Chappy : 確認できる一次情報ベースで、日本薬局方での意味を当たります。判定式と合否基準まで整理して答えます。
現行の第十八改正日本薬局方ベースまで確認できました。次に、判定値そのものの定義と式を本文から拾います。思考時間: 33s
A: 製剤均一性の判定値とは
現在日付(2026-04-14 JST)
「製剤均一性の判定値」とは、製剤均一性試験で各単位製剤のばらつきを評価するための数値で、通常 AV(Acceptance Value, 判定値) を指します。
日本薬局方では、判定値は原則として次式で計算されます。
AV = |M − X̄| + ks
ここで、
- X̄:個々の製剤含量の平均値(表示量に対する%)
- M:基準値
- k:受入定数(n=10 のとき 2.4、n=30 のとき 2.0)
- s:標本標準偏差
原則として、最初の10個で AV ≤ 15.0 なら適合です。10個で超えた場合はさらに20個を追加して30個で再評価し、最終 AV ≤ 15.0 かつ 個々の結果が許容範囲を外れないことが必要です。
【根拠】
日本薬局方の製剤均一性試験法では、判定値の計算式として |M − X̄| + ks が示されています。さらに、L1 = 15.0、L2 = 25.0 が通常の基準値とされ、最初の10個で判定し、不適合なら30個まで拡張する二段階評価になっています。
また、M は平均値 X̄ に応じて決まり、通常は次のように扱われます。
- 98.5% ≤ X̄ ≤ 101.5% なら M = X̄
- X̄ < 98.5% なら M = 98.5%
- X̄ > 101.5% なら M = 101.5%
このため、平均値が中心値から外れるほど、AV は大きくなりやすく、ばらつき s も大きいほど AV は悪化します。
さらに、PMDA掲載の第十八改正日本薬局方およびその追補が現行の参照先であり、日本薬局方 6.02 製剤均一性試験法は ICH Q4B 文書でも三極薬局方で規格値/判定基準が調和されているとされています。
【注意点・例外】
- 「製剤均一性」は、含量均一性試験で評価する場合と、条件を満たす製剤で質量偏差試験で評価する場合があります。どちらを適用するかは製剤特性と局方の適用区分によります。
- 申請書や規格書では「製剤均一性(判定値:15.0以下)」のように書かれることが多いですが、実際には AV の計算根拠、n数、M の扱い、個別外れ値条件まで含めて評価します。
- 実務で「判定値」とだけ言う場合、ほぼ AV を意味しますが、個別品目で別規定があることもあるため、最終的には該当品目の承認規格・日局適用条文の確認が必要です。専門的判断が必要な場合は、品質保証部門、分析担当、薬事担当、または局方・承認書に詳しい専門家に確認が必要です。
【出典】
- PMDA「第十八改正日本薬局方」掲載ページ(第十八改正および追補の現行参照先)
- PMDA「6.02 Uniformity of Dosage Units」:判定式、L1/L2、k値、Mの定義
- PMDA「ICHQ4B ガイドラインに基づく事項別付属文書(製剤均一性試験法)」:三極薬局方で規格値/判定基準が調和
【確実性: 高】
必要であれば次に、**「M・X̄・s を使ったAV計算の具体例」**を数値入りで示します。
Q : 日局の製剤均一性試験の試験法において、試液の調製はメスアップ法か規定量添加法か
条文の試料液調製の書き方を確認します。結論だけでなく、どちらに固定されているか、個別品目依存かまで一次情報で整理します。思考時間: 18s
A:
現在日付(2026-04-14 JST)
日局の製剤均一性試験〈6.02〉そのものが、試液の調製法を一律に「メスアップ法」または「規定量添加法」に固定しているわけではありません。
実務上は、各条に記載された「次の方法」に従うのが原則です。したがって答えは、
「一律ではない。各条記載に従う。ただし、日局の各条記載例では『○○を加えて正確に○○ mL とする』というメスアップ型の記載が基本形として多い」
です。
【根拠】
日局の原案作成要領では、製剤均一性〈6.02〉の含量均一性試験の記載例として、
- 「本品1個をとり,**○○ mL を加えて…」
- 「□□を加えて正確に○○ mL とし,ろ過する」
- 「次のろ液 V mL を正確に量り…□□を加えて正確に V′ mL とし,試料溶液とする」
という形が示されています。これは、少なくとも標準的な記載例は“最終容量を正確に合わせる”書き方であることを示しています。
一方で、同じ日局の各条例では、たとえば「ソリフェナシンコハク酸塩錠」の製剤均一性試験で、
「水/アセトニトリル混液(7:3)約8 mLを加え…後,…を加えて正確に10 mLとする」
と規定されています。これは明確にメスアップ型です。
したがって、6.02の本体が“試液調製は常に規定量添加法である”とは言っていない一方、各条の具体的試験操作としてはメスアップ型が採られることが多い、という整理が妥当です。
【注意点・例外】
- 「規定量添加法」という言い方が、**“一定量の溶媒を順次加えるだけで最終容量を厳密に合わせない方法”**を意味するなら、日局の製剤均一性試験の標準例としては主流ではありません。むしろ最終的に「正確に○ mL」とする記載が中心です。
- ただし、個別各条では「約○ mLを加えて崩壊・抽出し、その後に正確に○ mL」とするように、前処理として一定量添加を行うことはあります。この場合でも、最終的な試料溶液はメスアップで定容していることが多いです。
- あなたの質問が分析法バリデーション上の分類(メスフラスコ定容か、ピペット等で規定量だけ加える設計か)を厳密に区別したい意図なら、最終判断は対象製剤の各条本文と承認書試験法の確認が必要です。専門的判断が必要な場合は、局方各条・承認規格・分析法バリデーション資料を扱える専門家に確認が必要です。
【出典】
- PMDA「第十八改正日本薬局方原案作成要領(一部改正)」中の製剤均一性〈6.02〉記載例(「正確に○ mL とし」)
- PMDA「ソリフェナシンコハク酸塩錠」各条案:製剤均一性試験で「…を加えて正確に10 mLとする」
【確実性: 高】
必要なら次に、
「メスアップ法」と「規定量添加法」を、日局の文章表現ベースでどう見分けるか
を、条文表現のパターンで整理します。
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