AGC Bilogics:企業概要と展開
**AGC Biologics(旧:CMC Biologics)は、AGC(旭硝子グループ)傘下のグローバルCDMO(医薬品製造受託企業)**であり、バイオ医薬品に特化して事業を展開しています。主な対応領域には、抗体、ウイルスベクター、細胞治療製品、核酸医薬(pDNA, mRNA)、エクソソームなどが含まれます。
以下,AIに聞いてみた.
経緯と名称変更の流れ
- 2016年12月:AGC(旭硝子)は、デンマークに本社を置くバイオ医薬品のCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)であるCMC Biologicsの全株式を取得する契約を締結しました。この買収は、AGCのバイオ医薬品製造事業の拡大戦略の一環として行われました。
- 2017年1月:買収が正式に完了し、CMC BiologicsはAGCグループの一員となりました。
- 2018年1月:AGCは、CMC Biologics、AGC Bioscience、Biomeva GmbH(ドイツ・ハイデルベルク)を統合し、新たにAGC Biologicsとしてブランドを刷新しました。これにより、AGC BiologicsはグローバルなCDMOとして、哺乳類および微生物を用いたバイオ医薬品の開発・製造サービスを提供する体制を確立しました。
主な拠点と機能(2025年時点)
地域 | 主拠点 | 対応モダリティ | 特徴 |
---|---|---|---|
🇺🇸米国 | シアトル、ボルダー | 抗体、ウイルスベクター、mRNA | Global Quality Standard(GQS)の中核拠点 |
🇪🇺欧州 | ミラノ(旧MolMed)、コペンハーゲン、ハイデルベルク | CAR-T、レンチ/AAV、製剤 | 細胞・遺伝子治療の欧州商用製造の要 |
🇯🇵日本 | 千葉、武蔵 | 抗体、mRNA、pDNA | 日本市場とアジアへの供給基盤 |
主な技術・製造能力
1)ウイルスベクター製造(AAV, レンチウイルス)
- HEK293や昆虫細胞系を用いたGMPスケール製造
- 商用向けに最大1000L×2基の培養能力をミラノ拠点に整備(2022年〜)
2)CAR-T細胞治療製造
- 自家/他家細胞、遺伝子導入(レンチウイルス)、増殖、凍結保存に対応
- MolMed買収を契機に臨床〜商用ラインを欧州で運用
3)エクソソーム製造
- MSC由来などの細胞からのエクソソーム抽出・精製・充填まで対応
- 現在は探索研究〜治験スケール製造が中心だが、製剤化ラインも整備中
4)製剤化・充填(自動)
- ミラノ拠点で自動アセプティック充填ライン(2022年稼働)
- 小容量バイアル・シリンジ製品に対応し、ウイルス製剤やCAR-Tにも適用
4. 連携パートナーによる高付加価値製造支援
企業名 | 所在地 | 主な連携内容 |
---|---|---|
Cerbios-Pharma | スイス | ADCにおけるペイロード合成・抗体結合技術に強み |
Oncotec Pharma | ドイツ | **無菌製剤化(凍結乾燥含む)**の高活性注射剤製造に特化 |
AGCはこれら企業と連携することで、ADC製品などのハイエンド製品にも対応できる体制を構築しています。
5. 年次で見る成長ステップ(主要マイルストーン)
年 | 内容 |
---|---|
2020年 | MolMed社(ミラノ)買収によりCAR-T/CDMO事業に本格参入 |
2021–2022年 | 1000L×2基の培養槽設置、自動充填ライン建設(ミラノ) |
2022年末 | 自動アセプティック充填ライン稼働開始(商用製剤対応) |
2023–2025年 | グローバルGMP製造統合運用(Global Quality Standards導入) |
現在(2025年) | AAV、CAR-T、mRNA、エクソソームなど多モダリティ対応の一貫製造CDMOとして確立 |
6. 戦略的意義と他社との差別化
項目 | AGC Biologicsの特徴 |
---|---|
製造モダリティの幅広さ | 抗体・核酸・ウイルス・細胞・エクソソームまで一貫対応 |
グローバル製造拠点 | 日米欧に**GMP準拠製造拠点と品質統一基準(GQS)**を保有 |
商用製剤対応力 | 製造〜製剤〜充填(Oncotec連携)まで含むフルスコープCDMO |
高活性製品対応 | ADC製品(Cerbios連携)やサイトセーフティ製剤への対応力 |
総括
AGC Biologicsは、MolMed社の買収や設備投資、連携体制の強化を通じて、
- CAR-T、AAV、エクソソームなどの商用製造に対応可能な次世代CDMO
- 日米欧をカバーするグローバルGMP体制と統一された品質運用
- 製剤化・充填・高活性製品への対応を含む一気通貫体制
を実現しており、細胞・遺伝子治療市場における戦略的CDMOパートナーとしての地位を確立しています。
編集履歴
2025/04/19 Mrはりきり