μmまで変化した。培養終盤の直径は、22μm程度に小さくなっていった。

    因みに、この文献には、代謝に関する理論式などが示されているので、より深くCHO細胞の培養について参考にすることができる。

    文献

    Metabolic characterization of a CHO cell size increase phase in fed-batch cultures (2017)

    https://link.springer.com/article/10.1007/s00253-017-8531-y

    編集履歴

    2019/10/14, Mr. Harikiri
    2022/11/15, 追記 (培養CHO細胞の直径の変化について記載)

  • [Bio-Edu] バイオロジクス高濃度化製剤, Sanofi (2015) – ID2711 [2019/10/14]

    [Bio-Edu] バイオロジクス高濃度化製剤, Sanofi (2015) – ID2711 [2019/10/14]

    高濃度化する理由

    静脈注射(IV)より皮下注射(SC)の方が便利: デバイスにより自宅で投与可能,少ない投与量,高投与量に対応(>500mg投与の製品も多い)

    SC投与は実際には0.5-1 mLに限定されない: Manual Injectionでは~2 mLは可能,2~10mL Deviceの使用も可能,ヒアルロン酸分解酵素技術でHerceptinは5mL投与

    SC*製剤の製品

    • Enbrel(1998), 50mg/mL, Lyo
    • Humira(2002), 50mg/mL, PFS
    • Xolair(2003), 125mg/mL, Lyo
    • Simponi(200), 100mg/mL, PFS
    • Ilaris(2013), 150mg/mL Lyo
    • Herceptin(2014), 120mg/mL, PFS

    * 巻末を参照

    高濃度処方

    • Aggregation
    • Viscosilty
    • pH shifts
    • Appearance of the drug product

    Aggregation

    Lumry-Eyring aggregation model: (1) Monomeric coformational changes: 立体構造上の変化, (2) Reversible oligomerization: changed conformationと重合における平衡関係, (3) Irreversible rearrangement: 重合の態様の変化, (4) Aggregate growth by monomer addition: (1)が追加されて重合体が成長,(5) Aggregate growth by aggregate-aggregate assembly: monomerが無くても重合体同士で成長,(6) Aggregate breakage: Aggregateが壊れる

    • Theoretical calculation using spherical molecules of 150kDa and 11nm diameter
    • 200mg/mLlでは,理論上Surface-Surface distanceは,0になる.150kDaの理論上の直径は11nmである.
    • Aggretationには,2つの分子の衝突(collision)が必要で,それには,高い濃度条件に依存する
    • 分子混雑効果(molecular crowding effect)が熱力学均衡を動かし凝集体を増やす
    • 分子間距離を減らすとmAbs間の反応が変化する
    • 粘度
    • Primary particles -> Fractal elusters -> Interconnected clusters
    • Liu at al. 2005 Reversible self-assoiation increases the viscosity of a concentratd monoclonal antibody in aqueous solution. J Pharm Sci. 94, 1928-1940.mAb quasispherial model, by Ross and Minton (2005): monomer状態を維持できる条件ならば,その粘度の編曲的は,150g/Lである.
    • 温度が高いほど,粘度は高まる(Impact of aggregates formation on the vicosity of protein solutions Soft Matt (Nicoud et al. 2015. Soft Matt, DOI:10.1039)
    • アミノ酸,ポリオール,塩を使って添加剤を作る: 硫酸ナトリウムは,粘度を高める(Lilyestrom et al. 2013. Mnoclonal Antibody Sefl-Association, Cluster Formation, and Rheology at High COncentrations, J. Phys.Chem. B. 117, 6363-6384
    • 粘度は製造方法を複雑にする.製剤のデリバリーにもインパクトがある.

    pH shifts

    • タンパク質濃度に依存してタンパク質の自己バッファー能は増していく.
    • 60-80mg/mLの蛋白濃度において,10mM acetate bufferはpH4-6で一般的に使用され優れている.
    • pH shiftの起こるプロセスは,TFFと凍結融解である.

    Appearance of DP

    Drug Product (製剤)の色味です。

    • Placeboとの違いとして,色,粘度が考えられます。臨床試験の時に、Placeboなのか、薬剤なのか分かってしまうと「プラセポ効果」が起こり、臨床試験の結果に悪影響が症状るので良くありません。

    Case study of Bi-specific mAb

    • IgG4
    • 200kDa
    • Route of administration SC
    • Lyophilisate 100mg/vial
    • 100mg/mL, Phosphate/Tris, Sucrose, Proline, PS80
    • 5℃17day後,HMW Δ5.5% for 55 mg/mL, HMW Δ12% for 225mg/mL
    • 35 mg/mLの製剤の5℃安定性では,0timeで4%のDimerが30日後に13%になった

    Viscosity

    viscosityは粘度です。クリニカル組成で3w,室温保管の粘度を0tiemと比較した結果,150g/mLでは,数十から150 mPa.sに,175mg/mLでは,100から500 mPa.sに,200mg/mLでは,300から1,300 mPa.sに,225mg/mLでは,700から5300 mPa.sに粘度は増加した.

    Syringeability tests for subcutaneously

    • Needle gauge: 25-27G
    • Syringe volume: 1 mL
    • Injection time: 1 min
    • Force applied max: 10N
    • 150mg/mLを中心に±10%の濃度で検討.150mg/mLと135mg/mLでは5℃(17~23)から25℃(10~12)40℃(7~9)でのViscosityは同等,しかし,165mg/mLに高濃度となると2倍程度の増加を示した.

    文献

    High Concentrated Formulations of BIotheuraputices, Sanofi (2015): https://mabdelivery.fr/medias/fichier/sophie-carayon-mabdelivery_1436434476023-pdf?INLINE=FALSE?INLINE=FALSE

    編集履歴

    2019/10/14, Mr.Harikiri
    2021/11/01,記載整備

  • [健康] 突発性難聴の診断と治療 (KOMPAS) – ID2719 [2019/10/13]

    [健康] 突発性難聴の診断と治療 (KOMPAS) – ID2719 [2019/10/13]

    はじめに

    僕が興味を持つ健康について記事を作っています。突発性難聴は、僕自身にも降りかかった健康障害になってしまったことから、主観的な記事ななってしまうことは否めません。僕の場合は、左耳に起こりました。

    難聴の障害箇所の分類

    以下のような分類が可能です。

    • 外耳中耳: 伝音難聴 -> 突発性難聴ではない
    • 中耳: 感音性難聴 -> 突発性難聴の可能性あり

    発症機序

    2つの有力な病因が、現在考えられている。いずれも内耳に異常が生じる。

    具体的には、何らかの原因で、内耳循環障害(蝸牛循環障害)又はウイルス性内耳炎が、直接的な突発性難聴の原因と考えられている。

    循環障害とは、具体的には血栓などが詰まること。しかし、一方で、多くの発症者は、中年の比較的健康な方に生じるため、血栓などを全ての突発性難聴の原因とすることは無理があり、そのストレスによってけいれんが生じるなども病因と考えられる(一定数で発症前に風邪になっていた方がいる)。

    1. 感冒 -> ウイルス感染 -> ウイルス感染性内耳炎 (又は、蝸牛循環障害) -> 突発性難聴
    2. ( (ストレス・自律神経失調症) -> 血管痙縮・スラッジ) 又は (血栓・閉塞・出血) 又は (ストレス・自律神経失調症) -> 蝸牛循環障害 ->突発性難聴

    診断

    主症状

    1. 突然の難聴
    2. 高度な感音性難聴
    3. 原因不明

    副症状

    1. 耳鳴 : 発症を前後して耳鳴を生ずる
    2. めまい及び吐き気、嘔吐

    参考

    1. 聴力の改善・悪化の繰り返しはない
    2. 一側性の場合が多いが、両側の同時罹患の例もある
    3. 第VIII脳神経症状以外に著名な神経症状を伴わない

    治療

    一週間以内の高濃度副腎皮質ステロイド投与。内耳循環改善として、プロスタグランディンE1, ATPなどの血管拡張薬、向神経ビタミン製剤(B12)、3ヶ月程度まで回復の可能性がある。

    完治率は30%、改善は50%、改善なしは20%

    文献

    慶應義塾大学病院 KOMPAS医療・健康情報サイト:

    http://kompas.hosp.keio.ac.jp/sp/contents/000558.html

  • [健康] 体験記 –  突発性難聴になる1、2年前からふらつきがあった事を思い出した – ID1555 [2020/06/24]

    [健康] 体験記 – 突発性難聴になる1、2年前からふらつきがあった事を思い出した – ID1555 [2020/06/24]

    はじめに

    2018/12に突発性難聴に襲われました。2020/06で1.5年が経過しましたが、症状はあまり改善していません。ドクターが言うように、治らないということでしょう。

    突発性難聴(sudden deafness)は、外耳と内耳の障害のうち、内耳に由来する。内耳には、三半規管、蝸牛、前庭神経、蝸牛神経などあり、これら神経に関わる組織がやられていると、医者はいっていた。

    突発性難聴を発症する1、2年前くらいから、朝、会社へ出勤途中の歩いている時、昼に食事をし終えた直後、フワフワした感じを頻繁に感じていた。今思えば、この頃は、仕事のストレスを抱えていました。突発性難聴になった時も、相当のストレスだったので、もう限界だったのでしょうね。仕方がないです。

    当時、自分なりにググって納得していたのは食後に消化系に血液が集まる事で脳が軽い虚血状態になるという症状があると知って、おそらく自分もそのようなものかと思っていた。

    現在、突発性難聴を発症してから10ヶ月になり、発症時のあの立っていられない程の激しいめまいと吐き気からは、2, 3日後には解放されたが、かわりに耳鳴りが2, 3日後から始まっているので、常に耳鳴りとふらつき感を感じながら毎日を過ごしている。この状態と比較した時、1、2年前のあのふらつき感は、今より軽微であったが、突発性難聴の前兆ではなかったのかと思うほど似ている。

    実は若い頃にメニエール病を数回発症したことがあり、数ヶ月程度の投薬である程度の症状は改善していた。ただ、耳鳴りは数年続いたものの、突発性難聴になる頃の、1年前くらいからすっかり改善して、聴こえにくさもなくなり、左右の聞き取りにくさは区別がつかなくなっていた。(もう覚えていないが、ここまでくるまでに10年程度はかかっている)

    なのに突然の発症が起きた。今からあと10年もかけてている時間は、成長ホルモンもすくなくなるこの年齢からではっ、もうないな^^;

    関連記事

    編集履歴
    2019/10/19 はりきり(Mr)
    2020/06/24 追記(ストレスが数年続いていたことについて)
  • [Synology] Photo Stationの鍵の掛かったアルバム共有方法 [2021/02/07]

    [Synology] Photo Stationの鍵の掛かったアルバム共有方法 [2021/02/07]

    はじめに

    Synoloyg NASを導入すると無料のパッケージに「Photo Station」という写真の管理・共有サーバーがあります。iPadからは、アプリのDS Photoからアクセスが可能です。DS Photoにログインすると、アルバム一覧が表示されます。そのアルバムの内、1つを開いた後、メニューから「公開して共有」で、パスワードを掛けた公開が可能となります。

    アルバムへのパスワード設定と原理

    概要

    1. 事前準備
      • アルバムにフォルダーを作る
      • フォルダーに写真を格納する
    2. 設定
      1. フォルダを開く
        • 最も上流にあるフォルダ
        • フォルダ内にフォルダを作ることができるし、以下の許可タイプや権限の割り当ても可能であるが、下流のフォルダにこれらの設定をすることはお勧めしない。挙動が理解できなくなってしまうため
      2. 「詳細」→ 「アルバムのプロパティを編集」→
        • 「許可タイプ」
          1. 公開アルバム : Photo Stationにアクセスしただけで、表示されてしまう
          2. 個人アルバム : ログインしたユーザーが見ることができる
          3. パスワード : ユーザー権限とは別のパスワードとして扱われる。パスワードを設定すると、誰でも見ることができる。
        • 「権限の割り当て」
          • 見るこのフォルダ内の写真を見ることができるユーザーをチェックする

    DS Photoから行う

    DS Photoアプリは、iPadやWindowsにあるので、インストールしてください。

    DS Photoを起動すると、アルパム一覧が表示されます。パスワードを掛けたいアルバムを開きます。右上にある「i」のアイコンをクリックすると、「アルバム情報」画面が現れます。

    アルバム情報画面の「許可」項目には、個人アルバム、共有アルバムおよパスワード保護の選択欄が現れるので、パスワード保護を選びます。これらの用語には、英語からの日本語訳が若干変なところがあるので、適宜読み替えてください。次に、パスワードを入力して完了です。

    このパスワードされたアルバムへのリンクは、直接設定できませんが、先ずは、アルバム内に1つの写真が必要です。アルバム中にある1つの写真を開き、右上のメニュー「・・・」から「共有」を選択肢、「リンクをコピー」からリンクを取得してください。

    DSMから行う

    以下の内容は、2019/10に記述した内容で少し古い情報です。次回、updateしますが、それまでは、参考情報止まりでお願いします。

    DSMからPhoto Stationを起動

    左タグにあるアルバムを作成

    作った一つのアルバムまたは,一つのアルバム中の任意の数の写真を選択し,共有アルバムを作成(リンク,パスワードなどを設定)することで,パスワードのかかった公開が可能です。

    リンクは,共有アルバム > (作った今日アルバムの名前) > 共有▼ > 共有リンクを取得、にて表示される.

    パスワードの設定は、リンクと同様に、共有アルバム > (作った今日アルバムの名前) > 詳細▼ > 共有アルバムの編集、にて設定する。

    fin!

    編集履歴

    2019/10/13 Mr.Harikiri
    2020/10/06 追記 (DS Photoからパスワード設定する)
    2021/02/07 追記 (最も上流のフォルダの設定を基本とすること)
  • [Bio-Edu] 排除体積効果 – タンパク質を精製し濃縮する時に、知っておきたい知識 [2024/01/02更新] ID2701

    [Bio-Edu] 排除体積効果 – タンパク質を精製し濃縮する時に、知っておきたい知識 [2024/01/02更新] ID2701

    はじめに

    バイオ医薬など高分子を取り扱う場合,排除体積効果について知っておかなければならない.排除体積効果は,タンパク質の塩析の原理に関わる.また,高濃度のバイオ医薬品の処方組成(バッファ組成)をUF/DF(限外ろ過膜; Ultrafiltration/透析; Diafiltration)を用いてバッファ置換や濃縮,特に高濃度のタンパク質を調製する場合は,pH shift (Donnan effect)の対策のために理解しておかなければならない必須のナレッジである.

    抗体医薬では

    高濃度化するためにUltrafiltration Filter (UF)を用いて濃縮・バッファ組成置換を行うが、その際、濃縮過程で「排除体積効果」により組成が変化することでpHがシフトする現象が見られる場合がある。例えば、pH5の抗体溶液を30kDaのUFで濃縮していくと、あるバッファ組成ではpHは上昇していく。抗体分子の分子量は150kDa、バッファ成分は低分子であるため、抗体分子と比較してUF膜の濾過側へ濾過されやすい。濃縮前の抗体とバッファの成分との比率は、濃縮課程で「排除体積効果」により変化していく。抗体の等電点(pI)が塩基性の場合、バッファ成分が少なくなるため濃縮後の高濃度の抗体溶液のpHは濃縮前よりも高くなる。

    抗体医薬の高濃度化では、以上の現象が生じることを踏まえて濃縮およびバッファ組成置換のプロセス条件を構築することで製造工程の管理を行う必要がある (2024/01/02 by Mr.Harikiri)。

    排除体積効果

    排除体積効果を簡単にイメージすると、「体積の大きい分子が体積の小さい分子の居場所を無くす効果」となります。

    • 排除堆積効果とは、巨大分子(macromolecule)によって占有される空間体積における熱力学的効果です1)
    • 例えば、細胞内(細胞質)には、細胞の活動に必要なタンパク質(巨大分子)が局在状況(空間の体積を排除している状況)となっている1)
    • その結果、macromoleculeは、互いに接近しておりエントロピーが増加注)、また、分子間引力が働きやすくなり、分子同士の解離定数が減少(集合)する
    • macromoleculeが高密度で存在する環境では、その配置の多重度は増加する.すると分子同士が結合する状況も生まれる.エントロピーが最小になるように均衡していく.
    • その他、分子間に働いている力
      • イオン結合力
      • ファンデンワールス力
      • 水素結合
      • 疎水性相互作用
      • 枯渇力
      • source
    • 注) 重力と位置エネルギーの関係と同様の理屈で、重力すなわち分子間力が大きくなれば、位置エネルギーすなわち、分子の熱エネルギーが大きくなるsource

    液晶が並ぶ理由2)

    窮屈な状態には最も楽な状態になろうとする.ポイントは,①分子間力,②排除体積効果(),③パッキング(整列した方がよい,オーダーパラメータS=1は同じ方法,S=0はランダム),④温度(低い温度の方が安定),電気的力(+と+又は-と-よりは,+と-).

    活動係数4)

    高分子の活動係数は,濃度に影響を受ける.なぜなら,高分子であるが故,排除体積効果が無視できず,エントロピーが濃度により変化するためである.

    分子の濃度は,容積モル濃度(体積変化があるため温度に影響される),重量モル濃度(温度に影響されない),モル分率があり,熱力学を扱うには,モル分率表示が適する.希薄溶液の全モル予数を水分子のモル数に近似(55.5, 1kg)すると,溶液自身によるエントロピー変化,すなわち,アニタリー・エントロピー変化(ΔSu)を求めるられる.

    Gurney(1953)は,このΔSuの大小から,水素構造を壊すイオン(order-destorying ions)と水を構造化するイオン(order-producing inons)に分別した.

    Kauzmann(1956)は,疎水性分子を非極性溶媒から水溶液に移動させたときのエントロピー変化から求めたΔSuは負(<0)になることを見出し疎水性分子の界面間の相互作用の一因と考えた(疎水結合).

    疎水性結合による会合メカニズム

    脂肪性炭化水素や芳香族炭化水素を非極性溶媒から水溶液を移した場合,ユニタリー・エントロピー変化(ΔSu)は,-24 ~ -16 e.u.,ユニタリー・自由エネルギー変化(ΔGu)は,+3~+5 kcal/mol増加した.構造化した水槽(ice-berg)が疎水性分子の表面に形成された結果である.この系の状態は,不安定である.不安定であるため,疎水性分子は,お互いに会合(水素結合)しようとして,ice-berg量(直接的な報告としては最も多い)を減らそうとすることになる.2003年の中性子,X線反射率を使用したの報告では,iced-bergは,1.5~2nmの構造があるとされる.

    AOモデルによる会合メカニズム(Asakura & Oosawa)

    立体モデルとして高分子を大きな球,小さい分子を小さな球とする.大きな分子が互いに接近しない環境下では,小さい分子の並進運動は,使用可能空間として最大になっている.もしも,大きい分子が接近して接触し会合したとすると,会合面周辺も含めて排除領域が小さくなるため,小さい分子の並進運動に利用できる空間容積が増加する.すなわち,並進運動エントロピー(traslational entropy)は,増加して,その結果,自由エネルギーは減少する.Kauzmannも出もAOモデルもエントロピーに基づいて結合を説明している 4)

    注) エントロピーが高い状態とは,散らかっている状態,低い状態とは,整頓されてい状態.分子が取りうる可能性の大きさ.

    注) 希薄溶液は,理想気体の理論に近似できる.ΔG = -TΔS 5)

    高分子鎖の広がりと排除体積効果 (1983)3)

    Werner Kuhn,P.J.Floryは,それを思索した.Kuhnは分子の形の問題に深い関心を持つ続け,糸状分子に関する論文(1934)では,両端と中央の比率6:2.3:1の楕円体に近似できることを明らかにし、式(2)のように見積もった.

    [η] = (5/2)(N/M)[1+(p2/75)]・・・(1)

    [η]に対する分子の広がりωと形pの効果

    • [η] :固有粘度は棒の長さの2乗に比例する
    • ω :分子実体
    • NA :Avogadro定数
    • M: モル質量または分子量
    • p :軸比
    • 大かっこ[]: 形状因子

    ω0=(1/36)(π/3)1/2<R2>03/2・・・(2)

    <R2>0: 2乗平均末端距離

    等価セグメントの数 (n)と長さ(b)で表すと,式(3)となる

    Staudinger則の指数a(すなわち[η])=2では,直線の糸状分子,0.5はある程度まとまりかけた分子,0は完全に糸まりとなった状態.Kuhnはこの糸まりの膨張が,理想気体の状態方程式にタイル巣van der waalsの排除体積補正と本質的に同じ原因でおこるものと考えた

    排除体積効果と第二ビリアル係数

    Staudinger則は,いまだ,低分子の一般粘度式で成立するが,Schulzらにより鎖状高分子溶液(数万以上の固有粘度と分子量の関係)の浸透圧測定法が確立された(1935)

    浸透圧事態は,第二ビリアル係数A2がMの違いに関わらないことが明らかにされた.低分子の場合,A2はMに反比例する

    編集履歴

    2019/10/13 はりきり(Mr)
    文献3)のクラスター展開法の解説以降は省略
    2020/06/25 追記(排除堆積効果の説明に具体例追加)
    2023/10/27 文言整備
    2024/01/02 追記(抗体医薬の高濃度化での事例)

    文献

    1) 排除体積効果

    https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/keyword/2832.html

    2) 液晶が並ぶ理由

    https://www.rs.noda.tus.ac.jp/~furuelab/lc_align.html

    3) 高分子鎖の広がりと排除体積効果 (1983)

    https://www.jstage.jst.go.jp/article/kobunshi1952/32/1/32_1_26/_pdf/-char/ja

    4) 生理現象と高分子排除体積効果(Excluded Volume Effect) ─高分子活量係数(I) (2006)

     http://physiology.jp/wp-content/uploads/2014/01/068010004.pdf

    5) エントロピーと自由エネルギー

     http://www.twmu.ac.jp/Basic/physics/entropy.pdf

  • [Gear] SIM版iPadをiOS 13.1.2にアップデートしたら、モバイル通信プランが初期化されるので、モバイルデータ通信からキャリヤを改めて選択しないといけない[2019/10/11]

    [Gear] SIM版iPadをiOS 13.1.2にアップデートしたら、モバイル通信プランが初期化されるので、モバイルデータ通信からキャリヤを改めて選択しないといけない[2019/10/11]

    SIM版 iPad Pro 11

    iPad Pro 11 inchのiOSを13.1.2にアップデートしたら、キャリアの表示が消えていて、Internetにつがらなくなっていた。

    設定->モバイルデータ通信->モバイル通信プラン->simにチェックをいれることで、再設定は完了する。

    編集履歴

    2019/10/11, Mr. Harikiri

  • [Bio-Edu] タンパク質の沈殿化法の原理 [2022/12/20]

    [Bio-Edu] タンパク質の沈殿化法の原理 [2022/12/20]

    はじめに

    無機塩の高濃度添加は、タンパク質を沈殿させる基本です。タンパク質溶液に対して塩を添加することで、タンパク質の疎水性という物理的性質の強度を溶液中で強めることができます。疎水性が高まると、そのタンパク質の成分である疎水性のアミノ酸や疎水性の領域が、水を避けて互いにより集まり結合します。その性質の違いは、そのタンパク質固有のアミノ酸の含有比率に応じて、タンパク質毎に沈殿化する塩の種類、濃度、溶液pH、及び当該タンパク質のタンパク質濃度などの組み合わせに応じて重合化し、やがて沈殿化します。

    • タンパク質濃度
      • 沈殿とは分子同士が互いに寄り添い凝集することです。その基本原理からすると、沈殿させたいタンパク質の濃度が高いほど、沈澱しやすくなることは容易に理解できます。
    • タンパク質の分子量
      • 分子量が大きいほど、疎水性のアミノ酸の総数は一般論として多くなることは理解できます。すなわち、疎水性アミノ酸が増えるので沈殿になりやすいのです。
    • タンパク質のアミノ酸組成の比率
      • これは、上述のタンパク質の分子量から推定するよりは、直接的に評価できる指標です。ただし、分子の立体構造上で表面に出ている疎水性のアミノ酸として多いほどという条件も付きます。
    • タンパク質のフォールディング(立体構造)の状況
      • タンパク質のフォールディングの状態とはなんでしょうか。タンパク質は、基本的に1本のペプチドの鎖が、巻き、折畳まることで、その天然の立体構造としての状態になります。この状態が、最も血液に溶けやすくなっているのです。すなわち、疎水性のアミノ酸は内側に、親水性のアミノ酸は外側に配置されることになります。ミスフォールディングすると、その状態が不整合しているため疎水性アミノ酸が外側に多く出ている状態が起こり得て、そのため分子間での疎水性同士の結合インタラクショにより沈殿形成しやすくなります。
    • 溶液のpH
      • これは、私の経験則ですが、理由をよく考えると理解ができるものと思っています。ただ、今までよく考えて小なったので、経験則だけで説明します。バッファ組成を酸性にすると疎水性が高まり、逆にアルカリ性にすると疎水性が低下します。
      • この原理を利用して、クロマトグラフィのカラムのレジンの洗浄・再生処理には、強アルカリ性のバッファが使われます。
    • 溶液の温度
      • 反応論や溶解度の話になります。温度が高いと分子のブラウン運動が大きくなり、溶解度は一般的に高くなります。逆に、温度が低くなるとブラウン運動は低下し、溶解度は低くなります。すなわち、温度が低いほど沈澱になりやすいと推察されます。しかし、反応論的には、反応しずらくなるため、疏水性を利用する疏水クロマトにおいては、タンパク質のレジンに対する反応としての吸着性は低下するため、低い温度での疎水クロマトはワークしなくなります。
    • 溶液の初期の塩濃度
      • 塩析させる場合、塩濃度を高めるので、単純に初期の濃度を問題にしているだけです。
    • 無機塩の種類と濃度
      • 塩析させやすい塩が知られています。硫酸アンモニウムがそれです。でも、疏水クロマトにはあまり相性が良くありません。そこで、もっとマイルドなNaClや、クエン酸(Na)などが使われます。

    塩を添加する方法による沈殿化の手法は、タンパクの精製に適するレジン(樹脂)がなかった昔に多用された技術です。この技術にはデメリットもあります。沈殿化したタンパク質は、沈澱を作る過程から状態を維持する過程で、タンパク質変性のリスクが高まります。理由は、沈殿化により、必要以上に強固に寄り集まったタンパク質が、水溶液に戻すときに再溶解しない場合がある事です。再溶解時に溶解しやすいようにする添加剤としての補助的に働くものがあります。グリシンなどのアミノ酸などは、その一種と考えられます。

    タンパク質の沈殿化法による精製手法の代替法が存在します。以下の課題について解決し得る方法です。それは、疏水クロマトグラフィー(HIC)です。ここでは、HICについては論じていません(はりきり)。

    沈殿化法の課題

    • 沈殿化したタンパク質には,条件によっては再溶解の困難性というリスクがあること.
    • いれまでは,工業的に遠心機は使用しにくかったが,最近では連続遠心と自動的に沈殿画分を回収できる機種も開発されている

    ホフマイスター系列

    1888年からのHofmeisterらの色々な塩を使った塩析実験から得られた塩析の強さは、ホフマイスター系列と呼ばれます。塩析効果の高い塩は利尿作用があり、逆溶解させる塩は下痢作用があると記述があります。

    タンパク質の凝集剤としての塩・有機溶媒・高分子 (2015), 生物工学, 第93巻

    https://www.sbj.or.jp/wp-content/uploads/file/sbj/9305/9305_tokushu_1.pdf

    デバイ – ヒュッケル理論

    静電相互素作用が主たる原理であるとするとデバイーヒュッケル理論で説明できる。しかし、実際には、タンパク質の塩析曲線はベルシェイプを示し、塩の種類によって異なる曲線を示すとの報告(1932年のGreenら)がある。すなわち、静電相互作用だけでは説明がつかず、別の相互作用や水の構造変化が影響していとる予想されていた。

    イオンは水の水素結合ネットワーク

    しかし、イオンは水の水素結合結合ネットワークに影響を与えないという論文が報告(2003)され、溶液中の水の構造を変えるのではなく、タンパク質の表面にある水和水に影響して、タンパク質の性質に影響しているのであろうと考えられた。

    その理屈は、コスモトロープが水和水の秩序化→表面張力の増加→溶液は表面を減らす→タンパク質が凝集する。この理論は、リゾチームの凝集速度と溶液の表面張力の間に、正の相関があるとの結果と矛盾しない。

    塩の種類により水和水の量に変化を生じさせていることについては、選択的相互作用の量として定義すると、

    選択的相互作用の量 =塩(溶質)がタンパク質に結合している量 − 水和水により脱離してしまつた溶質の量、と定義する。値が正であれば、結合している溶質の量の方が多い、負であれば、結合している水和水の量の方が多い。

    硫化物イオンの選択的相互相互作用の量は、塩化物イオンより小さい値を示すし、硫化物イオンは、塩化物イオンと並べて、タンパク質表面から選択的に排除されていることになる。

    ホフマイスター系列

    塩析する能力を示す。

    塩析しやすい (コスモトロープ) > CO3 > SO4 > H2PO4 > F > Cl > I > SCN > NH4 > K > Na > Li > Ca > Mg > 溶解 (カオトロープ)

    ホフマイスター系列は、周期表との規則性が見られる。

    ハロゲン属では、 周期表順に同じく、

    塩析しやすい > F > Cl > Br > I > 溶解

    である。

    アルカリ金属のカチオンでは、前述の逆となっている。したがって、沈殿材傾向は、イオンの半径や電子密度、質量で説明できることを示唆している。ただし、硫酸イオンやグアニジウムイオンなど複雑なイオンとは別の説明が必要と考えられる。

    タンパク質の溶解度

    一般的に、タンパク質の溶解度は、イオン濃度を増加させると増加し、それは極大値があり、ベルシェイプを示す。

    デバイーヒュッケルの理論

    デバイーヒュッケル理論で説明すると、塩を添加していくと、溶解から凝集まで一直線に状態変化する。低濃度では、静電遮蔽によってタンパク質の分子間の反発力が静電遮蔽により弱まる→分子の容積が減る→溶解度が増す、と説明できる。更に塩を加えていくと、タンパク質間のファンデンワールス力や疎水性相互作用などの引力が強まる→凝集する、と説明できる。しかし、実際には、溶解→凝集→溶解なるため矛盾がある。

    コスモトロープ

    コスモトロープ; kosmotropeは,水の水素結合ネットワークを秩序化(コスモス)する。Structure Makerとも呼ぶ.

    タンパク質表面の水和水について考えてみると、溶解状態のタンパク質液が、凝集するまでのイベントは、以下の様になる。

    「秩序化」→「気液界面の表面張力を増加させる」→「広くなった界面は不安定になる」→「溶液は安定化させようとする」→「表面を枯らそうとする→タンパク質はより集まる」→「凝集する」

    カオトロープ

    カオトロープ; chaotropeは,水の水素結合ネットワークを無秩序化(カオス)する。溶解する理論すは、上述の逆の理屈である。Structure breakerとも呼ぶ.

    水構造緩和に対するコスモトロープとカオトロープ塩の影響

    https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/33031702

    表面張力

    水和を理解するための指標の一つ。surface tension, 表面をできるだけ小さくしようする性質。

    有機溶剤

    古くからDNA/RNAの沈殿材として用いられてきた。タンパク質への応用はアルコールによる血漿タンパク質の沈殿法から始まっている。

    原理は、水溶液の伝導率を低下させ、タンパク質間の静電反発力を強める結果、溶解度が減少するといわれるが、それだけではなく、有機分子とタンパク質の相互作用についても考慮する必要がある。

    エタノールとジオキサンの検討では、アミノ酸やペプチドの有機溶剤に対する溶解度を調べた論文では、疎水性側鎖を安定化させ、親水性の側鎖やペプチド結合を不安定化させることがわかっている。

    還元Albの検討では、エタノールは、タンパク質の疎水性部分と相互作用し変性させながら溶解度を上げるが、荷電残基の影響によりタンパク質の溶解度は低下した。

    ハロゲン系アルコールの検討では、50%トリプルオロエタノール中では、主鎖の間にできる水素結合が弱められる結果、αベリックス構造に富んだ構造に変性するが、溶解度は高くなり、最終的には、透明なゲルになる。

    エタノール中でのタンパク質の凝集の制御は、わずかなpHシフトにより可能である。凝集を防ぐにはpHをpIから外すことである。

    ①構造変化を伴う疎水性の変化

    ②溶液の伝導率の低下

    ③相互の非極性領域の相互作用

    ④相互の荷電残基の相互反発

    高分子

    高分子の中でもPEGは無毒であり、よく使用され、無荷電である。PEGは、タンパク質の選択的水和を促す。

    芳香属アミノ酸では、その溶解度は増加する。高分子が存在すると、タンパク質が存在できる空間が狭くなる。これを排除体積効果という。

    PEGは、以下の2つの作用を有する。

    ① 排除体積効果によるタンパク質の安定化と凝集

    ②弱い変性作用(疎水性アミノ酸に結合)によるタンパク質の不安定化と溶解促進

    また、高分子は、タンパク質のFoldingにも影響し、高濃度のPEGや多糖では、変性状態を不安定化させるので、ネイティブ構造が安定化し、Folding速度が増加する。

    編集履歴

    2020/11/02 追記 : はじめに
    2021/05/21 文言整備
    2021/06/01,追記(「はじめに」の説明を更に補充)
    2022/09/04,文言整備(課題として「取扱いとして液状での操作が悪いこと」を削除,遠心機は自動連続遠心機などの機種が開発されてきたことから,遠心機の取り扱い上の課題は低くなっていること,を追記)
    2022/11/24,文言整備
    2022/12/20,追記(カオトロープ,コスモとロープの英単語)